ICT支援員とGIGAスクール構想その4

カテゴリー: インタビュー   パーマリンク

こんにちは、ICT営業担当のMです。全6回のうち、4回目の連載になります。

前回まで、ICT支援員の在り方について、現場目線でのご意見やご要望をY先生よりいただきました。ICTについてリテラシーが高いことは当然。それに加えて児童心理学や育児に対する知識が必要。ICT支援員に求められることは多くあることを知りました。

今回は弊社ITCE1級保持者のOの理想の教育現場についてと、それに対するY先生の見解を伺いたいと思います。

 

M            前回、ICT支援員について沢山のご意見、ご要望をY先生にいただきました。私達はICTに対する知識を伸ばしていくことに重点を置くべきだと考えていましたが、児童心理学や育児の知識が必要だということが何より重要であることを知りました。本当にありがとうございます。

 

Y先生      こちらこそ、ありがとうございます。

 

M            今回から、ICT支援員目線での理想の教育についてITCE1級のOさんに伺いそれについてY先生よりご意見をいただければと思っています。早速ですがOさんにとって、理想の教育現場いうのはどういった形なのでしょうか。

 

O             GIGAスクール構想でのタブレット一人一台にしろ、スマホにしろそういった端末をノートや鉛筆と同じように文房具として使われている環境というのが最終形態なのかなと思っています。しかしそこには一足飛びでは行けないので、どのように段階を踏むのが良いのか考えています。子どもたちが問題ではなく、寧ろどちらかと言えば先生、保護者、地域の人のICTリテラシーが向上しないといけないのかなと。Y先生はどのようにお考えになりますか?

 

Y先生      なるほど。ちなみにICT機器を文房具のように使うということを文部科学省が   いつから言っているのかご存じですか?

 

O             かなり前から言っていますよね。情報活用能力についてはもう30年ほど前では  ないでしょうか?

 

Y先生      その通り、明記されたのが昭和64年。それから30年以上たっても現状です。 ここで、なぜノートのようにならないのか?という視点が重要です。結局、まずパソコン教室に行かなければならなかった。そんな時代だったということです。しかしGIGAスクール構想により一人一台のタブレットが来るとここに必然が生まれてきます。新しいデジタル教科書もWebブラウザとなり、一人の手元に行きやすくなりました。放っておいても先生たちが取り残されるだけでおっしゃるとおり子どもたちは変わってくると思います。家庭では既にやっていたりしますからね。そして、今回のコロナ渦ではっきりしてしまったんですが「学校にいかなくていい」ということです。私は正直これは正解だと思っています。

実は既に表向きには「コロナが怖い」という理由で学校に来ない子どももいます。

 

M            そういう子どもの成績とかはどのようになるのですか?

 

Y先生      文部科学省がそういった場合の代替を認めると言っていますのでレポートなんかを提出すれば1や2はつきませんよ。

 

M            そうなんですか!しらなかった…。

 

Y先生      先生たちのリテラシーを上げることに関しては私も努力してきましたが、はっきり言って無理です(笑)中学校は割とリテラシーの向上をしていく必然がでてきていまして、教科担任制なので情報共有という必然があり、様々なICTのソリューションを利用していくことで合理化されていくと思います。しかし、小学校は非常に厳しいです。完全に学級王国になっていますので。つまり、無理なものを無理してはいけません。先生方の講習会などに参加するとわかりますがリテラシーを上げようとする先生は放っておいても上がっていきます。上げようとしない先生は何をしても上がりません(笑)

 

M            なるほど…。どうしようもないんですね。

 

Y先生      人対人の中で全員が自分の考えを自分の思い通りに考えてもらえるなんてことはありえないんです。何かの行事を行うにしてもその行事に価値観を持てる子もいれば、体育祭や運動会などでは「運動嫌い!」とモチベーションが上がらない子もいます。そんな時、私は「風呂敷理論」というものを使っています。

 

O             「風呂敷理論」ですか。

 

Y先生      はい、風呂敷をテーブルの上に広げてどこか一端をつまみます。つまんだ瞬間はその箇所が少し上がるだけですが、それを思い切り引き上げると全部上がりますよね。これです。

 

O             なるほど!!

 

Y先生      リテラシーをあげたいところの先生にリモートの支援も含めて徹底的にあげてしまうんです。

 

M            風呂敷を上げると確かにつまんだところを発端に周りが上がっていき最終的には持ち上がりますよね。

 

Y先生      そうです。つまり、無理な人に上げてもらうことというのははっきり言ってかなり無駄なんです。

 

O             リテラシーを上げたい先生の高みを目指すことを「先生、こういう方法もありますよ!」という形で徹底的にご支援させていただくということですね。

 

Y先生      そうです。例えば、「ハイパーブレインの研修室でこういうことを19時から教職員向けに研修会を開いているのでよろしければ参加しませんか?」なんてことをしていくと効果的だと思います。

 

O             いいですね!!

 

Y先生      そして、その人のリテラシーがどんどんあがっていき、その人のクラス凄い!その先生に関わった子ども、保護者がすごい幸福感に満ちているとなれば、次に「興味はあったけど一歩踏み込めなかった」先生が巻き込まれていきます。最後にどうしてもそういったことを認められず、受け入れることができなかった先生は落ちこぼれていきます。それは自己責任ですね(笑)

 

M            まぁ確かにそうですよね…。

 

Y先生      仕方ないじゃないですか、教職員という特殊な人間は一筋縄ではいかない。理屈も通用しませんし、法律も通用しないんです。ずっと言っていますが独裁王国です。これは歴史にあるとおり、滅ぼすしかありません。先生や子どもを滅ぼすわけではなく、王国として滅ぼすという意味です。滅ぼす方法として一番被害が無いのが人海戦術で取り囲んで兵糧攻めにするしかないです。

 

M            まるで孫氏の兵法ですね(笑)

 

Y先生      無理やりに戦えばお互いケガをします。そういう方とは戦わない。その代わりに理解者を増やしていき、結果的にその人が「自分もやらなくちゃ」と変わってくれることは本当にすごいことなので、その時は何十倍も支援してあげてほしいです。

 

O             はい。もちろんです。

 

Y先生      先ほどからあえて結構きつい言葉を使っていますが、そういった先生に対して拒絶ではなく待ってあげる心をもってほしいです。

 

M             Oさんの理想の教育現場、未来の教育現場は今の話だと必然的にそうなっていくってことですか?

 

Y先生      なっていきます。すごく割合的には少ないですがそういったリテラシーが高い先生と具現化していってもらえればと思います。ある一つのクラスでも、そこから広がっていった学校でも、そこで徹底的に実行していってください。

 

“風呂敷理論”、また新しい考え方を教えていただきました。なるほど、確かに私も経験上、周りに引き寄せられ伸びていくことがありました。それは尊敬する先輩や友人以外でも、いくらその人間が苦手であっても素晴らしいことがあれば真似したり、参考にしたり。ICTを文房具にする未来もそういったことの積み重ねで現実的になっていくのかもしれません。次回も引き続きOの理想の教育現場についてお話ししていきたいと思います。

2010