プログラミング教育の実践事例の紹介数が増えています

皆さんこんにちは

 小学校プログラミング教育の手引き第二版が公開されました。円滑なプログラミング教育の実施の推進のために作成された資料です。第一版については4月9日から6月11日にかけて、カテゴリー「小学校プログラミング教育の手引き」にてご説明をさせていただきました。http://ict-help.jp/hbi/category/%e5%b0%8f%e5%ad%a6%e6%a0%a1%e3%83%97%e3%83%ad%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%9f%e3%83%b3%e3%82%b0%e6%95%99%e8%82%b2%e3%81%ae%e6%89%8b%e5%bc%95%e3%81%8d/
 11月6日に第2版が公開されましたので、再度ご説明をさせていただければと思います。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1403162.htm

実り多いプログラミング教育のイメージ

今回は、「第三章」の主な改訂場所を中心にご説明させていただきます。
主な改訂場所については、http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/11/06/1403162_03_1.pdf こちらに掲載されています。

第3章はもっとも大幅な改訂が行われています。「具体的な事例がもっとほしい」という声にこたえて、指導事例が追加されているわけですが、中でも以下の学習活動の分類でいうところのA分類、B分類、C分類、の事例が具体的となり、紹介が増えています。
小学校段階のプログラミングに関する学習活動の分類

小学校プログラミング教育の手引き(第一版)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/03/30/1403162_01.pdf 19Pより引用 ※第二版でも同じ分類のため流用

A分類は学習指導要領に例示されている事例、B分類は学習指導要領に例示はされていないが各教科等の内容を指導する中で実施するもの、とあります。先生方はこの二つを実現するために、どうしたらよいかということを非常に悩まれている姿をよくお見受けします。
C分類は、各教科とは別に教育課程内でプログラミングに関する学習を行うもの、と定義されています。導入当初はこのC分類を行っていくことが多いのではないかと思いますが、「プログラミング的思考」の育成、プログラムのよさ等への「気づき」、コンピュータ等を上手に活用しようとする態度の育成を図ることなどをねらいとして実際にプログラミングツールを使う技能の基礎を学んでいくものです。
「正多角形をScratchで理解できるようにするために操作の最低限を習得する」といったような時間ですね。
ご支援している自治体では、小学校6年間を通したカリキュラムを作成し、各学年で「この授業を行う」→「だからプログラミングツールのこれを習得する」をセットにした3時間単位の学習を行うこととなりました。
音楽の授業で使うためには音ツールをある程度操れることが必要になります。図形を描くには角度の指定の仕方やペンツールの使い方がわかっている必要があります。そのため、C分類はA分類やB分類の授業とセットで考えると習得する技能について迷いが少なくなるのではと思います。

A分類では算数の正多角形、理科の電気の性質や働き、総合的な学習の「情報化の進展と生活や社会の変化」を探求課題とすること、「まちの魅力と情報技術」、「情報技術を活かした生産や人の手によるものづくり」が紹介されています。
総合的な学習は何時間にもわたって探求していくわけですが、その中の一部のツールとしてプログラミングツールを使ったり、一連の探求を通してプログラミングツールをじっくり使っていく方法もありますね。これらは教科書にどのように紹介されるかが非常に待ち遠しいところです。

B領域では音楽、社会、家庭、総合的な学習の事例が掲載されています。
ICT支援員がこのB分類を元に作成したパワーポイントには、炊飯器の仕組みを詳しく解説した後、途中までフローチャートで表し、その続きを子どもたちに考えさせ、ワークシートに書き、その後実際にそれをScratchでプログラミングしてみる、という流れをかいてあります。
先生にこれをご提示すると、即座に授業にされてしまうのでいつも舌を巻く、と言っていましたが、そのパワーポイントは支援員全員で共有して、ご提案の材料としています。

C領域では、プログラミングの楽しさや面白さ、達成感などを味わえる題材などでプログラミングを体験する取り組みがまず紹介されています。楽しいツールがたくさんありますので、私たちとしてはできるだけ多くのツールを知り、先生の求めるものに近いものをご提示できるよう勉強しています。高価であったり安価でも動きに難があったりと、ツールには様々なものがありますので、近くの科学館のイベントなどはねらい目です。子供を連れてよく遊びに行っています。
2番目に各教科等におけるプログラミングに関する学習活動の実施に先立ってプログラミング言語やプログラミングの技能の基礎についての学習を実施する例が挙げられています。先ほども申し上げたように、「この授業を行いたいからまずはこの技能だけ習得」というものですね。キーボードによる文字入力やファイル操作などの情報機器の基本的な操作技能と同様に、プログラミングツールの使い方も今後基礎的な、一番最初に身に付けるものとなっていくかもしれません。
 3番目には各教科等の学習を元に課題を設定し、プログラミングを通して課題の解決に取り組む学修を展開する例とあります。4番目の各教科等の学習を基に、プログラミングを通して表現したいものを表現する学習を展開する例、とあります。
 これらは各教科の学習をより深めるためにプログラミングツールを活用する事例として紹介されています。例えば国語の学習で、登場人物の気持ちを推し量るために場面をアニメーションにして考えるため、プログラミングツールを活用するというような活動が紹介されています。
子どもの「もっと学びたい」を引き出すためにも有効なツールの使い方かもしれませんね。

D領域ではクラブ活動の事例が紹介されています。私は5回のクラブ活動で、それぞれ違うプログラミングツールを使うことをご提案し、採用していただきました。プログラミング学習がはじまっていないため、あまり一つのツールを徹底的に使う、ということになると、授業で使うときに「知っている子と知っていない子の差が激しい」状態になってしまいます。どのツールも1時間の授業で触れる範囲で触り、いろいろなツールがあること、でも考え方はよく似ていることをだんだん子どもたちも理解してきているようです。

きちんと理解して、きちんと実行できる時間が先生方にあれば、プログラミング教育は非常に効果的でかつ今後の教育の柱としても考えていけそうなものだということですね。

次回は第4章の変更点についてご説明させていただければと思います。

何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

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