-校務支援システムの導入を考える-研修会の実施後

 こんにちは、支援員Sです。2018年となってから早くも半年となりつつあります。子供の時分は時がゆっくり感じられましたが、大人になってからは特急電車並みに早く感じられます。複雑な気持ちです。
さて、5月は校務支援システムの導入研修会について、2つの自治体様を例にお話をしました。6月は通知表作成の研修会がある自治体様もあるかもしれませんね。さて、今回は研修会を実施した後のお話をしようと思います。

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研修会を実施した後、研修会に参加した先生方は校内で研修会の内容を説明する場合が多くあると思います。その時必要となるのが、参加した「研修会の資料」です。そこでよく耳にするのが、「先日の研修会の資料はどこにありますか?」という言葉です。

私が研修会に立ち会わせていただいた自治体様の多くは、きちんと業者より各研修会の資料を電子データで受け取り、ネットワークドライブ上の共有フォルダに保存しています。しかし、ここで問題なのが、せっかく共有フォルダに研修会の資料を保存していても、どこに資料があるか学校様に「伝わっていない」ということなのです。学校の先生方はどこに研修会の資料があるかわからず、校務支援システムなどのコールセンターに問い合わせますが、「研修会資料は電子データで教育委員会様へお渡ししています。教育委員会様へご確認ください」と返されてしまいます。仕方なく、先生は教育委員会様へ問い合わせをされます。そうすると教育委員会で校務支援システムを担当されているご担当者様は電話対応に追われ、ご自身のお仕事が進まない…せっかく校務支援システムを活用して、業務の効率化を図ろうとしているのに、本末転倒の結果となってしまいます。

校務支援システムの運用ルールの整理や使い方を覚えるための研修会と同時に整備を進める必要があるのが、校務支援システムに関する研修会資料や運用に関する文書(公文書)などを参照できる「場所」の整備です。どの資料がどこにあるのか、どの権限の先生が参照できるフォルダなのかを周知していく必要があります。
資料の保存場所や参照の仕組みは自治体様それぞれ違いがあると思いますので、資料の保存についてC市様の事例をご紹介したいと思います。

<自治体C市様の事例>
校務支援システム導入1~3年
ネットワークドライ上の共有フォルダに開催した研修会ごとにフォルダを作成し、資料を保存。研修会の資料が保存されている共有フォルダは教頭先生以上しか参照できず、一般の先生が参照するには、一度教頭先生へ相談し、プリントアウトや電子メールなどで送付してもらう必要があった。
→必要なときに、必要な先生が参照できず、研修会資料の活用が進みませんでした。また、教頭先生が校務支援システムのすべての研修会に参加するわけではないので、資料の把握も上手く進みませんでした。さらに、複数の研修会で同一テキストを使用している(研修会内容が異なっても研修会資料は被っている)場合も多く、どの資料が最新か、また、自分が調べたい機能の資料をピンポイントで見つけることが難しいご様子でした。

校務支援システム導入4年以降
ネットワークドライ上の共有フォルダに研修会資料を機能ごとに仕分けして、最新版のみ保存。フォルダを参照するための権限を撤廃し、どの先生からも参照できるように変更。
→必要な時に、必要な機能の資料を誰でも参照可能となり、研修会資料の活用が進みました。学校の先生から、教育委員会様へ校務支援システムの問い合わせがあった際も、「その資料であれば○○にあります」という返答だけで伝わるようになりました。

研修会は開催して終わりではありません。開催後に活用いただくことに意味があります。そのための仕組みづくりを自治体様と業者は連携して進めていくことが求められます。

長くなってきましたね、読むのが疲れたころかと思います。第3回目のお話しはここまでとしましょう。次回の第4回目では、「統一した方が効率的だと思うけど、譲れない通知表(おもい)がそこにはあるので、通知表の統一化はとても難しい」をお届けしようと思います(なお、表題は思いつきなので、変更となる場合があります。ご承知おきくださいませ)。

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このような形で今後も月1回お届けしようと思います。行政職の皆さまには校務支援システムの導入と活用の様子について知っていただくきっかけになればと思っております。ご意見、ご質問等をどうぞよろしくお願いいたします。

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