教育の情報化の進展を確認します

皆さんこんにちは

2019年12月に教育の情報化の手引きが発行されました。
GIGAスクール構想が立ち上がり、それに伴った内容に書き換えていたため公開が遅くなったとのことです。本編254ページ、付録も合わせると360ページという超大作なので、要所要所を確認しながら読んでいきましょう。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00117.html

教育の情報化イメージ 

 教育の情報化の進展として、それぞれの学習指導要領の中の教育の情報化について紹介があります。
現在特に関係しているのが平成29年、30年、31年告示学習指導要領ですね。
手引きでは「「言語能力」等と同様の「教科等を超えたすべての学習の基盤として育まれ活用される資質・能力」の一つとして「情報活用能力」を掲げ」とあります。今までも情報活用能力は必要だと言われてきましたが、今回は更にすべての基盤であると明言しているということですね。
 また、「学校の生活や学習においても、日常的にICTを活用できる環境を整備していくことが不可欠である」ことも抜粋されています。環境の整備は重要です。なので、GIGAスクール構想で徹底的に整備しようとしているわけですね。
 続いて、教育の情報化に関する政府全体としての主な政策・提言等が掲載されています。このようにまとまっていると、流れが見えてきてわかりやすいですね。
 掲載する順番についても吟味されているので、最初に出てきたものから重視していると考えられます。

  • ○「教育振興基本計画」(平成 30 年 6 月 15 日閣議決定)
  • ○「経済財政運営と改革の基本方針 2019」~「令和」新時代:「Society5.0」への挑 戦~(令和元年 6 月 21 日閣議決定)
  • ○「成長戦略実行計画」「成長戦略フォローアップ」(令和元年 6 月 21 日閣議決定)
  • ○「統合イノベーション戦略 2019」(令和元年 6 月 21 日閣議決定)
  • ○「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」(令和元年 12 月 5 日閣議決定)

これを見ると、令和に入って立て続けに教育の情報化について動き出した印象があります。
政府が本腰を入れ始めた、と考えられるでしょう。
続いて教育の情報化に関する文部科学省における最近の主な報告等がまとまっています。

  • ○「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(最終まとめ)」
  • ○「新しい時代に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における 働き方改革に関する総合的な方策について」(平成 31 年 1 月 25 日中央教育審議会 答申)

そして、令和元年 6 月,「学校教育の情報化の推進に関する法律」の成立,公布・施行が挙げられています。

今までも、教育の情報化に関しては様々な施策が打たれてきていましたが、2019年になって加速度的に物事が動き出した印象ですね。それまでは、現場がとても大変だから授業のやり方を根本から変えるようなICT機器の使い方を表明するのは憚られるような雰囲気を感じていました。
ところが、GIGAスクール構想にある通り、「一人1台」を実現することになると、これまでの授業のやり方だけではなく、新たな授業のやり方が出てくると考えられます。既に1人1台を実現している学校では、一斉授業だけではなく、子どもたちが好きな時に好きなだけICT機器を使って調べ、作り、発表し合うという授業が効果を上げています。先生の指示に従うだけではなく、ICT機器を主体的に使っていく姿勢が良い環境を生んでいるということだそうです。
これを聞くと、現場の先生の中には今でも大変な思いをしているのに更に大変になる、という想像をされる先生がみえます。今まで自分がそのような教育を受けたことがなく、現場を見たことがなければそう思われるのも当然ですね。行政職の皆様も一人1台の授業がどのようなものか実際にご覧になることができる方はきっと少ないと思います。
先進校の実際の授業を見られる機会は限られていますが、それでもチャンスがあればぜひご確認いただければと思います。ICT機器が一人1台の文房具として活用されている様子、ICT機器でなければできない学びは、とても刺激的です。
一斉授業の良さがあったからこそ、全国にこれだけ一斉授業の形態が広まっていったと思います。一人1台での授業はどのような形態が良いのか、よいものがあれば自然と広がっていくでしょう。
無理に一斉授業にICT機器を合わせる必要はないと思います。子どもたちが楽しい授業を実現するためのツールとして先生方には便利に使っていただけるよう環境を整えていくのが私たちの仕事です。

教育の情報化の手引きには、そのためのヒントがたくさん詰まっています。分厚いところですが、読み進めていきましょう。

 次回はこの続き、学習指導要領の理念をお送りします。最初はゆっくり目に行きますのでよろしくお願いします。
 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

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