クラウド導入ガイドブック 悩みその5予算確保のための財源がない

皆さんこんにちは。総務省「教育ICTの新しいスタイル クラウド導入ガイドブック2016」についてご説明させていただく第6回目です。

予算……イメージ

本編5Pには「クラウドを中心としたICT環境の導入に当たっての課題・悩み」として以下のように12個の悩みが分けられています。

クラウドガイドブック悩み一覧
総務省:教育ICTの新しいスタイル クラウド導入ガイドブック2016(本編)P5 http://www.soumu.go.jp/main_content/000417631.pdf より引用

今回のお悩みは「予算確保のための財源がない」です。
どこの自治体でも様々なことに限られた予算を使わなければなりませんから、整備にまとまった予算が必要なICT機器整備になかなかお金は回ってきません。積極的に予算を取りに行き、首長部局に説明し、納得してもらったとしても「でもお金ないよね」という話になってしまうのはよくあることです。
2017年1月17日に議事録が公開された「学校におけるICT環境整備の在り方に関する有識者会議(第1回)」http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shougai/037/gijiroku/1381123.htm でも小﨑委員が非常にわかりやすく説得力のある意見を述べています。
ぜひ小﨑委員の意見を全文読んでいただきたいのですが、その中でも特に「首長部局も必要性は認めてもらえた」段階で、教育委員会としてもこういう点を重視して話をすればよいのではないか、という提案部分を引用します。

「財政とのセッションの中で、じゃあ数学とかでICTを活用した有効な場面少し教えてくださいよ、とストレートに質問されたときに、教育委員会の要求する担当者が答えられないわけです。お金を出す方は出さない理由を一生懸命考えている。それはそうなのです。たぶん、上司から、予算を削ってこいと言われているわけですから。教育委員会からしっかり削ってこいと言われていると思うので、そこも分かるので、じゃあそこをお互いにどうするかって相談できることが大切だと思います」

つまり、「お金がない」に対しては

  • ・予算をできるだけ抑えた予算案を作成する
  • ・財政とお互いにどうするか相談できるようにする

が有効だと考えられるわけです。

予算をできるだけ抑えることについては、クラウド導入ガイドブック第1章のクラウド導入の利点に述べられているよう、クラウドを導入することも1つの手段です。
22Pの図が最もわかりやすいのですが、「使いたいときに使いたいだけサービスを利用する」ことができるため、「学校数の増減」「ユーザー数の増減」「クライアント数の増減」等に柔軟な対応がしやすくなります。
そのほか、12Pには予算を抑える工夫が紹介されています。同時に挙げられているデメリットも十分考慮して選択肢の1つとしてお考え下さい。

財政と相談できるようにする については、先方は「コストダウン」「予算削減」が必須命題なわけですので、そこを理解しつつ、説得力ある資料や事例を準備していく必要があります。
自分が仮に予算を決定する立場だったら、あるいはもっと身近に子どもにおもちゃをねだられたら、と想像して、どうしたら自分は動くのかと考えると少し楽かもしれません。
(みんな持ってるもん! とか こんなに古いの僕だけだから新しいの買って! という言葉ではなかなか買ってあげようとは思わないのではないでしょうか)

次回は「セキュリティ対策に不安がある」についてご説明させていただきます。

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