文脈を共有しない人にもわかる伝え方を知っているのが読解力の強さにつながるのではないでしょうか

皆さんこんにちは

 教育の情報化の手引きが出ない状況が続いています。今回は先週に引き続きPISA2018の結果を確認していきましょう。
https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/index.html

読解力のイメージ

 PISA2018の結果で、読解力の平均点と相対的な順位が下がった事実と、分析の結果2000年から2018年の読解力平均得点は統計的に有意な変化がない、ということが文部科学省・国立教育政策研究所OECD 生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)のポイント
http://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2018/01_point.pdfでは述べられていました。

 日本の生徒の正答率が低い問題の一例として、1情報を探し出す や 3評価し、熟考する に関する問題が挙げられています。

 例えば大問として、ある商品について販売元の企業とオンライン雑誌という異なる立場から発信された複数の課題文から必要な情報を探し出したり、それぞれの意図を考えながら、主張や情報の質と信ぴょう性を評価したうえで、自分がどう対処するかを説明したりする問題 があり、
その中の「必要な情報がどのWEBサイトに記載されているか推測し探し出す」「情報の質と信ぴょう性を評価し自分ならどう対処するか、根拠を示して説明する(自由記述)」がOECD平均と比べて正答率が低い問題だということです。
 これに関しては2019年12月15日付中日新聞朝刊4面 視座「PISA読解力、大人も必要」で関西学院大学准教授貴戸理恵氏が「あいまいな言い方をすると「わかる、わかる」と思える人には通じても、文脈や感覚を共有しない相手には通じない。」とあり、なるほどと私は腑に落ちました。文脈も背景も違う人に対して、相手を納得させられる説明をする訓練が、私をはじめとする大人にも不足しているな、ということは感じます。

 

 また、行政職の皆様も興味があるコンピュータ使用型調査について(2015年、2018年)の説明も行われています。冊子による調査と異なり、最初に調査の全体像を把握したり、最後に全体の回答を修正したりすることができない、とあります。コンピュータ使用型調査では、次へ、といってしまうともとに戻れないということが挙げられていますね。
 特徴として、2点が挙げられています。オンライン上の多様な形式を用いた課題文(投稿文、電子メール、フォーラムへの参加回答など)を活用したこと、全小問245題のうち約7割の173題がコンピュータ使用型調査用に開発された新規問題であり、日本の生徒にとって、あまりなじみのないような形式のデジタルテキスト(Webサイト、投稿文、電子メール等)や文化的背景、概念・語彙などが使用された問題の数が増加したと考えられる、とあります。確かに、日本の高校生はそれらを普段あまり目にしませんね。おそらく、諸外国では「チャット」と分類されるLINE等での直接的なSNSでのやり取りが主流で、それに関する小問はほとんどなかったと捉えられそうです。このポイントでは後ほどICTとのかかわりが出てきますので、そこで詳しく見てみましょう。

 次回もこの続きを読んでいきたいと思います。

 

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