手が届けられなかったところに届けられるようになります

皆さんこんにちは

2019年12月に教育の情報化の手引きが発行されました。そして、その後のICTを取り巻く状況の大きな変化に対応して、2020年6月に追補版が発行されました。要所要所を確認しながら読んでいきましょう。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00117.html

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本日は追補版第4章 病気療養中の児童生徒のICTの活用についてご説明します。

 

手引きでは、病気の状態や学習状況により、各教科や特別活動等での体験的な活動を伴う内容の実施が困難なことがある、ということが述べられています。治療の方針等で身体活動の制限が伴う場合もある、とあります。要は、その子、その子に合った治療が優先されるため、学習活動において配慮が必要だ、ということですね。病気を治すのが一番ですが、治療しつつ学習をする権利が子どもたちにはあります。手引きで有効である、と述べられているのは、病室でも使用しやすいデジタル教科書やオンライン教材の活用です。また、学習活動できる時間が限られることも多いため、教育内容を適切に精選すること、できる限りシミュレーションや調べ学習など多様な内容を含むことなどが述べられています。

院内学級が併設されている病院もありますね。そこに、インターネット環境を整備するだけで、学習の質が格段に高まった、とお聞きしたことがあります。常設ではなく、利用する学年も教科書もばらばらの子供たちに、適切な教材を外から運んでくる、というのはとても大変なことです。インターネットに接続できれば、そこで探すことができます。全てインターネットで済ませよう、などとはどの先生も全く思っていらっしゃいません。子どもたちの世界を広げる有効な手段として活用できますね。

また、前籍校との交流も重要です。院内学級がある大きな病院に、親元を離れて入院している子供もたくさんいます。そんな孤独を癒してくれる手段の一つとして、前いた学校のお友達と話をする、一緒に授業を受ける、という体験は重要です。

手引きでは、実際に同時双方向型配信授業を実施した例なども掲載されています。

病気療養中は、思うように学習が進まないことの方が多いです。学習しようにも治療が辛く起き上がれない、あるいは容体に波があり、計画を立ててもその通りに実施できない、などは日常茶飯事です。ですが、そういうときこそ、本人が望むのならたくさんの同年代の子どもたちと触れ合う機会を得られるといいですね。ICTはそのお手伝いができるはずです。今まで、少数だからとあまり手が伸びていなかった部分に、手を届けることができるようになるのはとてもうれしいことです。

 

次回は、重複障害等の児童生徒のICTの活用についてお送りします。

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