令和の日本型教育とは⑪

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「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第1部総論の4「「令和の日本型 学校教育」の構築に向けた今後の方向性」を読んでいきましょう。

(3) これまでの実践とICTとの最適な組み合わせを実現する は、これまでも何度も何度も言われてきたことですね。ですが、今回はかなり様々なことが、かなりハードル低く実現できそうなところまでテクノロジーは進化してきました。

答申では、以下のようなことに寄与する、と言って6点あげられています。

1 新学習指導要領の着実な実施

2 学びにおける時間・距離などの制約を取り払うこと

3 すべての子供たちの可能性を引き出す、個別に最適な学びや支援

4 可視化が難しかった学びの知見の共有やこれまでいない知見の生成

5 学校における働き方改革の推進

6 災害や感染症等の発生等による学校の臨時休業等の緊急時における教育活動の継続

一番最初に述べられているのが「新学習指導要領の着実な実施」です。着実に実施するために、ICTを活用せよ、という答申になっているわけです。

それぞれの項目には例示があります。その例を読めば、なるほどこういうことか、ということが想像できそうです。

例えば、2を聞くと「遠隔教育」がぱっと思い浮かぶようになりました。数年前は、そこから先が困難を極めていましたね。まず、大型提示装置が足りない、集音するマイクの知見が足りない、遠隔で通話するためのテレビ電話機能を持ったアプリの使い方がわからない、そもそもそのアプリがとても不安定である、通話をし続ける回線が確保できない、すぐ途切れる……ご支援の中でも「どうしてそうなるか」がわからず、学校現場で四苦八苦していたものです。それが、今では「Zoom使えばできる」「Teams使えばできる」「Meet使えばできる」と先生方がぱっと思い浮かべることができるようになったのですから、大きな進歩です。回線さえ何とかなれば、GIGAスクール構想で一人1台のタブレットを持ち、併せて多くの自治体で整備された大型提示装置を使えば、今日打ち合わせて明日授業、ということも可能になってきています。これが今後はもっと気軽に行えるようになることでしょう。

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ご支援している自治体はとても広く、都市と山間の学校の交流も盛んなのですが、お互い70kmも離れていると、気軽に遊びに行くわけにいきません。ですが、気軽に遠隔授業を実施することで、ここぞという「一緒に遊ぶ」機会が非常に有意義なものとして位置付けることができます。自分の周囲にはない刺激が得られる貴重な機会となるわけです。

また、4はとても重要な視点です。集合知を残していく必要が高まっています。私が、愛知教育大学で2年間学んだ時に痛感したことは「愛教大の学生は愛教大に通学しているというただそれだけで先生がどういうことを大切にしているのか分かっている」ということです。「授業が1番大切」「子供のことを一番に考える」ということについて、学生に授業で習ったのかと聞くとそんなことを習った覚えはない、と言います。が、例外なく、どんなに授業に出てこない不真面目な学生でも(失礼)この2点の価値観は共通して持っていたのです。驚きました。私が指導教官にそれを指摘すると「たしかに」ということになり、二人してどうしてだろう、と首をひねったものです。今でもわかりません。

教育支援を実施する企業の社員は、これらの価値観を理解することがとても重要です。そうでなければ、先生方とお話しするときにすれ違いが発生し、同じ言葉を使っても話が通じない、ということになってしまうことがあります。ではこの価値観を育成するための教育方法が確立されているかというと、残念ながら「一口では言えないんだけど」と、なかなか効果的な説明ができないでいる、というのが現状なのです。

これが可視化されて、共有されれば、教育現場で働く大人にとってこんないいことはありません。

これらのことから、答申では「ICTはこれからの学校教育に必要不可欠なものであり、基盤的なツールとして最大限活用していく必要」があると述べています。同時に「その活用自体が目的でないことに留意が必要である」とも述べています。

バランスが大事だということですね。これからは、どういう場面でICTを活用するのか、どういう場面で紙の活動をするのか、という見極めも必要になってくるということですね。

次回は第1部総論の4「「令和の日本型 学校教育」の構築に向けた今後の方向性」の続きを読んでいきます。