統合型校務支援システムで対象となる業務を選択します

皆さんこんにちは

 働き方改革で話題の「統合型校務支援システムの導入のための手引き」についてご説明をさせていただきます。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1408684.htm
校務支援システムが対象とする業務を探すイメージ

今回は、第2章、「統合型校務支援システムの基本モデルの定義」の中の第3節統合型校務支援システムが対象とする業務をご説明いたします。

 はじめに述べられているのは「これまでの業務のやり方から、より業務負担の軽減効果の高いやり方に向けて「業務改善」を行うことが必要です」ということです。
 そのためには、各学校でどのような業務が行われているのかを把握する必要があり、そのうちのどれを統合型校務支援システムで活用するのか、という範囲を明確にする必要性も述べられています。
 「別紙1 業務一覧
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-005.pdf」にまとめられた業務は7ページ分、104項目あります。ほとんどの業務が網羅されていますが、もちろんすべての業務が入っているわけではありません。なお、「●」が記載されている業務が、統合型校務支援システムで実施可能な業務となります。
 ご自分の自治体の状況を確認しながら使っていただく必要がありますが、それでも何もないところから定義するよりはよほど効率的です。一度目を通してみていただくとよいのではと思います。行政職の皆様としては、「え、こんなことまで先生が」、という業務が見つかるかもしれません。

 そして、業務の中でも特に業務改善効果の高いものが調査されています。

  • ・通知表の作成
  • ・指導要録(指導に関する記録)の作成
  • ・児童生徒の在籍管理・出欠管理(名簿作成、日々の出欠管理、出席情報の月末報告等)
  • ・学期末・学年末の成績・統計・評定処理
  • ・指導要録(学籍に関する記録)の作成
  • ・日々の成績処理(テスト等のデータ入力・統計・評価)

 上記6つの業務は統合型校務支援システムを導入するならぜひ統合型校務支援システムでできるように各所調整を行っていただきたい項目です。劇的に先生方の負担が改善されます。
 ほかにも

  • ・グループウェア機能を利用して行う業務(朝の打合せ、学年会議、職員会議、各種委員会等の会議等)
  • ・保健管理機能を利用して行う業務(健康診断に関する事務等)

 についても、高い業務改善効果が得られると回答している自治体・先生方が非常に多い項目となります。
 行政職の皆様はこれらをご参考いただくとよいのではと思います。

 特に前述の6つの業務については、以下の図のように、「統合型校務支援システムに蓄積されたデータがそのまま活用できる」ことが大きなメリットとなっています。逆に言えば、今までは「エクセルのこのデータが本当に通知表と同じなのか確認する必要がある」というような細かな確認作業に膨大な時間がかかっていた、という現実があるということですね。
統合型校務支援システムに蓄積されていくデータの流れ

統合型校務支援システムの導入のための手引き 第2章P28より引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-002.pdf

また、統合型校務支援システムの導入のための手引き第2章P29からP41は推奨事務手順として、「蓄積したデータを活かすためには日々の業務や事務処理をこのように考えるといいですよ」という手順が示されています。併せて業務改善のポイントも掲載されていますので、各自治体の実情に合った部分を選べるとよいのではないかと思います。そのためには、行政職の皆様はご自分の自治体での課題を洗い出す必要がありますね。先生方は本当にいろいろなことで困っているのですが、特に何が困っているのか優先順位をつけて解決していく必要があります。
 例えば、小規模校で50名の名簿を管理する学校と大規模校1000名の名簿を管理する学校では困難なことが違うと考えられます。一般的に、小希望校では校務分掌が多すぎて、様々なことをやらなければならなさ過ぎて大変だと聞きます。したがって、グループウェアの導入で連絡が楽になれば効果的だということが考えられます。大規模校ではとにかく「誰かがそのファイルを改変していないか」についての確認が大変だと聞きます。統合型校務支援システム上では改ざんできないようロックをかけるという運用もできますので、安心してデータを引き継いで行けますね。
 そのようなことも鑑みて、P42からP45にかけてはグループウェアを使った業務負担軽減についての改善提案がされています。
 P46は先進的な活用事例として大阪府大阪市の事例が掲載されています。大阪市については、私がさすがだと思ったのは、
「そんなに一気に導入して大丈夫でしたか?」という問いに対して
「え?このお金で導入した機能全部使い倒さないと損でしょ?」という言葉です。
統合型校務支援システムはパッケージになっていますから、一部導入、というとどうしても眠っている機能が出てきてしまいますが、さすが商人の町。対価に対して使い倒すという意識がすんなり肯定されていて、目から鱗が落ちた思いでした。

また、今後の機能拡大として期待されているのは「教職員の勤怠管理」ということがP48に紹介されています。先生方が「校務に関してはこのシステムで全部完結」となると、使い勝手も利用率もよくなることが予想されますが、勤怠に関しては、慎重に考えられている最中とのことでした。

 

 次回は第2章第4節 統合型校務支援システムが対象とする機能 についてご説明させていただきます。

何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

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