令和の日本型教育とは21

皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第2部各論の2「9年間を見通した新時代の義務教育の在り方について」(2) 教育課程の在り方①学力の確実な定着等の資質・能力の育成に向けた方策を読んでいきます。

一番最初に学力が出てきます。知識は、子どもたちの身を助けますね。学力という言葉の範囲はとても広いので、自分の持つイメージと他人の持つイメージは違うと思っていただければと思います。

新学習指導要領では、資質・能力を「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」を3つの柱としてうたっています。そして、新学習指導要領を着実に実施するには、ICT環境を最大限に活用し、「個別最適な学び」「協働的な学び」を充実していくことが重要である、と言われています。

そして、児童生徒の発達の段階を考慮し、言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力等の学習の基盤となる資質・能力を育成していくことも述べられています。少し長いですが、情報活用能力として述べられている部分を引用します。

「コンピュータ等の情報手段を適切に用いて情報を得たり、情報を整理・比較したり、得られた情報を分かりやすく発信・伝達したりといったことができる力、このような学習活動を遂行する上で必要となる情報手段の基本的な操作の習得を含めた情報活用能力を育成することも重要である。」

さらに、その前までの流れを受けて、幼児期の学習を小学校以降にもつなげていくことが重要である、と述べています。

小学校の低中学年では、安心して学べる居場所としての学級集団がまず一番最初にあり、その中で基礎的・基本的な知識及び技能を反復練習もしながら確実に定着させることが重要であり、知識及び技能の習得や活用の喜び、充実感を味わう活動を充実させることも重要であるとあります。

各児童の状態を丁寧に把握し、指導の個別化が重要であるとも述べられています。

大体において、重要ではない教育活動というものはありません。そのため、答申で○○が重要となれば、今まで重要だったものに付け加えて重要なものが増えるわけです。現在はその重要なものが増えすぎて、先生方がとてもとても大変な状態になっていると考えられます。

それを踏まえたうえで、さらに低学年では「安心して学べる居場所である学級集団」が重要であるとあります。幼児教育、低学年の教育が重要である、という認識が深まってきたということですね。

先回も申し上げましたが「簡単なことを教える」ということはとてもとてもとても難しいことです。そこを突き詰めて、上手に教え、共に学ぶことができれば、もっともっと日本の学力は上がるでしょう。

高学年は、「抽象的な思考力」の文言が出てきます。それを伸ばすために、教科担任制の導入や、学校段階間の連携の強化、外部人材の配置、研修の導入が重要である、と述べられています。

高学年は、物事を抽象化してとらえることがだいぶんできるようになってきているため、より専門的な授業を実施することで、より深い学びが得られる、という考え方ですね。

次回は第2部各論の2「9年間を見通した新時代の義務教育の在り方について」の続きを読んでいきます。

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