先生方のICT利活用能力、とはどのようなものを指しているのでしょうか

皆さんこんにちは

2019年12月に教育の情報化の手引きが発行されました。
GIGAスクール構想が立ち上がり、それに伴った内容に書き換えていたため公開が遅くなったとのことです。本編254ページ、付録も合わせると360ページという超大作なので、要所要所を確認しながら読んでいきましょう。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00117.html
教育の情報化のイメージ

今回は、教師に求められるICT活用指導力等の向上についてお送りします。

教師に求められるICT活用指導力は研修で身に付けることが想定されています。
更に、教員養成課程でも実施することを求めています。
ではその具体的な内容は何か、となると、教員のICT活用指導力チェックリストに掲載されている内容になります。
毎年3月に教育の情報化に関する実態調査が行われていますが、そこで先生方が振り返ってチェックする項目ですね。
 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/05/17/1416800_001.pdf
平成30年に改訂されました。
A領域は 教材研究・指導の準備・評価・校務などにICTを活用する能力 です。
先生ご自身が、授業の準備や校務など、授業以外の学校の仕事でICTを活用する能力ですね。
B領域は ICTを活用して指導する能力 です。
先生ご自身が、授業等でICTを活用して指導する能力、大型提示装置を使ってわかりやすく説明するところから、個別学習や協働学習でICTを活用するというところまで、幅広く様々な活用を実施する能力ですね。
C領域は 児童生徒のICT活用を指導する能力 です。
先生が学習の主体として児童生徒にICTを活用して学習を進めることができるよう指導する能力ですね。
D領域は 情報活用の基盤となる知識や態度について指導する能力 です。
児童生徒が情報社会で適正に行動するためのもととなる考え方と態度の育成が求められていることから、すべての教師が情報モラルや情報セキュリティなどを指導する能力を持つべきという観点ですね。

年々先生方の活用能力は上がってきているのですが、それが実態を表しているのかな、ということは思います。
文科省から発表されている数値は「3と4を付けた人の割合」です。3はややできる、4はできるという自己評価です。

調査用紙には選択肢の定義が書かれています。
4 できる はおおむねできる
3 ややできる は質問項目の中の方法がわかるあるいは手引きやマニュアルを参考にすればわかる
というような形です。

基本的に先生方は何かを見ればできる方ばかりですが、その「何か」は使いやすいように、わかりやすいところにきちんと使いたいときに使えるように置かれているのでしょうか。
誰かが持って行ったまま見当たらない、ついていたはずのマニュアルが紛失した、マニュアルが読みづらい等使う上でのハードルがあるならせっかく先生方が3を付けても、実践時にはできていない、ということですよね。
そのような環境を整えるのは、ICT支援員であると考えています。
マニュアルだけではなく、共用の拡大提示装置等も併せて、ICT支援員が、ICT機器を誰でも使えるときに使いやすい環境に整えておくことが重要です。

GIGAスクール構想のおかげで、ハードの整備が急速に進むと考えられます。
整備後の先生方のICT活用能力の値が楽しみですね。使いたくても数が足りずに使えなかった状況が、変化するわけですから、そこに合わせた先生方の研修もご支援していきます。
行政職の皆様にご理解いただきたいことは「機械を入れたらはい終わり」だと、まったく活用は進まないということです。ご自分はご自分で勉強した、と思われるかもしれませんが、自分だけで自分が使いやすいように使うことと、児童生徒のICTリテラシーを上げるために授業で活用することを指導する、という能力は全く別のものです。行政職の皆さんが児童生徒にタブレットの使い方を説明していただくとすぐお分かりいただけるのですが、非常に専門的な能力が必要です。ICT機器に関する知識だけではなく教育方法、子どもの自主性を伸ばす力などを考えて指導しなければなりません。
先生方だけではなくICT支援員やヘルプデスク等運用を支援する立場の人員が必要です。

次回は教師の研修についてご説明します。
何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

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