教育委員会行政職の皆様に送る 教育の情報化について抑えるべき10の資料と3観点

投稿日 | カテゴリー: ICT支援員の育成・確保のための調査研究事業 成果報告書, クラウド導入ガイドブック, 小学校プログラミング教育の手引き, 情報活用能力を育成するためのカリキュラム・マネジメントの在り方と授業デザイン, 教員の多忙化, 教育ICTガイドブック, 教育のIT化に向けた環境整備4か年計画, 教育の情報化に関する手引き, 教育の情報化の実態化に関する調査, 教育の情報化ビジョン, 教育の情報化加速化プラン, 教育委員会でコンピュータ関連の担当になったら最初に読む, 教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン, 教育情報化コーディネーター |

皆様こんにちは

教育情報化コーディネーター1級保持者が「教育委員会行政職」の皆様に「教育の情報化」について情報をご提供させていただいているHBI通信もおかげさまで100回を超えることができました。ありがとうございます。
 記事が多くなりましたので交通整理のために改めて目次を設定させていただきます。お仕事のお役に立てれば幸いです。

HBI通信イメージ

◆教育委員会でコンピュータ関連の担当になったら最初に読む

1 教育の情報化ビジョン(平成23年4月28日公開)
https://ict-help.jp/hbi/category/read-first/information-vision/
2 教育の情報化に関する手引き(平成22年10月29日公開)
https://ict-help.jp/hbi/category/read-first/information-manual/

 
これら2つの資料は、現在の教育の情報化を考えるうえでわかっていることが前提、という扱いの資料になります。公開されてから時間が経っていますが、まずこちらに目を通していただくことが必要かと思います。

3 教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(平成29年10月18日公開)
https://ict-help.jp/hbi/category/%e6%95%99%e8%82%b2%e6%83%85%e5%a0%b1%e3%82%bb%e3%82%ad%e3%83%a5%e3%83%aa%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%b7%e3%83%bc%e3%81%ab%e9%96%a2%e3%81%99%e3%82%8b%e3%82%ac%e3%82%a4%e3%83%89%e3%83%a9/

待ったなしの対策を余儀なくされるセキュリティに関してまとまっている資料です。難しいと感じられる方も多い資料ですが、少しずつご一緒に読み解いていければと思います。

4 教育の情報化加速化プラン(平成28年7月28日策定)
https://ict-help.jp/hbi/category/read-first/%e6%95%99%e8%82%b2%e3%81%ae%e6%83%85%e5%a0%b1%e5%8c%96%e5%8a%a0%e9%80%9f%e5%8c%96%e3%83%97%e3%83%a9%e3%83%b3/
もっとも読みやすいと思われる資料です。10Pとまとまっており、今すぐ何を行うか、と具体的な事例が書かれています。

5 小学校プログラミング教育の手引き(平成30年3月30日公開)
https://ict-help.jp/hbi/category/%e5%b0%8f%e5%ad%a6%e6%a0%a1%e3%83%97%e3%83%ad%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%9f%e3%83%b3%e3%82%b0%e6%95%99%e8%82%b2%e3%81%ae%e6%89%8b%e5%bc%95%e3%81%8d/
2020年より必修化される小学校プログラミング教育についての手引きです。「今後こういうことを現場で行う必要がある」ということについてご理解いただくための資料になるかと思います。

◆事例を知りたくなった時に読む資料

6 教育ICTガイドブック(平成29年6月30日公表)
https://ict-help.jp/hbi/category/%e6%95%99%e8%82%b2ict%e3%82%ac%e3%82%a4%e3%83%89%e3%83%96%e3%83%83%e3%82%af/
7 クラウド導入ガイドブック(平成28年5月20日公表)
https://ict-help.jp/hbi/category/%e3%82%af%e3%83%a9%e3%82%a6%e3%83%89%e5%b0%8e%e5%85%a5%e3%82%ac%e3%82%a4%e3%83%89%e3%83%96%e3%83%83%e3%82%af/

環境整備の道筋がわかる資料です。先進的な他自治体の事例も豊富に載っていますので、「提案されても想像がつかない」ようなことについて調べるとき重宝されるのではと思います。

8 情報活用能力を育成するためのカリキュラム・マネジメントの在り方と授業デザイン(平成30年5月公開)
https://ict-help.jp/hbi/category/%e6%83%85%e5%a0%b1%e6%b4%bb%e7%94%a8%e8%83%bd%e5%8a%9b%e3%82%92%e8%82%b2%e6%88%90%e3%81%99%e3%82%8b%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ae%e3%82%ab%e3%83%aa%e3%82%ad%e3%83%a5%e3%83%a9%e3%83%a0%e3%83%bb%e3%83%9e/
先生方が普段どうやって子供たちの学びに向き合っているか、豊富で具体的な事例でICT活用を行いつつ今後の授業について考えるための資料です。どのような機器をどう使うか、のイメージが沸きやすいかと思います。

◆業務の参考となるもの

10 ICT支援員の育成・確保のための調査研究事業 成果報告書
https://ict-help.jp/hbi/category/ict%e6%94%af%e6%8f%b4%e5%93%a1%e3%81%ae%e8%82%b2%e6%88%90%e3%83%bb%e7%a2%ba%e4%bf%9d%e3%81%ae%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ae%e8%aa%bf%e6%9f%bb%e7%a0%94%e7%a9%b6%e4%ba%8b%e6%a5%ad%e3%80%80%e6%88%90/
ICT支援員を活用したいときにどのようなことに気を付けて活用すれば費用対効果として最大限となるか等のヒントが満載です。

11 教員の多忙化
https://ict-help.jp/hbi/category/%e6%95%99%e5%93%a1%e3%81%ae%e5%a4%9a%e5%bf%99%e5%8c%96/

そもそもなぜ先生は多忙なのでしょうか。ご自分が学校で見ていた先生と今の先生は何が違うのでしょうか?根本をご理解いただきたいと思います。

これらの記事をご確認いただいて、少しでも皆様の自治体の教育の情報化に貢献できれば幸いです。

プログラミング教育の実践事例の紹介数が増えています

投稿日 | カテゴリー: 小学校プログラミング教育の手引き |

皆さんこんにちは

 小学校プログラミング教育の手引き第二版が公開されました。円滑なプログラミング教育の実施の推進のために作成された資料です。第一版については4月9日から6月11日にかけて、カテゴリー「小学校プログラミング教育の手引き」にてご説明をさせていただきました。https://ict-help.jp/hbi/category/%e5%b0%8f%e5%ad%a6%e6%a0%a1%e3%83%97%e3%83%ad%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%9f%e3%83%b3%e3%82%b0%e6%95%99%e8%82%b2%e3%81%ae%e6%89%8b%e5%bc%95%e3%81%8d/
 11月6日に第2版が公開されましたので、再度ご説明をさせていただければと思います。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1403162.htm

実り多いプログラミング教育のイメージ

今回は、「第三章」の主な改訂場所を中心にご説明させていただきます。
主な改訂場所については、http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/11/06/1403162_03_1.pdf こちらに掲載されています。

第3章はもっとも大幅な改訂が行われています。「具体的な事例がもっとほしい」という声にこたえて、指導事例が追加されているわけですが、中でも以下の学習活動の分類でいうところのA分類、B分類、C分類、の事例が具体的となり、紹介が増えています。
小学校段階のプログラミングに関する学習活動の分類

小学校プログラミング教育の手引き(第一版)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/03/30/1403162_01.pdf 19Pより引用 ※第二版でも同じ分類のため流用

A分類は学習指導要領に例示されている事例、B分類は学習指導要領に例示はされていないが各教科等の内容を指導する中で実施するもの、とあります。先生方はこの二つを実現するために、どうしたらよいかということを非常に悩まれている姿をよくお見受けします。
C分類は、各教科とは別に教育課程内でプログラミングに関する学習を行うもの、と定義されています。導入当初はこのC分類を行っていくことが多いのではないかと思いますが、「プログラミング的思考」の育成、プログラムのよさ等への「気づき」、コンピュータ等を上手に活用しようとする態度の育成を図ることなどをねらいとして実際にプログラミングツールを使う技能の基礎を学んでいくものです。
「正多角形をScratchで理解できるようにするために操作の最低限を習得する」といったような時間ですね。
ご支援している自治体では、小学校6年間を通したカリキュラムを作成し、各学年で「この授業を行う」→「だからプログラミングツールのこれを習得する」をセットにした3時間単位の学習を行うこととなりました。
音楽の授業で使うためには音ツールをある程度操れることが必要になります。図形を描くには角度の指定の仕方やペンツールの使い方がわかっている必要があります。そのため、C分類はA分類やB分類の授業とセットで考えると習得する技能について迷いが少なくなるのではと思います。

A分類では算数の正多角形、理科の電気の性質や働き、総合的な学習の「情報化の進展と生活や社会の変化」を探求課題とすること、「まちの魅力と情報技術」、「情報技術を活かした生産や人の手によるものづくり」が紹介されています。
総合的な学習は何時間にもわたって探求していくわけですが、その中の一部のツールとしてプログラミングツールを使ったり、一連の探求を通してプログラミングツールをじっくり使っていく方法もありますね。これらは教科書にどのように紹介されるかが非常に待ち遠しいところです。

B領域では音楽、社会、家庭、総合的な学習の事例が掲載されています。
ICT支援員がこのB分類を元に作成したパワーポイントには、炊飯器の仕組みを詳しく解説した後、途中までフローチャートで表し、その続きを子どもたちに考えさせ、ワークシートに書き、その後実際にそれをScratchでプログラミングしてみる、という流れをかいてあります。
先生にこれをご提示すると、即座に授業にされてしまうのでいつも舌を巻く、と言っていましたが、そのパワーポイントは支援員全員で共有して、ご提案の材料としています。

C領域では、プログラミングの楽しさや面白さ、達成感などを味わえる題材などでプログラミングを体験する取り組みがまず紹介されています。楽しいツールがたくさんありますので、私たちとしてはできるだけ多くのツールを知り、先生の求めるものに近いものをご提示できるよう勉強しています。高価であったり安価でも動きに難があったりと、ツールには様々なものがありますので、近くの科学館のイベントなどはねらい目です。子供を連れてよく遊びに行っています。
2番目に各教科等におけるプログラミングに関する学習活動の実施に先立ってプログラミング言語やプログラミングの技能の基礎についての学習を実施する例が挙げられています。先ほども申し上げたように、「この授業を行いたいからまずはこの技能だけ習得」というものですね。キーボードによる文字入力やファイル操作などの情報機器の基本的な操作技能と同様に、プログラミングツールの使い方も今後基礎的な、一番最初に身に付けるものとなっていくかもしれません。
 3番目には各教科等の学習を元に課題を設定し、プログラミングを通して課題の解決に取り組む学修を展開する例とあります。4番目の各教科等の学習を基に、プログラミングを通して表現したいものを表現する学習を展開する例、とあります。
 これらは各教科の学習をより深めるためにプログラミングツールを活用する事例として紹介されています。例えば国語の学習で、登場人物の気持ちを推し量るために場面をアニメーションにして考えるため、プログラミングツールを活用するというような活動が紹介されています。
子どもの「もっと学びたい」を引き出すためにも有効なツールの使い方かもしれませんね。

D領域ではクラブ活動の事例が紹介されています。私は5回のクラブ活動で、それぞれ違うプログラミングツールを使うことをご提案し、採用していただきました。プログラミング学習がはじまっていないため、あまり一つのツールを徹底的に使う、ということになると、授業で使うときに「知っている子と知っていない子の差が激しい」状態になってしまいます。どのツールも1時間の授業で触れる範囲で触り、いろいろなツールがあること、でも考え方はよく似ていることをだんだん子どもたちも理解してきているようです。

きちんと理解して、きちんと実行できる時間が先生方にあれば、プログラミング教育は非常に効果的でかつ今後の教育の柱としても考えていけそうなものだということですね。

次回は第4章の変更点についてご説明させていただければと思います。

何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

プログラミング教育がめざすねらいとは

投稿日 | カテゴリー: 小学校プログラミング教育の手引き |

皆さんこんにちは

 小学校プログラミング教育の手引き第二版が公開されました。円滑なプログラミング教育の実施の推進のために作成された資料です。第一版については4月9日から6月11日にかけて、カテゴリー「小学校プログラミング教育の手引き」にてご説明をさせていただきました。https://ict-help.jp/hbi/category/%e5%b0%8f%e5%ad%a6%e6%a0%a1%e3%83%97%e3%83%ad%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%9f%e3%83%b3%e3%82%b0%e6%95%99%e8%82%b2%e3%81%ae%e6%89%8b%e5%bc%95%e3%81%8d/
 11月6日に第2版が公開されましたので、再度ご説明をさせていただければと思います。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1403162.htm

プログラミング教育をステップを踏んでいく感じ

今回は、「第二章」の主な改訂場所を中心にご説明させていただきます。
主な改訂場所については、http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/11/06/1403162_03_1.pdf こちらに掲載されています。改訂のメインは第三章、事例の追加というところだと思いますが、それ以外にも半年の間に知見がたまり、言い回し等よく練られたものになっています。このような政府の出す文書では、助詞をどのようにするかや、言葉に意味をどのように込めるか、ということについて事務局の出す案に対し審議会委員の真摯な議論がいつも行われています。
その議論の過程を理解したうえで、だからこのような文言なのだということがわかるととても良いのですが、成果物だけからそれを読み解くのは難しいですよね。審議会の議事録の公開も様々な事情で遅くなったりすることもありますし、一言一句すべて公開されているわけではありませんから悩ましいところです。
とはいえ、その裏に込められた思いや気持ちをどうにか読み解いていき、良いご支援に結び付けていきたいと思いますのでよろしくお願いします。

第二章ではプログラミング教育のねらいが述べられています。
プログラミング教育というとどうしてもプログラミングツールの使い方を連想しがちですが、それはあくまで手段であり、その手段を使ったからより教科に関する理解が深まる、というのがねらいの一つということが述べられています。
例えば、先日ある自治体のプログラミング教育カリキュラム作成の場面では「Scratchを使ってリズム打ちの学習を行えば、今まで時間の取れなかった『鑑賞』ができる。それは十分プログラミング教育の意義を満たしているのではないか」という議論がなされていました。
ICT支援員が訪問時にプログラミングのご支援をさせていただくことが増えてきましたが、ほぼ例外なく子どもたちは「目をキラキラさせて」取り組みます。ある支援員は「なんだかパワーを吸い取られていくようだ」と形容していましたが、とにかく子供たちの自ら学ぶ、積極的に理解した、少しでもできることを増やしたいという意欲が支援員からもっと聞きたい、もっとやりたい、プログラミングについて教えてほしい、というパワーをどんどん吸収しているものだと考えられます。
第二章では、前提として「児童がプログラミングに取り組んだり、コンピュータを活用したりすることの楽しさや面白さ、ものごとを成し遂げたという達成感を味わうことが重要です。」とあります。
いろいろな媒体でいろいろな紹介事例がありますが、「国語や算数の時間は進度が遅れがちな子供がプログラミングの時間にはミニ先生になっている」ということが頻繁に起こっています。国語で達成感を味わえる子、体育で達成感を味わえる子、と様々な子供がいることを考えるとプログラミングで達成感を味わえる子という新しい手段ができたのはとても良いことですね。ただ、行政職の皆様は、「それをきちんと理解してプログラミング教育を推進していく先生方のご苦労」は、ご承知いただきたいと思います。手段が増えるということは、それだけ先生がやらなければならないことが増えるわけで、何も減らないのに増えるだけでは先生方も大変になる一方ですよね。
そこで、様々な専門家の知見が必要だ、という後の章の文脈につながるのですが、それはまた次回以降ご説明させていただきます。

プログラミング的思考を教科に活かしていくために、第二章では正三角形の例が述べられています。
正三角形というものは、どういうものか、そもそも正多角形とはどういうものか、それを描くにはどうすればよいか等前提となる知識を理解したうえで、プログラミングツールで実現できるどの方法を組み合わせるか、ということを試行錯誤しながら作図していくという例ですね。
先日、ある人とお話をしていてはっと気づいたことがあります。小学生はX座標、Y座標というのは習いません。scratchを作っていくうえで「猫(に限らずスプライト)行方不明事件」が頻発するのですが(1000歩動かすを永遠に繰り返したり10000000歩動かすにしてみたりして画面外のはるか彼方に行ってしまう)それを直す際に、x座標を0y座標を0にする というブロックを使っています。
また、その際に「わー、xが368とか言ってるよ、すっごい右にいるんだね」や「yが-544だって!ものすごい下にいるよ」という風に声掛けをしてから直しています。
すると、そのうち「え、もしかしてずっとこっちってxが1000とかなの?」と言ってくる子どもや「yって下にあるの?上は何なの?」「マイナスだから下なんだよ、マイナスついてなきゃ上だよ」と言ってくる子どもが出てきます。
そのお話をしたところ、「それって子どもが自分で発見してるんだよね。すごい!」と言われました。現場ではちょくちょく聞くので当たり前のようにも思っていたのですが、言われてみればその通りです。
単純にグラフでxはこうでyはこう、と暗記するのではなく、猫が横に動くときはxを変えればいいし縦に動くときはyを変えればいいんだ! 右に行くときは何にも付けないけど左に行くときはマイナスだ!あるいは上に行くときは何にも付けないけど下に行くときはマイナスだ! ということを子ども自身で気づき、発見するのです
自分で発見したことは、子どもは忘れません。私も2.5km先の幼稚園への行き帰り長い間歩くのが苦痛でいろいろと空想に耽って何とかごまかしながら歩いていたのですが、あるとき「1つのことを考えている間ほかのことを一緒に考えることはできない」と気づきました。その時の麦畑が太陽の光に照らされている様子まで鮮明に覚えているのですが、そういうことですね。

このような発見を、折に触れて評価し、子どもの意欲を高めていくことが重要である、ということも併せて第二章では追記されています。教科の中で行うプログラミング教育では、教科の目標が達成できたかどうかで評価をすることができますが、そうでない場合は「プログラミング教育」だけを取り出すことはありませんので、「プログラミング教育で達成感を得られる子供」に対しての評価を適切に伝えることが大事である、とあります。

きちんと理解して、きちんと実行できる時間が先生方にあれば、プログラミング教育は非常に効果的でかつ今後の教育の柱としても考えていけそうなものだということですね。

次回は第3章の変更点についてご説明させていただければと思います。

何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

小学校プログラミング教育の手引き(第二版)の変更点をご説明します

投稿日 | カテゴリー: 小学校プログラミング教育の手引き |

皆さんこんにちは

 小学校プログラミング教育の手引き第二版が公開されました。円滑なプログラミング教育の実施の推進のために作成された資料です。第一版については4月9日から6月11日にかけて、カテゴリー「小学校プログラミング教育の手引き」にてご説明をさせていただきました。https://ict-help.jp/hbi/category/%e5%b0%8f%e5%ad%a6%e6%a0%a1%e3%83%97%e3%83%ad%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%9f%e3%83%b3%e3%82%b0%e6%95%99%e8%82%b2%e3%81%ae%e6%89%8b%e5%bc%95%e3%81%8d/

 11月6日に第2版が公開されましたので、再度ご説明をさせていただければと思います。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1403162.htm
プログラミング教育が実りあるものになりますようにというイメージ

今回は、「はじめに」と「第一章」の主な改訂場所を中心にご説明させていただきます。
主な改訂場所については、
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/11/06/1403162_03_1.pdf こちらに掲載されています。

はじめに では、第二版改訂の経緯に関する記述が追加されたとあります。特に指導例の充実について多くの要望があったとのことで、未来の学びコンソーシアムhttps://miraino-manabi.jp/ 「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル」の説明が充実されている旨が記載されています。

11月22日現在、サイトを確認すると、実施事例A(学習指導要領に例示されている単元等で実施するもの)で5年生算数の正多角形が1つ、6年生理科の電気の利用が4つ、総合的な学習の時間は3年生から6年生で6つ掲載されています。
この実施事例Aは学習指導要領に例示されていますので、おそらく教科書でも取り上げられるかと思われます。
そのため、実施事例B以降がますます未来の学びコンソーシアムで充実してくれることを待ちたいですね。11月22日現在B領域は9、C領域は5、D領域はまだですが、E、F領域は併せて30という事例が紹介されています。
教材情報も今後充実してくると思われますので、プログラミング教育についてはこのサイトをよくチェックしておくといろいろと情報が得られそうです。

第1章では小学校プログラミング教育導入の経緯について記述を変更とありますが、大きな変更はなく、情報活用能力の育成を図るための学習活動の充実を図ることについて、計画的に教育課程に位置づけることが必要であり、各教科等の内容を指導する中で実施する、あるいは教育課程内で各教科等とは別に実施することができる、という記載が詳細になっています。

プログラミング教育は、教育方法の大転換を伴うものではないだろうかという期待と不安の入り混じった現在の状況だと思いますが、今後の社会を生きていく子どもたちにとって、自由な発想でいろいろ考えて自分で試してみる、という機会は必要になってくるのではないかと思います。
今まで現場の先生方が様々な努力を積み重ねてやってこられたその成果を、プログラミング教育という切り口で子どもたちにもっともっと味あわせて頂けるご支援を私どもも全力で行っていきます。

次回は第2章の変更点についてご説明させていただければと思います。

何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

帳票の統一は先行自治体の例を知ると気が楽になります

投稿日 | カテゴリー: 統合型校務支援システム導入のための手引き |

皆さんこんにちは

 働き方改革で話題の「統合型校務支援システムの導入のための手引き」についてご説明をさせていただきます。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1408684.htm
統合型校務支援システムのイメージ

今回は、第2章、「統合型校務支援システムの基本モデルの定義」の中の第5節統合型校務支援システムが対象とする帳票 についてご説明いたします。

 帳票、というのは「印刷するために作成されるもの」すべてだと思っていただければと思います。学校現場ではめったに耳にしない言葉ですし、行政職の皆様も経理関係? と思われるかもしれません。校務支援システムの帳票は、例えば通知表、指導要録はもちろん成績の一覧表、体力測定の結果票等多岐にわたります。

 そのため、「どの帳票をどのように使い、どこまでカスタマイズするか」が重要になってきます。
 手引きにも、カスタマイズの費用が高騰する例が載っていますが、「学校ごとに違う通知表をそのまま校務支援システムに搭載する」のは、カスタマイズが必要になることがわかりますね。ある程度統一された書式、何パターンからか選べる、という選択をする自治体が多いようです。
 統一書式といってももちろん校章や学校名は学校毎に変えられますので、「どういうものが統一書式に含まれるか」ということは確認しておく必要があるかと思います。
 また、出席簿等はこの際自治体内で統一を図るというのも一つの手段だと思います。公簿として残しておかなければならず、多くの人の目には触れない部分ですから、独自色を出すのではなく手間を減らすために、統一書式を採用しやすい分野ではないでしょうか。
 手引きには標準帳票の定義として以下の表が紹介されています。

標準帳票の定義

統合型校務支援システムの導入のための手引き(第2章)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-002.pdf 54Pより引用

 これらの帳票の検討を行い、統一するところ、そうではないところについてきちんと事前に話し合っておくことが必要です。
 手引きには、通知表の統一方法について滋賀県草津市、東京都墨田区、福井県の手順が紹介されています。特に福井県は、全県で通知表を統一する大規模な検討委員会が開催されています。順を追って統一化されていく手法は非常に参考になりますね。
統合型校務支援システム導入に伴う通知表のパターン化の事例(福井県)
統合型校務支援システムの導入のための手引き(第2章) http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-002.pdf 57Pより引用

 今回で統合型校務支援のシステム導入のための手引きは一旦終了とさせていただき、次回は先日公開された小学校プログラミング教育の手引き第2版 についてご説明させていただきます。

何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

統合型校務支援システムで、行いたい業務についての機能の確認が必要です

投稿日 | カテゴリー: 統合型校務支援システム導入のための手引き |

皆さんこんにちは

 働き方改革で話題の「統合型校務支援システムの導入のための手引き」についてご説明をさせていただきます。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1408684.htm

校務支援でのびのびするイメージ

今回は、第2章、「統合型校務支援システムの基本モデルの定義」の中の第4節統合型校務支援システムが対象とする機能 についてご説明いたします。

 最初に述べられているのは、「業務を実施する際に必要となる機能の詳細をしっかり定義しないと、求めている水準に達していない」システムになるため、不必要なカスタマイズが発生し調達費用が高額になってしまったり、結局使われないシステムになってしまう、というリスクが発生してしまったりします。
 ですので、仕様書で示すのが望ましい機能の要件等が整理されている、とありますのでこれは非常に助かりますね。どのように表現すれば用を成す仕様書となるのか、各自治体のご担当者がそれぞれ考えるのはとても大変です。
 このようにたたき台があれば、業者も同じものを見て確認することができますから、行き違いが少なくなることが予想されます。

 49Pには基本機能と追加機能が分類された表が掲載されています。ご参考にしていただければと思います。

基本機能と追加機能の例

統合型校務支援システムの導入のための手引き(第2章) http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-002.pdf 49Pより引用

 基本機能から導入するのが一般的ではありますが、各自治体の実情に合った選択をしやすくなりますのでこのような表はどんどんご活用ください。
 また、各機能の具体的な内容については、「別紙2機能一覧http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-006.pdf」にまとめられています。以下のような表が7ページ続いていますので、必要部分をご確認いただければと思います。

機能一覧のイメージ

統合型校務支援システムの導入のための手引き(第2章) http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-002.pdf 50Pより引用

続いて紹介されているのは、機能の利用順序への配慮と、利用開始時期への配慮です。
特に、指導要録を作成するためのデータの蓄積には最低でも1年間かかります。つまり、導入即楽になるというわけではないため、どこから始めるか、というのも各自治体にとって最適なものを選択する必要があるということですね。
4月当初は学校がとても忙しい時期ですが、ここから運用開始し、出欠席のデータ等を蓄積していくと3月の指導要録作成が劇的に楽になります。
ただ、4月からいきなり始めるのはとても難しいですので、
例えば1月から仮運用を行い、操作に慣れ、質問も一通り出てから4月の本格運用に備える、ということも考えられますね。

また、草津市は3年かけて運用を拡大しているとのことです。

草津市が統合型校務支援システムの機能の利用範囲を拡大したスケジュール

統合型校務支援システムの導入のための手引き(第2章) http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-002.pdf 52Pより引用

具体的な日程が掲載されているのでイメージをつかみやすいですね。調査書については統一様式があるということが非常にうらやましいところではあります。
各自治体の実情に合った計画を立てる参考にしていただければと思います。

 次回は第2章第5節 統合型校務支援システムの帳票 についてご説明させていただきます。

何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

統合型校務支援システムで対象となる業務を選択します

投稿日 | カテゴリー: 統合型校務支援システム導入のための手引き |

皆さんこんにちは

 働き方改革で話題の「統合型校務支援システムの導入のための手引き」についてご説明をさせていただきます。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1408684.htm
校務支援システムが対象とする業務を探すイメージ

今回は、第2章、「統合型校務支援システムの基本モデルの定義」の中の第3節統合型校務支援システムが対象とする業務をご説明いたします。

 はじめに述べられているのは「これまでの業務のやり方から、より業務負担の軽減効果の高いやり方に向けて「業務改善」を行うことが必要です」ということです。
 そのためには、各学校でどのような業務が行われているのかを把握する必要があり、そのうちのどれを統合型校務支援システムで活用するのか、という範囲を明確にする必要性も述べられています。
 「別紙1 業務一覧
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-005.pdf」にまとめられた業務は7ページ分、104項目あります。ほとんどの業務が網羅されていますが、もちろんすべての業務が入っているわけではありません。なお、「●」が記載されている業務が、統合型校務支援システムで実施可能な業務となります。
 ご自分の自治体の状況を確認しながら使っていただく必要がありますが、それでも何もないところから定義するよりはよほど効率的です。一度目を通してみていただくとよいのではと思います。行政職の皆様としては、「え、こんなことまで先生が」、という業務が見つかるかもしれません。

 そして、業務の中でも特に業務改善効果の高いものが調査されています。

  • ・通知表の作成
  • ・指導要録(指導に関する記録)の作成
  • ・児童生徒の在籍管理・出欠管理(名簿作成、日々の出欠管理、出席情報の月末報告等)
  • ・学期末・学年末の成績・統計・評定処理
  • ・指導要録(学籍に関する記録)の作成
  • ・日々の成績処理(テスト等のデータ入力・統計・評価)

 上記6つの業務は統合型校務支援システムを導入するならぜひ統合型校務支援システムでできるように各所調整を行っていただきたい項目です。劇的に先生方の負担が改善されます。
 ほかにも

  • ・グループウェア機能を利用して行う業務(朝の打合せ、学年会議、職員会議、各種委員会等の会議等)
  • ・保健管理機能を利用して行う業務(健康診断に関する事務等)

 についても、高い業務改善効果が得られると回答している自治体・先生方が非常に多い項目となります。
 行政職の皆様はこれらをご参考いただくとよいのではと思います。

 特に前述の6つの業務については、以下の図のように、「統合型校務支援システムに蓄積されたデータがそのまま活用できる」ことが大きなメリットとなっています。逆に言えば、今までは「エクセルのこのデータが本当に通知表と同じなのか確認する必要がある」というような細かな確認作業に膨大な時間がかかっていた、という現実があるということですね。
統合型校務支援システムに蓄積されていくデータの流れ

統合型校務支援システムの導入のための手引き 第2章P28より引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-002.pdf

また、統合型校務支援システムの導入のための手引き第2章P29からP41は推奨事務手順として、「蓄積したデータを活かすためには日々の業務や事務処理をこのように考えるといいですよ」という手順が示されています。併せて業務改善のポイントも掲載されていますので、各自治体の実情に合った部分を選べるとよいのではないかと思います。そのためには、行政職の皆様はご自分の自治体での課題を洗い出す必要がありますね。先生方は本当にいろいろなことで困っているのですが、特に何が困っているのか優先順位をつけて解決していく必要があります。
 例えば、小規模校で50名の名簿を管理する学校と大規模校1000名の名簿を管理する学校では困難なことが違うと考えられます。一般的に、小希望校では校務分掌が多すぎて、様々なことをやらなければならなさ過ぎて大変だと聞きます。したがって、グループウェアの導入で連絡が楽になれば効果的だということが考えられます。大規模校ではとにかく「誰かがそのファイルを改変していないか」についての確認が大変だと聞きます。統合型校務支援システム上では改ざんできないようロックをかけるという運用もできますので、安心してデータを引き継いで行けますね。
 そのようなことも鑑みて、P42からP45にかけてはグループウェアを使った業務負担軽減についての改善提案がされています。
 P46は先進的な活用事例として大阪府大阪市の事例が掲載されています。大阪市については、私がさすがだと思ったのは、
「そんなに一気に導入して大丈夫でしたか?」という問いに対して
「え?このお金で導入した機能全部使い倒さないと損でしょ?」という言葉です。
統合型校務支援システムはパッケージになっていますから、一部導入、というとどうしても眠っている機能が出てきてしまいますが、さすが商人の町。対価に対して使い倒すという意識がすんなり肯定されていて、目から鱗が落ちた思いでした。

また、今後の機能拡大として期待されているのは「教職員の勤怠管理」ということがP48に紹介されています。先生方が「校務に関してはこのシステムで全部完結」となると、使い勝手も利用率もよくなることが予想されますが、勤怠に関しては、慎重に考えられている最中とのことでした。

 

 次回は第2章第4節 統合型校務支援システムが対象とする機能 についてご説明させていただきます。

何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

「業務改善の視点」が統合型校務支援システムには重要です

投稿日 | カテゴリー: 統合型校務支援システム導入のための手引き |

皆さんこんにちは

 働き方改革で話題の「統合型校務支援システムの導入のための手引き」についてご説明をさせていただきます。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1408684.htm

統合型校務支援システムの夜明けのイメージ

今回は、第2章、「統合型校務支援システムの基本モデルの定義」の中の第1節統合型校務支援システムの基本モデル定義の必要性と第2節統合型校務支援システムの基本モデルの概観までをご説明いたします。

統合型校務支援システムの導入により、業務負担が減る!ということを期待して導入したのに、なかなか成果が発揮されないばかりかかえって負担が増加した、ということでは本末転倒ですね。
一番最初に述べられているのは、「統合型校務支援システムの導入をきっかけにこれまでの業務のやり方を、負担軽減できるやり方に積極的に変える「業務改善」の視点を持つことが大切」ということです。
現在のやり方で先生方の負担が多いというのはどこかに業務として無理があるからだと考えられます。したがって、「現在のやり方で慣れてるからこの方法のままシステム化」すると、例えば「エクセルなら簡単に自分で変えられたのにシステムだと料金が発生するとか言われる」ということになってしまいがちです。
ですので、システム化を契機に、もう少し色々と簡略化、統一化していくことを考える必要があると言っているわけですね。

ただ、現場のことをあまり知らない立場が主導して、効率だけを考えてシステム化するのもうまくいきません。「使えないシステム」になりますので、せっかく導入したシステムも使われず廃れていってしまう可能性があります。
ですので、「これまでのやり方を変える」ということが、現場にとってどれだけ負担感があることなのかということを十分理解したうえで、現場の意見を十分聞き、そして丁寧に説明し、段階的に導入するというのも一つの手です。
そのために、この章で説明されている「基本モデル」を参考に、ここはこういう改善をしたら現場は楽になるのではないか、ここは自分の自治体ではまだまだ取り入れられないから将来の課題としよう、というような考え方もできるのではないかと提案がされています。
第3節の「業務」第4節の「機能」第5節の「帳票」では、どのようなことがシステム化でき、どういう仕事のやり方で使うことができるかということの基本モデルが紹介されています。
ただし、このモデルは小・中学校の想定ですので、高等学校や特別支援学校は必要に応じて見直しを行ってください、とあります。

なぜこのようにご説明させていただいているかというと、急激な改善は痛みを伴うということについて、全国で知見がたまってきているからです。

働き方改革は待ったなしですが、だからと言って現場の理解を得ようとせず「このシステムを使うように」というお達しだけではかえって現場が混乱する、という状況が事前にわかっているからです。
ICT支援員日記でもご紹介させていただいているように、「なんだかよくわからなけど導入しろと言われたからしました」http://ict-help.jp/ict_days/sys-341/ では導入のメリットが半減です。

どれだけ丁寧に説明しても「今までのやり方を変える」ことに対して抵抗がある人は必ずいます。ですが、説明して意見を聞くことで、その数は確実に減らせるのです。

例えば私たちがご支援している自治体では「校務システム検討委員会」が招集され、学校からは小中の教務主任、教頭、校長、事務職員、行政からは関係各課担当長が校務システムの導入について丁寧に議論を行い、

モデル校導入→一部機能全校導入・追加機能モデル校導入→追加機能全校導入・オプション機能モデル校導入

というように段階を踏み、導入前には委員会で検討されたことが各所で公開され、参加されていた先生からの口コミも広まり、驚くほどスムーズに導入が進みました。
教育委員会のご担当の先生や行政職の方は調整に苦心しておられましたが、そこで時間をかけ、頑張られたことで現場の混乱はほとんど見られなかったのが素晴らしいと思います。

 

 次回は第2章第3節 統合型校務支援システムが対象とする業務 についてご説明させていただきます。

何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。

よろしくお願い申し上げます。

児童生徒名簿の運用というただ一点だけでも、統合型校務支援システムの利便性は計り知れません

投稿日 | カテゴリー: 統合型校務支援システム導入のための手引き |

皆さんこんにちは

 働き方改革で話題の「統合型校務支援システムの導入のための手引き」についてご説明をさせていただきます。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1408684.htm

統合型校務支援システムイメージ

今回は、第1章、「統合型校務支援システムの導入」についてご説明いたします。
「統合型」とわざわざ銘打っているわけですから、カバーする範囲の広いシステムだということが想像できますね。ここでは

  • ・教務系(成績処理、出欠管理、時数管理等)
  • ・保健系(健康診断表、保健室来室管理等)
  • ・学籍系(指導要録等)
  • ・学校事務系

など統合した機能を有しているシステムを指すとのことです。併せて、「成績処理等だけでなく、グループウェアの活用による情報共有も含め、広く「校務」と呼ばれる業務全般を実施するために必要となる機能を実装したシステム」であるとあります。
先生方は「校務をしようと思ったら校務支援システムのトップ画面を開く」となんでもできる、という状態だとわかりやすくていいですね。なお、ここでも繰り返し説明されていますが導入によるメリットは「情報システムの利用により校務における業務負担を軽減、情報の一元管理および共有」とあります。
このシステムが学校運営を支える情報基盤である、という認識をもって導入に臨みたいところですね。

世間一般の認識としては、学校の校務を支える何らかのシステムが既に全学校に導入されている、というふんわりしたイメージがあります。「え、まさか通知表ってエクセルで毎回先生が手作りしてるの?!」というのは保護者にとって驚きです。「出欠簿は手書きで電卓で計算して手書きのものが公簿として残ってるの?」「エクセル手入力なの?!」というのは、やむにやまれぬ事情があるということをなかなか理解できない人もいるということですね。
その事情としては

  • ・導入したいが予算が確保できない
  • ・導入の必要性を感じない
  • ・導入したいが調達できるだけの事務体制がない

が多くあげられます。
それぞれについて、手引きで解説されています。

「導入したいが予算の確保ができない」に関しては、第2章でより詳細な説明があるとあります。
コストの削減については先回もお話しした「機能や帳票のカスタマイズを極力減らす」が真っ先に挙げられています。
また、校務の情報化に対する地方財政措置について、「平成30年度文教関係地方財政措置予定(主要事項)及び文教関係東日本大震災関連の財政措置の状況について」(文部科学省事務連絡、平成30年2月15日)ので案内されており、ぜひ活用をということが強調されています。

「必要性の理解」については、システムが入った状態が想像できないのはある意味仕方がありませんので、大阪市が出したような具体的な数値がわかるといいですね。
大阪市校務支援ICT活用事業の検証結果
大阪市ホームページ 校務支援ICT活用事業の検証結果をとりまとめました 平成26年8月8日
http://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/cmsfiles/contents/0000375/375351/kennssyou1.pdf 3Pより引用

「事務体制の整備」については、第4章・5章にて統合型校務支援システムの共同調達・共同利用の推進で方法が案内されているとあります。また、第2章も参考にして、要求仕様の決定をするのも一つの手だとあります。
ただ、どのような仕様書を書けば過不足のない導入ができるのか等、小さな自治体でなんでも一人でやらなければならない行政職の皆様には大変なところですよね。先進的な自治体の他の仕様書等、公開されている時期に確認する癖をつけておくと後々楽です。

 ところで行政職の皆様にとってはおそらく庁内システムを使うのが入庁以来当然、という方が多いのではないでしょうか。
既にあるシステムだと導入効果が見えにくいうえ、導入する前に何が不便だったかわからないこともあるかと思います。
 そのため、予算化の際に具体事例がかけずに困られていることもあるのではないでしょうか。
 そこで、この手引きでは調査した多くの自治体のアンケートからbefore→afterがわかる図表を掲載しています。
ぜひご活用ください。
定量的効果については
校務支援システム定量的効果一覧

平成29年度 校務におけるICT活用促進事業の成果物について
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-001.pdf 14Pより引用

と、どの自治体もとても多くの時間が削減できたことがあげられています。システム導入前の事務作業といえば、「どれが原簿かすぐわからなくなる児童生徒名簿エクセル」や「毎回微妙に報告形式の変わるフォーマットでの定例報告」等本当に大変なものなのですが、児童生徒名簿機能が搭載されているだけで、上記のそれぞれの機能に「同じ名簿の原簿から同じものを取ってこられる」仕組みが実装されているわけです。原簿だけ直せばすべてに反映される、この素晴らしさが伝わるでしょうか。

 また、定性的効果については
児童生徒に対して、教職員に対して、外部(保護者等に関して)それぞれアンケートより結果が出ています。
校務支援システム定性的評価
平成29年度 校務におけるICT活用促進事業の成果物について
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-001.pdf 16Pより引用
校務支援システム定性的評価

平成29年度 校務におけるICT活用促進事業の成果物について
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-001.pdf 17Pより引用
校務支援システム定性的評価

平成29年度 校務におけるICT活用促進事業の成果物について
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-001.pdf 18Pより引用

何か導入したら効果を発表しなければならないので無理に出しているのではないか、と慎重な意見もあるかと思います。
ですが、実際に導入した先生方は、「名簿を何か所も直さなくてもよい」というただ一点のみに関してでさえ、「絶対に導入したほうがいい」と異口同音に仰います。わざわざヘルプデスクまで電話をかけてきてくださって「よく導入してくれた」と仰って下さる先生がおみえになるほどです。

行政職の皆様は、校務支援システムについて前向きに検討してくださっているところだと思います。働き方改革で度々話題となっているシステムです。次回以降、より詳細にできるだけスムーズな導入のためのご説明を行っていければと思います。

何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

「統合型校務支援システムの導入のための手引き」は働き方改革とつながります

投稿日 | カテゴリー: 統合型校務支援システム導入のための手引き |

皆さんこんにちは

 今週からは2018年8月に公開された「統合型校務支援システムの導入のための手引き」についてご説明をさせていただきます。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1408684.htm

彼岸花 統合のイメージ

今回は、分割されて掲載されているファイルのそれぞれがどのようなものなのか、あらましをご説明させていただきます。行政職の皆様の必要に応じたところから読んでいただければと思います。私のお勧めは「用語の定義」ですが、そんなのは分かっているよ、という方は別の必要なところから読み進めてください。

名称 容量 内容
はじめに~第1章 PDF:1522KB P3に項目毎の想定している読者 P5に調査協力自治体
第2章 PDF:4448KB 基本モデルの定義・業務・機能・帳票
第3章~第5章 PDF:3156KB 導入留意事項・課題、共同調達・利用の運用保守留意点・課題
用語の定義 PDF:803KB 特に公簿の定義必見
別紙1 PDF:4476KB 業務一覧
別紙2 PDF:3711KB 機能一覧
別紙3~4 PDF:2116KB 帳票一覧、帳票項目一覧
別紙5-1 PDF:4408KB 調達仕様書ひな形 調達の目的、方針、対象範囲、契約期間・スケジュール、業務の要件
別紙5-2 PDF:2419KB 調達仕様書ひな形 システムの要件
別紙5-3 PDF:3420KB 調達仕様書ひな形 役務、納品、事業者に求める要件、その他留意事項
別紙6 PDF:4354KB 非機能要求事項
別紙7 PDF:3445KB セキュリティ要求事項+運用保守要件一覧

なぜ、今、統合型校務支援システム導入の手引きが公開されたかを考えると、「働き方改革」に他ならないと考えます。校務支援システムについては各自治体が導入し、長く運用を行っているところも多くあると思います。それが、先生方の校務負担の軽減に直結している自治体もあれば、かえって面倒になった状態が長く続いている自治体もあります。
それぞれの知見がたまってきた結果、どうすれば負担軽減につながるか、何が費用を押し上げ、負担を増しているのかが見えてきました。
何が一番必要かというと、「業務の平準化」ではないかと思います。
同じ自治体内でも、学校によって細かな校務のルールがいろいろと違います。通知表もおそらくどの学校も独自のものをお使いになっていた、あるいはお使いなのではないでしょうか。それらの細かな違いを忠実に再現するシステムでは、帳票のカスタマイズ、インターフェイスのカスタマイズ等が頻繁に発生し、結果費用を押し上げることにつながっています。また、ローカルルールを理解するまでに時間がかかり、ベンダー標準のテキストではシステムが使えない、という状態では校務の負担軽減効果は感じられないですね。

子どもたちのために一生懸命時間をかけて下さる先生方の、その時間のかけ方について、もう少し各校標準化したらよいのでは、という機運が働き方改革の広がりに伴って高まってきたように感じます。
時間を節約できるところは節約して、その作った時間を先生方には有効に使っていただきたいと思います。

また、小学生の子供を持つ保護者としても、通知表の自治体内標準化についてはとてもありがたく思います。通知表が各校独自ということは、評価項目自体も各校独自のものがあると推測できます。つまり、自分の子供がA小学校なら評価されないけどB小学校なら評価されるかもしれない、あるいはその逆、ということが発生しているのではないか、ということを考えてしまうことがあるからです。
自治体内でだいたい通知表が統一されていれば、この自治体に住んでいる限りどこに行っても同じように評価してもらえる、という安心感がでてきます。
併せて、いつまでも明かりのついている職員室を見るのは非常につらいものがあります。こんなに夜遅くまで頑張って仕事をした先生が疲れずに翌日子供たちの前に立って下さるでしょうか。もちろん、そのように頑張って下さる先生方ばかりだということは承知していますが、無理して頑張っていただくよりも、いつも疲れずにニコニコしてくださっている先生のところには子供たちを安心して送り出すことができます。
幸いICTを使えば負担軽減ができる世の中になってきました。先生方ご自身にも楽をすることについて肯定的に思っていただけるようになるといいなと思います。行政職の皆様も、そのあたりの先生方の心情をご理解いただいたうえで、導入を進めるとよりスムーズになるのでは、と思います。

何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

厳選されたセルフチェック項目で、情報活用能力育成の指針が得られます

投稿日 | カテゴリー: 情報活用能力を育成するためのカリキュラム・マネジメントの在り方と授業デザイン |

皆さんこんにちは

 「次世代の教育情報化推進事業「情報教育の推進等に関する調査研究」成果報告書」http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1400796.htm の1つである
情報活用能力を育成するためのカリキュラム・マネジメントの在り方と授業デザイン-平成29年度 情報教育推進校(IE-School)の取組より-http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/06/11/1400884_1_1.pdf についてご説明させていただきます。

自己評価を行うことによる道しるべ

本日は 第3章 第5節 情報活用能力育成のための学校のセルフチェック項目のご説明をいたします

できるだけ少ない項目数で、できるだけ効果が上がるように精選されていますので、一度チェックして分析を行うと計画も立てやすいのではないでしょうか。

まず1つ目の側面は

教科等横断的視点での教育内容の組織・配列について

です。
情報活用能力を育てるために、まずは「教科横断的」ということが意識されているかどうか、組織的に行えているかどうか、授業中に意識して指導ができているかというチェック項目です。
教科等横断的視点での教育内容の組織・配列
情報活用能力を育成するためのカリキュラム・マネジメントの在り方と授業デザイン-平成29年度 情報教育推進校(IE-School)の取組より-
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/06/11/1400884_1_1.pdf 
P118より引用

2つ目の側面は、

教育課程の在り方の不断の見直し

です。
 情報活用能力を育てるために、教育課程という側面からチェックを行っています。児童生徒の学習成果が指標になるのはもちろんですが、教育課程自体の評価についても行う意義があるということを表していますね。
 また、共有化や具体的な情報活用能力の定義等学校全体で取り組んでいる内容に関して、それぞれの先生がチェックを行うことで個人間の理解のギャップ等もわかってきます。
 やっているつもりでも、「やっていない」と感じる先生がいるとしたら、どこを改善していくかヒントがつかみやすいですね。
教育課程の在り方の不断の見直し

情報活用能力を育成するためのカリキュラム・マネジメントの在り方と授業デザイン-平成29年度 情報教育推進校(IE-School)の取組より-
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/06/11/1400884_1_1.pdf 
P118より引用

3つめの側面は

人的・物的資源の活用・組合わせ

です

いくら良いものを作成し、共有しても、実践で使い続けるための運用の取り組みが必要ですね。
先生の間だけではなく、児童生徒にも共通の理解を図っておくことは重要です。
併せてICTの活用についてチェックシートの項目とすることで意識づけが行えるかと思います。
人的・物的資源の活用・組み合わせ

情報活用能力を育成するためのカリキュラム・マネジメントの在り方と授業デザイン-平成29年度 情報教育推進校(IE-School)の取組より-
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/06/11/1400884_1_1.pdf 
P119より引用

このような例を参考にして、現状を把握し、どれくらいギャップがあるかを意識することでより効率的に情報活用能力を育成できるのではないでしょうか。

 様々な先行の知見を取り入れて、考える材料を増やすことができるのは、このように知見を公開してもらえるからだと思います。

次回からは「統合型校務支援システム導入の手引き」のご説明をさせていただきます。
何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。