ICT支援員養成講座がはじまりました

投稿日 | カテゴリー: e-ラーニング |

皆さんこんにちは。

2021年4月15日より、「ICT支援員養成講座」の申込みが開始されました。

待望の、「広く、必要最低限のICTと学校に関する知識をe-ラーニングで学べる」講座です。

弊社株式会社ハイパーブレインと、特定非営利活動法人情報ネットワーク教育活用研究協議会様とで、渾身の力を注いで作成しました。

 

この講座は、

・ICT支援員を目指している人、実際にICT支援員として働いている人はもちろん、

・教員になりたい学生

・学校で働く人(GIGAスクールサポーター、学校図書館司書、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、地域コーディネーター、学級運営補助員、スクールサポーター等)

・学校の先生、事務職員

・IT初心者で、これからIT関連の職で働こうとする人

にも非常に有意義な内容になっています。

 

もう申し込みたくなった方はこちらhttps://jnk4.org/e-LearningCourse/entry.phpをクリックしてください。

 

カリキュラムを確認してみましょう。

こちらは  A、情報技術基礎コース のカリキュラムです。情報処理推進機構(IPA)作成のITスキル標準V3、レベル1「職業人として備えておくべき、情報技術に関する共通的な基礎知識」の習得を目標としたコースです。例えば、A1-8とA1-9では「ネットワーク技術の活用」を学習しますが、これは、どの参考書や書籍を探しても分からなかった「なんとなくふんわりネットワークについての知識はあるけれど、理屈があまりよくわかっていないから絶対知らなきゃいけないことだけ知りたい」ニーズにぴったりです。

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A・情報技術基礎コースプログラムPDF→Aプログラム

 

B、ICT支援員自己研修コース はこちらのカリキュラムです。特定非営利活動法人情報ネットワーク教育活用研究協議会 ICT 支援員評価研究プロジェクトが作成した ICT 支援員養成プログラムに基づき、ICT 支援員として学校で働くことができるようになる自己研修のためのコースです。私もプロジェクトに参加していますが、「ICT支援員にこれだけは身に付けておいてもらいたい」内容を厳選しています。

ICT支援員の業務は、各自治体の仕様書により様々なものがありますが、そうは言っても、以下の内容は身に付けておきたいところです。そのうえで、仕様書に書かれている業務を実施していくと、おそらくとても働くのが楽になるはずです。とくにB3の知っておくべき法令・ポリシーは、労働基準法やハラスメントなど、ICT支援員自身が身を護るために知っておくべきものになります。知ることで、言われたまま一人で悩まずに済むようになります。

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B・ICT支援員自己研修コースPDF→Bプログラム

 

では、気になるお値段ですね。

以下のような料金体系です。開講特別価格で今とてもお得に受講できます。

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料金体系PDF→料金体系

何人か集まれるなら団体受講だと更にお得に受講できます。

団体受講は、代表者が申し込んでから1か月間は受講者を登録することができます。

例えば、15人集まったなら、20人分申し込んでおいて、最初に登録するのは15人、1か月以内に残り5名を集めれば都度登録することができます。追加できるのは1か月ですのでご注意ください。

 

受講までの流れとしては以下のようになっています。

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個人認証に必要なのは以下のものです。団体の場合でもそれぞれ個人で必要ですのでご準備ください。

1.受講する端末(最新版のGoogle Chrome、Safari、Microsoft Edgeが動作するPC等)

2.スマートフォン等(SMSが受信できる端末)

※スマートフォンでの受講が多いことから,認証の要件について見直しが行われ,現在はSMS認証は実施しておりません。

3.団体受講の場合、個人メールアドレス(PCからの受信ができる、あるいは「ict-help.jp」ドメインからのメールを受信できるもの)

4.団体受講の場合、3のメアドが受信できる端末。1や2と同じで構いません。

※メールアドレス認証や、SMS認証に時間制限があります。時間に余裕を持って操作してください。

 

内容を少し見てみたい、というご要望もきっとありますね。一部をご紹介いたします。

これはAB両方申し込んだ人の画面です。

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基本的に学習内容と、確認テストでできています。

例えば学習内容だと、

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このように、最初に問が示されます。このようなことを学習するんだな、ということが分かりますね。

その後で学習内容で詳しく学習します。

さらに、確認テストで定着を図ります。

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確認テストで合格すれば、次に進めます。

最後に総合まとめテストに合格すれば、修了証です。

 

学習内容を斜め読みして確認テストを受験しても、合格は難しく設定されています。きちんと自分に落とし込んで、しっかり学習ができてからでないと、受験しても不合格を繰り返すことになるでしょう。

 

実際に学校現場でどう考えればいいのか、どうすればいいのか、というのを自分に落とし込める内容になっています。ICT支援員はもちろん、学校の先生や教員になりたい学生が受講すると、「こういうことになっているなら、自分の授業の時にどうやってICT支援員を活用することができるか考えよう」という知識が身に付けられますし、ネットワーク等が不通になった場合に、何を確認すればよいのか、ということも分かるようになります。ICTを活用しなければならないけれど、どうも苦手意識が抜けない、という方には初学としてうってつけの教材です。

申込みはhttps://jnk4.org/e-LearningCourse/entry.phpからお願いします。

 

とても良い教材ですので、ぜひ、受講してみてくださいね。

 

令和の日本型教育とは㉘

投稿日 | カテゴリー: 令和の日本型教育 |

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第2部各論の5「生涯を通じて心身ともに健康な生活を送るための資質・能力を育成するための方策」6「いじめの重大事態、虐待事案等に適切に対応するための方策」を読んでいきます。

健康教育について、答申でも述べられています。エビデンスに基づいて、というところが冒頭にありますが、フィーリングで何とかするのではなく、こうだからこう、ときちんと説明できた方が子どもたちも納得しやすいですよね。養護教諭の適正な配置で、健康増進のすべてを担う養護教諭がコーディネートするなど、より適切な健康教育ができますね。

食育についても述べられています。健康教育も食育も大切なことですから、答申には書く必要がありますね。

さらにいじめの重大事態、虐待事案等に適切に対応するための方策についても述べられています。いじめの認知件数が過去最高を更新していますが、それについては悪いことではないと思います。全国で、どんどん、「軽微な」件も含めて、いじめが認知されるようになったと考えられるからです。いじめをいじめとも認めてもらえず、誰にも認知されず、一人で耐えている子供が少しでも減ることを強く願います。「いじめられている方にも原因が」とか、「そのくらいのことで」とか、「相手に悪気はない、嫌だといったのか」とか、よくそんなこと言えるな、ということを平気で言う大人がいますが、大人の世界でもハラスメントには同様の対応をされることが非常に多いので、これは少しずつみんなの意識を変えるしかないのかな、と思っています。ハラスメントで苦しんでいる人に特に「嫌だと言ったのか」なんて、嫌だと言えるくらいならハラスメントの対象にはされていないと思います。嫌だと言えない人を狙ってハラスメントは発生します。そういうことをなくすためにも、子どものうちから、小さないじめを、軽微ないじめを、断固許さない、と対応できるような先生の余裕を私たちは作っていきたいです。

先生方には、生徒指導についての一層の積極的な充実や、困難の緩和、といったことが答申で述べられています。SOSの出し方に関する教育を含む、自殺予防の取組の推進についても述べられています。
いじめを苦にした自殺、なんてことは発生させてはいけません。絶対にいけません。そのためには、安心できる居場所、相談できる人、様々な方策をとらなければなりません。

ただ、先生方にそれらすべてを背負わせるにはあまりに酷です。私たちは外部人材としてできる支援を実施し、子どもたちの大切な命を守るための取り組みが先生方にできるように時間を創出します。

次回は第3部「新時代に対応した高等学校教育 等 の在り方についていて」各論の1基本的な考え方を読んでいきます。

 

令和の日本型教育とは㉗

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「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。
この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第2部各論の4「義務教育を 全て の児童生徒等に実質的に保障するための方策」①不登校児童生徒への対応②義務教育未修了の学齢を経過した者等への対応、を読んでいきます。

まず答申では、不登校児童生徒への対応が述べられています。令和元年度には18万人以上、という統計が掲載されています。不登校となるきっかけは様々ですが、学校が子どもたちにとって安心感、充足感が得られる場所ではない、ということは共通していると思われます。なので、学校が魅力的な場所になることが必要だと述べられています。

それと同時に、現在不登校の児童生徒への適切な支援が必要ですね。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置時間等の充実を図ることや、教育支援センターの機能強化、不登校特例校の設置促進などが挙げられています。不登校特例校については、例えば、岐阜市立草潤中学校 https://gifu-city.schoolcms.net/soujun-j/ は、市立中学校としての不登校児童生徒受け入れを実施しています。様々な学ぶ機会、選択肢が増えてくるというのは非常に素晴らしいことですね。

40人が一斉に同じことをしなければならない、という時代は変わりました。どの児童生徒も取りこぼさない、それぞれの魅力が輝くような学習を実施できる、そういう風に学習指導要領では述べています。そのため、学校の設備も環境も、教員を取り巻く意識も地域も、全部が変わっていかないと変わらないわけですね。全国で18万人もの子供たちが不登校になっている、学校にいけない自分を責めている子どもたちもいるでしょう。親や親族から学校に行かないことを責められたり、地域に心無い噂を立てられている、と感じる子供もいるでしょう。

でもそんな子供たちが18万人もいる、ということが問題ではないでしょうか。約960万人の小中学生の、およそ2%です。100人に2人です。これからますます少子化が進むなか、子どもたちから学ぶ意欲や場所を奪ってはいけません。答申では調査研究を進めていくとありますので、その結果が全国にシェアされ、より多くの子どもたちが楽しく学べる環境ができるよう私たちもご支援していきます。

続いて、義務教育未終了の学齢を経過した者等への対応ということで、夜間中学について述べられています。すべての都道府県に少なくとも一つの夜間中学が設置されるよう、すべての指定都市において夜間中学が設置されるよう促進する、とあります。

夜間中学に行きたいと願う多様な生徒に対応する実態を踏まえて、日本語指導補助者や母語支援員、スクールカウンセラー等の専門人材の配置を促進し、チームとしての学校を推進する、とあります。

多様な学びの場所を提供するためには、多様な児童生徒に対応できる多様な人材が必要ですね。そのためには、様々な専門家と学校が一丸となって児童生徒の学びを支える体制を作らないといけません。

それの成功事例を積み重ねて、チーム学校がうまく機能する環境を整えていきたいですね。

次回は第2部各論の5「生涯を通じて心身ともに健康な生活を送るための資質・能力を育成するための方策」について読んでいきます。

令和の日本型教育とは㉖

投稿日 | カテゴリー: 令和の日本型教育 |

皆さんこんにちは。

 

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第2部各論の3「義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方」②義務教育9年間を見通した教師の養成等の在り方を読んでいきます。

答申では、教員免許状の学校間の垣根は低くなってきている、とあります。「誰一人取りこぼさない」ということを考えると、教師には「一層学校段階間の接続を見通して指導する力や、教科等横断的な視点で学習内容を組み立てる力など、総合的な指導力を教職生涯を通じて身に付けることが求められる」とあります。例えば、小学校教諭と中学校教諭の免許状の両方を取得することは、教員の資質としては非常に素晴らしいものですが、2つの教職課程を同時に学生に求めることは、負担がかなり大きいです。

私が学生の頃、1つ下の後輩が小中高すべての教員免許を取得しましたが、それはそれはとても大変でした。

そのため、この答申では、「小学校と中学校の教職課程それぞれに開設を求めていた授業科目を共通に開設できる特例を設けることにより、学生が小学校と 中学校の 教諭の 免許状を取得しやすい環境を整備する必要がある。」とあります。負担を減らして、小学校と中学校両方に必要なことを学んだ教員が現場で教えることができるような工夫をしようとしているということですね。

また、制度的に、一定の勤務経験を有する教師は一定の講習を受講することで他の学校種の教諭の免許状を取得することは可能となっていますが、細かなところで要件が定められていて、「一定の勤務条件」に当てはまらないために、免許状取得が困難になっているケースがあるということです。

そのため、要件の弾力化についても提言されています。

ここでは義務教育の話をしていますので、小中学校の両方の免許状を取得する方法について述べられていますが、「様々な子どもがいる」「発達段階が違う」ということを、先生方がきちんと学んで教壇に立つ、ということは保護者や児童生徒の立場からしてもとても喜ばしいことですね。先生方のご負担ができるだけ増えない形で、より「教える」ということの専門性を活かした教職課程を実施していってもらいたいものです。

次回は第2部各論の4「義務教育を 全て の児童生徒等に実質的に保障するための方策」について読んでいきます。

令和の日本型教育とは㉕

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「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第2部各論の2「9年間を見通した新時代の義務教育の在り方について」(3)義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方を読んでいきます。

今回のこの答申で、世の中がびっくりした一つに「小学校高学年からの教科担任制の導入」があります。義務教育9年間を見通した教育課程を支える指導体制の構築が必要だということについては、どなたも異論はないでしょう。それをうまく実現するため、「令和4年度をめどに」小学校高学年からの教科担任制を本格的に導入する必要がある、と述べています。

どの教科で実施するのか、学校規模、地理的条件等の違いも踏まえて効果的な指導体制の在り方を検討する必要がある、とあります。

答申では外国語、理科、算数を対象とすることが考えられます、とあります。

教科担任制のメリットとしては、

  • 系統的な指導による中学校への円滑な接続が図れる
  • 教科指導の専門性を持った教師によるきめ細かな指導を可能とする
  • 授業の質の向上を図れる
  • 理解度、定着度の向上と学びの高度化を図れる
  • 教員の持ち込ます宇野軽減や授業準備の効率化により、教育活動の充実や負担軽減に資する

ということが挙げられています。いいことずくめのようですね!

令和4年度予算要求にも「新しい時代の学びの環境整備(義務教育費国庫負担金)~小学校における高学年の教科担任制の推進と35人学級の計画的な整備~」として総額1兆5147億円が計上されています。ものすごい金額ですが、前年比マイナス17億円です。

義務教育国庫負担金の中で、「小学校高学年における教科担任制の推進」については、2000人の定員改善予算が含まれています。(優先的に専科指導の対象とすべき教科) 外国語、理科、算数、体育という注釈付きです。

全国2万校以上ある小学校に2000人の定員改善というのがどういうことなのか、ということは難しい問題ですね。学校間の調整もとても難しいことになるでしょう。自治体内でやりくりするにも、各学校に満遍なく上記4教科の先生がいらっしゃるか等も難しい問題だと思います。

次回は第2部各論の3「義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方」について読んでいきます。

令和の日本型教育とは㉔

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皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第2部各論の2「9年間を見通した新時代の義務教育の在り方について」(2) 教育課程の在り方③カリキュラム・マネジメントの充実に向けた取り組みの推進を読んでいきます。

カリキュラム・マネジメントという言葉はよく聞きますが、要するに「ちゃんと学習するために上手に学習の予定を立てる」ということです。「去年通り」とかではなく、「足並みをそろえて」のために一番低いレベルに合わせるとかでもなく、子どもたちのより良い学びのために、全体を見渡して、良い方向にもっていく、ということが必要です。算数だけ、国語だけ、1学級だけのことを考えるのではなく、教科横断的な視点に立った資質・能力の育成や、教科等の枠を超えた横断的・総合的な学習の推進等教科間のつながりを意識して、教育の目標を明確化する、と答申にはあります。もちろん、児童生徒や学校、地域の実態を適切に把握することが大前提です。

標準授業時数、というものが定められており、何年生の教科何某は年間何時間の授業、ということが決められています。

量的な取り組みのための枠組みとして、重要な意義を持っている、と答申にはあります。ですが、一方では負担について考慮する、学習状況に課題のある児童生徒も含めて教えることが可能なのか、ICTを活用した柔軟なあり方について検討が必要、という指摘もあります。

新型コロナウイルス感染拡大防止のための臨時休業等も考えると、教育活動や時間の配分等を再検討し、学校の授業における学習活動を重点化する等のカリキュラム・マネジメントを実施する重要性が指摘された、とあります。

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2か月間の休校の後、例えば7時間授業を実施した学校、夏季休業中に登校した学校等、子どもたち、先生方への負担はすさまじいものがありました。何とかなっているので、のど元過ぎている扱いをされますが、これは考えなければならないことです。同じことが起こった時に、また全く同じような対応しかしない、というのは困ります。

そのため、カリキュラム・マネジメントのもとに柔軟に判断対応できる体制が必要になってくると考えられます。教育委員会においても、各学校の持っている裁量を明確にすることが求められます。

定量的な学習時間の批判も多くありますが、これは一定の総授業時数の確保による教育の機会均等という観点から設定されたものであるという視点は忘れてはいけません。家庭環境に恵まれた、できる子だけがどんどん勝手に進み、家庭環境に恵まれなかったために学習がうまく進まない子どもが置いてきぼりになるようなことはあってはなりません。

そういった点でも、「カリキュラム・マネジメントを実施して策定した教育課程に関してはどのような考えのもと実施しているか、ということと併せて公表することとすべきである」と答申では述べられています。

次回は第2部各論の3「義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方」について読んでいきます。

 

令和の日本型教育とは㉓

投稿日 | カテゴリー: 令和の日本型教育 |

皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第2部各論の2「9年間を見通した新時代の義務教育の在り方について」(2) 教育課程の在り方②補充的・発展的な学習指導についてを読んでいきます。

答申では、まず、児童生徒の負担を考慮しながら、学習内容の理解を深め、広げるという観点から適切に発展的な学習を取り入れる、ということを言っています。

また、学習指導要領を逸脱する、という言い方を以前よく聞いていましたが、指導要領に書いてあることはもちろん実施するとして、必要があればそれにプラスして指導することができる、とされていることを確認したうえで、学年や学校段階を超えたり、学びなおしで基礎を定着したり、という柔軟な方法が提示されています。つまり、その学年の学習指導要領に書いていることだけ金科玉条のように守る必要はない、と言っているわけですね。

補充的・発展的な学習を行う際は、すぐに思いつくのがタブレットによるドリル学習ですが、それを有効に使うとともに、思考力、判断力、表現力等や学びに向かう力、人間性等の育成も十分に行われるようにしなければならない、と答申にはあります。ドリル学習するとすぐに「コンピューターが先生だなんて血が通っていない、温かみがない、画一的な教育に陥る」というような話が聞こえてきます。そういう側面があることも事実ですが、大多数の場合、「ドリル学習に人間の仕事を助けてもらう」ことができる、です。何度も申し上げますが、これらの非難に関しては、既に時代遅れであるという認識が必要になっています。時代は、既に「ICT機器をどう活用するかを人間が決める能力が必要になっている。ICT機器に使われるような人間であっては大変だ」です。

発展的学習についても、個別学習のみで学習を終えることにならないよう留意し、協働的な学びが取り入れられるように教育活動を工夫、とあります。協働的な学びができるのが学校の最大のメリットですので、個別学習のみに終始するのなら学校に所属することすら意味がない、という極論に達してしまうことも考えられます。

特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する指導についても、近年議論が高まっています。話題に上るのは、特異な才能と学習困難とを併せ持つ児童生徒に対する教育ですね。例えば鉛筆で書く、ということが非常に困難であるため、劣等生のレッテルを貼られていたが、適切な援助のおかげで特異な才能が開花した、というようなものです。

ですが、その適切な援助をどの担任の先生にも求めるのは違いますので、遠隔・オンライン教育も活用した実証的な研究開発を行い、さらなる検討・分析を実施する必要がある、と答申では述べられています。

どんな子供も取りこぼさない、今までもしかしたら取りこぼしていた子どもの中に、適切な援助があれば生きづらさが楽になる子どもがいたかもしれない、ということを、だんだん考えることができるようになってきたということです。

それは、現場の先生方のたゆまぬ努力のたまものではありますが、それを、ICTを活用して実現していく、という方略が全国で広まっていくといいなと思います。そのためのご支援を、私たちはしておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

次回は第2部各論の2「9年間を見通した新時代の義務教育の在り方について」の続きを読んでいきます。

令和の日本型教育とは㉒

投稿日 | カテゴリー: 令和の日本型教育 |

皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第2部各論の2「9年間を見通した新時代の義務教育の在り方について」(2) 教育課程の在り方①学力の確実な定着等の資質・能力の育成に向けた方策を読んでいきます。

発達段階という言葉は、一般的にはあまり重要視されていませんが、教育の中では、特に幼児教育、小学校教育の中では重要です。

何度も申し上げていますが、小学校1年生と小学校6年生が理解できる概念は違うのです。「ここに○○があるとすると」と言ってすぐにわかるかわからないか、ということは大きな違いですね。これには個人差も大きく、学習指導要領で定められている学習内容については、発達段階を十分考慮したものにはなっていますが、すべての子どもたちには当てはまらない、というのが現状です。もっとも、すべての子どもたちに当てはまる教育課程(カリキュラム)を作成する、というのはとてもとても困難なミッションですが。

そのため、大体の子どもたちがこれならできるだろう、ということを中心に考えざるを得ないわけですが、今後はそれも「個別最適化」がより進められることで、一人も取りこぼさない、という考え方に変わっていくかもしれません。

手引きでは、「発達の段階にかかわらず、児童生徒の実態を適切に捉え」とあります。発達のことを知っているのは重要ですが、それにとらわれないように、と書いてあります。

続いては「学びに向かう力、人間性等」です。この力は一朝一夕につくものではないため、幼児期から成人までかけて徐々に進んでいく、と書かれています。

学習の目的や教材について理解し、計画を立て、見通しをもって学習し、その過程や達成状況を評価して次につなげるなど、学習の進め方を自ら調整していくことができるようにする能力です。

これらを身に付けるために、キャリア教育を活用することが手引きでは紹介されています。

そのキャリア教育の充実については、小学校から高校まで、各教科等での指導を含む学校教育全体でその実践を行いつつ、総合的な学習の時間で自ら学習テーマを設定し探究する活動や、特別活動において自らの学習状況やキャリア形成を見通したり振り返ったりしながら自身の変容や成長を自己評価する学習活動などを充実していくことが求められる、とあります。プログラミング学習でも似たような文言を聞いていますが、キャリア教育もプログラミング教育も、それ自体が教科として指定されているわけではありませんから、すべての教科の時間に取り入れよう、と言われているわけですね。

教師が対話的なかかわりを持ち、相互作用の中で、学習を続けるということはとても大事です。キャリア教育もプログラミング教育も、先生方にとっては寝耳に水、増えるばかりで何も減らない、という現状で正直ネガティブな気持ちになられる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、それでも、ICTの力を借りて、子どもたちの個別最適を図るとともに、協働学習をファシリエーターとして支えるという新しい役割を、先生方は担っていく必要がある、と言っているわけですね。

行政職の皆様にとっては、ご自分の仕事にどんどん新しいものが必要になる、という状況であることをご理解いただければと思います。

次回は第2部各論の2「9年間を見通した新時代の義務教育の在り方について」の続きを読んでいきます。

令和の日本型教育とは㉑

投稿日 | カテゴリー: 令和の日本型教育 |

皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第2部各論の2「9年間を見通した新時代の義務教育の在り方について」(2) 教育課程の在り方①学力の確実な定着等の資質・能力の育成に向けた方策を読んでいきます。

一番最初に学力が出てきます。知識は、子どもたちの身を助けますね。学力という言葉の範囲はとても広いので、自分の持つイメージと他人の持つイメージは違うと思っていただければと思います。

新学習指導要領では、資質・能力を「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」を3つの柱としてうたっています。そして、新学習指導要領を着実に実施するには、ICT環境を最大限に活用し、「個別最適な学び」「協働的な学び」を充実していくことが重要である、と言われています。

そして、児童生徒の発達の段階を考慮し、言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力等の学習の基盤となる資質・能力を育成していくことも述べられています。少し長いですが、情報活用能力として述べられている部分を引用します。

コンピュータ等の情報手段を適切に用いて情報を得たり、情報を整理・比較したり、得られた情報を分かりやすく発信・伝達したりといったことができる力、このような学習活動を遂行する上で必要となる情報手段の基本的な操作の習得を含めた情報活用能力を育成することも重要である。

さらに、その前までの流れを受けて、幼児期の学習を小学校以降にもつなげていくことが重要である、と述べています。

小学校の低中学年では、安心して学べる居場所としての学級集団がまず一番最初にあり、その中で基礎的・基本的な知識及び技能を反復練習もしながら確実に定着させることが重要であり、知識及び技能の習得や活用の喜び、充実感を味わう活動を充実させることも重要であるとあります。

各児童の状態を丁寧に把握し、指導の個別化が重要であるとも述べられています。

大体において、重要ではない教育活動というものはありません。そのため、答申で○○が重要となれば、今まで重要だったものに付け加えて重要なものが増えるわけです。現在はその重要なものが増えすぎて、先生方がとてもとても大変な状態になっていると考えられます。

それを踏まえたうえで、さらに低学年では「安心して学べる居場所である学級集団」が重要であるとあります。幼児教育、低学年の教育が重要である、という認識が深まってきたということですね。

先回も申し上げましたが「簡単なことを教える」ということはとてもとてもとても難しいことです。そこを突き詰めて、上手に教え、共に学ぶことができれば、もっともっと日本の学力は上がるでしょう。

高学年は、「抽象的な思考力」の文言が出てきます。それを伸ばすために、教科担任制の導入や、学校段階間の連携の強化、外部人材の配置、研修の導入が重要である、と述べられています。

高学年は、物事を抽象化してとらえることがだいぶんできるようになってきているため、より専門的な授業を実施することで、より深い学びが得られる、という考え方ですね。

次回は第2部各論の2「9年間を見通した新時代の義務教育の在り方について」の続きを読んでいきます。

 

令和の日本型教育とは⑳

投稿日 | カテゴリー: 令和の日本型教育 |

皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第2部各論の2「9年間を見通した新時代の義務教育の在り方について」を読んでいきます。

答申では、まず基本的な考え方を述べています。これについては、今まで何度も出てきていますし、あちこちで繰り返し述べられているものですが、この文書が初見であったり、ここに興味があって読む、という人がいるという性質の文書である以上、大事なことでもあり何度でも繰り返し述べられています。

少し長いですが引用します。

義務教育は、憲法や教育基本法に基づき、全ての児童生徒に対し、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎や、国家や社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的とするものである。

とあります。

そもそも、憲法に基づいて「全ての」児童生徒に対して実施するのが義務教育だと言っているわけですね。そこに、「各個人の有する能力を伸ばす」とあります。新学習指導要領でいうところの個別最適化にも含まれているわけですが、これを実践することが必要だということですね。この段の末尾には「我が国のどの地域で生まれ育っても、知・徳・体のバランスのとれた質の高い義務教育を受けられるようにすることが国の責務である。」と述べられています。

実情はともかく、これを国が責務として答申に書いてある、ということはとても重要です。国はこれを実施することに責任があるのです。

続いて小中を分断することなく9年間トータルで教育課程、指導体制、教員養成等の在り方について検討を進める必要がある、と述べられています。

さらにここでまた「義務教育において決して誰一人取り残さない、ということを徹底する必要がある」と述べられています。国としては、どの子どもも取りこぼさず、それぞれが持つ能力を伸ばす教育をどこに住んでいても実施する、という風に述べています。これを今まで通りの授業の方法で実施するのは非常に困難ですので、ICTの活用を、という話につながるわけですね。これも繰り返し何度も述べられています。

答申は、大臣の諮問に対する回答です。なので、大事なところは本当に繰り返し繰り返し出てきますね。

次回は第2部各論の2「9年間を見通した新時代の義務教育の在り方について」の続きを読んでいきます。

令和の日本型教育とは⑲

投稿日 | カテゴリー: 令和の日本型教育 |

皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第2部各論の1「幼児教育の質の向上について」の続きを読んでいきましょう。

答申で述べられているのは、「家庭・地域」における支援です。

まず、保護者等に対する学習機会や、情報の提供が一番最初に述べられています。

各園での実践の意図やねらいを保護者や地域住民に知ってもらうことが重要、とありますが、その通りですね。保護者や地域関係者がいたころの幼児教育と、現在の幼児教育では、様々な変化があります。知見がたまり、やってはいけないことや、やったほうが良いことについての定義も変わってきています。

保護者の学びを支援するための相談体制も、幼児教育としては重要です。家で言われることと、園で言われることが全く違ったら子どもたちは混乱するでしょう。その他、地域における家庭教育支援の充実が必要と述べられています。先生方の負担を増やさずに、この辺りを実現するためにはどうすればよいのか考えていく必要がありますね。

その次に述べられているのは、関係機関相互の連携強化です。市町村で分かっている情報、園で分かっている情報、その他の施設で分かっている情報をスムーズに連携することができれば、救える命があるかもしれません。ここも知恵を絞る必要があります。個人情報の保護と、情報の連携の方法、考えなければならないことはたくさんありますね。現状では「情報を連携しよう」となると、ほぼ手動になってしまいます。これでは多大な労力を必要とし、しかもうまくいかないことも多くあります。では、何か一元的なシステムを使えるか、というと、施設が分散していること、安全で使いやすいシステムにはそれなりの対価が必要なこと、そのシステムの情報が漏洩したら大変なことになること等の課題があり、なかなか進みません。何をするにも先立つものが必要で、もともとのお財布の金額は決まっているわけですから、それをどう分配するか、というところです。その分配を教育に、という風に持っていける人材がなかなかいないため、結局は「人力で頑張れ」「システムがなくてもほらできたじゃないか」ということになってしまうこともあります。これは教育に限らず、どのような分野にも言えることですね。何とか財源を確保して、様々なことがスムーズにできるようになるといいのにな、ということを思います。

さらに、子育て支援や、体制の構築等が述べられています。質の高い幼児教育を実現するためには、国としてエビデンスに基づいた政策形成を促進することが重要である、ということですので、まず国がエビデンスをもとにした説得力のある政策を立案し、現場がそれを理解して実施していく、という流れだと考えられますね。

最後に述べられているのは、新型コロナウイルス感染症への対応です。私の子どもが園に行き始めた1年目は、3日行っては2日休む、のような、感染オンパレード状態でした。いつ私の携帯に呼び出しがかかるか常にびくびくして過ごしていました。感染症対策の徹底により、通常の風邪は激減したとききます。ですが、トイレや空調設備など、定期的に補修、改修が必要な設備は、衛生面の観点からも必要な時に変えていけるようにしておくことは重要です。

これらの衛生管理が通常業務に上乗せされているものですから、先生方、保育士の皆さんの業務がより大変になっています。これを、ICTを使って改善することについても提案されています。

次回は第2部各論の2「9年間を見通した新時代の義務教育の在り方について」を読んでいきます。