Scratchの魅力4 いつもと異なる学び方!

先月までに、私が感じるScratchの魅力を3つ挙げました。今月は最後にもう一つ大きな魅力を取り上げます。
それはScratchの学び方についてです。

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●Scratchが独自に推奨する学び方があります。「リミックス」という作成方法です。
誰かが公開しているプロジェクトを勝手に「コピー→手直し」をし、自分の作品として公開してもよいというルールです。
一般社会では、作品は独自であるべきもの、著作権を意識して作ること…が大前提です。
ところが、それを見事に裏切ったこの作り方も推奨しています。
「リミックス」をすることが、「クールな新しいアイデアへ導く」ということにつながるようです。

ただし、リミックスの範囲を明確にしておく必要があります。
Scratchが用意している猫の絵などはリミックス対象ですが、インターネットから取り込んだ画像や音声等については、必ず引用であること、引用元を明示する必要がある等利用規約にのっとった対応をすることが必要です。
Scratchのこの対応が特別なのです。
通常は「勝手に人の作品を改変することはできないこと」、「勝手にインターネット上の画像や音声、音楽を利用してはいけないこと」、については理解しておく必要があります。ご注意ください。

作成した「リミックス」のプロジェクトは、どこにでも無料で公開をしてよいことになっていますが、作成したリミックス自体も、同様に次のリミックスの対象になることを承知することになっています。
(Scratch公式HP「よくある質問と答え(FAQ)-リミックスとコピー」https://scratch.mit.edu/info/faq参照)

リミックスツリー

単に中身を眺めているだけでなく、「リミックス」して、そのプログラムを修正していく方が、よりクリエイティブなアイデアを形にできることがありますし、そこからいろいろなプログラムの作り方を学ぶことができます。

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●プロジェクトを公開すると、他のScratcherからコメントをもらえます。
「いいね!」などの感想だけでなく、「もっとこうしたら…」とか「…のようなものを作ってください」といった、意見をもらえることもあります。
そういった意見がScratchの勉強につながることもあるのです。

以前、「2進数」を扱ったプロジェクトを作りました。
私が若いころに習った、指を使った2進数の覚え方をプロジェクトにしたものです。

2進数を覚えよう!
(『2進数を覚えよう! Convert numbers!!』https://scratch.mit.edu/projects/86325322/

これに対して小学生たちからコメントが届きました。
   「「10進数」は10倍ごとに位が増え、「2進数」は2倍ごとに位が増えることを分かりやすく伝えたら良いのではないでしょうか?」
といった具合です。
   「それでは、星や5角形やサイコロはどうでしょうか」
   「いいですね!!しかしmmatchさん(私のこと)は気づいているのでしょうか?」…

勝手にプロジェクトをこうしろ、ああしろと、意見が飛び交っていました!
そしてしばらくすると、その一人から、コメント欄で私に呼びかけがありました。
「今からわずかな間だけ自分のプロジェクトを公開するので、見て感想を聞かせてください」と。
開いてみると、Scratchの画面をあたかもメモ帳のように使い、手書きの殴り書きで自分の思い描くアイデアを見せてくれました。
要するに、2進数では、011011100・・・と繰り上がり、10進数にするには1+2+4+8+・・のような計算をすることを、わかりやすく、はっきりと、プロジェクトの中で描いてほしいというわけです。
作る予定はありませんでしたが、子供たちの熱心さから、とうとうプロジェクトを作ることにしました。
子供たちの要望に応えるべく、まずどのような構成にすべきかと悩みました。
教科書とは違う切り口で、わかりやすく、楽しい雰囲気を加えた形で仕上げようと思いました。
私の技術レベルでは、細かい部分の動きは、なかなかタイミングが合わず、想像以上に苦労しました。
しかし、完成して実感。
おかげさまで大いにScratchの勉強ができ、コツが身に付きました!!

2進数わかるかな?
(『2進数わかるかな? the binary scale』https://scratch.mit.edu/projects/93129355/
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子どもたちは意見を出してはくれますが、最後までの作り方は教えてはくれません。
断片的に質問し、意見をもらって解決しています。
先生がいて、すんなりと正解に導いてくれるのではありません。
Scratcher同士で質問しあい、相談し合い、リミックスを利用して共同でプロジェクトを完成させることもあるようです。

学校でも重要視されている「アクティブラーニング」。Scratchの世界では、まさにそれが主流です。Scratchの魅力をそこに感じています。

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