教育の情報化加速化プラン3-2 授業・学習面でのICTの活用について

皆さんこんにちは。「教育の情報化加速化プラン」のご紹介第2回です。
 本日は3-2 授業・学習面でのICTの活用
 をご説明させてください。

 3-2では学校教育の中心である授業・学習面を説明していることから、全部で6項目とボリュームがあります。
内容も多岐にわたっており、「実践事例の構築」「デジタル教材の開発」「ICT機器の標準仕様策定」「ICT機器の低廉な価格での調達のための環境整備」「特別支援教育におけるICT活用促進」「情報モラル教育の教材・研修の充実」「優れた能力を有する人材に支援」と、幅広く授業・学習をカバーしています。

まず1つ目「授業等での効果的なICT活用の豊富な事例の提供」については、

  • ・平成28年度より随時各地域においてICTを効果的に活用した実践事例等の構築
  • ・平成30年度内を目途に時期学習指導要領を踏まえた「教育の情報化に関する手引き」を策定

とあります。
実践事例は、授業のヒントになります。実際にどのように授業で使われているのかわかれば、先生方の創意工夫でどんどん授業が発展し、ICT機器の活用が進みます。
全国レベルで共有が行われるメリットは非常に高いので、この実践の公開が待たれます。

 2つ目は「官民連携コンソーシアムの構築」です。

  • ・平成29年度からの構築を目指して速やかに官民が連携してデジタル教材の開発体制や学校における指導の際のサポート体制等を祖無償及び経済産業省とも連携をしながら検討体制を整備

 とあります。
省庁を横断し、官民の連携という大きなスケールで進められる施策ですが、「開発」だけではなく「サポート」を取り上げているところがポイントです。
デジタル教材を使いこなすにはサポート体制が重要だということが浸透してきたということが弊社としては非常にうれしいところです。
機能が増えるにつれ、パッと見ただけでは使い方がわからなくなるものです。せっかく導入するのでしたら活用できるレベルまでサポートをさせて頂きたい、と常々思っております。

 3番目は「授業等でのICT活用モデルに対応した機器・ネットワーク・システム等の推奨使用や標準化の推進」です。

  • ・平成29年度内を目途に学校が必要とする機能を有するICT機器等をより低廉な価格で確実に調達できる環境を整備する観点から、「教育ICT教材整備指針(仮称)」の策定との連携も視野に入れながら、学校関係者及び関係業界と役割分担したうえで相互連携しながらICT機器等の調達にあたってのガイドラインを作成する

とあります。
こちらも現場(学校現場、教育行政現場)の意見を取り入れたうえで、関係業界、つまり民間と役割分担を行ってガイドラインを作成するということで、学校現場で使いやすい機器を教育行政現場が調達しやすくなるというということは非常に素晴らしい施策ですね。ガイドラインの公開が楽しみです。

 4番目は「特別支援教育でのICTの活用の促進」です。

  • ・平成28年度より障害のある幼児児童生徒に対し、ICT機器を活用した将来の自立や社会参画抜向けた主体的な取り組みを支援する観点から、より使用しやすい教材や支援機器の研究開発への支援を行い、その活用をより一層促進させる
  • ・平成28年度より特別支援教育教材ポータルサイトの充実・普及に取り組み、教員の専門的知識を深め、各地域における指導・支援の充実を図る

 とあります。
既に今年度より弊社にも学校現場からご相談がありましたが、障害の種類、度合いに合ったICT機器は各教科等の指導の効果を高めることができます。
特別支援教育教材ポータルサイトでは小中学校の特別支援学級ですぐに使える教材や工夫の事例が掲載されていて、今後ますます充実が図られるとのこと、非常に便利に使えます。

 5番目は「情報モラル教育の充実」です。

  • ・平成28年度より情報モラル教育に関する教員研修・校内研修の充実、家庭・地域や民間団体とも連携した学校全体での情報モラル教育の推進に向けて、独立行政法人教員研修センターにおける研修の充実や、研修や指導に活用できる教材等の充実を図り、各教育委員会・学校の教員研修・校内研修を支援するとともに、関係省庁等とも連携し、保護者等を含め広く情報モラルとその教育に関する理解啓発を推進する

 とあります。
引用が非常に長くなりましたが、一言では言い表せないほど情報モラルに関しては対策が急務であることがわかりますね。
現場の先生が、最新の情報モラル知識を得るためには研修が不可欠ですが、その研修を行える人材を育てることが必要です。
今の校長先生が初任者だった頃には情報モラルを教える必要はなかったはずです。保護者も自分が小学生の時に情報モラルを教えてもらった人のほうがまだ少ないはずです。
つまり、自分が知らないこと、経験していないことを子どもたちが経験している状況です。教えることが難しい、というのはご理解いただけるのではと思います。
だからこそ、全国的な規模で教材の充実が図られて現場に還元されるというのはこれもやはり意義があるということができると思います。

 6番目は「特に優れた能力を有する人材に対する支援方策」です。

  • ・平成29年度より情報等の分野で特に意欲や突出した能力を有する全国の小中学生に対して特別な教育の機会を設け、大学等の場を利用し、能力身長を図る取り組みを実施する

 とあります。
世界的にも優秀なIT人材は不足しており、国内にいる優秀な人材の能力を伸ばしていこうという取り組みですね。

 今回ご説明が非常に長くなってしまいましたが、それだけ内容が濃く、広範囲に及んでいるということが言えます。
特別支援教育や情報モラルに関してはそれだけで独立した章だてができるものですが、今回の加速化プランでは施策のスピードを重視した構成となっていると考えられます。文科省が危機感をもって施策を展開していることが読み取れます。

 次回は3-3校務面でのICT活用についてご説明いたします。

 

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