教育の情報化ビジョン 3本柱の1つ、「教科指導における情報通信技術の活用」

皆様こんにちは。本日は「教育の情報化ビジョン」3本柱の2本目、教科指導における情報通信技術の活用についてお話しします。
3本柱イメージ
「情報通信技術を効果的に活用したわかりやすく深まる授業の実現等」を目指して考えられているこの柱は、ぱっと聞くと通信回線を使って遠くと結ぶ授業、と思う方も多くいらっしゃるように思います。もちろんそれらを使って深まる授業を実現することもできるのですが、そのためには学校の環境として解決するべき事柄がたくさんあります。ですので、学校の環境が整いつつある情報技術、に重きを置いて授業の向上を目指していくことが書かれています。

「指導者用デジタル教科書」については、開発の促進と、容易に入手するための支援方策の検討がうたわれています。指導者用(先生が使う)があれば学習者用(児童生徒が使う)もあるわけで、「学習者用デジタル教科書」についても実証研究を行うとあります。教育効果や指導方法、必要な機能の選定・抽出、モデル的なコンテンツの開発、供給・配置方法、障害のある子どもたちへの対応などを研究するとしています。
 また、(指導者用)デジタル教科書を提示するための電子黒板、プロジェクター、実物投影機、地上デジタルテレビなどをすべての教室で活用する、とあります。
(学習者用)デジタル教科書についてはどの情報端末で使うか、について研究対象となっています。
 そのほか質の高い「デジタル教材」の収集に努めたり、「ネットワーク環境」の整備にも言及されています。特に学習者用デジタル教科書をしっかり活用するためには無線LAN環境構築が重要とあります。

 さて、では行政職の皆さんとしては、「デジタル教科書」がどうしてこんなにスペースを割いて提言されているのか、と疑問に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?紙の教科書があるのにデジタル教科書が授業をよくする、ということについてぴんと来ない方もいらっしゃるかもしれません。
 そこで、想像していただきたいのが、「紙の資料だけ手元にある会議」です。担当者が紙の資料を読み上げ、「P3の上から5行目に書いてありますように○○は××であり、■■のためP4の結論に至りました。この図の意味は…」と聞いているだけよりは、同じ資料をプロジェクター等で提示しながら説明を受けたほうがわかりやすいはずです。
子どもたちも同様です。「教科書20Pの3行目に赤い線を引きましょう」という先生の言葉を1回聞くのと、電子黒板上の教科書に赤い線を引いて「先生と同じところに線を引きましょう」と聞くのとではどちらがたくさんの子供たちが同じことをできるのか想像しやすいですよね。
 「大きく映す」「同じ画面をみんなで見る」ことについては行政職の皆様も常に会議等で行っていらっしゃるのではないでしょうか。どうしてそれを行っているかというと、わかりやすくみんなが共通理解しやすいからですよね。それが学校でも行われれば、わかりやすくみんなが共通理解しやすいというわけです。
 子どもたちは勉強することが仕事です。教科書に書かれていることを理解していくために、線を引いたり、強調したいところを大きく映したり、写真が動画になっていて動いたりしゃべったりすることができるデジタル教科書は非常に理解を助けるツールであるといえるのです。
 それを学校現場に導入して、わかりやすい授業を進め、子どもたちの思考を深めるために活用していこう、そのためには提示装置も、環境も整えていこう、というビジョンが描き出されています。

 私がお話を伺った英語の先生は「ネイティブの発音を聞きながら声調も発音記号も一緒に確認できるうえに、子どもたちの顔を見てわかっているのかどうか確認することまでできる。簡単にリピートもできるし大きく映すこともできる。こんなに効果的だとは衝撃だったね」とお話ししてくださいました。

 この2本目の柱については学力向上にも大きく寄与するものだと言えるのではないでしょうか。

 次回は3本目の柱、校務の情報化についてお話しします。

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