国語の授業は15歳に良好に受け入れられているとのことです

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皆さんこんにちは

今回は先週に引き続きPISA2018の結果を確認していきましょう。
https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/index.html
PISAのイメージ

PISA2018の結果で、読解力の平均点と相対的な順位が下がった事実と、分析の結果2000年から2018年の読解力平均得点は統計的に有意な変化がない、ということが文部科学省・国立教育政策研究所OECD 生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)のポイント
http://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2018/01_point.pdf
では述べられていました。

 読書活動と読解力の関係についてのポイントを読むと、日本を含むOECDの傾向として、本を読む頻度は2009年と比較して減少傾向にあるとあります。読解力中心の調査は前回が2009年だったため、質問紙として比較しているのが2009年になります。
 読書を肯定的に捉える生徒や本を読む頻度が高い生徒のほうが、読解力の得点が高い、とあります。有意な相関があったと考えられます。中でもフィクション、ノンフィクション、新聞を読む生徒の読解力の得点が高いそうです。フィクションは伝記・ルポルタージュ、ノンフィクションは小説、物語と例示されています。
 日本の特徴としては、読書を肯定的に捉える生徒の割合が多い傾向にあるということです。また、漫画やフィクションを読む生徒の割合が多いということで、これは実感とも一致しますね。日本の15歳は漫画をたくさん読んでいると思います。
 国語の授業に関しては、指標値のどれもが比較的良好だということです。国語の授業の雰囲気はとてもよく、国語の授業における教師の支援についてはOECD平均を少し上回っています。ただ、国語教師のフィードバックに関する生徒の認識はOECD平均より低く、気になるところですね。
 分析としては、入学して間もない時期に行われていることが影響した可能性もあると考えられているとのことです。

 数学的リテラシー、科学的リテラシーに関しては世界トップレベルに位置し、長期トレンドでも世界トップレベルを維持、とあります。

 この後は、質問紙と成績を組み合わせた分析が続きます。
 平均得点と社会経済文化的背景(ESCS)の関連として、日本もOECDも似たような傾向があるということです。ESCSが高い水準程習熟度レベルが高い生徒の割合が多く、ESCSが低い水準程習熟度レベルが低い生徒の割合が多い、とのことです。
 日本は、OECD加盟国内で社会経済文化的水準の生徒間の差が最も小さく、社会経済文化的水準が生徒の得点に影響を及ぼす度合いが低い国の1つであると述べられています。つまり、社会経済文化的に水準が低い生徒にも比較的教育が行き渡っていると言えることがわかります。

 続いてICT活用調査ですが、学校外のインターネットの利用について、日本とOECD平均ともに、学校外でインターネットを4時間以上利用する生徒が増えているとあげられています。
 合わせて、学校外でのインターネットの利用時間が4時間以上になると、3分野ともに平均得点が低下しているとあります。
 日本は30分以上4時間未満利用する生徒の3分野の平均得点はほとんど差がないがOEC平均では利用する時間が長いほど平均得点は高くなる傾向があるとのことです。
 これは、のちに述べられる「コンピュータを使って宿題をする」「学校の勉強のために、インターネット上のサイトを見る」等が関連していることが示唆されると思います。日本はほとんどそのような使い方をしませんが、OECD平均では大体1/4が宿題をコンピュータを使って行ったり、学校の勉強のためにインターネット上のサイトを見たりしているからです。
 日本は学校の授業におけるデジタル機器の利用時間が短く、OECD加盟国中最下位であることは大きく報道されて皆さんもご存知だと思います。日本の15歳は、OECD平均よりネット上でチャットをしたり、一人用ゲームで遊んだりすることが多く、自分のデバイスを宿題には使っていない、という実態が浮かび上がりました。
 学校の授業でそのような使われ方をしていないので、勉強方法としては身に着いていないわけですね。

 これらを踏まえた文科省の施策が述べられています。新学習指導要領では「情報活用能力」について読み、書きとともに身に付けるべき資質だと位置づけられています。それを推進するために、学校のICT環境整備の加速化と、全児童生徒の教育機会の確保によるセーフティネットが挙げられています。

 どれも重要なことです。それが、このような国際間で比較できる調査をきっかけに施策として打たれることは、良いきっかけですね。
 このような国の動きを追いかけていると、行政職の皆様も「GIGAスクール構想」というような大きな転換点をわくわくしながら乗り切ることができるのではないでしょうか。

 次回からは待ちに待った教育の情報化に関する手引きを読んでいきたいと思います。

 

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