<常駐支援日記 3月号>-Scratchを使用したプログラミング学習–

みなさん、こんにちは。情報システム常駐支援を行っているYです。3月となり、春も近づいてきたためか、暖かい日が多くなってきましたね。日中と夜間とで気温差が大きい日も多いので、皆様もお体には気をつけてお過ごしください。
さて、小学校では2020年度からプログラミング教育が必修となりました。ただ、プログラミングの授業といっても何をしたら良いかわからないという先生方も多いのではないでしょうか。今回は文科省からプログラミング教育の利用ツールとして挙げられているScratchについて、使用した際の体験談も交えて、お話させていただきたいと思います。

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まず、Scratchとはどのようなアプリか簡単にご説明させていただきたいと思います。Scratchは米国のマサチューセッツ工科大学のMITメディアラボという研究所が作成したビジュアルプログラミングアプリケーションです。命令のブロックを組み立てるだけでプログラミングを行うことができ、工夫次第ではゲームやアニメーションのようなプログラムが作成できますが、作成するには様々なブロックを組み合わせながら試行錯誤する必要があります。
実際に私自身Scratchを使用し、シューティングゲームを作成してみましたが、考えることが多く、思っていた以上に作成時間がかかりました。例えばキャラが発射した弾が敵に当たった場合、敵が消えるというプログラムを作成しようと思いましたが、敵に当たった場合といった判定をどのように作成するか悩みました。ふとブロック一覧を見てみると「〇色が△色に触れた時」というブロックが目についたので、ここでもしかしたら〇色で弾の色を指定し、△色で敵キャラの色を選択すれば意図した動作をするプログラムが作成できるのではないかと考え、そのようにプログラムを作成したところ、思ったとおりの動作をさせることができました。直接的な言葉の命令ブロックはなかなかありませんが、組み合わせることで様々な表現をすることができるため、そのようなアイディアを発見した時の喜びは子ども達も感じるのではないかと思いました。
Scratchを実際に触ってみて感じたことを書かせていただきましたが、体験してみて良かった点を以下にご紹介させていただきます。

まず、コードを書く必要がなくブロックを組み立てる感覚でプログラミングできるという点です。実際にプログラミングを作成するにはJavaやPythonといった言語を覚え、コードを記述していく必要がありますが、Scratchではコードをブロックで表現しているため、組み合わせるだけでプログラミングを体験することができます。
また、プログラミングが動作する様子だけではなく、どう作成したかも簡単に見ることができるため、授業等で使用する場合は互いに発表しあうことで新たな発見ができるのではないかと感じました。
しかし、授業で使用するとなるといくつか念頭に置く事項があると思われます。例えば操作は簡単にできますが、タイピングやマウスの使用方法を理解していないと作成は難しいのではないかと感じました。小学校でScratchを触る際は事前にタイピングやマウスの操作方法を学んでおくことが大切だと思われます。

また、いきなり一からプログラムを作成となると難しいと思うので初めは目的を作り、どのブロックを入れると目的通りの動作をするのか等、事前にテンプレートを作成し、段階を踏んで学習をする方が良いかと思います。

これから始まる小学校でのプログラミング教育の場では、Scratchが様々な場面で使われるようになってくるかと思われます。論理的思考力を育むには体験を通して学習することが必要ですが、その面でScratchはプログラミング教育ツールとして適していると思われます。ただ、パソコンに慣れていない子ども達も多いため、ある程度の事前準備が必要となります。
私たちはScratch等を使用した授業支援も行わせていただいております。プログラミングの授業等で何かお困りのことがございましたら、ご相談いただければ幸いです。

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今回まで月1回お届けしてきました常駐支援の日記も今回が最後となります。1年間ありがとうございました。常駐支援について、参考になれば幸いです。ご意見、ご質問等をどうぞよろしくお願いいたします。

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