令和の日本型教育とは24

皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第2部各論の2「9年間を見通した新時代の義務教育の在り方について」(2) 教育課程の在り方③カリキュラム・マネジメントの充実に向けた取り組みの推進を読んでいきます。

カリキュラム・マネジメントという言葉はよく聞きますが、要するに「ちゃんと学習するために上手に学習の予定を立てる」ということです。「去年通り」とかではなく、「足並みをそろえて」のために一番低いレベルに合わせるとかでもなく、子どもたちのより良い学びのために、全体を見渡して、良い方向にもっていく、ということが必要です。算数だけ、国語だけ、1学級だけのことを考えるのではなく、教科横断的な視点に立った資質・能力の育成や、教科等の枠を超えた横断的・総合的な学習の推進等教科間のつながりを意識して、教育の目標を明確化する、と答申にはあります。もちろん、児童生徒や学校、地域の実態を適切に把握することが大前提です。

標準授業時数、というものが定められており、何年生の教科何某は年間何時間の授業、ということが決められています。

量的な取り組みのための枠組みとして、重要な意義を持っている、と答申にはあります。ですが、一方では負担について考慮する、学習状況に課題のある児童生徒も含めて教えることが可能なのか、ICTを活用した柔軟なあり方について検討が必要、という指摘もあります。

新型コロナウイルス感染拡大防止のための臨時休業等も考えると、教育活動や時間の配分等を再検討し、学校の授業における学習活動を重点化する等のカリキュラム・マネジメントを実施する重要性が指摘された、とあります。

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2か月間の休校の後、例えば7時間授業を実施した学校、夏季休業中に登校した学校等、子どもたち、先生方への負担はすさまじいものがありました。何とかなっているので、のど元過ぎている扱いをされますが、これは考えなければならないことです。同じことが起こった時に、また全く同じような対応しかしない、というのは困ります。

そのため、カリキュラム・マネジメントのもとに柔軟に判断対応できる体制が必要になってくると考えられます。教育委員会においても、各学校の持っている裁量を明確にすることが求められます。

定量的な学習時間の批判も多くありますが、これは一定の総授業時数の確保による教育の機会均等という観点から設定されたものであるという視点は忘れてはいけません。家庭環境に恵まれた、できる子だけがどんどん勝手に進み、家庭環境に恵まれなかったために学習がうまく進まない子どもが置いてきぼりになるようなことはあってはなりません。

そういった点でも、「カリキュラム・マネジメントを実施して策定した教育課程に関してはどのような考えのもと実施しているか、ということと併せて公表することとすべきである」と答申では述べられています。

次回は第2部各論の3「義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方」について読んでいきます。

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