教育の情報化に関する手引き 第7章 教員の指導力向上

 皆さんこんにちは、教育の情報化に関する手引き第7章は「教員のICT活用指導力の向上」について述べられています。ここでは、ICTを利活用した、あるいはするための指導力が今後教員の資質として必要であるという観点から、どのような力が必要なのか、またその力を付けるための研修にはどのようなものがあるかが述べられています。

 さてここで行政職の皆さんはもしかすると「黒板とチョークで面白おかしく教えてくれた先生はたくさんいる」ということを思い出したりされるかもしれません。もちろん現役の先生方はICTを使わずとも非常に高度でわかりやすく面白い授業をなさっています。ではどうしてそこで、ICTを活用した授業が必要であると言われるようになったのでしょうか。

 先日参加したセミナーでとてもしっくりする言葉に出会ったのですが「ICT機器は能力の増幅装置である」というものです。

 授業準備(例えば教科書の拡大提示。今までは主にコピー)にあまり労力をかけることなく、授業研究により時間をかけることを可能にするのがICT機器です。

教科書を拡大して提示し、そこに線を引いて電子黒板に保存しておけば、次の時間容易に振り返りを行うことができます。その振り返りをどのように導入し、どう展開していくのかということを考える時間を生み出せるのがICT機器なのです。

 持っている力をさらに膨らませることができると同時に、苦手な面もクローズアップされてくる、という面も持ち合わせているため、とにかく最終的に結局は「自身の指導能力の向上」が必要不可欠だということに落ち着くのですが、向上した能力が増幅されるICT機器を使わない手はないですね。

 手引きにはまず文科省が毎年全教員に調査を行っている「教育の情報化の実態等に関する調査 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/1287351.htm」のICT活用指導力についての説明が述べられています。かなりのページを割いているこの説明は、文科省が活用指導力をこのように考えている、というのがよくわかるものになっています。特に167ページではC項目の「児童生徒のICT活用を指導する能力」が解説されており、調べた結果を「文章にまとめる」「表やグラフにまとめる」ことや、「わかりやすく伝える」ことについて、児童生徒に指導していく能力が必要であると書かれています。

 また、その能力を高めるためには研修が必要です。その研修の進め方、考え方などが細かく丁寧に書かれています。自己研修→校内研修→集合研修 それぞれに目的意識をもって参加し、効率的に能力を身に付けていくための方法が述べられています。

 教員が多忙なことは間違いありませんが、能力を高めるための研修は本当に多くの先生方が自発的に参加されます。OJTを活用したりe-ラーニングによる研修を行うのも手だと紹介されていますし、教育委員会が実施する研修では「管理職の意識を高める」ことが重要であると述べられています。

 176,177ページには具体的な研修カリキュラムの案も載っていて、教員のICT活用指導能力を伸ばすことが急務なのだな、とわかる章になっています。
 こうしていきたいから、あとは現場でうまく考えて、というやり方ではなく、こうしていきたいからこういう方法やそういう方法があるよ、参考にして取り入れて、というやり方ができるための手引きであることを強く感じます。

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