令和の日本型教育とは⑱

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「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第2部各論の1「幼児教育の質の向上について」の続きを読んでいきましょう。

幼児教育を担う人材の確保・資質及び専門性の向上では、真っ先に「処遇の改善」が挙げられています。

幼児教育を担う保育士や幼稚園教諭の給与がその重要性に対して非常に低いということが叫ばれて久しい状況です。厚生労働省宮城労働局には以下のような調査結果が掲載されています。

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https://jsite.mhlw.go.jp/miyagi-roudoukyoku/var/rev0/0119/7609/ho3.pdf P1より引用

女性の方が勤続年数が長いのに平均給与が低いという点も問題ですが、平均で220万円程度の年収で、保育士を生涯の職業としてずっと続ける魅力があるかどうか、というところも問題です。

文部科学省の学校教員統計調査によると、幼稚園教諭と小学校教諭の年収はおよそ100万円違います。

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https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kyouin/kekka/k_detail/1395309.html 調査結果の概要P11より引用

とにかく、待遇の改善が急務であることは間違いありません。ただ、答申では
「このため、 処遇改善等の必要な施策を引き続き実施するとともに、 地方公共団体が主導して幼児教育関係団体や幼稚園教諭の教職課程を有する大学等と連携し、新規採用の促進、離職防止・定着促進、離職者の再就職の促進といった総合的な人材確保策を推進していくことが必要である。」と述べるにとどまっています。

続いて述べられているのは、資質向上で、研修の充実が話題になっています。幼児教育の分野(にも限りませんが)は、新しい知見がどんどん出てきています。それを、教職員が学ぶ場所が必要だということですね。

学び続けることによって、専門性を高めていく、ということも述べられています。より上位の免許状取得についても述べられています。注には、第二種免許状を取得している幼稚園教諭には、第一種免許状を取得する努力義務がある、とありますが、現在の幼稚園教諭は第二種免許が70%ということでした。第二種と第一種の違いは、第二種(短大卒業程度)第一種(大学卒業程度)という点ですが、つまり、2年分の勉強をすることでより専門性を高めていくという意図ですね。

さらに、質の評価の促進についても述べられています。私は保育園に非常にお世話になったので「預かってくれるだけでもありがたいんです本当にありがとうございます」という気持ちが正直なところです。それは、園の先生方にはとてもご尽力していただき、大変よくしていただいたからだと思います。とはいえ、第三者から評価する目が必要なことには変わりありません。

答申にも「教育活動その他の園運営の状況について評価し、その成果を施設の運営や環境づくり、 教育課程等や指導などに生かすことにより、持続的に改善を促す PDCA サイクルを構築することが必要である。」と述べられています。どんなに良い組織でも、他者の目からの評価は必要です。

その際に、専門的知見からの助言はとても有効です。単なるクレーマーで声の大きい人の意見を聞くのではなく、毅然と対応しなければならない場合は対応するための根拠を、専門家が入ることによって蓄積できるのではないかと思います。

答申にも「各幼稚園等が評価疲れを起こさないよう効果的・効率的に実施できるものにするよう留意する必要がある 。」と述べられています。評価される理由をきちんと理解して実施しないと、やればやるだけ対応に疲れる、というのは困ったものになりがちです。保護者アンケート等も、そのことを保護者によく理解してもらったうえで実施できると非常に有効だと思います。

次回は第2部各論の1「幼児教育の質の向上について」の続きを読んでいきます。