令和の日本型教育とは⑫

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皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第1部総論の4「「令和の日本型 学校教育」の構築に向けた今後の方向性」を読んでいきましょう。

(4)履修主義・修得主義等を適切に組み合わせる では、今までの組み合わせ方を変えることも必要ではないか、ということについて書かれています。少し長いですが、それぞれがどのような内容なのか引用してみましょう。

現行の日本の学校教育制度では、

  • 所定の教育課程を一定年限の間に履修することでもって足りるとする履修主義
  • 履修した内容に照らして一定の学習の実現状況が期待される修得主義
  • 進学・卒業要件として一定年限の在学を要する年齢主義
  • 進学・卒業要件として一定の課程の修了を要求する課程主義

の考え方がそれぞれ取り入れられている。

とのことです。

修得主義や課程主義は、一定の期間における個々人の学習の状況や成果を問い、それぞれの学習状況に応じた学習内容を提供するという性格を有する、とあります。これこそ新学習指導要領で述べられている「個別最適化」に当てはまりそうですね。ただ、答申では、「個別での学習が強調された場合、多様な他者との協働を通した社会性の涵養など集団としての教育の在り方が問われる面は少なくなる」とあります。難しい塩梅のところですね。個別最適化が行き過ぎると、「じゃあなぜ学校にわざわざ通うんだ」という議論がどうしても出てきますね。もちろん、学校に通わないという選択肢もあったほうがいいと思いますが、全員が通わないことしか選べないというのは残念なことです。

今の日本では、制度上原級留置(進級しないで同じ学年を繰り返して履修)はありますが、基本的に年齢主義だ、という風に手引きではあります。制度上の原級留置を、義務教育段階で実施するには、まだまだ社会的に負の影響が多いと考えられます。

答申でも、年齢主義を基本に置きつつも、教育課程を履修したと判断するための基準については、履修主義と修得主義の考え方を適切に組み合わせ、それぞれの長所を取り入れる教育課程の在り方を目指すべきである、と述べています。今すぐ絶対に修得主義! という風にはなっていませんが、それを考えていく必要がある、と述べていますね。

また、個別最適な学び及び協働的な学びとの関係が述べられています。

  •  修得主義の考え方を生かして、指導の個別化により、すべての児童生徒の資質・能力を確実に育成すること
  •  修得主義と履修主義の考え方を組み合わせて、学習の個性化により、探究的な学習を充実すること
  •  履修主義の考え方を生かし、協働的な学びにより児童生徒の個性を生かしながら社会性をはぐくむ教育を充実する

とあります。何度も繰り返し述べられていることですが、個別最適な学びと協働的な学びを実現していくために、必要な考え方を丁寧に書いているというところですね。

ICTを活用することで、先生方のご負担が減るよう、そして、子どもたちの楽しい学び、すべての子供たちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実できるよう、私たちはご支援していきます。行政職の皆様は、この考え方を根底に、自治体の子供たちの未来をご一緒に作っていきましょう。

次回は第1部総論の4「「令和の日本型 学校教育」の構築に向けた今後の方向性」の続きを読んでいきます。