Scratchと私-活用の進む3つのこだわりについて-2 大人であることを意識して作っています!

Scratchの使い方は大きく2通りあります。

  • (1)小さなロボットやLEDライト点滅など、電子工作を動かすために用いる場合
  • (2)パソコンの画面の中(ゲームなど仮想の空間)だけで用いる場合

私はたいてい後者で楽しんでいます。

画面の中は仮想の世界なので、自由にいろんなアイデアを表現することができるのが特徴です。
私はアイデアも技術面も子供たちには到底かないませんが、子供たちがプロジェクトを見てくれていることを考えると、大人として子供たちの見本になるよう心がけている点があります。

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●私はどこかで見た子供向けの科学実験、ネットや本などで興味深かったものを子供たちに紹介したくて、Scratchのプロジェクトを作ることがあります。

わざわざワークショップや実験をしている場所に行ってみないとわからない世界を、子供たちに情報として伝えたいと思い、また、私がそこでワクワク、ドキドキした気持ちを、子供たちと共有したいと願っています。

空気砲のイメージ

Scratchの世界では、多くのプロジェクトは夢のような世界として描かれています。
しかし私が伝えようとしているのは主に実際の自然現象などです。
会場で遠目で見てきたことをきちんとプロジェクトで表現することは想像より大変なことです。
いろいろと細かく調べ、嘘を書かないようにと心がけています。
さらに、子供たちが、えっ!ほんと!?と興味をもってもらえることをちょっと加えるように工夫しているつもりです。

例えば、Scratchを始めたばかりのころの作品です。
水の旅
『「水」の旅 the JOURNEY of WATER)』
https://scratch.mit.edu/projects/72413866/

どなたもご存じの内容です。
地球上を循環する水の旅をプロジェクトにしました。
スプライト(登場するキャラクター)が旅の様子を吹き出しで説明するのですが、こだわりの情報を入れてみました。
「雨水は…落ち葉から土の中にしみこみ…」という部分、そして「海の水は…水じょう気になって…上昇気流にのり…」の部分です。
ちょっとしたことですが、雨水が大地にしみ込むためには「落ち葉」が必要であること、そして「上昇気流」がないと雲になれないことを特に伝えたいと思いました!どうしても外せない言葉でした!!

ところがこのプロジェクトを見た、小学校6年生の子からすぐにコメントをもらいました。
「この作品、わかりやすいけど「上昇気流」とかはちっこい子はわかんないかも」と。
確かに少々難しい言葉だと思います。しかし、小さい子供は難しい言葉でも、興味をもてば自慢げに何度も口ずさんでいるところを見かけたことがあるので、思い切って使ってみたのだと伝えました。さらに今回はその言葉が大事なので外せないと。コメントをくれた子もわかってくれたようでした。

プロジェクトを見てくれる子の年齢は様々です。わかりやすく表現しようとは思いますが、大事な情報は省かずに子供たちに伝えたいと思います。

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●作品を作るには、まず背景とスプライトを考えます。
Scratchにはたくさんのスプライトがすでに用意されています。たとえばScratchの代表的なキャラクターのネコ「Cat」などです。
スプライトは他にもたくさん用意されているので、基本的にこれらだけでも十分にプロジェクトを作成することができます。
しかし子供たちは、実在するゲームに似せたScratchゲームや、アニメを題材にすることが多く、パクリのようなキャラクターを使っているのも見かけます。音楽もしかりです。
著作権のことを知らないのかな??と心配してしまいます。
Scratchは学校のような教育の空間ではありますが、全世界に公開するものでもあり、やはり著作権はきちんと意識してもらいたいと思います。

私はスプライトに使いたいものがない場合でも、用意されているものを分解・手直しをして、それっぽいものに作り変えるようにしています。
それでも足りない場合、(絵を描くのは得意ではありませんが、)仕方なく手書きをするようにしています。

びりびり
『静電気でビリビリッ!Get a static shock!!』
https://scratch.mit.edu/projects/78185542/

科学実験でよく見られる「百人おどし」のプロジェクトです。ここで重要なコップとそれを持つ手の素材がScratchにはなかったので、何度も何度も書き直しながら描きあげました!自分で描いたものなら著作権を意識しないで子供たちに見てもらえます。

支援員として出かけている学校ではしっかり著作権のことをきちんと勉強してもらい、今後プログラミングの授業の時には、限られた素材の中でも工夫してプロジェクトを作ってもらいたいと願っています。

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さりげなく、大人としての私から子供たちへ、メッセージを発信しているつもりです。子どもたちは気づいてくれるのでしょうか?

次回は、私からのメッセージに子供たちが反応してくれた例も一つお伝えします。お楽しみに。

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株式会社ハイパーブレイン
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