令和の日本型教育とは2

皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第1部総論の1「急激に変化する時代の中で育むべき資質・能力」を読んでいきましょう。

人類史上かつてない速さで時代が変化している、ということは肌感覚でわかると思います。私は娘に「母ちゃんが子どもの頃、スマホはなかったんでしょ?」と驚きをもって言われます。

答申では「社会の在り方そのものがこれまでとは「非連続」と言えるほど劇的に変わる状況が生じつつある」とあります。「新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により」社会の変化が加速度を増し、複雑で予測困難となってきていることが指摘され、その通りになっているとあります。

つまり、いくら予想してもとんでもない変化が起こるということが容易に想像ができてしまう世の中となるわけです。では、教育は無駄なのでしょうか。将来が予想できないから、どんな勉強をしたら役に立つかわからないから、教育に力を入れても仕方がないのでしょうか。

そうではないですね。

少し長いですが、答申を引用します。「一人一人の児童生徒が,自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となることができるよう、その資質・能力を育成することが求められている。」とあります。

では、その資質・能力をどう定義しているのかというと、「文章の意味を正確に理解する読解力,教科等固有の見方・考え方を働かせて自分の頭で考えて表現する力、対話や協働を通じて知識やアイディアを共有し新しい解や納得解を生み出す力」とあります。続けて「豊かな情操や規範意識,自他の生命の尊重,自己肯定感・自己有用感、他者への思いやり、対面でのコミュニケーションを通じて人間関係を築く力、困難を乗り越え、ものごとを成し遂げる力、公共の精神の育成等を図るとともに、子供の頃から各教育段階に応じて体力の向上、健康の確保を図ること」はどのような時代であっても変わらず重要である、とあります。

国際的な視点で言えば、SDGsやLearning Compass 2030などの紹介があります。

そして、これらの資質・能力を育むためには新学習指導要領の着実な実施が重要である、と述べられています。新学習指導要領を実施することで育成する能力を着実に身に付けることが重要、ということですね。そこには、特に今回の新学習指導要領で基盤となる力として取り上げられた情報活用能力が含まれています。また、それらを実現するために,ICTが必要である、ということも強く書かれています。

今までの答申とはICTに関する力の入れようが少し違います。少しずつ読んで、GIGAスクール構想で導入された端末を上手に活用できる助けになればと思っています。

次回は第1部総論2.日本型学校教育の成り立ちと成果、直面する課題と新たな動きについてを読んでいきます。

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