教育の情報化に関する手引き第9章 特別支援教育にもICT機器が役に立ちます

皆さんこんにちは、教育の情報化に関する手引き第9章は「特別支援教育における教育の情報化」について述べられています。

「これまでの章で述べた各教科等の指導でのICT活用や情報教育(情報モラル教育を含む。)などの内容に僅かな配慮や工夫をすることで、特別な支援を必要とする児童生徒への指導に大きく役立てられることを述べている」、と冒頭に書かれている通り、ICT機器を整備し、活用し、分かりやすい授業を行っていく中で、ほんの少し工夫すればさらにわかりやすい授業を受けられる子どもたちが増えていく、そんな方法について書かれています。

平成26年5月1日現在、義務教育段階の全児童生徒数1019万人に対し、約34万人、3.33%の児童生徒が特別支援教育の対象とされていますhttp://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/002/1329076.htm 

教育の情報化に関する手引きには平成21年5月1日現在として、義務教育段階の全児童生徒数が1074万人、特別支援教育の対象とされる児童生徒数は約25万1千人、2.34%だと引用されていますが、わずか5年の間に児童生徒数は減ったにも関わらず、特別支援教育の対象児童生徒数は約9万人増加していることがわかります。

第9章は第3章から第8章の内容に対応させて第3節から第8節が構成されているので、適宜対応する章を参照して頂ければと思います。

194Pで改めて念を押されていますが、「特別支援学校の教員だけでなく教育の情報化に関心のあるすべての方に読んでいただきたい」とあります。

教育の情報化ビジョンの際にもお話しいたしましたように、私は盲学校(当時の名称)で教育実習を行いました。http://ict-help.jp/hbi/tokubetsusien-57/
得難い経験と、先生方の努力には本当に頭が下がりますが、たとえば「教科書の拡大」に関してはICT機器に任せておき、先生方は別の「どうやったらわかりやすいか」「子どもたちの意見を引き出さるか」等に注力して頂ければさらにどんなすばらしい教育が行われるのだろうと思います。

自治体内に特別支援学校がない行政職の皆さんも多くいらっしゃると思います。ですが、管内に特別支援学級がない、という自治体は非常に少ないのではないかと思います。
導入の際、ぜひとも現場をご確認いただき、機器構成の際にご考慮頂ければ、この第9章の各所に書かれているヒントがとても活きてくると思います。

実際の授業でどのように使われているか、具体例もたくさん載っているのですが、もちろん無尽蔵に機器を導入することはできません。
209Pでも述べられていますが、「幅広い児童生徒が情報機器を操作することを考えると、まず支援が必要と思われる事項は入力装置に関する部分である」と言えます。
キーボードやマウスを当たり前のように使う行政職の方も多いと思いますが、一般に仕事でPCが普及し始めた黎明期には「カーソルが上に行かない」「どうやって操作してるの」「こう(マウスを垂直に持ち上げる)」といった今では笑い話のような話がそこかしこで見られました。
初めてマウスを見て操作をする、というのは直観的には非常に難しいことがお分かり頂けるかと思います。そのため、「入力が思うようにできなくてストレスを感じたり、操作方法を理解することが困難であったりすること」が発生します。
そのような場合には「後述の(210P)肢体不自由のある児童生徒が情報機器を操作するために使用する様々な支援機器を適切に応用することで、入力環境をシンプルにすることができる」とあります。
タッチパネルは特に有用であると紹介されていますが、その他にもタブレットパソコン等も活用できると述べられています。
ですので、入力装置についてはかなりの部分で使いまわしが効くということが言えます。特別支援教育が必要な児童生徒だけではなく、低学年の子どもたちが使う場合もタッチパネルでの入力は非常にわかりやすいですね。

「この機械はほかにどんなことに使えるだろう」「どういうことが必要だろう」ということを考えて頂く際のヒントとして第9章をご活用いただければと思います。

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