教育の情報化加速化プラン第6回 教員の指導力の向上や地方公共団体・学校における推進体制

皆さんこんにちは。「教育の情報化加速化プラン」のご紹介第6回です。
 本日は3-5 教員の指導力の向上や地方公共団体・学校における推進体制
 の続きをご説明させていただきます。

 3-5は非常に項目が多いため、今回は中編として、活用指導力調査と教育委員会関連の施策をご説明させていただければと思います。
 ここでは活用指導力調査見直しと教育委員会の体制についての施策をほぼ今年度末までに実行するとあります。

 まず1つ目「ICT活用指導力調査(チェックリスト)の見直し」としては

  • ・速やかにICT活動指導能力に関する調査について、ICT機器の進展や時期学習指導要領を見据えた調査項目の見直しを進める

 とあります。毎年すべての教員対象に文科省は「学校における教育の情報化の実態等に関する調査」で、活用指導力調査を行っています。
平成18年度末の調査に現在の大項目5つの調査基準となりましたが、さらにそれを見なおすということですね。今後重視されるのは「児童生徒のICT活用を指導する能力」「情報モラルなどを指導する能力」になってくると考えられますが、どのような項目になるのか非常に興味があります。

 2つ目は「産学官連携による教育委員会応援プラットフォーム(仮称)」の構築です。

  • ・速やかに「全国ICT教育首長協議会」と参画している地方公共団体の教育委員会が連携し、産業界及び教職課程を置く大学も巻き込みながら、指導法はもとより、ICT機器の操作方法、ICT機器の調達の在り方まで含めて教員の要望に応じて必要な情報を提供できる仕組みの構築に向けた取り組みに対し、積極的に支援する

 ということです。速やかに行うためにこういう表現方法になったのだろうな、と思うのですが、取り組みに対して支援を行う、ということですから、取り組みを始める団体あるいは誰かが必要です。
ただ、広い観点で調達の在り方までの支援と具体的に踏み込んだ内容を指定しており、まさに小さな地方公共団体や学校の先生、行政職の皆さんが困る「調達」に関しての支援の取り組みですから、期待するところ大ですね。

 3つ目は「教育委員会事務局の体制強化・専門性向上」です。

  • ・平成28年度内を目途にICT環境整備についても教育委員会が責任を持つことを明確にしたうえで、各地方公共団体において教育の情報化について責任を持つ部局の設置等が進むよう、通知等の発出を含め、国として積極的に働きかけを実施する

 とあります。
 行政職の皆さんとしても、独立した部局がなく兼務の方も多いと思います。
行政の情報システム課は立派な課として人数も十分いるのに、教育委員会の情報システム課は課どころか専門の担当者がいない、ということも肌で感じていらっしゃるのではないでしょうか。
「教育の情報化に関する取組・移行等の実態調査」によると、地方公共団体の規模別にみると、都道府県は77%、政令市は70%、市町村(中核市を除く)は85.1%が専任する課及び係が置かれていないとあります。http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/04/08/1369541_03_1.pdf(リンク先PDF)
これでは、仕様書を書くのも非常に困難であることは当然だと考えられます。国からの働きかけによって、専任で仕事できる行政職の皆さんが増えることを切望します。

 4つ目は「教育委員会と首長部局との連携強化」です

  • ・平成28年度末をめどに改正地教行法に位置付けられた総合教育会議や大綱等において教育の情報化が適切に扱われるよう、各地方公共団体に対し働きかけを実施する、とあります。

 総合教育会議は首長と教育委員長をはじめとする教育委員会とで開催される会議ですが、ここで自治体の教育の情報化についての意見を擦り合わせて、着実に情報化が進むように予算や人員の確保をしていこう、ということです。
 教育に関する考え方は多くありますが、ICTを推進していく、ということに対してもっと力を入れていこうということですね。ICT機器は単価が高いため、予算の確保も大変です。そこを首長部局とコミニュケーションを密にとって、必要性を訴えていく、ということですね。

 国も、地方交付税措置を重ねているにもかかわらず、何度も教育の情報化に関する目標値の達成を逃してきています。どうしてそうなのか、何を行えば情報化が進むのか、ということを真剣に考え、非常に踏み込んだ内容を施策として発表している、というところに取り組みに関する熱意を感じます。

 次回は3-5教員の指導力の向上や地方公共団体・学校における推進体制について(後編)をご説明します

 

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