教育委員会行政職の皆様に送る 教育の情報化について抑えるべき10の資料と3観点

投稿日 | カテゴリー: ICT支援員の育成・確保のための調査研究事業 成果報告書, クラウド導入ガイドブック, 小学校プログラミング教育の手引き, 情報活用能力を育成するためのカリキュラム・マネジメントの在り方と授業デザイン, 教員の多忙化, 教育ICTガイドブック, 教育のIT化に向けた環境整備4か年計画, 教育の情報化に関する手引き, 教育の情報化の実態化に関する調査, 教育の情報化ビジョン, 教育の情報化加速化プラン, 教育委員会でコンピュータ関連の担当になったら最初に読む, 教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン, 教育情報化コーディネーター |

皆様こんにちは

教育情報化コーディネーター1級保持者が「教育委員会行政職」の皆様に「教育の情報化」について情報をご提供させていただいているHBI通信もおかげさまで100回を超えることができました。ありがとうございます。
 記事が多くなりましたので交通整理のために改めて目次を設定させていただきます。お仕事のお役に立てれば幸いです。

HBI通信イメージ

◆教育委員会でコンピュータ関連の担当になったら最初に読む

1 教育の情報化ビジョン(平成23年4月28日公開)
https://ict-help.jp/hbi/category/read-first/information-vision/
2 教育の情報化に関する手引き(平成22年10月29日公開)
https://ict-help.jp/hbi/category/read-first/information-manual/

 
これら2つの資料は、現在の教育の情報化を考えるうえでわかっていることが前提、という扱いの資料になります。公開されてから時間が経っていますが、まずこちらに目を通していただくことが必要かと思います。

3 教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(平成29年10月18日公開)
https://ict-help.jp/hbi/category/%e6%95%99%e8%82%b2%e6%83%85%e5%a0%b1%e3%82%bb%e3%82%ad%e3%83%a5%e3%83%aa%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%b7%e3%83%bc%e3%81%ab%e9%96%a2%e3%81%99%e3%82%8b%e3%82%ac%e3%82%a4%e3%83%89%e3%83%a9/

待ったなしの対策を余儀なくされるセキュリティに関してまとまっている資料です。難しいと感じられる方も多い資料ですが、少しずつご一緒に読み解いていければと思います。

4 教育の情報化加速化プラン(平成28年7月28日策定)
https://ict-help.jp/hbi/category/read-first/%e6%95%99%e8%82%b2%e3%81%ae%e6%83%85%e5%a0%b1%e5%8c%96%e5%8a%a0%e9%80%9f%e5%8c%96%e3%83%97%e3%83%a9%e3%83%b3/
もっとも読みやすいと思われる資料です。10Pとまとまっており、今すぐ何を行うか、と具体的な事例が書かれています。

5 小学校プログラミング教育の手引き(平成30年3月30日公開)
https://ict-help.jp/hbi/category/%e5%b0%8f%e5%ad%a6%e6%a0%a1%e3%83%97%e3%83%ad%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%9f%e3%83%b3%e3%82%b0%e6%95%99%e8%82%b2%e3%81%ae%e6%89%8b%e5%bc%95%e3%81%8d/
2020年より必修化される小学校プログラミング教育についての手引きです。「今後こういうことを現場で行う必要がある」ということについてご理解いただくための資料になるかと思います。

◆事例を知りたくなった時に読む資料

6 教育ICTガイドブック(平成29年6月30日公表)
https://ict-help.jp/hbi/category/%e6%95%99%e8%82%b2ict%e3%82%ac%e3%82%a4%e3%83%89%e3%83%96%e3%83%83%e3%82%af/
7 クラウド導入ガイドブック(平成28年5月20日公表)
https://ict-help.jp/hbi/category/%e3%82%af%e3%83%a9%e3%82%a6%e3%83%89%e5%b0%8e%e5%85%a5%e3%82%ac%e3%82%a4%e3%83%89%e3%83%96%e3%83%83%e3%82%af/

環境整備の道筋がわかる資料です。先進的な他自治体の事例も豊富に載っていますので、「提案されても想像がつかない」ようなことについて調べるとき重宝されるのではと思います。

8 情報活用能力を育成するためのカリキュラム・マネジメントの在り方と授業デザイン(平成30年5月公開)
https://ict-help.jp/hbi/category/%e6%83%85%e5%a0%b1%e6%b4%bb%e7%94%a8%e8%83%bd%e5%8a%9b%e3%82%92%e8%82%b2%e6%88%90%e3%81%99%e3%82%8b%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ae%e3%82%ab%e3%83%aa%e3%82%ad%e3%83%a5%e3%83%a9%e3%83%a0%e3%83%bb%e3%83%9e/
先生方が普段どうやって子供たちの学びに向き合っているか、豊富で具体的な事例でICT活用を行いつつ今後の授業について考えるための資料です。どのような機器をどう使うか、のイメージが沸きやすいかと思います。

◆業務の参考となるもの

10 ICT支援員の育成・確保のための調査研究事業 成果報告書
https://ict-help.jp/hbi/category/ict%e6%94%af%e6%8f%b4%e5%93%a1%e3%81%ae%e8%82%b2%e6%88%90%e3%83%bb%e7%a2%ba%e4%bf%9d%e3%81%ae%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ae%e8%aa%bf%e6%9f%bb%e7%a0%94%e7%a9%b6%e4%ba%8b%e6%a5%ad%e3%80%80%e6%88%90/
ICT支援員を活用したいときにどのようなことに気を付けて活用すれば費用対効果として最大限となるか等のヒントが満載です。

11 教員の多忙化
https://ict-help.jp/hbi/category/%e6%95%99%e5%93%a1%e3%81%ae%e5%a4%9a%e5%bf%99%e5%8c%96/

そもそもなぜ先生は多忙なのでしょうか。ご自分が学校で見ていた先生と今の先生は何が違うのでしょうか?根本をご理解いただきたいと思います。

これらの記事をご確認いただいて、少しでも皆様の自治体の教育の情報化に貢献できれば幸いです。

校務の情報化の目的を明確にするとより効果的です

投稿日 | カテゴリー: 2020教育の情報化に関する手引き |

皆さんこんにちは

2019年12月に教育の情報化の手引きが発行されました。
GIGAスクール構想が立ち上がり、それに伴った内容に書き換えていたため公開が遅くなったとのことです。本編254ページ、付録も合わせると360ページという超大作なので、要所要所を確認しながら読んでいきましょう。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00117.html
教育の情報化のイメージ

 今回は教科等の指導におけるICTの活用についてご説明しする予定でした。手引きの84ページから179ページまでを占める各教科の先生方にとって重要な内容です。
 ただ、行政職の皆様にとっては、教科の内容と密接に関わっているため、先生方のお仕事を理解するという点でぜひ読んでいただきたい部分ではあるのですが、今回は手引きをざっとおさらいし、行政職の皆様がお仕事をするうえで必要な内容を深く読んでいきたいため、第5章校務の情報化の推進に行きたいと考えます。

 まず校務の情報化の目的が述べられています。
 働き方改革が真っ先にあります。勤務時間管理、業務改善・効率化への支援として統合型校務支援システムの導入の必要性が書かれています。

 勤務時間まで管理できる統合型校務支援システムは全国どれくらいの自治体に入っているのだろう、と思いますが、全て一つでできると便利なことは間違いないですね。行政職の皆様としては、システムが巨大化すればするほどコストはかかるわけですから、本当に必要な機能について先生方とご一緒に検討する機会をぜひとも作っていただければと思います。
 負担軽減は喫緊の課題です。ただ、統合型校務支援システムを導入しさえすれば万事解決、というわけでないこともご理解いただいていると思います。
 ご自分の自治体で、どういうことが課題で、統合型校務支援システムで何が解決できるか、きちんと考えていく必要があるわけですね。
 HBI通信でも詳しくお伝えした統合型校務支援システム導入のための手引きにて、共同調達や導入までの道筋をご確認ください。手引きにも、そちらを参照するように案内があります。
 その際に、あらためて強調されているのが

  • ・運用ルールの見直し
  • ・カスタマイズ

 についてです。
 システムと現状の運用ルールが全く同じというわけにはいきませんから、歩み寄りが必要です。そして、よりシステムに歩み寄ると、業務が標準化され、異動しても業務しやすくなる等のメリットがあるということが述べられています。
 カスタマイズもある程度必要ですが、あまりにカスタマイズしすぎると、システム化した意味がなくなってきます。運用ルールもそうですが、「異動先で同じ仕事のやり方ができる」というのは非常に大きな意義を持ちます。
 その学校のやり方を一から覚える、なんてことが現在の忙しい先生にできるわけがありません。よって、カスタマイズは最小限、できるだけ運用ルールをシステムのルールに合わせる、ということについて行政職の皆様と先生方とで擦り合わせが行えるといい、ということですね。

 また、セキュリティ・個人情報保護への対応も忘れてはなりません。
 各自治体のセキュリティポリシーを先生方にも理解していただき、便利になったシステムから簡単に情報を持ち出して自宅でセキュリティの確保されていない状態で仕事をする、ということが発生しないようにすることが大切です。

 次回は、教師に求められるICT活用指導力等の向上についてお送りします。
 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

情報活用能力の育成を図るための環境を整える必要があります

投稿日 | カテゴリー: 2020教育の情報化に関する手引き |

皆さんこんにちは

2019年12月に教育の情報化の手引きが発行されました。
GIGAスクール構想が立ち上がり、それに伴った内容に書き換えていたため公開が遅くなったとのことです。本編254ページ、付録も合わせると360ページという超大作なので、要所要所を確認しながら読んでいきましょう。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00117.html
教育の情報化のイメージ

 今回は教科等の指導におけるICTの活用についてご説明します。
 まずは教科等の指導におけるICT活用の意義とその必要性が冒頭に述べられています。
 平成29,30,31年改訂の学習指導要領の総則の確認から始まっています。学習指導要領が改訂されるということは、日本の学校で学習する内容が改訂されるということです。総則の中で特に強調されているところが以下の2点です。少し長いですが引用します。
「情報活用能力の育成を図るため,各学校において,コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え,これらを適切に活用した学習活動の充実を図ること」
https://www.mext.go.jp/content/20191219-mxt_jogai01-000003284_003.pdf

教育の情報化に関する手引き第4章第1節 P81 から引用
「児童(生徒)が,基礎的・ 基本的な知識及び技能の習得も含め,学習内容を確実に身に付けることができるよう, 児童(生徒)や学校の実態に応じ,個別学習やグループ別学習,繰り返し学習,学習 内容の習熟の程度に応じた学習,児童の興味・関心等に応じた課題学習,補充的な学習や発展的な学習などの学習活動を取り入れることや,教師間の協力による指導体制 を確保することなど,指導方法や指導体制の工夫改善により,個に応じた指導の充実 を図ること。その際,(略)情報手段や教材・教具の活用を図ること。」
https://www.mext.go.jp/content/20191219-mxt_jogai01-000003284_003.pdf
教育の情報化に関する手引き第4章第1節 P81 から引用

とあります。この学習指導要領改訂は、大きなポイントなのですが、現場の隅々まで「大きなポイント」という意識が染み渡るには時間がかかりますね。今までのような、一斉授業だけではなく、ICTを活用した様々な授業を組み立てなおす必要があるというわけです。

 この大前提に立って、行政職の皆様も、現場の先生との意見のすり合わせを行う必要があると思います。先生方に改革を押し付けてもうまくいきませんが、学習指導要領の実施に対して「今までと変わらない」先生方を放置しておくのも問題です。「あと〇年で退職だから」という先生方も、指導要領が変わればその残り〇年を変化させていく必要があるわけです。先生とは大変な職業ですね。
 行政職の皆様は、うまい塩梅を考えながら、子どもたちのために必要な環境を整えていくお仕事をしていただきたいと思います。

 

 続いて、ICTを効果的に活用した学習場面の分類例が10点述べられています。
 それぞれ詳しく説明がありますが、ここでは見出しを確認していくこととします。行政職の皆様は、先生方にお会いしたら、これらはどのような学習なのか、個別に確認するとご自分の自治体での活用方法がわかって環境整備がしやすくなると思います。

  • (1)一斉学習(教師による教材の提示・A1)
  • (2)個別学習
  • ①個に応じた学習(B1)
  • ②調査活動(B2)
  • ③思考を深める学習(B3)
  • ④表現・制作(B4)
  • ⑤家庭学習(B5)
  • (3)協働学習
  • ①発表や話合い(C1)
  • ②協働での意見整理(C2)
  • ③協働制作(C3)
  • ④学校の壁を越えた学習(C4)

 次回は、各教科等におけるICTを活用した教育の充実についてお送りします。
 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

プログラミング教育の推進の説明が掲載されています

投稿日 | カテゴリー: 2020教育の情報化に関する手引き |

皆さんこんにちは

2019年12月に教育の情報化の手引きが発行されました。
GIGAスクール構想が立ち上がり、それに伴った内容に書き換えていたため公開が遅くなったとのことです。本編254ページ、付録も合わせると360ページという超大作なので、要所要所を確認しながら読んでいきましょう。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00117.html
教育の情報化に関するイメージ

 今回は、プログラミング教育の推進についてご説明します。

 手引きにはプログラミング教育の必要性がまず書かれています。
 「コンピュータが魔法の箱ではなくなり、より主体的に活用したり、社会における身近な様々なものの仕組みを理解したりすることにつながる」という文章が印象的です。
 なんだかよくわからないけど便利な仕組みで世の中動いている、という認識だった場合「怖いからこのパソコンは触らない」というようなことが起こるかもしれないわけですね。それでは困ることが多くなってきます。ある程度の仕組みをわかるために、プログラミングがその役割を果たす、と考えられているわけです。
 内容としては、HBI通信でも度々お届けしました「小学校プログラミング教育の手引き」に掲載されていることの再掲載もあります。また、中学校や高等学校においてどう指導していくか、という紹介がありますので確認していきましょう。

 

 プログラミング教育において育む資質・能力については3点あげられています。

  • ・知識・技能
  • ・思考力・判断力・表現力等
  • ・学びに向かう力・人間性等

 他の新学習指導要領での評価の観点と同じですね。
 このうち知識・技能については小中高と段階が分けられています。

  • 小 身近な生活でコンピュータが活用されていることや、問題の解決には必要な手順があることに気づくこと
  • 中 社会におけるコンピュータの役割や影響を理解するとともに、簡単なプログラムを作成できるようにすること
  • 高 コンピュータの働きを科学的に理解するとともに、実際の問題解決にコンピュータを活用できるようにすること

 小学校では「気付くこと」が重要です。中学校では「簡単なプログラムを作成できる」ようにすること、高校では「問題解決にコンピュータを活用できる」ようにすることが重要とありますね。

 例えば、新型コロナウイルスの感染拡大予防のために、学会が中止になるかもしれない、という事態に直面したとします。
 小学生なら「パソコンで代わりにやったらいいんじゃない?」と気づくこと、中学生なら「パソコンでやるための影響を考えてみよう」と考えること、高校生なら「オンラインで実施してみたらいいんじゃないか。試行する方向で行えばよいのではないか」と思うこと、という感じですね。
 これらのことを考えられる人を育てていく、ということですね。

 その後、特に今後すぐ必修化となる小学校プログラミング教育について詳細な説明が続きます。これは小学校プログラミング教育の手引きで取り上げられた内容の更に厳選されたものになりますので、小学校プログラミング教育の手引きを読む時間がない方にはお勧めです。まずこの部分を読んで、ざっくり理解できるといいのではないでしょうか。

 次回は、教科等の指導におけるICTの活用についてお送りします。
 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。

よろしくお願い申し上げます。

情報モラルは、注意喚起で終わりではありません

投稿日 | カテゴリー: 2020教育の情報化に関する手引き |

皆さんこんにちは

2019年12月に教育の情報化の手引きが発行されました。
GIGAスクール構想が立ち上がり、それに伴った内容に書き換えていたため公開が遅くなったとのことです。本編254ページ、付録も合わせると360ページという超大作なので、要所要所を確認しながら読んでいきましょう。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00117.html
情報モラルのイメージ

 今回も、情報モラルについてご説明します。
 情報モラル教育が大事だということはみんなすぐにわかりますが、ではどのように教育していけばよいか、となると先生が各個人で考えるより、ベースとなるものがあり、そこから更に発展していけるものがあると便利ですね。
 手引きには情報モラルの教科等における指導例も載っていますし、「情報社会の新たな問題を考えるための教材 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1416322.htm 」の紹介もあります。あるものをまず参考に、目の前の子どもたちにどう当事者意識をもってもらうか、ということを考えられるといいですね。

 情報モラル教育に当たり教員が持つべき知識として、手引きではまず
・学校と保護者が連携して児童生徒のインターネット利用の実態を把握することが必要
 とあります。
 そのうえで、教員自身が情報モラルに関する知識を持っていることが必要である、とあります。
 その知識とは、具体的に見ていくと
・インターネット上で起きていることに関する知識
 例:メッセージアプリ内の会話による悪口や仲間外れ
   成りすまし投稿による誹謗中傷

   フリマサービスやオンラインショッピングでのトラブル
   不正アプリやウイルスによる個人情報漏洩
   ワンクリック詐欺やウイルスなどによる不当請求
 などが挙げられています。これらは総務省の「インターネットトラブル事例集 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/jireishu.html 」にまとめられています。

 併せて必要なのが、法令の知識です。
 モラルの問題では済まされず、犯罪になることが手軽に実施できてしまう世の中になりました。
 どういう場合はどういう法律で守ってもらえるのか、という観点からも一度は確認しておいていただくとお仕事が楽かなと思います。
 手引きには14法律が挙げられています。少し長いのですが引用してみましょう。なお、調べやすくするため、画像ではなくテキストで引用します。

  • ○刑法:法務省 ※脅迫,名誉棄損 等
  • ○プロバイダー責任制限法(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律):総務省
  • ○出会い系サイト規制法(インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律):警察庁
  • ○児童買春・児童ポルノ禁止法(児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律):警察庁
  • ○不正アクセス禁止法(不正アクセス行為の禁止等に関する法律):経済産業省
  • ○迷惑メール防止法(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律):総務省
  • ○著作権法:文化庁
  • ○特許法:特許庁
  • ○電子契約法(電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律):経済産業省
  • ○特定商取引法(特定商取引に関する法律):消費者庁
  • ○リベンジポルノ防止法(私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律):警察庁
  • ○青少年インターネット環境整備法(青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律)
  • ○個人情報保護に係る法令
  • ○青少年健全育成条例 等

教育の情報化に関する手引き https://www.mext.go.jp/content/20191219-mxt_jogai01-000003284_002.pdf P50より引用

問題が起こってしまった時にどうすればよいか、ということを考えるにもこれらの知識は必要ですね。本来傷つけられる子供がいてほしくはないのですが、社会生活を営んでいるとどうしても、意図せずに犯罪に巻き込まれてしまうことはあります。その後どうすればよいかということは確認しておかないといけないですね。通報先や削除依頼について等理解しておけば慌てません。

そのためにも、家庭、地域との連携が重要である旨述べられています。
理解の共有や、最新情報の共有も必要ですが、何より、「自分が思っていることと相手が思っていることが違う」ことの認識を広い範囲で持っておきたいですね。
 先日参加したシンポジウムで、静岡大学の塩田真吾先生がお話しされていた「カードを使って相手と自分の違いを理解する」の取組はとても素晴らしいと思いました。
 https://linecorp.com/ja/csr/newslist/ja/2018/190 このリンク先の冊子の中にカードがあります。
 例えば、
1 友達にやられて嫌なことの順番にカードを並べる
   例:写真をSNSにアップロード、途切れないおしゃべり、自分のいないところで自分の話題が出される 等々
2 その中で、どうしても許せないところで区切りをつける
3 4人以上で話し合う

 という順番でワークショップをやったのですが、見事にみんなバラバラでした。どうしてもいや、というラインも人によって違い、そのラインが違う人同士がトラブルになりやすいという解説がありました。

 例えば、私は途切れないおしゃべりは別に嫌ではないのですが、一緒に参加していた人は絶対に嫌だということでした。つまり、私が悪気なくおしゃべりし続けると、相手はとても嫌な気持ちになるということですね。
 こういう差異を可視化し、自分が嫌じゃないことでも相手が嫌なことがある、ということを根本的に理解していく必要がある、ということでした。
 これはとても分かりやすい実践だと思います。ICT支援員の研修にも取り入れてみます。

 次回は、プログラミング教育の推進についてお送りします。
 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

情報モラルの学びが大事です

投稿日 | カテゴリー: 2020教育の情報化に関する手引き |

皆さんこんにちは

2019年12月に教育の情報化の手引きが発行されました。
GIGAスクール構想が立ち上がり、それに伴った内容に書き換えていたため公開が遅くなったとのことです。本編254ページ、付録も合わせると360ページという超大作なので、要所要所を確認しながら読んでいきましょう。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00117.html
教育の情報化イメージ

 今回は、情報モラルについてご説明します。
 情報モラル教育が大事だということはみんなすぐにわかりますが、ではどのように教育していけばよいか、となると先生が各個人で考えるより、ベースとなるものがあり、そこから更に発展していけるものがあると便利です。
文科省からは情報モラル指導モデルカリキュラムが公表されています。手引きにも2ページにわたって掲載されています。元の資料はhttps://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/1296900.htm です。
 発達段階ごとに分けられていますので、ベースとして活用することで、情報モラル教育がよりやりやすくなると思います。

 では、情報モラル教育の問題の本質とは何か、というところを手引きでは取り上げています。それは

 情報モラル=日常モラル+情報技術の特性

であること、その要因や結果を整理すると、大きく以下3つの視点に整理できること

  • 1 (インターネットやSNS、ゲーム等に)依存する
  • 2 相手とのやり取りで問題を起こす
  • 3 自分が被害者や加害者になる

ということが述べられています。
それでは、どのような指導をしていくかというと

  • ・日常モラルを育てる
  • ・仕組みを理解させる
  • ・日常モラルと仕組みを併せて考えさせる

ということが重要です。
分かりやすく図示されているので見てみましょう。
情報モラルの判断に必要な要素
教育の情報化に関する手引き P45より引用
https://www.mext.go.jp/content/20191219-mxt_jogai01-000003284_002.pdf
日常モラルは、先生方が日ごろから指導されていることですので、行政職の皆様も安心してお話しできると思います。
情報技術の仕組みについては5個挙げられています。

  • ・公開性
  • ・記録性
  • ・信憑性
  • ・公共性
  • ・流出性

これらは、言葉にしてきちんと見ると、確かにそうだな、と理解できることも多いのではないでしょうか。ふんわり何となくより、意識してこういうことだ、と思うと先生方もきっと指導しやすいですね。
そのため、行政職の皆様としては「教育情報化の手引きに資料があったよ」とお伝えいただくと、先生方も助かるのではと思います。
心理的、身体的特性についても言及されています。変わっていくもの、変わらないものがありますが、「どんなに気を遣っても必ず誤解やトラブルは生じる可能性がある」ということを教える必要がある、とあります。文字を使ったやり取りでも面前のやり取りでも、結局すべてが伝わり切ることはない、ということですね。
機器やサービスの特徴としては「無料なのにはわけがある」を教えるということが述べられています。
特にお小遣いを節約したい児童生徒は無料に飛びつきがちですね。ですが、どうしてそれが無料なのか、考えないまま飛びつくのが問題であるという意識を持たせていかないといけない、ということですね。

 次回はこの続き、更に情報モラルについてもう少しお送りします。情報モラルは、やらなければならないことは分かっていても、最新の何をどうしたらよい、という状態がずっと続く気分になります。丁寧に見ていきましょう。
 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

カリキュラムマネジメントも情報モラルも、ずっと必要だと言われています

投稿日 | カテゴリー: 2020教育の情報化に関する手引き |

皆さんこんにちは

2019年12月に教育の情報化の手引きが発行されました。
GIGAスクール構想が立ち上がり、それに伴った内容に書き換えていたため公開が遅くなったとのことです。本編254ページ、付録も合わせると360ページという超大作なので、要所要所を確認しながら読んでいきましょう。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00117.html
教育の情報化のイメージ

 今回は、情報活用能力の育成のためのカリキュラム・マネジメントについてご説明します。
 カリキュラム・マネジメントの3つの側面として以下のものが挙げられています。

  • ・各教科等の教育内容を相互の関係で捉え,学校教育目標を踏まえた教科等横断的な視点で,その目標の達成に必要な教育の内容を組織的に配列していくこと。
  • ・ 教育内容の質の向上に向けて,子供たちの姿や地域の現状等に関する調査や各種データ等に基づき,教育課程を編成し,実施し,評価して改善を図る一連のPDCAサイクルを確立すること。
  • ・ 教育内容と,教育活動に必要な人的・物的資源等を,地域等の外部の資源も含めて活用しながら効果的に組み合わせること。

 

 これを、情報活用能力育成に係るカリキュラム・マネジメント及び一連の流れとしては、HBI通信でもお伝えしたように、主に準備期、実践期、改善期と検討していく例が示されています。
情報活用能力育成のためのカリキュラム・マネジメントモデル

教育の情報化に関する手引き P33より引用
https://www.mext.go.jp/content/20191219-mxt_jogai01-000003284_002.pdf

続いて第4節「学校における情報モラル教育」が述べられています。一時期インターネットの闇、という表現がよく使われていましたが、情報モラル教育は情報活用能力を身に付ける上でも重要です。
 手引きにも「児童生徒が自他の権利を尊重し情報社会での行動に責任を持つとともに、犯罪被害を含む危機を回避し、情報を正しく安全に利用できるようにするため学校における情報モラル教育は極めて重要である」とある通りですね。学習指導要領にも総則に情報活用能力(情報モラルを含む)という記載があります。
 また、児童生徒のインターネット利用の実態として、4点まとめられています。

  • ① 児童生徒のインターネット利用について,スマートフォンのみならず,タブレットやゲーム機などの機器を利用することで早期からインターネットを利用する傾向にある。
  • ② インターネット利用の内容として,情報検索だけでなく,SNS や動画視聴の利用が多くなっている。これにより,インターネットを過度に使用してしまう「ネット依存」や「使いすぎ」に該当する児童生徒が増加することが懸念される。
  • ③ SNS の利用増加により,家族や友人だけではなく,知らない人とのメールやメッセージのやり取りが容易になっている。これにより,インターネット上で知り合った人とのトラブルにつながることが懸念される。
  • ④ インターネットの利用時間やトラブル経験について,人により認識が異なることが指摘されている。つまり,インターネット上でのトラブルにつながる問題行動について,「トラブルを起こしてしまうかもしれない」という自覚がないまま,インターネットを利用している可能性が考えられる。

 手引きには「このような傾向から、情報モラル教育には、即座に出会うかもしれない危険をうまく避ける知識を与えるとともに、一方では情報社会の特性の理解を進め、自分自身で的確に判断する力を育成することが求められる」とあります。
 即座に出会ってしまう可能性がある、というところが悩ましいところですね。例えば夜の繁華街に出ていかない、というのは指導しやすいことですが、普通にインターネットを閲覧しているだけで危険に出会う可能性があるわけです。

 次回はこの続き、情報モラルについてもう少しお送りします。
 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

情報活用能力の重要性がますます高まってきました

投稿日 | カテゴリー: 2020教育の情報化に関する手引き |

皆さんこんにちは

2019年12月に教育の情報化の手引きが発行されました。
GIGAスクール構想が立ち上がり、それに伴った内容に書き換えていたため公開が遅くなったとのことです。本編254ページ、付録も合わせると360ページという超大作なので、要所要所を確認しながら読んでいきましょう。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00117.html
教育の情報化イメージ

 今回は、情報活用能力の育成、これまでの情報活用能力の育成と学習の基盤となる資質、能力としての情報活用能力についてご説明します。

 はじめに述べられているのが「情報活用能力」の定義です。世の中の様々な事象を情報とその結びつきとしてとらえ、情報及び情報技術を適切かつ効果的に活用して、問題を発見・解決したり自分の考えを形成したりしていくために必要な資質・能力である、と述べられています。
 これからの時代を生きる子どもたちが、情報を持っているだけではなく、結びつきを考え、それによって問題を解決したり、新たに発見したり、自分の考えを作っていったりするための能力ということですね。ブラウザで検索できれば良い、ではなく、その検索結果を主体的に活用できるようにするというのもこの1つですね。

 これまでの情報活用能力育成の経緯が手引きにまとめられています。昭和59年に開始された臨時教育審議会ですでに議論されていたということですから、当時の文部省はとても先見の明があったと言えますね。平成9年には情報活用能力が3観点にまとめられました。

  • A 情報活用の実践力
  • B 情報の科学的な理解
  • C 情報社会に参画する態度

平成22年の教育の情報化に関する手引きで、3観点に付随する8要素にまとめられました。

  • A 情報活用の実践力
  • ・課題や目的に応じた情報手段の適切な活用
  • ・必要な情報の主体的な収集・判断・表現・処理・創造
  • ・受け手の状況などを踏まえた発信・伝達
  • B 情報の科学的な理解
  • ・情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解
  • ・情報を適切に扱ったり、自らの情報活用を評価・改善するための基礎的な理論や方法の理解
  • C 情報社会に参画する態度
  • ・社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響の理解
  • ・情報のモラルの必要性や情報に対する責任
  • ・望ましい情報社会の想像に参画しようとする態度

これらに基づいて、各地でカリキュラム作成や授業実践がなされていますね。

 情報活用能力の調査も実施されました。平成25年度に小・中学校、平成27年度に高等学校を調査しましたが、その中で印象的な調査結果が概要としてまとめられています。実際に調査した衝撃がまとめられましたね。
情報活用能力調査結果の概要
「教育の情報化に関する手引」(令和元年12月)について P22より引用
https://www.mext.go.jp/content/20191219-mxt_jogai01-000003284_002.pdf
小学生のタイピング速度は1分間に約6文字でした。10秒に1文字しか打てない、というのは驚きでしたね。今後の入力デバイスがどのようになるかわかりませんが、現状キーボードは入力デバイスで一番普及しているのではないかと思われます。情報を活用するために、まずは情報を得る、情報を作る、情報を発信する、というようなことが必要ですが、その情報をパソコンに入力することに時間がかかる、というのは根本的な問題ですね。
 学習指導要領の総則で「文字入力」についても言及がありますが、やはり総則ではなかなか現場に浸透しないというところがあると思います。
 そのため、平成29・30年に公示された学習指導要領では、「学習の基盤となる資質・能力」の一つと位置付けられました。ここでは3観点8要素だけではなく、各教科において育むことを目指す資質・能力と同様に「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の3つの柱によってとらえていくことが提言され、以下のように整理されました。

○知識及び技能(何を理解しているか,何ができるか)
情報と情報技術を活用した問題の発見・解決等の方法や,情報化の進展が社会の中で果たす役割や影響,技術に関する法・制度やマナー,個人が果たす役割や責任等について,情報の科学的な理解に裏打ちされた形で理解し,情報と情報技術を適切に活用するために必要な技能を身に付けていること。
○思考力,判断力,表現力等(理解していること,できることをどう使うか)
様々な事象を情報とその結びつきの視点から捉え,複数の情報を結びつけて新たな意味を見いだす力や問題の発見・解決等に向けて情報技術を適切かつ効果的に活用する力を身に付けていること。
○学びに向かう力,人間性等(どのように社会・世界と関わりよりよい人生を送るか)
情報や情報技術を適切かつ効果的に活用して情報社会に主体的に参画し,その発展に寄与しようとする態度等を身に付けていること。

 IE-school等でカリキュラム等の例示がされました。どの学年でどのようなリテラシーが身に着いていればよいか、そのための段階的な積み上げが示されています。それを基にした各教科等での育成事例が5つ紹介されています。IE-school報告書では、もっと詳しく取り上げられていますので、HBI通信でもご紹介している通り、ぜひそちらもご覧ください。

 次回はこの続き、情報活用能力の育成をお送りします。
 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

学習指導要領の理念は何度も確認したいです

投稿日 | カテゴリー: 2020教育の情報化に関する手引き |

皆さんこんにちは

2019年12月に教育の情報化の手引きが発行されました。
GIGAスクール構想が立ち上がり、それに伴った内容に書き換えていたため公開が遅くなったとのことです。本編254ページ、付録も合わせると360ページという超大作なので、要所要所を確認しながら読んでいきましょう。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00117.html
教育の情報化のイメージ

 今回は、学習指導要領の理念と、学習指導要領における教育の情報化の位置づけ、特別支援教育における教育の情報化、教育におけるICT活用の特性・強み及びその効果 について確認していきます。
 第1章冒頭部分ですので、簡潔に良くまとまっているところを、更にピックアップしていきます。

 まず、学習指導要領の理念については、今回の改訂での基本方針5つが紹介されています。

  • 1 基本的な考え方3つ。ア 社会に開かれた教育課程の重視 イ 確かな学力を育成すること ウ 豊かな心や健やかな体を育成すること
  • 2 育成を目指す資質・能力の明確化を実施。すべての教科等の目標及び内容を「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の3つの柱に整理
  • 3 「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善の推進
  • 4 各学校におけるカリキュラム・マネジメントの推進
  • 5 教育内容の改善

 これらをもとに、2020年度から小学校で、20201年度から中学校で、新しい学習指導要領に基づく学習がはじまるわけですね。

 続いて、学習指導要領における教育の情報化の位置づけについては、各学校種によって特徴を取り上げています。
 基本は小・中高等学校ともに「児童・生徒の発達の段階を考慮し、情報活用能力(情報モラルを含む)等の学習の基盤となる資質・能力を育成していくことができるよう、各教科等の特質を生かし、教科等横断的な視点から教育課程の編成を図る」こととされています。
 小学校では、総則において、コンピュータや通信ネットワークの環境を整えること、教材・教具の適切な活用を図ること、文字入力やプログラミングの重要性が書かれています。
 中学校では、総則で小学校と同様コンピュータや通信ネットワークの環境を整えること、教材・教具の適切な活用を図ること、が書かれています。小学校でプログラミング教育が必修化されたことなどを踏まえ、技術分野ではさらに踏み込んだ内容を生徒に履修させることとしています。
 高等学校では、総則で、小中学校と同様コンピュータや通信ネットワークの環境を整えること、教材・教具の適切な活用を図ること、が書かれています。また、共通必履修科目「情報1」が設けられました。専門教科情報化について12科目に改められました。
 特別支援学校では、小学校、中学校、高等学校それぞれの学習指導要領総則に書かれていることと併せて、知的障害者である生徒に対する教育の中学部の職業・家庭科について職業生活でコンピュータ等の情報機器に触れることなどに関わる学習活動について等が書かれています。高等部も併せて同じように書かれています。

 次に、特別支援教育における教育の情報化について書かれています。
 平成25年、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が成立したこと等、特別な支援を必要とする児童生徒にとっての情報教育を保証するため様々な条件整備が実施されたとあります。
 情報の収集手段が多様になり、障害を持っていても情報機器がない状態よりはるかに情報を得やすくなった、という点と、その障害の状態等により情報の収集、処理、表現、発信などに困難を伴うことも多いため、情報社会の恩恵を十分に享受するための個々の実態に応じた情報活用能力の習得が必要という点が述べられています。
 テクノロジーの発達が、様々な方面で多様な人を支えたほうがいいですね。そのため、アシスティブ・テクノロジーと呼ばれる、障害のために実現できなかったことをできるように支援する技術について、その方策を充実することにより、結果的にバリアフリーの状態を実現する、という考え方だと述べられています。
 多様なニーズに応じた機器が開発され、利用されるという支援方策が、より多くの児童生徒を支援し、バリアフリーの状態を作り出していくことが必要になってくる、とあります。
 そのためには、児童生徒の希望を踏まえつつ、メーカーとリハビリテーション工学の専門家、地域の特別支援教育センター等の関係機関と学校、そして保護者との連携と協力が求められる、とあります。たくさんの関係者の連携が必要ですが、それだけの知恵が結集すればとても良いものが作られそうですね。

 

 最後に、教育におけるICT活用の特性・強み及びその効果についてです。3点あげられています。

  • 1 多様で大量の情報を収取、整理分析、まとめ、表現することなどができ、カスタマイズが容易であること
  • 2 時間や空間を問わずに、音声画像データ等を蓄積送受信でき、時間的空間的制約を超えること
  • 3 距離に関わりなく相互に情報の発信受信のやり取りができるという双方向性を有すること

 ということです。
 このような強みを最大限に発揮するためには、児童生徒が情報手段の基本的な操作を習得していることが大前提となりますね。そのためには、普段使いのICTが大きな役割を果たすと述べられています。

 ICT機器は特別なご褒美ではなく、授業で普段から使っていくことが重要ですね。その普段使いが積み重なると、より良い学びがどんどん生まれてくるのではと思います。新しいテクノロジーが何をもたらすのか、ということは普及してみないとわかりません。そもそも、学校に1人1台タブレットが入る、というのは新しいテクノロジーというものでもありませんね。授業中に辞書をめくるのは良くて、タブレットで検索をしてはダメだというのはあまり筋が通らない気がします。

 以前twitterで目にしたのは
https://twitter.com/pakuchan1964/status/838132790872825856
 という発想でした。これだけでどうこう言うのは乱暴なのですが、「聞いてるふり」で学習が進まないより、積極的に自ら調べる子どもになったほうがいいように思います。授業の統制、という考え方が変わってくるかもしれませんね。
もちろん子どもたちにいきなり無秩序になんでもどうぞご自由に!というのも乱暴です。
 そこは先生方の専門性を存分に活かしていただく必要があるところです。いきなり全部自由、ではなく使い慣れるにしたがって徐々に自由度が増していくというのが理想でしょう。クラスの状態を見極めて、その段階を踏めるのは先生ですね。
 行政職の皆さんも、いきなりすぐにすべてが変わるわけではないことはご理解いただけていると思います。先生が少しでもやりやすいよう、やりやすい環境を整えることが重要だということを念頭に、先生方の思いを受け止めつつ、環境整備を実施していくことが重要だと思います。

 次回はこの続き、情報活用能力の育成をお送りします。
 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

教育の情報化の進展を確認します

投稿日 | カテゴリー: 2020教育の情報化に関する手引き |

皆さんこんにちは

2019年12月に教育の情報化の手引きが発行されました。
GIGAスクール構想が立ち上がり、それに伴った内容に書き換えていたため公開が遅くなったとのことです。本編254ページ、付録も合わせると360ページという超大作なので、要所要所を確認しながら読んでいきましょう。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00117.html

教育の情報化イメージ 

 教育の情報化の進展として、それぞれの学習指導要領の中の教育の情報化について紹介があります。
現在特に関係しているのが平成29年、30年、31年告示学習指導要領ですね。
手引きでは「「言語能力」等と同様の「教科等を超えたすべての学習の基盤として育まれ活用される資質・能力」の一つとして「情報活用能力」を掲げ」とあります。今までも情報活用能力は必要だと言われてきましたが、今回は更にすべての基盤であると明言しているということですね。
 また、「学校の生活や学習においても、日常的にICTを活用できる環境を整備していくことが不可欠である」ことも抜粋されています。環境の整備は重要です。なので、GIGAスクール構想で徹底的に整備しようとしているわけですね。
 続いて、教育の情報化に関する政府全体としての主な政策・提言等が掲載されています。このようにまとまっていると、流れが見えてきてわかりやすいですね。
 掲載する順番についても吟味されているので、最初に出てきたものから重視していると考えられます。

  • ○「教育振興基本計画」(平成 30 年 6 月 15 日閣議決定)
  • ○「経済財政運営と改革の基本方針 2019」~「令和」新時代:「Society5.0」への挑 戦~(令和元年 6 月 21 日閣議決定)
  • ○「成長戦略実行計画」「成長戦略フォローアップ」(令和元年 6 月 21 日閣議決定)
  • ○「統合イノベーション戦略 2019」(令和元年 6 月 21 日閣議決定)
  • ○「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」(令和元年 12 月 5 日閣議決定)

これを見ると、令和に入って立て続けに教育の情報化について動き出した印象があります。
政府が本腰を入れ始めた、と考えられるでしょう。
続いて教育の情報化に関する文部科学省における最近の主な報告等がまとまっています。

  • ○「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(最終まとめ)」
  • ○「新しい時代に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における 働き方改革に関する総合的な方策について」(平成 31 年 1 月 25 日中央教育審議会 答申)

そして、令和元年 6 月,「学校教育の情報化の推進に関する法律」の成立,公布・施行が挙げられています。

今までも、教育の情報化に関しては様々な施策が打たれてきていましたが、2019年になって加速度的に物事が動き出した印象ですね。それまでは、現場がとても大変だから授業のやり方を根本から変えるようなICT機器の使い方を表明するのは憚られるような雰囲気を感じていました。
ところが、GIGAスクール構想にある通り、「一人1台」を実現することになると、これまでの授業のやり方だけではなく、新たな授業のやり方が出てくると考えられます。既に1人1台を実現している学校では、一斉授業だけではなく、子どもたちが好きな時に好きなだけICT機器を使って調べ、作り、発表し合うという授業が効果を上げています。先生の指示に従うだけではなく、ICT機器を主体的に使っていく姿勢が良い環境を生んでいるということだそうです。
これを聞くと、現場の先生の中には今でも大変な思いをしているのに更に大変になる、という想像をされる先生がみえます。今まで自分がそのような教育を受けたことがなく、現場を見たことがなければそう思われるのも当然ですね。行政職の皆様も一人1台の授業がどのようなものか実際にご覧になることができる方はきっと少ないと思います。
先進校の実際の授業を見られる機会は限られていますが、それでもチャンスがあればぜひご確認いただければと思います。ICT機器が一人1台の文房具として活用されている様子、ICT機器でなければできない学びは、とても刺激的です。
一斉授業の良さがあったからこそ、全国にこれだけ一斉授業の形態が広まっていったと思います。一人1台での授業はどのような形態が良いのか、よいものがあれば自然と広がっていくでしょう。
無理に一斉授業にICT機器を合わせる必要はないと思います。子どもたちが楽しい授業を実現するためのツールとして先生方には便利に使っていただけるよう環境を整えていくのが私たちの仕事です。

教育の情報化の手引きには、そのためのヒントがたくさん詰まっています。分厚いところですが、読み進めていきましょう。

 次回はこの続き、学習指導要領の理念をお送りします。最初はゆっくり目に行きますのでよろしくお願いします。
 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

教育の情報化に関する手引きを待ちに待っていました

投稿日 | カテゴリー: 2020教育の情報化に関する手引き |

皆さんこんにちは

2019年12月に教育の情報化の手引きが発行されました。
GIGAスクール構想が立ち上がり、それに伴った内容に書き換えていたため公開が遅くなったとのことです。
今週からはこの手引きを読んでいきたいと思います。
とはいえ、本編254ページ、付録も合わせると360ページという超大作なので、要所要所を確認しながら読んでいきましょう。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00117.html
教育の情報化に関する手引きイメージ

 

 本日ははじめにと第1章第1節社会における情報化の急速な進展と教育の情報化についてご説明させていただきます。

 はじめに、を読んだときに、今までにない強い断定で「我が国の学校におけるICT活用状況は世界から大きく後塵を拝しており、学校のICT環境は脆弱勝地域間格差も大きく危機的な状況となっている」が非常に印象に残りました。
 家に帰って宿題のためにPCを使う割合がOECD加盟国の中で最下位の日本。この結果も一つの理由としてのこの強い言葉だと感じます。
 学習指導要領では「情報活用能力」を学習の基盤となる資質・能力と位置付けました。
情報活用能力の育成のためには、ICT機器は欠かせない、むしろあって当然、というスタンスが貫かれています。ICT機器がなくても情報活用能力の育成はできますが、ICT機器を無視して、それが世の中にないこととしての情報活用能力の育成は困難を極めるでしょう。

 続いて第1章第1節社会における情報化の急速な進展と教育の情報化 についてです。
 技術の急速な進展については皆様実感されている通りだと思います。更に未来を考えるなら、子どもの数が減り、つまり大人になる数が減り、寿命は延びて高齢化社会を迎えることも実感されている通りです。そうすると、今まで人力に頼っていた部分を頼れなくなってしまいます。情報技術はそこの穴を埋めていくことも期待されているわけですね。
それなら教員の仕事は減るか、教員を減らしてよいか、ということになるとなかなかそうはいかないと考えられます。今までは見過ごされていた特別な支援を必要とする児童生徒が、情報技術の進展に従って、「もう少し配慮すればもっとうまくいく」という状態を見つけられるようになってきました。
ではその配慮についてはどのようなものがよいか、医学的配慮は医者がプロです。学習する、学ぶ、というそれは教育のプロである先生が考え、実施していくのが一番早いと考えられます。
どの子どもも、楽しくのびのびと過ごせる世の中を作っていくことができるといいですね。
それを考えると、これからの学びにとって「ICTはマストアイテム」という言葉からも「ICT環境は鉛筆やノート等の文房具と同様に教育現場において不可欠なものとなっていることを強く認識する」という言葉からも、ICT環境については、先生が管理して許可を出すようなものではなく、ノートや文房具のように子どもたちが主体で使っていくもの、という認識の変更が必要になってくると考えられます。
そのため、行政職の皆様は、先生方に「管理するの大変だと思うけど管理しなくちゃと考えなくていいよ」というスタンスをお伝えいただければと思います。そもそも、1人1台入った場合、すべてを先生方で管理するのは無理です。そこには必ず人的支援が必要です。それは、教育のこともICTのことも分かっている人材でなければなりません。
なぜなら、単なる情報化を行うわけではなく、「教育の情報化」でなければならないからです。具体的な3つの項目は

  • 1情報教育
  • 2教科指導におけるICT活用
  • 3校務の情報化

です。これらの教育の情報化の実現を支える基盤として

  • ・教師のICT活用指導力等の向上
  • ・学校のICT環境の整備
  • ・教育情報セキュリティの確保

の3点を実現することが極めて重要であるからです。

これらは、学校現場に初めて入る、という人に説明をするのはとても困難です。そのため、業者と教育委員会の間を橋渡しできる、通訳できる教育情報化コーディネーターがいると話がスムーズです。
何度も書いております通り、同じ言葉を使っても解釈は全く違う、ということは起こりがちです。そして、それに気づくのは大変なことが起こってから、ということが多いです。「校内LAN」が何を指しているのか、試しに周りの人と確認してみてください。
 今回のこの手引きは、非常に危機感をもって作成されていることが伝わってきます。学び方が、画一的な一斉授業からより個々の児童生徒に最適化されるものへと変わっていくことが必要であると考えられます。学習規律等も新しい考え方が出てくると思います。
 ですが、変わる、というのは難しいことですね。行政職の皆様は、学校の先生が今までとは違う非常に多くのことを受け入れなければならない、ということをご理解いただいていると、導入もスムーズかと思います。

 

 次回はこの続き、社会における情報化の急速な進展と教育の情報化をお送りします。最初はゆっくり目に行きますのでよろしくお願いします。
 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。