ICT支援員を有効に活用するためには

皆さんこんにちは

今回はICT支援員についてご説明をさせて頂ければと思います。

握手して支援するイメージ

行政職の皆さんはICT支援員というとどのようなイメージをお持ちでしょうか。

先進的なICT機器を導入するならICT支援員を入れたほうがいいのではないか、という話はよく聞かれていると思います。
実際にICT支援員を導入する自治体も増えてきていますね。
忙しい先生の負担を減らし、効率的に活用を進めるためにはとても有効な方法です。

それでは、そのICT支援員をより有効に活用していくためにはどのように業務を運用していけばよいか、考えていかなければなりません。

一般的にICT支援員業務を行うとすると、以下のような業務が発生します。

  • ・時数管理(給与計算)
  • ・業務管理(支援員からの質問受付・支援員教育)

これらは、書くとまあまあ簡単なのですが、実際行うとなるとかなり時間を割く必要があります。

たとえば時数管理ですが、基本的に直行直帰の支援員が「予定通り学校に行ったのかどうか」ということをどのように知るのかその方法を確立することが重要です。
ほとんどの学校にはタイムカードがありませんから、タイムカードでの管理はできません。
電話連絡をさせる、というのも同時刻にたくさんの訪問校から電話をかけてくることが考えられることから合理的ではありません。
口頭の報告だけでは変更があった場合の行き違いが発生することが考えられます。
そのため、紙と印鑑という方法が取られることが多いです。
学校に確かに訪問したという報告書と印鑑を、予定表と突き合わせて確認し、その月の給与計算を行う必要があります。
支援員の人数、時間数にもよりますが、エクセルで管理しているとなると、専属の人員で1人日は覚悟しておいた方がいい作業量になります。
支援員の雇用形態としてはほとんどが時給制です。
月給ならここまで時間をかける必要はないのですが、時給はどうしても確認作業が膨大になりがちです。ご注意ください。

続いて業務管理です。
大体のイメージとしては
「ICT支援員はICTのプロとして雇用しているのだから何を教えることがあるというのだ。むしろこちらが教えてもらいたいくらいだ」
というようなものがほとんどではないでしょうか。
もちろんICTのプロとして雇用していますから、一般的なICT知識は身に付けている人が採用されているはずです。
ですが、課題は「学校」という特殊な環境で働く、ということです。
一般的な会社や家庭で「フィルタリングでブロックされました」という環境はあまりないのではないでしょうか。
「パソコン40台を一斉に起動します」や「パソコン40台から課題を集めます」という環境もほとんどないと思われます。
更に「機密事項にアクセスしてはいけない」ためのルールが人力で守られている(物理的には可能な状況のこともある)ことも多く、やれることとやってはいけないことの区別について、運用ルールをきっちり把握しておかなければわからないということが多いのが学校の特徴です。
つまり、「事前に十分な知識を与える研修」と「疑問が出たときに解決できる窓口」の設定が必要です。
現場で活動していると疑問は尽きません。
それに対していったい誰に聞けば解決するのか、という窓口があれば支援員の活動は非常に効果的になります。
「先生、それ、私がヘルプデスクに聞いておきます」と言って支援員が先生に代わって問い合わせ、回答を先生にわかりやすくかみ砕いて説明すれば現場に良い効果が浸透していきます。
また、学校現場では新しい機器の導入、あるいはリース満了に伴う機器の入れ替えが行われます。
その時、「環境がどう変わるのか、どの機械が変更されるのか」等も支援員に事前に教育しておけば、更新後の先生の疑問に訪問時すぐお答えすることができます。これも支援員の効果的な活用ですね。
「先生、今年の夏校務で使っているパソコンが更新されます。データのバックアップをお願いします」と現場で言って回れば「あのデータが…!」と泣く先生の数を確実に減らすことができます。

また、行政職の皆さんも、現場の先生も、ステージに応じた研修を受けられていることだと思いますが、支援員もステージに応じた研修が必要です。

赴任前の「環境を知る」研修、赴任後「支援のレベルをそろえるための知識・所作」の研修、新しい波に対応するため「プログラミング教育等」の研修等々。

採用したらすべてお任せ、「自己研鑽で頑張ってください!」では支援員の資質に大きく左右されてしまい、言葉は悪いですが当たりはずれが出てきます。
当然です。
自己研鑽にお金を払っているならともかく、ボランティアで勉強してね、という状態で頑張ってくれることを期待するのは良いこととは言い切れません。
頑張ってくれる素晴らしい人が支援員に多いのは事実ですが、それではすぐに立ち行かなくなってしまいます。
頑張っても頑張らなくても待遇が変わらないのであれば、頑張らないほうが楽です。
そのような状態を作っていてはいけないのです。

では、どうすれば活用がよりうまく進むのか、それについては次回ご説明させていただきます。

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