教育ICTガイドブックのご紹介その7 奈良女子大学附属中等教育学校と札幌開成中等教育学校の特色ある教育を支えるICT

皆さんこんにちは。
総務省先導的教育システム実証事業 http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/sendou.htmlに公開された、「教育ICTガイドブックver1」(リンク先PDF:約22MB) http://www.soumu.go.jp/main_content/000492552.pdfの内容をご一緒に確認させて頂きたいと思います。

いろいろイメージ

この資料は、40の事例の「事例編」と、クラウドのすゝめである「手順編」で構成されています。
事例は丁寧に書かれており、とても参考となるものばかりですので、どうぞお付き合いください。

事例6つめは、「「遠隔」「異年齢」交流によるアクティブ・ラーニング」(奈良女子大学付属中等教育学校http://www.nara-wu.ac.jp/fuchuko/ 奈良県奈良市)、7つめは「探求型学習が中心の国際バカロレア校におけるクラウドの活用」(札幌開成中等教育学校http://www.kaisei-s.sapporo-c.ed.jp/ 北海道札幌市)です。
 今回は前回の広尾学園とは違い、国公立の中等教育学校(中高一貫教育)http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/ikkan/main5_a2.htm の取り組みとして2校ご説明させて頂きます。

 

奈良女子大附属中等教育学校はSSH https://ssh.jst.go.jp/ の指定も受けており、独自のカリキュラムで科学技術系人材の育成を図っています。札幌開成中等教育学校はSSHに加えSGH http://www.sghc.jp/ の指定も受けており将来、国際的に活躍できるグローバル・リーダーの育成を図っています。なお、札幌開成中等教育学校は全国で初めて公立校として国際バカロレアhttp://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/ib/ に認定されており、国際的な大学入試資格を得ることができます。

そのような特色ある教育を行う2校では、クラウドを非常に活用しているとのことで、紹介がありました。

 奈良女子大学附属中等教育学校では教育用SNSで校内での意見を活発に行い、それを元にクラウド上に構築された教育支援システムでまとめを発表。更にそれを見て議論を深める、という活動を行ってアクティブラーニングの実践をしていたということです。
 それに加えて、違う土地、違う学年の生徒と教育支援システムを通して交流し、更に学びを深めるという取り組みを行っているとあり、大きな効果をもたらしているということで非常に興味深い事例だと思いました。
学校内ではある意味「意見も大体予想できる」というような状況になることもありますが、違う土地、違う学年の生徒(岡山県立岡山城東高校2年生との交流だそうです)だと思ってもいないような考えが飛び出し、また、遠く離れているからこそ素直に意見も聞けるということでそれを自分の意見にも取り込めるというのが大きなメリットと紹介されています。

 

札幌開成中等教育学校は特に国際バカロレアのプログラムで「学んだ内容を自分なりにどう解釈し、どう表現するか」ということに力を入れた教育が行われています。
探求学習、研究活動がどの教科でも行われているためクラウド上のストレージを活用して生徒の研究データ等を保存しているとのことです。
プレゼンテーションを行うための資料をどんどん調べていくと、保存領域が必要になるのは行政職の皆さまにも経験があることだと思います。
学校にサーバを用意するのではなく、市が契約していたマイクロソフトとのOVS-ESライセンスでOneDriveが一人1TB無料で使えるという点に着目したのは非常に素晴らしい観点ではないでしょうか。

2校ともにアクティブラーニング、探究的な深い学びを実現していますが、そこにICT機器が「日常的に」使われ「複数メディアをミックス」して「一番相手に伝わりやすい」方法を考え、活用しています。
特色ある教育を支えるために、ICT技術は非常に有効なツールであることがこの事例から伝わってきます。

 皆さんの自治体も一歩を踏み出すために、何をどうしたらよいか、というところからご支援させていただければと思います。ご遠慮なくお問合せください。

 次回も事例のご紹介を続けていきます。

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