人が人を教えること、の専門性がますます高まりそうです

カテゴリー: 新時代の学びを支える先端技術活用推進方策   パーマリンク

皆さんこんにちは

ICTに関する様々な動きが加速度的に出てきましたね。
文科省からは「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(最終まとめ)」について が公開されました。
http://www.mext.go.jp/a_menu/other/1411332.htm
トップページに重要なお知らせとして掲載される力の入れようです。
未来に向かってはばたくイメージ
今日は(2)新時代に求められる教育とはの途中からご説明させていただきます

 学びにおける時間・距離等の制約を取り払い、個別に最適で効果的な学びや支援を行うためにICTを活用するということについて、先回までご説明させていただきました。
 その続きとして、可視化が難しかった学びの知見の共有やこれまでにない知見の生成、ということで教師の経験知と科学的視点のベストミックスについて述べられています。
 素晴らしい先生は今までもこれからもたくさん、たくさんみえると思います。ただ、その素晴らしい先生の取組について、可視化し分析し標準化する、ということについては非常に困難を伴っていました。
 授業を定量的に計測するということが難しいからです。
 ですが、まとめでは、これまでにない詳細さと規模で学びの記録が技術的に可能となることで、学習の認知プロセスがみえて、これまで経験的にしか行えなかった指導と評価等が学習のプロセスと成果に対する最大限正確な推定を根拠に行えるようになる可能性がある、と述べています。
 サッカーを例にとると、この推定も頷けます。プロサッカー選手が、ユニフォームの下に黒い計測用の下着(?)を付けているのをご覧になった方もいらっしゃるかと思います。あの計測で、サッカー選手がどこに多くいたか、どれだけ動いたか、どれだけダッシュしたか、その時の心拍数等を数値化することが出来るようになりました。その結果、今まで監督の経験知でしかわからなかったこと、このサッカーをしたいからこのポジションのこの動作が得意な選手を取ってくる、というようなことが可視化され、「データ革命」と言われるような戦術の急速な発展がみられるようになったのです。この傾向が2010年頃から加速度的に追及されるようになり、今では計測せずに戦術を考えて勝てる監督は本当に数少なくなりました。それまでは「サッカーを数字で計れるわけがない」意見が主流だったことを考えると大転換です。
 同じことが教育に起こるかもしれない、とまとめでは述べています。例示されているのは

  • ・様々なビッグデータを自動的、継続的かつ効率的に収集できるようになり、分析が可能となることで、各教師の実践知や暗黙知を可視化・定式化したり、新たな知見を生成したりすることが可能になる
  • ・ビッグデータの収集・分析を通じ、効果的な学習方法等の特定を通じ、これに基づいた学校経営やよりきめ細かな指導・支援が可能になる、また、それを国や地方公共団体の政策に活用することが可能になる
  • ・ベテラン教師の大量退職に伴って、ベテラン教師の実践知や暗黙知の一部をビッグデータ解析することを通じて若手世代へより円滑かつ効果的に引き継いでいくことが可能になる

 また、このビッグデータの利用を通して、校務の効率化を実現し、働き方改革につながることが見込まれる、ともあります。例示されているのは

  • ・子供の欠席等の情報や校内データについて、教職員・教育委員会等への即時共有ができるようになることで、書類作成や会議等を効率的・効果的に実施することが可能になる
  • ・遠隔技術を活用した教員研修や各種会議の実施で遠方への出張が不要となる、あるいは海外の日本人学校等との研修も可能になる
  • ・教師は場所を問わず定期テスト等の採点業務を行うことが出来る

 とあります。

 こういう風に良いことばかりを例示していくと、教師がいらなくなるのでは、という懸念が出てきますが、ますます教師は必要になります。人が人から直接学ぶことが出来る希少性を持った、「先生」という専門職はこれまで以上に重要性が増すと考えられる、とまとめでも述べられています。

 その後まとめの7ページ、8ページでは未来のイメージ・スナップショットとして、教師と子どもそれぞれの視点から「こんな風になるのでは」という予測がされています。行政職の皆様には、「もっとこうなるよ」というアイディアをお持ちの方も多いと思います。ぜひご確認いただいて、どういう環境でどういう子どもたちを育てていきたいか、そのためにICTをどう活用していこうか、という議論を活発にしていただければと思います。
 多様な子どもを育てるには、多様な大人の意見が必要です。たくさんの知恵を出し合って、よい状況を作っていければいいなと思っています。

 次回は(4)現在の学校をめぐる状況と課題についてご説明させていただきます。

何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。