『ICT教育についてY先生に聞いてみた!』第三回

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こんにちは、ICT営業担当のMです。今回も前回に引き続き”『ICT教育についてY先生に聞いてみた!』の第三回となります。
前回は驚くことがいっぱいでした。リテラシー向上のための動きは既に行われている。それがプログラミング教育やGIGAスクール構想である。そんな考え方があるとは……。
しかし、そんな中先生方の負担が増えるのではないかと私は心配しています。その辺のことを今回は聞いてみたいと思います。


M      先生、前回は驚くことがいっぱいでした。考え方次第なんですね……。
しかし、一方でリテラシーを向上するという、その変化のせいで先生への負担が大きくなるような気がします。教員の働き方の問題もあげられていますがどう思われますか?
Y先生 これは他者意識と事前共有、要はコミュニケーションですね。ここが大きいと思います。
M      他者意思と事前共有ですか?
Y先生 はい、例えば年度初めなんかそうなんですが、ひどい学校だと3時間くらい職員会議をしていますが、他者意識が足りないと私は感じています。
例えば、4月のスタートは~を大事にしましょうね!と細かな説明をしていますが、聞いたところで4月から配属されてきたばかりの先生が理解できるはずがないのです。
必要なことは校長先生の方針、年度初めに出すべき書類の案内、ある程度のスケジュールだけです。どれだけ時間がかかっても1時間半で終わります。


M      会議ばかりで仕事が終わらないということが書かれたビジネス書があった気します。
Y先生 そして、ICTは人を繋ぐことを知らない先生が多いことも事実です。
ITからICTのCが追加されている、Cはコミュニケーションですよね。
M      そうですね。確かにたまに先生になんでCが追加されてるの?Cの意味って何?と聞かれたことがあります。
Y先生 そして他者意識と事前共有ができればもっと時間を作ることができます。
例えば入学式があります。その内容を何かしら変更したいとします。
それを事前に、職員室で共有できるフォルダ内に保存しておく。
興味がある人、関係ある人はそのフォルダを見て、わからないことがあればコメントを入れ、修正箇所があれば、その先生が他の仕事をしている間に気が付いた人が添削や修正をする。あらかじめそういったコミュニケーションをとって連携しておくのです。
いざ、その提案内容の決定をする時、職員会議はあらかじめそういった共有が行われた後なのでほぼ話し合うことはなくなり短縮されます。


M      ああ、なるほど!会議が短くなることで、別のところで時間が使えるということですね。
Y先生 空いた時間については、もっと学年会議に時間を使ってほしいと思っています。
職員会議では子供の名前が出ることはよっぽどないのですが、学年会議は個々の名前が出てきます。子供の情報を共有することはとても大事なことなので長く時間をとっても良いと考えています。
M      職員会議を短くして子供達に時間を使う。とても良い環境ですよね。
ただ、子供たちに時間を使えば使うほど校務をやる時間が無くなる気がします。
理想のICT教育というのは一体どういうものなんでしょうか。
Y先生 私が考える理想のICT教育は先生の完全プロデューサー化です。
これは働き方改革にもつながります。
M      プロデューサー化ですか?
Y先生 お金のないプロデューサーです。予算は教員委員会にお願いすることになります(笑)子供たち一人一人の持ち味を的確に見極めてこの領域がこの子の才能だと感じたら、それを伸ばしていくイメージです。


M      現状は単元があり、決まったことを教えていき、決まった授業を何度もやっていますよね。しかし、ICTでどのように支援ができるのでしょうか。
Y先生 そもそも、私達先生というのはGoogleやWikipediaよりも知識はありません。
知りたいことは検索すれば私達が教えるより知識を得ることができるでしょう。
更に、今後AI技術が進み、教育の分野にシステムが導入され、型の決まった授業をやるだけであればAIのほうが完全に上だと思います。
そして、私達先生はAIができないことをサポートすることに専念します。
M      つまり、AIやGoogleなどのサービスを利用すれば先生方の時間が空き子供たちにその時間を使えるということですね。
Y先生 知識理解についてはICTのほうが絶対に上です。デジタル教科書もあればタブレットもあります。つまり、どこでも調べたり、学習することができます。
ところが、そういった方法で得た知識や頭脳から『その子らしさ』を見つけることは、現状AIでは難しいかと思います。
M      そこは感情のところですもんね。よく映画なんかでコンピューターには感情がないなんて言いますからね。
Y先生 技術は進んでいますが人間らしい感情をAIが持つことは、まだまだ遠いと考えています。もし、たまたま自分が得意な分野だったら先生が伸ばしてあげることもできます。


M      たしかにそんな未来だったら理想なのかもしれないですね。
私たちがご支援できることは安定した通信の提供ですかね。
Y先生 私としては安定しない通信なんかは寧ろ面白い教材になると考えています。
例えばインターネットに繋がらない端末があれば、なぜ繋がらないかを先生と子供達で考えるなんて、すごく面白い授業になると思います。
M      子供たちに障害切り分けをしてもらうんですか!?
Y先生 子供たちだけでなく先生も一緒に考えるんです。
現状、何か障害があったら何も考えずにMさんに助けてもらおうとしてしまいます。
寧ろこれを教材に使ったら面白いかもしれないという発想をしてほしいんです。


M      なるほど、そうすると私たちの仕事がなくなってしまいますね(笑)
Y先生 とんでもない。絶対に必要なんです。そこから先は技術や経験が必要不可欠だからです。
例えばインターネットに繋がらないという障害が発生したとします。
現状Mさんへ先生が問い合わせる時、再起動もしない、LANケーブルの抜き差しもしない。
考えずにすぐに問い合わせがありませんか?
M      そうですね。中には~したけど直らなかったとご説明いただける時もありますがほぼほぼ、そういったお問い合わせが多いですね。
逆に切り分けていただくとお忙しいのに申し訳ないと感じてしまいます。
Y先生 それがとても残念です。そういった症状は寧ろ考えるチャンスなんだと私は思っています。
それにそういった症状の時、Mさんへ『エラー〇〇』が出ているというメッセージだけでも伝えてもらえたら障害復旧が早くなりませんか?
M      確かにエラーメッセージはかなりのヒントになりますね。
Y先生 少しの思いやりや、考えるリテラシーがあれば障害復旧が早くなり問い合わせをした先生自体の時間も短縮され、結果助かるわけです。
エラーメッセージを伝えたり、再起動するのに技術なんて必要はないですよね。
M        そうですね、確かに障害切り分けを先生にやっていただくことで負担になると考えていましたが、少し角度を変えて見ると先生自体の助けになることもあるんですね。
Y先生 はい、少し角度を変えるだけなんです。


M      とても面白い話をありがとうございました。
全ての課題はリテラシー次第、そしてリテラシーの向上は既に進んでいる。そして、リテラシーの向上はGIGAスクール構想にもプログラミングにも自身の働き方にも影響していく……。そんな見方があるとは。
Y先生 リテラシーは他者への思いやりを意識するだけで自然と向上していきます。
そして、その思いやりを子供たちに伝えることが私達の仕事だと思っています。

M      先生、貴重なお話をありがとうございました。
Y先生 こちらこそ、お話しする機会をいただきありがとうございました。

Y先生はとても楽しそうに、自らの思いを話してくださいました。
本当に子供たちの未来に期待しているのだと思います。
先生は、対談中何度も『他者意識』と『世界基準』という言葉を使われていました。
つまり、『思いやり』ということです。これは人間にとって最も大切なことだと思います。
これから私達ハイパーブレインもこの『思いやり』を意識して、子供たちの未来のため、そして先生方のため、I『C』Tで支援していきたいと思います。