教育の情報化ビジョン 「教員への支援の在り方」について

皆様こんにちは。本日は教育の情報化ビジョン編で大きく取り上げられた「教員への支援の在り方」についてご説明いたします。

教員はスーパーマンでなければならないのか、というほど学校教育に対するニーズは多様になりました。環境が問題になれば環境教育、リサイクル教育、外国語ができるようにという機運が高まれば国際交流教育、外国語教育、仕事に対する意識の高まりでキャリア教育、職場体験実習、何か事件が起これば心の教育、と教員はあらゆることに対して自分の知見を高め、子どもたちに教えられるようになっていかなければなりません。そういう現場の状況を理解し「教員への支援」について言及がされているというのは非常に画期的なビジョンです。

ところで行政職の皆さんは入庁以降どのような研修を受けられましたか?パソコンの使い方研修、というのはもう最近はあまり行われていないのではないでしょうか。officeの使い方もきっとそうですよね。自力で何とか頑張られていると思います。庁内で利用する独自ソフトについてもOJTが基本ではないでしょうか。そうやって頑張られている皆さんからすると「教員だけ支援についてなぜ言及されるのか」と思われることがあるかもしれません。

教育の情報化ビジョンでは「外部の専門的スタッフ(ICT支援員)の配置・活用」が提言されています。

予算と入札の都合上どうしても仕方のないことですが、学校内にある「様々なメーカー、型番」のパソコンとプロジェクターを接続し、スムーズに音を鳴らす方法を教員が熟知するのは大変です。机の上で一人で使う分には音声も気にならないのですが、授業で使うとなると教室の一番後ろの席の子供まできちんと音が伝わり、映像が見られないとだめなのです。それを10分の休み時間(学校によっては5分の休み時間)で、保管場所から持ってきてセッティングし、授業で使える状態にする、というのが困難なのです。なぜなら休み時間に先生は連絡帳の確認をし、子どもの日記に返信し、テストに丸を付け、保護者向けのお便りを書き、かつ子供たちに声をかけたり遊んだり大忙しだからです。

教員は授業が専門です。子供たちによい教育を行うことが重要であって、ICT機器のつなぎ方を全員が熟知する必要はありません。

そこで、ICT支援員が現場の状況に合った一番使いやすい使い方を手順化し、ラミネートしてプロジェクターに着けておく、という支援を行えば、よりよい教育に一歩近づきます。

機器導入時にそれができればよいのですが、学校毎に状況が違う以上(校舎の形状もコンセントの位置も、エレベーターの有無も教室数も違いますよね)導入業者にそれを行わせようとすると、膨大な調査と実行の時間が必要になり、役務費用がとんでもない金額になってしまいます。それだけの予算の確保は難しい状況でしょうし、業者毎にフォーマットもクオリティも違いますから、ICT支援員が「現場で」その学校に合った支援を行うのが結局一番合理的なのです。

教員の多忙さについては現場以外になかなか伝わらないところも問題なのですが、行政職の皆さんに一番ご理解いただきたいのは、教員は「自分の都合で仕事ができない」「次から次へと仕事が割り込んでくる」状態に常にある、ということになります。さあ今から1時間デスクワークしよう、と決めることは絶対にできない、という状況であることをご想像ください。

ICTは教育をよくする大変便利なツールです。それにかかわることだけでも、支援員が支援すれば日本の教育はもっとよくなるのではないでしょうか。

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