教員の多忙化の現状について どうして教員は多忙なのか?

皆さんこんにちは。これまで20回にわたり「教育の情報化ビジョン」「教育の情報化に関する手引き」「教育のIT化に向けた環境整備4か年計画」のご説明をしてきました。

 

行政職の皆さんが、教育の情報化を推進しようとする際に必ず目を通しておいたほうが良い資料の3つなのですが、そこで必ずといっていいほど課題になっているのは「教員の多忙化」問題です。
今後何回かに分けて、その問題についてご説明させていただければと思います。

 

これを読まれている行政職の方が知っていらっしゃる小学校、中学校の先生の様子はいかがでしょうか。
私は小学校3年生の時の担任の先生が大好きで、宿題の「自主ノート(自分で好きな勉強をページ数分する、算数ドリルでも漢字ドリルでも可)」に拙い童話もどきを書いては提出して感想をもらうのがとても楽しみでした。
今から思えば、朝提出した全員分の自主ノートを確認し、1時間目から6時間目まで授業をし、帰りの会で自主ノートを返してくれた上に私や他の子が書いた童話もどきに感想を書いてくれていたその先生は、とんでもないことをしてくれていたんだなあと思います。
もちろん、当時はそんなこともわからず、初任者研修帰りの先生に「なんで今日は読んでくれなかったの」等難癖をつけていましたけれど。

 

先生は多忙です。ではどうして多忙なのか。行政職の皆さんはどう思われるでしょうか。
私は、先生は「他人の都合で」仕事をするから多忙なのだと思っています。

 

以下は大阪市がある教頭先生の半日の仕事を図式化したものです。
多忙な教員の実態

出典:文科省 2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会(第2回)資料3 大阪市教育委員会発表資料 (PDF:1916KB) 2P http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/1369517.htm
これをご覧になるとお分かりいただけると思いますが、2/3以上の時間を「他人に呼ばれて」費やしていることがわかります。
教頭先生が教頭先生のペースでお仕事できる時間はほぼないに等しいのです。担任を持たない管理職の先生でこういう状況だということをご確認ください。

 

担任を持つ先生なら、朝8時半から15時まではまず間違いなくすべてが子供たちのための時間に入れ替わります。
それを行政職の皆さんで例えると、朝は打合せの会議があり、そのあとすぐ自分主催の会議が6回分入り、その後その会議の報告書を書き、明日の会議の次第を作る、というような具合になるかと思います。

その合間に学級費の計算をし、給食費を徴収し、保護者向けのお便りを作成し、テストの○をつけたり成績処理をしたり、テストを作成したり、自治体や文科省からの調査に回答したり、日記に返事を書いたり教材を作成したり、本当に大変な時間のやりくりが必要になっている状態です。

 

私の家の近くの小学校の職員室の明かりはいつも遅くまで煌々とついていて、私としては先生に早く帰って休んでいただき、元気いっぱいで子供たちに対応してもらいたいのですが、なかなかそううまくはいかないのが現状です。

 

その現状について、OECD国際教員指導環境調査(TALIS)と教育基本法を元にして次回もう少し詳しく説明させていただければと思います。

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