教育の情報化に関する手引きを待ちに待っていました

皆さんこんにちは

2019年12月に教育の情報化の手引きが発行されました。
GIGAスクール構想が立ち上がり、それに伴った内容に書き換えていたため公開が遅くなったとのことです。
今週からはこの手引きを読んでいきたいと思います。
とはいえ、本編254ページ、付録も合わせると360ページという超大作なので、要所要所を確認しながら読んでいきましょう。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00117.html
教育の情報化に関する手引きイメージ

 

 本日ははじめにと第1章第1節社会における情報化の急速な進展と教育の情報化についてご説明させていただきます。

 はじめに、を読んだときに、今までにない強い断定で「我が国の学校におけるICT活用状況は世界から大きく後塵を拝しており、学校のICT環境は脆弱勝地域間格差も大きく危機的な状況となっている」が非常に印象に残りました。
 家に帰って宿題のためにPCを使う割合がOECD加盟国の中で最下位の日本。この結果も一つの理由としてのこの強い言葉だと感じます。
 学習指導要領では「情報活用能力」を学習の基盤となる資質・能力と位置付けました。
情報活用能力の育成のためには、ICT機器は欠かせない、むしろあって当然、というスタンスが貫かれています。ICT機器がなくても情報活用能力の育成はできますが、ICT機器を無視して、それが世の中にないこととしての情報活用能力の育成は困難を極めるでしょう。

 続いて第1章第1節社会における情報化の急速な進展と教育の情報化 についてです。
 技術の急速な進展については皆様実感されている通りだと思います。更に未来を考えるなら、子どもの数が減り、つまり大人になる数が減り、寿命は延びて高齢化社会を迎えることも実感されている通りです。そうすると、今まで人力に頼っていた部分を頼れなくなってしまいます。情報技術はそこの穴を埋めていくことも期待されているわけですね。
それなら教員の仕事は減るか、教員を減らしてよいか、ということになるとなかなかそうはいかないと考えられます。今までは見過ごされていた特別な支援を必要とする児童生徒が、情報技術の進展に従って、「もう少し配慮すればもっとうまくいく」という状態を見つけられるようになってきました。
ではその配慮についてはどのようなものがよいか、医学的配慮は医者がプロです。学習する、学ぶ、というそれは教育のプロである先生が考え、実施していくのが一番早いと考えられます。
どの子どもも、楽しくのびのびと過ごせる世の中を作っていくことができるといいですね。
それを考えると、これからの学びにとって「ICTはマストアイテム」という言葉からも「ICT環境は鉛筆やノート等の文房具と同様に教育現場において不可欠なものとなっていることを強く認識する」という言葉からも、ICT環境については、先生が管理して許可を出すようなものではなく、ノートや文房具のように子どもたちが主体で使っていくもの、という認識の変更が必要になってくると考えられます。
そのため、行政職の皆様は、先生方に「管理するの大変だと思うけど管理しなくちゃと考えなくていいよ」というスタンスをお伝えいただければと思います。そもそも、1人1台入った場合、すべてを先生方で管理するのは無理です。そこには必ず人的支援が必要です。それは、教育のこともICTのことも分かっている人材でなければなりません。
なぜなら、単なる情報化を行うわけではなく、「教育の情報化」でなければならないからです。具体的な3つの項目は

  • 1情報教育
  • 2教科指導におけるICT活用
  • 3校務の情報化

です。これらの教育の情報化の実現を支える基盤として

  • ・教師のICT活用指導力等の向上
  • ・学校のICT環境の整備
  • ・教育情報セキュリティの確保

の3点を実現することが極めて重要であるからです。

これらは、学校現場に初めて入る、という人に説明をするのはとても困難です。そのため、業者と教育委員会の間を橋渡しできる、通訳できる教育情報化コーディネーターがいると話がスムーズです。
何度も書いております通り、同じ言葉を使っても解釈は全く違う、ということは起こりがちです。そして、それに気づくのは大変なことが起こってから、ということが多いです。「校内LAN」が何を指しているのか、試しに周りの人と確認してみてください。
 今回のこの手引きは、非常に危機感をもって作成されていることが伝わってきます。学び方が、画一的な一斉授業からより個々の児童生徒に最適化されるものへと変わっていくことが必要であると考えられます。学習規律等も新しい考え方が出てくると思います。
 ですが、変わる、というのは難しいことですね。行政職の皆様は、学校の先生が今までとは違う非常に多くのことを受け入れなければならない、ということをご理解いただいていると、導入もスムーズかと思います。

 

 次回はこの続き、社会における情報化の急速な進展と教育の情報化をお送りします。最初はゆっくり目に行きますのでよろしくお願いします。
 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

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