情報モラルは、注意喚起で終わりではありません

カテゴリー: 2020教育の情報化に関する手引き   パーマリンク

皆さんこんにちは

2019年12月に教育の情報化の手引きが発行されました。
GIGAスクール構想が立ち上がり、それに伴った内容に書き換えていたため公開が遅くなったとのことです。本編254ページ、付録も合わせると360ページという超大作なので、要所要所を確認しながら読んでいきましょう。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00117.html
情報モラルのイメージ

 今回も、情報モラルについてご説明します。
 情報モラル教育が大事だということはみんなすぐにわかりますが、ではどのように教育していけばよいか、となると先生が各個人で考えるより、ベースとなるものがあり、そこから更に発展していけるものがあると便利ですね。
 手引きには情報モラルの教科等における指導例も載っていますし、「情報社会の新たな問題を考えるための教材 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1416322.htm 」の紹介もあります。あるものをまず参考に、目の前の子どもたちにどう当事者意識をもってもらうか、ということを考えられるといいですね。

 情報モラル教育に当たり教員が持つべき知識として、手引きではまず
・学校と保護者が連携して児童生徒のインターネット利用の実態を把握することが必要
 とあります。
 そのうえで、教員自身が情報モラルに関する知識を持っていることが必要である、とあります。
 その知識とは、具体的に見ていくと
・インターネット上で起きていることに関する知識
 例:メッセージアプリ内の会話による悪口や仲間外れ
   成りすまし投稿による誹謗中傷

   フリマサービスやオンラインショッピングでのトラブル
   不正アプリやウイルスによる個人情報漏洩
   ワンクリック詐欺やウイルスなどによる不当請求
 などが挙げられています。これらは総務省の「インターネットトラブル事例集 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/jireishu.html 」にまとめられています。

 併せて必要なのが、法令の知識です。
 モラルの問題では済まされず、犯罪になることが手軽に実施できてしまう世の中になりました。
 どういう場合はどういう法律で守ってもらえるのか、という観点からも一度は確認しておいていただくとお仕事が楽かなと思います。
 手引きには14法律が挙げられています。少し長いのですが引用してみましょう。なお、調べやすくするため、画像ではなくテキストで引用します。

  • ○刑法:法務省 ※脅迫,名誉棄損 等
  • ○プロバイダー責任制限法(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律):総務省
  • ○出会い系サイト規制法(インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律):警察庁
  • ○児童買春・児童ポルノ禁止法(児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律):警察庁
  • ○不正アクセス禁止法(不正アクセス行為の禁止等に関する法律):経済産業省
  • ○迷惑メール防止法(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律):総務省
  • ○著作権法:文化庁
  • ○特許法:特許庁
  • ○電子契約法(電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律):経済産業省
  • ○特定商取引法(特定商取引に関する法律):消費者庁
  • ○リベンジポルノ防止法(私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律):警察庁
  • ○青少年インターネット環境整備法(青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律)
  • ○個人情報保護に係る法令
  • ○青少年健全育成条例 等

教育の情報化に関する手引き https://www.mext.go.jp/content/20191219-mxt_jogai01-000003284_002.pdf P50より引用

問題が起こってしまった時にどうすればよいか、ということを考えるにもこれらの知識は必要ですね。本来傷つけられる子供がいてほしくはないのですが、社会生活を営んでいるとどうしても、意図せずに犯罪に巻き込まれてしまうことはあります。その後どうすればよいかということは確認しておかないといけないですね。通報先や削除依頼について等理解しておけば慌てません。

そのためにも、家庭、地域との連携が重要である旨述べられています。
理解の共有や、最新情報の共有も必要ですが、何より、「自分が思っていることと相手が思っていることが違う」ことの認識を広い範囲で持っておきたいですね。
 先日参加したシンポジウムで、静岡大学の塩田真吾先生がお話しされていた「カードを使って相手と自分の違いを理解する」の取組はとても素晴らしいと思いました。
 https://linecorp.com/ja/csr/newslist/ja/2018/190 このリンク先の冊子の中にカードがあります。
 例えば、
1 友達にやられて嫌なことの順番にカードを並べる
   例:写真をSNSにアップロード、途切れないおしゃべり、自分のいないところで自分の話題が出される 等々
2 その中で、どうしても許せないところで区切りをつける
3 4人以上で話し合う

 という順番でワークショップをやったのですが、見事にみんなバラバラでした。どうしてもいや、というラインも人によって違い、そのラインが違う人同士がトラブルになりやすいという解説がありました。

 例えば、私は途切れないおしゃべりは別に嫌ではないのですが、一緒に参加していた人は絶対に嫌だということでした。つまり、私が悪気なくおしゃべりし続けると、相手はとても嫌な気持ちになるということですね。
 こういう差異を可視化し、自分が嫌じゃないことでも相手が嫌なことがある、ということを根本的に理解していく必要がある、ということでした。
 これはとても分かりやすい実践だと思います。ICT支援員の研修にも取り入れてみます。

 次回は、プログラミング教育の推進についてお送りします。
 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。