教育委員会行政職の皆様に送る 教育の情報化について抑えるべき10の資料と3観点

投稿日 | カテゴリー: ICT支援員の育成・確保のための調査研究事業 成果報告書, クラウド導入ガイドブック, 小学校プログラミング教育の手引き, 情報活用能力を育成するためのカリキュラム・マネジメントの在り方と授業デザイン, 教員の多忙化, 教育ICTガイドブック, 教育のIT化に向けた環境整備4か年計画, 教育の情報化に関する手引き, 教育の情報化の実態化に関する調査, 教育の情報化ビジョン, 教育の情報化加速化プラン, 教育委員会でコンピュータ関連の担当になったら最初に読む, 教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン, 教育情報化コーディネーター |

皆様こんにちは

教育情報化コーディネーター1級保持者が「教育委員会行政職」の皆様に「教育の情報化」について情報をご提供させていただいているHBI通信もおかげさまで100回を超えることができました。ありがとうございます。
 記事が多くなりましたので交通整理のために改めて目次を設定させていただきます。お仕事のお役に立てれば幸いです。

HBI通信イメージ

◆教育委員会でコンピュータ関連の担当になったら最初に読む

1 教育の情報化ビジョン(平成23年4月28日公開)
https://ict-help.jp/hbi/category/read-first/information-vision/
2 教育の情報化に関する手引き(平成22年10月29日公開)
https://ict-help.jp/hbi/category/read-first/information-manual/

 
これら2つの資料は、現在の教育の情報化を考えるうえでわかっていることが前提、という扱いの資料になります。公開されてから時間が経っていますが、まずこちらに目を通していただくことが必要かと思います。

3 教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(平成29年10月18日公開)
https://ict-help.jp/hbi/category/%e6%95%99%e8%82%b2%e6%83%85%e5%a0%b1%e3%82%bb%e3%82%ad%e3%83%a5%e3%83%aa%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%b7%e3%83%bc%e3%81%ab%e9%96%a2%e3%81%99%e3%82%8b%e3%82%ac%e3%82%a4%e3%83%89%e3%83%a9/

待ったなしの対策を余儀なくされるセキュリティに関してまとまっている資料です。難しいと感じられる方も多い資料ですが、少しずつご一緒に読み解いていければと思います。

4 教育の情報化加速化プラン(平成28年7月28日策定)
https://ict-help.jp/hbi/category/read-first/%e6%95%99%e8%82%b2%e3%81%ae%e6%83%85%e5%a0%b1%e5%8c%96%e5%8a%a0%e9%80%9f%e5%8c%96%e3%83%97%e3%83%a9%e3%83%b3/
もっとも読みやすいと思われる資料です。10Pとまとまっており、今すぐ何を行うか、と具体的な事例が書かれています。

5 小学校プログラミング教育の手引き(平成30年3月30日公開)
https://ict-help.jp/hbi/category/%e5%b0%8f%e5%ad%a6%e6%a0%a1%e3%83%97%e3%83%ad%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%9f%e3%83%b3%e3%82%b0%e6%95%99%e8%82%b2%e3%81%ae%e6%89%8b%e5%bc%95%e3%81%8d/
2020年より必修化される小学校プログラミング教育についての手引きです。「今後こういうことを現場で行う必要がある」ということについてご理解いただくための資料になるかと思います。

◆事例を知りたくなった時に読む資料

6 教育ICTガイドブック(平成29年6月30日公表)
https://ict-help.jp/hbi/category/%e6%95%99%e8%82%b2ict%e3%82%ac%e3%82%a4%e3%83%89%e3%83%96%e3%83%83%e3%82%af/
7 クラウド導入ガイドブック(平成28年5月20日公表)
https://ict-help.jp/hbi/category/%e3%82%af%e3%83%a9%e3%82%a6%e3%83%89%e5%b0%8e%e5%85%a5%e3%82%ac%e3%82%a4%e3%83%89%e3%83%96%e3%83%83%e3%82%af/

環境整備の道筋がわかる資料です。先進的な他自治体の事例も豊富に載っていますので、「提案されても想像がつかない」ようなことについて調べるとき重宝されるのではと思います。

8 情報活用能力を育成するためのカリキュラム・マネジメントの在り方と授業デザイン(平成30年5月公開)
https://ict-help.jp/hbi/category/%e6%83%85%e5%a0%b1%e6%b4%bb%e7%94%a8%e8%83%bd%e5%8a%9b%e3%82%92%e8%82%b2%e6%88%90%e3%81%99%e3%82%8b%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ae%e3%82%ab%e3%83%aa%e3%82%ad%e3%83%a5%e3%83%a9%e3%83%a0%e3%83%bb%e3%83%9e/
先生方が普段どうやって子供たちの学びに向き合っているか、豊富で具体的な事例でICT活用を行いつつ今後の授業について考えるための資料です。どのような機器をどう使うか、のイメージが沸きやすいかと思います。

◆業務の参考となるもの

10 ICT支援員の育成・確保のための調査研究事業 成果報告書
https://ict-help.jp/hbi/category/ict%e6%94%af%e6%8f%b4%e5%93%a1%e3%81%ae%e8%82%b2%e6%88%90%e3%83%bb%e7%a2%ba%e4%bf%9d%e3%81%ae%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ae%e8%aa%bf%e6%9f%bb%e7%a0%94%e7%a9%b6%e4%ba%8b%e6%a5%ad%e3%80%80%e6%88%90/
ICT支援員を活用したいときにどのようなことに気を付けて活用すれば費用対効果として最大限となるか等のヒントが満載です。

11 教員の多忙化
https://ict-help.jp/hbi/category/%e6%95%99%e5%93%a1%e3%81%ae%e5%a4%9a%e5%bf%99%e5%8c%96/

そもそもなぜ先生は多忙なのでしょうか。ご自分が学校で見ていた先生と今の先生は何が違うのでしょうか?根本をご理解いただきたいと思います。

これらの記事をご確認いただいて、少しでも皆様の自治体の教育の情報化に貢献できれば幸いです。

新時代に求められる教育を行う技術は既に存在します

投稿日 | カテゴリー: 新時代の学びを支える先端技術活用推進方策 |

皆さんこんにちは

ICTに関する様々な動きが加速度的に出てきましたね。
文科省からは「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(最終まとめ)」について が公開されました。
http://www.mext.go.jp/a_menu/other/1411332.htm
トップページに重要なお知らせとして掲載される力の入れようです。
今後のび行く可能性のある未来のイメージ

今日は(2)新時代に求められる教育とは、からご説明させていただきます

先回ご説明しましたように、単純な、仕様化できるタスクはきっとロボットやコンピューターにとってかわられていくでしょう。そうではない人間ならではの強みが必要である、とあります。
例示されているのは「高い志を持ちつつ技術革新と価値創造の源となる飛躍的な知の発見・創造」で、その能力の前提としては「文章の意味を正確に理解する読解力、計算力や数学的思考力などの基盤的な学力の確実な習得も必要」とあります。これらのことから、以下の2点の教育が必要だと言っています。

  • 1 膨大な情報から何が重要かを主体的に判断し、自ら問を立ててその解決を目指し、他者と協働しながら新たな価値を創造できる資質・能力の育成
  • 2 1を前提として、これからの時代を生きていくうえで基盤となる言語能力や情報活用能力、AI活用の前提となる数学的思考力をはじめとした資質・能力の育成

「他者と協働」というのは人間がここまで繁栄してきた最大の能力であると考えます。心の情動として現れる「仲良くしようね」も、打算でキツネとタヌキの化かし合いのようなことをしていたとする「共に前進しよう」でも構わないのですが、一人の人間の力では成しえないことを、大勢の人間が寄り集まって成し遂げる、ということが出来るわけですね。
土木工事は象徴的ですが、インターネットの発達ももちろんそうです。こういう理屈で情報をやり取りすることが出来るはずだ、ということを共通理解とし、今や世界中で今までと比べてはるかに簡単に情報をやり取りすることが出来るようになりました。今後はAIを「秘書のように」活用して、いろいろな物事を進めていくことが出来るようになるための前提知識が必要だということになりますね。

 続いて、更なる可能性が広がる「公正に個別最適化された学び」について述べられています。
 子どもの多様化、と書かれていますが昔から多様な子どもはいたわけで、それが知識も技術も未発達だったために一様な集団として取り扱われていただけだと思うのですが、その多様性に正面から向き合うことが重要となる、とあります。
 知識や技術が発達してきたからこそ、授業中前を向いて集中できない子どもはさぼってるとか性根が悪いとか根性が足りないとか親のしつけが悪いとか甘やかしているとかそんな次元の話ではなく、脳の特性としてそのような行動をとる、ということがわかってきたわけですね。同じことをやらせようとしても、人間の脳の特性はバラバラですから、そう簡単にうまくいく方法はなかなか見つからないぜ、ということです。
 ほかにも外国をルーツとし、母語が日本語ではない子どもも増えました。また、今までは出る杭として打たれまくっていたこともある特定の分野にとびぬけている子どもら、多様な子どもたちの個々の状況に最適な学びを進めていくことが重要である、とあります。
 これは本当に近年の技術の発達の結果ですからぜひとも実現していきたいところですね。自分ではどうしようもないことで大人から怒られる子どもがどんどん減っていってほしいと思います。

 そのために、教育ビッグデータを活用することの意義、が述べられています。
もちろん一足飛びになんでもうまくいくわけにはいきませんから、段階を踏んでいくわけですが、まず一番最初に述べられているのは「学びにおける時間・距離などの制約を取り払う」です。
 各場面において最適で良質な授業・コンテンツを活用することが出来るようにする、とあります。
 私は四国で生まれ育ちました。本州に行くときは船です。修学旅行も船で行きました。歌手がコンサートに来てくれることも、著名な美術展が開かれることも、ミュージカルの観劇機会もほとんどありませんでした(皆無ではないですよ)。それが、本州四国連絡橋が開通したおかげで、どれだけ本州との行き来が楽になったか、どういえば伝わるのかわからないくらい革新的な出来事でした。
 それが、今や技術を活用すれば、どこでも多様な学びが可能になる時代になったのです。橋を架けるのには長い年月と莫大なお金が必要ですが、インターネットを通じた疑似的な時間・距離の制約の取り払いでは言うほどお金はかかりません。

 こういうことを言うと「本物に触れてこそ学びだ」といつでも本物に触れる機会のある都会の人が主張するのですが、そこは全く否定していません。本物に触れることはものすごく重要な学びです。でも、それだけに拘泥していればみすみす様々なチャンスを逃してしまうのでは、今まで地方にいる、というただそれだけで子どもの可能性を伸ばし切れていなかったのではないか、ということを申し上げているのです。
 まとめに例示されているのは

  • ・多様な人材・リソースの活用が可能になり、普段触れることが難しい最先端のアカデミックな知見を授業や教材に活用することが可能になる
  • ・多様な人々との学び合いを行うことで、社会性を涵養する機会や多様な意見に触れる機会を増加させることが可能になる
  • ・母語が日本語ではない子どもに対する多言語翻訳システムの活用や、病気療養児に対する遠隔技術の活用により多様な学習方法を支援することが可能になる
  • ・支援を要する子どもにそれぞれ応じた先端技術を活用した教材を提供することで個々に応じた学びの支援が可能になる

 です。もうこれを聞いただけで私はとてもとてもとてもうれしくなります。

 宇宙飛行士の講演は、もう開催地だけのものではなくなるのです。保育園から中学校卒業までずっと同じ顔触れ、5,6人の環境だけで育つのではなく、様々な地域の子どもと触れ合うチャンスができるのです。今まで先生が何をしゃべっているのか理解できなかった子供も、翻訳の助けを借りて理解できるようになれば、授業中苦痛に耐える必要がなくなるのです。病気で行きたいのに学校に行けなくても学びをあきらめる必要がなくなるのです。
 そんなの理想だ、忙しい先生にどこまで何をやらせる気だ、というご意見もあるかと思います。
 でも技術はそれを可能にしているのです。先生に押し付ける、学校で考えてやれ、ではなく社会全体で、これからの宝である子どもたちの教育をもっともっと良くしていこう、という提案だと私は思います。

 何もない田舎が嫌で、私は関東の大学に進学しました。関東に住んでいるということは何という特権だと心の底から感じました。栽培されている農作物をぱっと見て私は何が栽培されているかわかりますが、関東の人は分かりませんでした。でも、私は山手線の内回りと外回りどちらに乗るべきかも私鉄の特急の意味も舞台を見に行くにはどうやってチケットを取るかも知りませんでした。ミュシャ展に行くのに予約がいるのではないかと真剣に悩み、調べる方法もなく途方に暮れていたら友達が気の毒がって連れて行ってくれた、というのも今は笑い話です。
 そういうギャップを感じたことのある方はとても多くいらっしゃるのではないでしょうか。
 これからの子どもたちに、選択する自由を満喫してもらいたい、そう強く思います。

何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

新しい時代にふさわしい学びにはICT環境が当たり前になることが必要です

投稿日 | カテゴリー: 新時代の学びを支える先端技術活用推進方策 |

皆さんこんにちは

ICTに関する様々な動きが加速度的に出てきましたね。
文科省からは「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(最終まとめ)」について が公開されました。
http://www.mext.go.jp/a_menu/other/1411332.htm
トップページに重要なお知らせとして掲載される力の入れようです。
咲き誇る花が今後の発展を連想させるイメージ

今回ははじめにから1.新時代における先端技術・教育ビッグデータを効果的に活用した学びの在り方(1)来るべきSociety5.0時代 についてご説明させていただきます。

 はじめに、で述べられているのは、この方策がまとめられた経緯と意図です。
 2018年11月 新時代の学びを支える先端技術のフル活用に向けて~柴山・学びの革新プラン~http://www.mext.go.jp/b_menu/activity/detail/2018/20181122.htm
 2019年3月 新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(中間まとめ)http://www.mext.go.jp/a_menu/other/1411332.htm#1411332c
 2019年5月 教育再生実行会議 技術の進展に応じた教育の革新、新時代に対応した高等学校改革について(第十一次提言)https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouikusaisei/pdf/dai11_teigen_1.pdf
 が、それぞれ元になるものとしてあげられており、新時代に求められる教育の在り方や教育現場でICT環境を基盤とした先端技術や教育ビッグデータを活用する意義と課題について整理して、取り組み方策をまとめた、とあります。
 2019年4月には中央教育審議会に、新しい時代の初等中等教育の在り方についてが諮問されています。
 これとあわせて両輪として新時代の学校、子どもの学びを実現するための取組を加速していきたい、と結ばれています。
 今まで様々なプランや方策、手引きが出されてきた教育の情報課ですが、今回は特に「急速に進展した」印象を受けます。それだけ危機感が強まっているということでしょう。私たちもこの流れを逃してはまた「お金がなさすぎるけどICT機器を何とか充実させる」難題に直面するしかありませんので、機運を逃してはならないと先生方のお役に立てるようご支援を行っていきます。

 それでは、今文科省が考えている「新時代における先端技術・教育ビッグデータを効果的に活用した学びの在り方」とはどのようなものでしょうか。

 まず、2Pには「来るべきsociety5.0時代」として、以下の3点があげられています。

  • ・あらゆるモノがインターネトでつながるIoTにより、今までにない新たな価値が生み出される
  • ・人工知能(AI)により、必要な情報が必要な時に提供され、膨大なデータから最適解を導きだせる
  • ・ロボティクスの進展により人間の可能性が大きく広がる

 ということが考えられているということです。
 では、これらによって社会構造はどのように変革していくのでしょうか。
  まずは人間一人一人の個別の活動データ、リアルデータが取得可能となることから、消費者の個々のニーズに基づく革新的なサービスを生み出す者が新たな競争優位を確立すると考えられている、とあります。
 また、既存の市場や産業群を乗り越えてサービスを提供するプラットフォームビジネスも拡大するだろうとあります。
 産業だけでなく、行政分野でもこれまで以上にエビデンスに基づく政策立案の推進が可能になると見込まれている、とあります。
 つまり、データがたくさん取得でき、それを処理することが出来るようになることによって社会は大きく変わっていくということですね。

 電気の仕組みが発見された時、移動に電気が使えるとか、声や姿を電気で送れるとか、そういうことを予想して発見されたわけではありませんね。社会の根源的な発展にデータが寄与するのではないか、ということを予想していると考えられます。

 ですから、3Pでは雇用環境も変革すると述べられています。
 労働者に求められる能力は、創造性や協調性が必要な業務、非定型な業務、と予想されています。定型的な物、単純労働はロボットの得意とするところです。有名な「THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION 」https://www.oxfordmartin.ox.ac.uk/downloads/academic/The_Future_of_Employment.pdfで、AIにとってかわられる職業が予想されたのは衝撃的でした。そうではない部分の人間にしかできないことを実行する能力が必要だと考えられているわけです。つまり、そういった教育を必要としている、ということですね。

 次回は(2)新時代に求められる教育とは についてご説明したいと思います。

 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

分類するのは行動を起こしやすくするためです

投稿日 | カテゴリー: 小学校プログラミング教育 |

皆さんこんにちは

小学校プログラミングに関する資料がここ最近どんどん出てきています。必修化が2020年と目前に迫り、全国の小学校の先生方にいろいろな情報が提供されています。
そのうちの
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1375607.htmで紹介されている、小学校プログラミング教育に関する資料より、まず「小学校プログラミング教育に関する概要資料」からご説明させていただきます。
これから花開いていく様子

概要資料ですが、12ページにわたったスライドで様々な情報が提示されています。
それだけプログラミング教育に関して理解をしておくことが多いというわけですね。

今回は「プログラミングに関する学習活動の分類」の部分のご説明をいたします。
教育課程では分類、整理が数多く出てきます。これは仕事のやり方でも同じですね。SEが要件定義の話をしているのにエンドユーザーが実装時の細かい要望ばかり主張する、というのは「何を話しているのか整理できていない」ため起こりがちではないかなと思います(ほかにも要因はたくさんありますが。同じ単語が違う意味を持つ人同士では話し合いが進みませんね)
学校でプログラミングに関する学習をしよう、と言った時に、目的もなく単にプログラミングソフトを触っておしまい、では導入の意義がありません。どのような目的で、どのような順番に、どのように行っていくと子どもたちにとって教育効果が上がるのか、ということを大体こうですよ、という形にまとめておくと、車輪を再発明する必要がないということですね。
そのため、プログラミング教育に関する資料では繰り返し以下の分類が出てきます。
大きく2つに分けて教育課程内と教育課程外、それぞれを分類して全部で6分類となっています。
小学校プログラミング教育の6分類

小学校プログラミング教育に関する概要資料(PDF)P8より引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/05/21/1416331_001.pdf

Aはおなじみ、「小5算数、小6理科、総合的な学習」が代表例ですね。この概要資料でもP9~P10で紹介されています。Cは学習で使う前に「プログラミングソフトを自由自在に操れるように必要なリテラシー」を覚えよう、というような授業です。先回も申し上げましたがいきなり1年生に「はい、ダブルクリック!」と言ってできるようにはなっていません。今後ますますそうなるのではと思います。よって必要なリテラシーを学ぶCが必要になるわけですね。Dは、もっともっと深く知りたい!という児童を集めてやっていくようなイメージです。
更に、EFに関しては、サッカーや水泳等のスクールをイメージしていただければと思います。学校でやってみてとても面白かったから、もっとさらに追及するために街のクラブに入る、という感覚ですね。
これらが分類ごとにまとまった「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル」https://miraino-manabi.jp/ がP11で紹介されています。参考になるかと思います。

ここには工程のイメージも掲載されています。今年度、2019年度は 整備、模擬授業・研修、整備計画、整備決定 のサイクルだとスムーズだということですね。
小学校プログラミング教育の工程表
小学校プログラミング教育に関する概要資料(PDF)P12より引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/05/21/1416331_001.pdf
もちろん、現場では「プログラミング教育ばかりに力を入れるわけにはいかない」状況であることは間違いありません。さまざまなリソースを少しずつプログラミング教育に向けなければならないわけです。その意味で、管理職の先生が何を重要視して学校経営を行うか、というところも関係が深いですね。

 行政職の皆様も、「国がこういっている」だけだと「現場に負担ばかり押し付ける」と感じる人もいらっしゃるでしょう。ですので、これらの資料の意図を考えられるようになるために、一度講演を聞かれるとよいのではと思います。

 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

プログラミング教育のねらいを何度も確認しておくことはプラスです

投稿日 | カテゴリー: 小学校プログラミング教育 |

皆さんこんにちは

小学校プログラミングに関する資料がここ最近どんどん出てきています。必修化が2020年と目前に迫り、全国の小学校の先生方にいろいろな情報が提供されています。
そのうちの
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1375607.htmで紹介されている、小学校プログラミング教育に関する資料より、まず「小学校プログラミング教育に関する概要資料」からご説明させていただきます。
将来を見据えて頑張る姿

概要資料ですが、12ページにわたったスライドで様々な情報が提示されています。
それだけプログラミング教育に関して理解をしておくことが多いというわけですね。

今回は「プログラミング教育のねらい」の部分のご説明をいたします。小学校の先生にとって「自分で研鑽して取ってこなければならない情報」になりますので、ここを様々な資料、媒体で確認するのが理想となります。理想なので、お忙しい現場の先生にはなかなかその時間が取れません。したがって、行政職の皆様には、このねらいを良くご理解いただいたうえで、ご自身の自治体ではどういう子供を育てたいのか、という方針に当てはめてお考えいただくとよいのではないかなと思います。

小学校プログラミング教育の手引きでのご説明の時も申し上げましたが、小学校プログラミング教育のねらいは3点。

  • 1 プログラミング的思考を育む
  • 2 プログラムの働きや良さ、情報社会がコンピュータをはじめとする情報技術によって支えられていることなどに気づく、身近な問題の解決に主体的に取組む態度やコンピュータ等を上手に活用してよりよい社会を築いていこうとする態度などを育む
  • 3 各教科等での学びをより確実なものとする

です。特に「プログラミング的思考」とは、「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」とあります。
よく言われるのは、なんだかよくわからないけどうまくやってくれている仕組みに気づく、ということですね。電車の自動改札は、ぴっとタッチすればうまいことやってくれていますが、それを一瞬で終わらせるために目には見えない仕組み、プログラミングがものすごくたくさん使われているわけですよね。
しかも、様々な鉄道会社のカードが相互に利用できるようになっていますが、これもよく考えればすごいことです。人や物の流れがダイナミックになっている今、共通のプラットフォームを元に開発していくという思想が非常に重要なわけですよね。そのうち世界中で同じ方法で電車に乗れる日が来るかもしれません。それを作るのは今の子どもたちかもしれないですね。
だから、そういう「裏側ってどうなってるんだろう」を見つける子どもたちを増やす、「こんな不便なことあるけど何とかできないかな」を考える子どもたちを増やす、そういう根底があるということをご理解いただければと思います。

ただ、このプログラミング的思考ですが、これ単独で何とかなるものではありません。P6には、小学校プログラミング教育の育成する資質・能力と情報活用能力の関係を表した表が掲載されています。
プログラミング的思考を育成するために、いきなり1年生に「ではダブルクリックでアプリケーションを開きましょう」というわけにいきません。「「hello」ではなく「こんにちは」と入力しましょう」などは論外です。きちんとコンピュータを操る知識及び技能、そしてコンピュータで簡単にやれてしまうけれど、やるべきでないことを理解するための学びに向かう力、人間性 あるいは 思考力、判断力、表現力等も併せて育成していく必要があるわけです。

それについては昔から文部科学省が「情報活用の実践力」「情報の科学的な理解」「情報社会に参画する態度」として教育を進めていくよう指針を出しています。
そのため、私は今、ご支援している自治体の「情報活用の実践力」として作成された各学年のICTリテラシーのカリキュラムと、「情報の科学的な理解」として作成されたScratchを使用した指導案集、「情報社会に参画する態度」として作成された各学年の情報モラルカリキュラムを1つにして、学年毎に何月に何を行ってから何月に何…というカリキュラムを作成しています。
5年生に社会で「情報化した社会と私たちの生活」を学習することから、ここに集中してしまいがちなのがネックで、あと5年生だけなのですが少し苦労しています。
これらを元に、7Pでは「2020年度からの全面実施に向け、計画的に準備していくことが必要」とあります。プログラミング教育に関する資料はこれらがありますよ、という紹介が7Pに凝縮されていますので、ぜひご確認ください。

 行政職の皆様も、「国がこういっている」だけだと「現場に負担ばかり押し付ける」と感じる人もいらっしゃるでしょう。ですので、これらの資料の意図を考えられるようになるために、一度講演を聞かれるとよいのではと思います。

次回はこの資料の続き、プログラミングに関する学習活動の分類をご説明させていただきます

 

 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

新学習指導要領に書かれているプログラミング関連事項の場所

投稿日 | カテゴリー: 小学校プログラミング教育 |

皆さんこんにちは

小学校プログラミングに関する資料がここ最近どんどん出てきています。必修化が2020年と目前に迫り、全国の小学校の先生方にいろいろな情報が提供されています。
そのうちの
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1375607.htmで紹介されている、小学校プログラミング教育に関する資料より、まず「小学校プログラミング教育に関する概要資料」からご説明させていただきます。

これから広がっていくイメージ

概要資料ですが、12ページにわたったスライドで様々な情報が提示されています。
それだけプログラミング教育に関して理解をしておくことが多いというわけですね。

 新学習指導要領の、プログラミング教育関係抜粋が2P以降続きます。
 新学習指導要領のどこだったっけ?というときに役に立ちますし、原文にあたる際の道しるべになりますので、あれ?と思った時にはご確認ください。ご存知の方はご存知ですが、新学習指導要領はとてもとてもページ数の多い資料ですので、目的のものを見つけるのが慣れていないと大変です。

 まずはおなじみ「総則」では、第1章第2の2(1)に情報活用能力 についての記載があります。
 第1章第3の1(3)では、情報活用能力の育成を図るため、各教科等の特質に応じて次の学習活動を計画的に実施すること、という内容が書かれ、その続きのイには「児童がプログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動」という記載があります。プログラミングを体験させると明記されています。アンプラグドだけでいいじゃないか、というのは新学習指導要領的にはNGですよ、という場合の根拠はこの部分ですね。

続いて、「算数」です。
第2章第3節第3の2(2)には具体的に〔第5学年〕の「B図形」の(1)における正多角形の作図を行う学習に関連して、正確な繰り返し作業を行う必要があり、更に一部を変えることでいろいろな正多角形を同様に考えることが出来る場面などで取り扱うこと という内容が書かれています。

「理科」では第2章第4節第3の2(2)に〔第6学年〕の「A物質・エネルギー」の(4)における電気の性質や働きを利用した道具があることを捉える学習など、与えた条件に応じて動作していることを考察し、更に条件を変えることにより、動作が変化することについて考える場面で取り扱うものとする、という内容が書かれています。

「総合的な学習の時間」では第5章第3の2(9)にプログラミングを体験することが、探求的な学習の過程に適切に位置づくようにすること、という内容が書かれています。
小学校プログラミング教育の手引きに出てくるA分類はこのように指導要領に明記されているものですね。

続いて4Pには改定後のプログラミング教育の充実について分かりやすい説明があります。

繰り返し記載が出てくる「情報活用能力」を「学習の基盤となる資質・能力」と位置づけ、教科横断的に育成する旨を明記するとともに小・中・高等学校を通じてプログラミング教育を充実、とあります。

それだけ強調したい事柄ですから、何度も「プログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動」が出てきます。

強調されているということはそれだけ浸透させたいということですから、まずはこの文言の理解、おなかの中に落とし込むことが必要だと考えられますね。
あちこちのセミナー、講演会等でお話を聞く機会があって、私もようやくなんとなくそうなのかな、ということが理解できると自分で思えるようになりました。
 この文章だけを読んで理解する、というのはとても高度なことだと思います。教育委員会の研修や、各地での講演会に足を運ばれると理解の助けになると思います。

 行政職の皆様も、「国がこういっている」だけだと「現場に負担ばかり押し付ける」と感じる人もいらっしゃるでしょう。ですので、これらの資料の意図を考えられるようになるために、一度講演を聞かれるとよいのではと思います。

次回はこの資料の続き、新小学校プログラミング教育のねらいをご説明させていただきます

 

 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

小学校プログラミングに関する資料についてのご説明

投稿日 | カテゴリー: 小学校プログラミング教育 |

皆さんこんにちは

小学校プログラミングに関する資料がここ最近どんどん出てきています。必修化が2020年と目前に迫りました。全国の小学校の先生方に
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1375607.htm
で紹介されている、「小学校プログラミング教育に関する資料」より、まず「小学校プログラミング教育に関する概要資料」からご説明させていただきます。
プログラミング学習についてのイメージ

概要資料ですが、12ページにわたったスライドで様々な情報が提示されています。
それだけプログラミング教育に関して理解をしておくべきことが多いというわけですね。

 まず資料の1ページ目には「新学習指導要領のポイント(情報活用能力の育成・ICT活用)」が説明されています。
 情報活用能力については、以前から読み書きそろばんと同列になるくらい重要だと言われてきましたが、今回の新学習指導要領においても総則で「情報活用能力を、言語能力と同様に、学習の基盤となる資質・能力」と位置付けています。
学習の基礎となる資質・能力になるわけですね。
また、「学校のICT環境整備とICTを活用した学習活動の充実に配慮」ということも総則で述べられています。
情報活用能力の育成を図るため、各学校において、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え、これらを適切に活用した学習活動の充実を図ることに配慮することを明記しています。

教育振興基本計画等では度々ICTの整備目標が掲げられ、そのために地方交付税の措置もとられているにもかかわらず、すべて目標を達成、というにはほど遠い、という印象があるICT関連の整備ですが、ここにきて学習指導要領でも取り上げられるというのはかなりの力の入れようを感じます。
絵に描いた餅では子供たちの未来の選択肢を狭めることになりかねませんから、国も力をいれているのでしょう。

ただし、総則は「どの教科で?」となりがちです。シン・ゴジラでも有名なセリフがありましたね。「それ、どこの省庁に言ってます?」と同じようなものです。したがって、各教科等でもかなりICTに関して言及があります。
 小学校は総則で、「プログラミング的思考を育成」とあります。
 中学校は技術・家庭科(技術分野)においてプログラミング、情報セキュリティに関する内容を充実とあります。
 高等学校は情報化において共通必修履修科目情報Iを新設し、すべての生徒がプログラミングのほか、ネットワーク(情報セキュリティを含む)やデータベースの基礎等について学習とあります。

このように、学習指導要領にもICTが重要である旨どんどん記載がされてきています。
先生が授業を行うよりどころとする学習指導要領に書かれてきているというのが時代の流れを感じます。
同時に、我々文教業界で働いている人間も、学習指導要領のポイントは押さえておきたいものです。どういう意図でそれが設定されているか、その意図を汲んだご支援や教材作成で、現場の先生方をサポートできるのだと考えられます。
表面的になぞっただけではなく、「どうしてそこにその言葉が選ばれたのか」ということを常に意識して読むと、様々なものが見えています。この資料のようにまとまっているものだけでも目を通しておくと必ず仕事の役に立ちますから、ご一読いただければと思います。
 行政職の皆様も、「国がこういっている」だけだと「現場に負担ばかり押し付ける」と感じる人もいらっしゃるでしょう。ですので、これらの資料の意図を考えられるとよいのではと思います。

次回はこの資料の続き、新学習指導要領のプログラミング教育関係部分をご説明させていただきます
 
 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

導入後のスムーズな運用は、導入前に8割程度決まっています

投稿日 | カテゴリー: 統合型校務支援システム導入のための手引き |

皆さんこんにちは

長くご説明させていただいてきましたが、本日で最後です。働き方改革で話題の「統合型校務支援システムの導入のための手引き」についてご説明をさせていただきます。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1408684.htm
校務支援システム導入がうまくいってほんわかするイメージ

今回は第5章6運用・保守・導入後ついてご説明させていただきます。

ハイパーブレインは、教育支援の会社ですから、運用や保守、導入後こそが本領を発揮するのでは、という風に考える方もみえるかもしれません。確かにそれは一面の真実ですが、そこに至るまでの長い「導入しようと思ってから導入まで」のご支援こそがなかなか言葉にできないものではありますが重要だと考えています。
 我々は、様々な自治体をご支援していく中で、「どこでどうしたらうまくいくのか」ということを目の当たりにしてきました。ですので、それを元に、教育の情報化に貢献し、豊かな社会と会社を目指していきたいと考えています。そのためには、「すべてが終わった後初めて導入を知る」よりも、「すべてをご一緒に作り上げてこその運用のスムーズさ」をご支援していきたいと考えます。
 初期からご一緒させていただいていると、「なぜその運用になったのか」ということについて、理をもってご説明することが出来ます。
 そのため、手引きにもあるように、問い合わせ内容やトラブル内容からユーザーの利用の仕方を把握し、問い合わせが多い内容についてはユーザーへ使い方を周知する、ということについてもどんどん素早くご提案ができるわけです。
 操作に迷って問い合わせ、というユーザーも多いですが、「どこに聞いたらよいかわからない」ために困っているユーザーも同じくらいいます。運用なのか操作なのか、導入初期は分かりません。
 そのために、ハイパーブレインがご提案するのは総合的なヘルプデスクや総合的なICT支援員なのです。
 「とりあえず一次窓口としてなんでも聞ける」人や電話があれば、何を聞いても怒られない、どんなことでも聞ける、という安心感が先生方に広まります。先生方は「こんなこと聞いていいかわからないんですけど」と電話口で仰います。私がお電話に出る際には「どのようなことでも大丈夫です」とお受けできる契約を結びます。一次切り分けですので、「それでは保守依頼を行います」だったり「それは導入業者から連絡させます」だったり「それならこれこれこうです」だったり、ということを行います。

 行政職の皆様におかれましては、運用の際に

  • ・一次切り分けを行うヘルプデスク
  • ・ICT支援員のサポートの範囲を決め、サポートするのであるならば教育を行う

 ものをお考えいただくと、スムーズかと思います。

東京都墨田区では、ICT支援員が現場できめ細やかなサポートを行い、ICT全般をICT支援員がサポートすることにより、環境整備をICT支援員が担って先生方のスムーズな使用につながっているとのことです。

 また、導入後には効果測定が欠かせません。導入した結果、どういう効果があったのか、ということをアピールすることで、費用が有効に使われたことが市民にも納得してもらえます。
 手引きのP151~P152には、どのような効果測定が行われたか先進事例が掲載されています。大阪市のアピールはhttp://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/1369517.htm わかりやすく参考になります。

 このような形でご説明してきました。授業は段取り8割、ということが言われています。行政職の皆様もお仕事は段取りで8割くらい決まるのではないでしょうか。事前にたくさん考えてたくさん議論することは、導入後のスムーズな運用につながります。ご検討いただければと思います。

 次回からは先日発表されたプログラミング教育に関する研修教材等のご説明をさせていただければと思います。

 

 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

研修をどこまでやるかを決めておくのは重要です

投稿日 | カテゴリー: 統合型校務支援システム導入のための手引き |

皆さんこんにちは

働き方改革で話題の「統合型校務支援システムの導入のための手引き」についてご説明をさせていただきます。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1408684.htm
校務支援システム導入により花開くイメージ

今回は第5章5.3 稼働前の準備についてご説明させていただきます。

データ移行が発生すると、スケジュール的に非常に押すことが考えられるのですが、それでも運用テストは実施しておくべきです。
事務局が行う運用テストも必要ですが、手引きでは実際に利用する教職員のためのテスト期間として説明されています。そのメリットとして

  • 1 稼働前に不具合をなくすことが出来る
  • 2 マニュアルの正確性が確認できる

 があげられています。現場で必要な先生が実際に触ってみることで、やりたい操作を行うにはどうすればよいかということがわかりますね。また、マニュアルのどこを読めばよいか、ということについても確認ができます。メーカーが作るマニュアルは「機能マニュアル」であることもあります。つまり、使い方に沿ったマニュアルではない、ということが考えられるわけですね。
 そのため、手引きにもある通り研修の実施が欠かせません。
集合研修
各校訪問研修
マニュアル・動画の配布による研修も考えられます。
またそれぞれ権限の違う人たち「管理職向け」「管理職以外向け」「システム管理者向け」などに分けて研修を実施している例もあるということでした。
集合研修は効率的ですが、規模の大きな共同調達では現実的ではない場合もあります。
研修を行えばもちろん教職員の理解度も深まりますが、時間、場所、何より金額の制約が出てきます。全員に研修を行うのが理想ですが、手引きでは、集合研修は代表者に行い、参加していない教職員にはマニュアルや動画を配布して研修を行ったという方法が紹介されています。

 そのほかにも統合型校務支援システムに関する情報を周知していくというのも重要です。
 学校・教育委員会担当者に向けた周知
 児童生徒、保護者等に向けた周知
 がそれぞれ必要です。「保護者に周知が必要?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、手引きにある通り、通知表の様式が変わったりする可能性がありますので、事前に周知しておくことが重要ですね。

手引きには滋賀県草津市での通知表様式の変更周知の例が記載されています。非常に参考になりますので引用します。

説明方法

  • 1 草津市教育情報化推進計画に、校務支援システムの導入目的、実施スケジュール、目標成果指標等を記載し、草津市ホームページにて公表(平成28年3月)
  • 2 教育長名にて保護者向け文書を作成・配布し、校務支援システムによる成績処理並びに通知表の様式変更についての通知(平成28年4~5月)
  • 3 草津市学校業務改善プランに、改善策の一つとして校務支援システムによる情報共有と校務の効率化を記載し、草津市ホームページにて公表(平成29年3月)

という手順を踏んだとのことです。重要な考え方が記載されていますので抜粋します。
「学校から発信される情報にも公開の義務が求められている今、通知表を含めた帳票の様式変更に関するお知らせに限らずとも、学校から発信される情報に変更が生じた場合などは、各過程へ丁寧に説明を行うことも押さえておきたいポイントです」
とあります。事前に「変わるよ」と、伝えておけば、変わったものを見ても「ああ、変わったね」、と思うだけですが、突然変わると「聞いてない」になりがちですね。事前に言っておけば、ママ友同士で「えー、知らないよそんなの」「何言ってるの、ちゃんとお知らせ来たわよ」「え!またあの子お知らせを……!」と仲間内で解決されるわけですね。

 このように手順はたくさんありますが、必要なところを押さえておけば、導入後の混乱が最小限になります。

 次回は第2部第5章の続き、運用・保守についてご説明させていただければと思います。

 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

現実的なデータ移行を考える必要があります

投稿日 | カテゴリー: 統合型校務支援システム導入のための手引き |

皆さんこんにちは

働き方改革で話題の「統合型校務支援システムの導入のための手引き」についてご説明をさせていただきます。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1408684.htm
校務支援システムが花開いていくイメージ

今回は第5章4.3調達の実施 第5章5.1 開発協議 第5章5.2 データ移行についてご説明させていただきます。

総合評価落札方式、プロポーザル方式のどちらで調達したかによって契約締結までの手順が異なることは行政職の皆様ならご存知だと思います。

総合評価落札方式の場合、総合点が最も高い者が落札者となりますね。決定後できるだけ速やかに公表することを推奨する、と手引きにある通り、公表することが重要です。

プロポーザル方式の場合、優先交渉権者となった事業者と契約内容の詳細について協議する手順を踏みますね。この交渉で、優先交渉権者との交渉が成立しなかった場合は、次の順位者と交渉し、合意に至れば契約を行います。交渉が成立した事業者と、随意契約を締結する形になります。

このように調達を実施した後、構築の段階に進みます。

まず、契約を締結した事業者と、開発協議を行います。
仮にパッケージシステムの導入だったとしても、マスターの決定や細かな表示項目、出力項目の調整等各種調整事項が発生するとありますので、この開発協議で細かいところをきちんと詰めておく必要があります。

 続いて、データ移行について話し合う必要があります。
 共同調達の場合、先行して校務支援システムを導入している自治体が入っているかもしれません。データ移行を行わない場合、これまで蓄積してきたデータが新しく導入される校務支援システムに引き継がれないということですから、手引きにもあるように、何らかの方法法でデータ移行を行うことを検討したほうが良いでしょう。

 蓄積されているデータは、例えば小学校の場合、指導要録に活かすことが出来るはずです。今の6年生の過去5年分のデータが旧システムにあり、6年生は新システム、となると、指導要録をどうするのかという問題がすぐに出てきますね。全員分印刷してそれを使う、ということにするのか、データ移行して同一システム内で参照できるようにするのか、ということ等現場の声を含めてよく検討しておく必要があります。(もっとも、データ移行した場合、「それらが正しくすべて移行されているか」という確認作業が発生するため、それが現実的かどうなのか考える必要があります)

データ移行の方法としては、手引きには学校担当者が移行する方法と、事業者が移行する方法の2つがあげられています。それぞれのメリット・デメリットは以下の表のとおりです。
データ移行方法とメリット・デメリット
統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P140から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf

 先生がデータ移行を行うのは学校担当者の負担が非常に大きくなります。業者が行うためには旧システムのデータを事前に取り出しておく必要があるので、それを忘れないようにする必要がありますね。
 どちらで行うのか、メリットとデメリットをよく考えて、学校規模や個人情報の取り扱いなど優先して考えるものを事前に確認しておくとスムーズです。

 データ移行の留意点として、手引きでは6点あげられています。

1 データ移行の範囲、方法、費用対効果、メリット・デメリットを評価する
  異なる構造を持つ大量のデータを移行するのは非常に煩雑でミスも起こりやすく、手間も時間もかかります。ですので、移行の範囲についてはよくよく考えて決める必要があります。先ほど指導要録の例で申し上げましたが、「データ移行後本当に正しくすべて移行されているか」の確認の問題から、公簿に記載されている過年度のデータ移行は多くの自治体で行っていないということです。

2 APPLICに準拠した製品同士でも、個別対応が発生する場合がある
 APPLIC(一般財団法人全国地域情報化推進協会)が策定した「地域情報プラットフォーム標準仕様書」及び「教育情報アプリケーションユニット標準仕様」に完全準拠しており、準拠登録・相互接続確認製品マークを受けている製品同士のデータ移行であれば、データ項目が標準化されていることから、データ移行にあたっての調整が原則不要と考えられている、と手引きでは紹介されています。
 ですが、この仕様は「文科省や日本学校保健会が出している参考様式通り」に作成されていることが大前提としてあります。よって、指導要録や健康診断票のカスタマイズを行っている場合、すべてのデータが正しく移行されるとは限りません。さらに、複数のデータの一括出力・一括取り込みには対応していないとのことで、安易にAPPLICだから大丈夫、ということではないということをご理解いただいておくと安心です。

3 データ移行の作業費用が高額になる可能性がある
 RFIの段階で、データ移行作業にかかる費用の見積もりを取得しておくことを手引きも私も推奨します。とにかくデータを移動するというのは骨が折れる作業です。手間がかかるということは人を動かさなければならないので費用がかさみます。事前にある程度予想しておくことが重要です。

4 外字の移行について方針を決定しておく必要がある
 名前のために外字を登録している自治体も多いでしょう。その外字の新システムへの移行の方法、あるいは新システムで使用する外字については事業者と調整のうえ方針を決めておく必要があります。
 ある校務支援システムでは帳票毎に外字の設定が必要だということですので、そういう点もRFI時点で明らかにしておけるといいですね。

5 新システムの表記方法のルールを確認しておく必要がある
 例えば電話番号を市外局番から記載するのかどうか等、ルールは細かいところで違っていることが多いです。確認せずに移行して、0565-12-3456という電話番号が 0565-12 までしか入っていなかった、となると目も当てられません。必ず移行前に確認しておく必要があります。

6 次のシステム更改を見据えたデータ移行の考慮
 自治体が使用するシステムは、ずっとそのまま、というわけにいかないのが世の常ですね。新システムに更改する際に、旧システムの事業者が非協力的だったり、多額のデータ移行費用を請求する、というトラブルが起こるリスクも考えておかなければなりません。
 一番確実なのは手引きにあるように「システム更改に際しては、本システムに格納している全データについて、契約の範囲内でデータ抽出を行うこと」等を要求できるよう、調達仕様書に明記し、契約内容に含めて負うことです。

 実際にデータ移行を行った福井県では、小・中学校は生徒情報のみ必須、高等学校では在校生の在席データ、出欠データ、成績データ等を移行するとのことです。
 北海道では、データ移行は希望性、旧システムの利用状況に応じてデータ移行を希望した小中学校について実施したとのことです。

 それぞれの自治体に合ったデータ移行を考えていく必要がありますね。

 次回は第2部第5章の続き、稼働前の準備についてご説明させていただければと思います。

 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

手引きが推奨している調達方式のご紹介です

投稿日 | カテゴリー: 統合型校務支援システム導入のための手引き |

皆さんこんにちは

働き方改革で話題の「統合型校務支援システムの導入のための手引き」についてご説明をさせていただきます。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1408684.htm
花開くイメージ

今回は第5章4.2調達方式の決定 についてご説明させていただきます。

実際に統合型校務支援システムを構築する事業者の選定を行うための調達方法について、行政職の皆様ならある程度想像できると思いますが、手引きでは明確に3種類の調達方法について、メリットとデメリットをあげて紹介されています。

 市民から預かった税金でできる限り安く調達する、という一般競争入札の最低価格落札方式では、おそらく一番安く調達できることになると思いますが、価格のみの競争のため、品質面での競争を比べる方法がなく、つまり、何とか品質を落として価格を下げた業者が落札すると、導入した効果が本当にあるのか、というような導入になってしまう可能性を秘めています。

 よって、手引きでは先行事例で採用された「総合評価落札方式」と「公募型プロポーザル方式」の2つを推奨しています。
 この2つの方法は、品質と価格の両側面から選定することが出来るとあります。
 一般的には、事業内容がある程度固まっていて、事業者の提案に係る部分が少ない場合は総合評価落札方式が、事業者の提案の余地が大きい場合はプロポーザル方式が適しているとされているということです。
 ただ、総合評価落札方式自体を採用していない自治体もあることから、ご自分の自治体では行うことが出来るかどうかを確認してから決めるとよいですね。

 手引きにある各方式のメリット、デメリットについては以下の表のとおりです。
調達方式の概要とメリット・デメリット

統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P126から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf
 推奨されている2つの方法を採用した場合、評価基準を含む評価に関する資料の作成を行う必要があるとあります。
 おおよそ3つがあげられています。

  • 1 提案依頼書(実施要領)
  • 2 提案書作成要領
  • 3 評価基準書

 となります。
 入札情報で全国各地似たような事例が検索できますから、ぜひともそれを参考にしていただく必要があります。併せて、一般的にこのようなことを書く、という作成例が手引きP127~P134にも載っています。
 参考に作成していただくと、労力が節約できるのではと思います。 
 特に、力を入れていただきたいのは評価基準になります。共同調達を行う自治体内で何を最も重要視しているか、この評価基準書で明確に示すことが出来るからです。
 導入後の運用に力を入れたいのであれば、その提案の評価点を高くしておくべきです。そうすれば参加する業者も、導入後の運用が重要であると明らかになります。
 ただ、方針として評価基準書の公表を行わない、という自治体もあるかと思います。そこは方針に従っていただく必要はありますが、だからと言って評価基準をおろそかにしていては審査をする人員間のズレが発生することがあり、結果として正しくない評価になってしまう可能性が出てきてしまいます。
 手引きでもできるだけ評価基準等は公開したほうが良いとありますので、ご検討ください。
 評価基準を明らかにすると、そこに力を入れられてしまう、ということはありますが、どの業者も公平にその部分に力を入れたうえで、最も良い評価を得た業者が落札すればよいのです。
 先進事例の具体的項目がP135にありますので、取り入れたい項目等ご確認ください。P136には機能適合度を測るイメージも掲載されています。先行事例で使われて効果的だったと思われることが公開されていますので、ぜひご活用いただければと思います。

 次回は第2部第5章の続き、調達の実施についてご説明させていただければと思います。

 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。