ICT支援員養成講座がはじまりました

投稿日 | カテゴリー: e-ラーニング |

皆さんこんにちは。

2021年4月15日より、「ICT支援員養成講座」の申込みが開始されました。

待望の、「広く、必要最低限のICTと学校に関する知識をe-ラーニングで学べる」講座です。

弊社株式会社ハイパーブレインと、特定非営利活動法人情報ネットワーク教育活用研究協議会様とで、渾身の力を注いで作成しました。

 

この講座は、

・ICT支援員を目指している人、実際にICT支援員として働いている人はもちろん、

・教員になりたい学生

・学校で働く人(GIGAスクールサポーター、学校図書館司書、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、地域コーディネーター、学級運営補助員、スクールサポーター等)

・学校の先生、事務職員

・IT初心者で、これからIT関連の職で働こうとする人

にも非常に有意義な内容になっています。

 

もう申し込みたくなった方はこちらhttps://jnk4.info/e-LearningCourse/entry.phpをクリックしてください。

 

カリキュラムを確認してみましょう。

こちらは  A、情報技術基礎コース のカリキュラムです。情報処理推進機構(IPA)作成のITスキル標準V3、レベル1「職業人として備えておくべき、情報技術に関する共通的な基礎知識」の習得を目標としたコースです。例えば、A1-8とA1-9では「ネットワーク技術の活用」を学習しますが、これは、どの参考書や書籍を探しても分からなかった「なんとなくふんわりネットワークについての知識はあるけれど、理屈があまりよくわかっていないから絶対知らなきゃいけないことだけ知りたい」ニーズにぴったりです。

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A・情報技術基礎コースプログラムPDF→Aプログラム

 

B、ICT支援員自己研修コース はこちらのカリキュラムです。特定非営利活動法人情報ネットワーク教育活用研究協議会 ICT 支援員評価研究プロジェクトが作成した ICT 支援員養成プログラムに基づき、ICT 支援員として学校で働くことができるようになる自己研修のためのコースです。私もプロジェクトに参加していますが、「ICT支援員にこれだけは身に付けておいてもらいたい」内容を厳選しています。

ICT支援員の業務は、各自治体の仕様書により様々なものがありますが、そうは言っても、以下の内容は身に付けておきたいところです。そのうえで、仕様書に書かれている業務を実施していくと、おそらくとても働くのが楽になるはずです。とくにB3の知っておくべき法令・ポリシーは、労働基準法やハラスメントなど、ICT支援員自身が身を護るために知っておくべきものになります。知ることで、言われたまま一人で悩まずに済むようになります。

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B・ICT支援員自己研修コースPDF→Bプログラム

 

では、気になるお値段ですね。

以下のような料金体系です。開講特別価格で今とてもお得に受講できます。

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料金体系PDF→料金体系

何人か集まれるなら団体受講だと更にお得に受講できます。

団体受講は、代表者が申し込んでから1か月間は受講者を登録することができます。

例えば、15人集まったなら、20人分申し込んでおいて、最初に登録するのは15人、1か月以内に残り5名を集めれば都度登録することができます。追加できるのは1か月ですのでご注意ください。

 

受講までの流れとしては以下のようになっています。

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個人認証に必要なのは以下のものです。団体の場合でもそれぞれ個人で必要ですのでご準備ください。

1.受講する端末(最新版のGoogle Chrome、Safari、Microsoft Edgeが動作するPC等)

2.スマートフォン等(SMSが受信できる端末)

3.団体受講の場合、個人メールアドレス(PCからの受信ができる、あるいは「ict-help.jp」ドメインからのメールを受信できるもの)

4.団体受講の場合、3のメアドが受信できる端末。1や2と同じで構いません。

※メールアドレス認証や、SMS認証に時間制限があります。時間に余裕を持って操作してください。

 

内容を少し見てみたい、というご要望もきっとありますね。一部をご紹介いたします。

これはAB両方申し込んだ人の画面です。

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基本的に学習内容と、確認テストでできています。

例えば学習内容だと、

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このように、最初に問が示されます。このようなことを学習するんだな、ということが分かりますね。

その後で学習内容で詳しく学習します。

さらに、確認テストで定着を図ります。

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確認テストで合格すれば、次に進めます。

最後に総合まとめテストに合格すれば、修了証です。

 

学習内容を斜め読みして確認テストを受験しても、合格は難しく設定されています。きちんと自分に落とし込んで、しっかり学習ができてからでないと、受験しても不合格を繰り返すことになるでしょう。

 

実際に学校現場でどう考えればいいのか、どうすればいいのか、というのを自分に落とし込める内容になっています。ICT支援員はもちろん、学校の先生や教員になりたい学生が受講すると、「こういうことになっているなら、自分の授業の時にどうやってICT支援員を活用することができるか考えよう」という知識が身に付けられますし、ネットワーク等が不通になった場合に、何を確認すればよいのか、ということも分かるようになります。ICTを活用しなければならないけれど、どうも苦手意識が抜けない、という方には初学としてうってつけの教材です。

申込みはhttps://jnk4.info/e-LearningCourse/entry.phpからお願いします。

 

とても良い教材ですので、ぜひ、受講してみてくださいね。

 

令和の日本型教育とは⑦

投稿日 | カテゴリー: 令和の日本型教育 |

皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第1部総論の3「2020 年代を通じて実現すべき 「令和の日本型 学校教育 」 の姿」の続きを読んでいきましょう。

まずは幼児教育について述べられています。小学校との接続を図るなど基本的で必要なことが書かれていますが、ここは保育事業とも関わることですので、あまり詳細な内容については触れられていません。幼稚園に通う子供と保育園に通う子供は、そもそも所管の官庁が違い、なかなか難しいところですね。

続いて義務教育については4点述べられています。
●ICT環境を活用すること
●高度な教育にアクセスできるようにすること
●学校での多様な人とのの中で協働的な学びを通して主権者としての意識を育むこと、
●児童生徒が安心・安全に学ぶことができること
です。

高等学校教育については3点述べられています。
●主権者としての自覚を深める等、社会の形成に主体的に参加するための必要な資質・能力を身に付けられること
●自立した学習者として自己の将来のイメージを持ち、高い学習意欲をもって学びに向かっていること
●教科等横断的な学びが提供されていること
です。

特別支援教育については2点
●インクルーシブ教育システムの理念を構築することを旨とし、すべての子供たちが適切な教育を受けられる環境を整備すること
●障害のある子とない子が可能な限り一緒に教育を受けられるための条件整備が進んでいること
です。

各段階を通じた学びとして、「幼児教育から小学校、中学校、高等学校、大学・社会といった段階を通じ、一貫して、自らの将来を見通し、社会の変化を踏まえながら、自己のキャリア形成と関連付けて学び続けている。」と述べられています。学び続ける、ということがポイントですね。

教職員の姿としては3点あげられています。
●子供一人一人の最大限の力を引き出す、子どもの主体的な学びの伴走者でもある。
●専門性を持った外部人材や地域、家庭等と連携し、チーム学校として教育目標を実現する。
●働き方改革を推進し、誇りをもって働ける、志望者も増えている。
ということです。

最後に、子どもの学びや教職員を支える環境として、3点あげられています。
●ICT環境の整備にはセキュリティポリシーを重視しながら進めること
●ICT機器をはじめ、子どもたちが学びやすい環境、バリアフリーやトイレの乾式化、空調設備の整備なども進んでいること
●人口減少が加速する地域でも魅力的な教育環境が実現されていること
特に最後の「人口減少が加速」は全国の市町村のうち半分以上の小さな町や村が抱えている課題ですね。人口としては大都市に多いのですが、地方の小さな市町村にも子どもたちはいて、教育の機会が平等であることは重要ですね。単なる数の平等等ではなく、ICT機器を使った空間の制約を超えた新たな学びを創造していくことも重要です。

次回は第Ⅰ部総論3.2020年代を通じて実現すべき「令和の日本型教育」の姿の続きを読んでいきます。

令和の日本型教育とは⑥

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皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第1部総論の3「2020 年代を通じて実現すべき 「令和の日本型 学校教育 」 の姿」を読んでいきましょう。

最初に述べられているのは、教育振興基本計画と、新学習指導要領のことです。基本なので何度も繰り返し出てきますね。既に述べてきた内容をもう一度確認して、とても重要だからこうしよう、と書かれてあります。

その次が「従来の 社会構造の中で行われてきた「正解主義」や「同調圧力」への偏りから脱却し」です。また出てきました。それほど、これを脱却したいと考えているということですね。発問の重視や、多様性を認めそれを強みとしたチームにするなど、今までの考え方とは確実に変わってきています。

そして、「令和の日本型教育」の定義として、「誰一人取り残すことのない持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現に向け学習指導要領前文において「持続可能な社会の創り手」を求める我が国を含めた世界全体で SDGs 持続可能な開発目標に取り組んでいる中でツールとしての ICT を基盤としつつ日本型学校教育を発展させ 2020 年代を通じて実現 を目指す学校教育」と述べられています。一言で言えず、とてもたくさんありますね。プログラミング的思考の時にも感じましたが、簡潔に一言で言い表せない場合、思いを全て入れ込んだ形になるんだな、と思います。

これを受けて「こどもの学び」では「個に応じた指導」が重要視されています。その際に、ICT機器の活用が重要である旨記載されています。これは従来から言われていたことですが、一人1台が現実のものとなった今、より実現へのハードルが下がってきたと考えられます。

その次に、「主体的・対話的で深い学び」が挙げられています。個に応じた指導の方が先で、主体的・対話的で深い学びが後だという順番に、意図を感じられますね。まずは個を伸ばし、それを包括してチームとしてより能力を伸ばす、という方向だと考えられます。

その後再び「個に応じた指導」の話になっています。よほどこれを伸ばしたいという考えが感じられます。学習者が「個別最適な学び」を進められるよう、指導者側は「指導の個別化」と「学習の個性化」を図るということです。ICTの活用で、スタディログ等を慎重かつ大胆に活用し、子どもの能力を伸ばしていく教育をするということですね。「孤立した学びにならない」ことも重要である旨記載されています。

こうやって伸ばした個の能力が、協働学習で埋没してしまわないよう、異学年での行事や活動を通して学んだり、もともと持っていた日本型の学校の良さを生かして更に伸ばしていくことができる協働学習のカリキュラムマネジメントが重要であると述べられています。

繰り返し繰り返し、「個に応じた指導」と「主体的・対話的で深い学び」について述べられています。それだけこの内容を重視しているということですね。

そして最後に「目指すべき 「令和の日本型学校教育」の姿を「全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現」とする」とあります。一言でいうためにずっと説明が必要だったんだ、と思います。言葉のイメージは人によって違いますから、意図通り伝わるための説明が長くなってしまうのは仕方がないですね。

次回は第Ⅰ部総論3.2020年代を通じて実現すべき「令和の日本型教育」の姿の続きを読んでいきます。

令和の日本型教育とは⑤

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皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第1部総論の2「日本型学校教育の成り立ちと成果、直面する課題と新たな動きについて」の続きを読んでいきましょう。「(4)新たな動き」です。

まず、新学習指導要領の全面実施が掲載されています。この新学習指導要領は、資質・能力を「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の3つの柱に整理しています。そのうえで、より良い学校教育を通してよりよい社会を創るという理念を学校と社会が共有するなど、「社会に開かれた教育課程」を重視するほか、「カリキュラム・マネジメントの確立」児童生徒の「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改革などが謳われています。解説がたくさん出ていますね。

続いて、学校における働き方改革の推進です。

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勤務時間管理の徹底、業務の明確化・適正化、教職員定数の改善充実、専門スタッフや外部人材の配置拡充など、学校における働き方改革が推進されています。

さらに、GIGAスクール構想が述べられています。

児童生徒一人1台端末、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備するための経費が予算化され、2021年3月時点で、ほぼ全国の公立小中学校では一人1台が実現した、といえる事態になりました。

令和の学校のスタンダードとして、家庭への持ち帰りを含めて児童生徒一人1台端末が十分活用できる環境の整備を図ることとなった、とあります。

GIGAスクール構想が実現により、臨時休校時にも不安なく学習が継続できることを目指し、これまでの実践とICTの活用を適切に組み合わせていくことで、これからの学校教育を大きく変化させ、様々な課題を解決し、教育の質を向上させることが期待される、とあります。

これまであちこちで、何度も何度も取り上げられてきたことですが、この答申でも取り上げられています。それだけ重要で、それだけなかなか浸透しないのでしょう。大事なことは何回でもいう必要がありますね。

次回は第Ⅰ部総論3.2020年代を通じて実現すべき「令和の日本型教育」の姿を読んでいきます。

 

令和の日本型教育とは④

投稿日 | カテゴリー: 令和の日本型教育 |

皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第1部総論の2「日本型学校教育の成り立ちと成果、直面する課題と新たな動きについて」の続きを読んでいきましょう。「②今日の学校教育が直面している課題」です。

学校が様々な課題に直面していることは昔から言われていることですが、最近特にいろいろな課題が浮き彫りになっています。最初に「国において抜本的な対応を行うことなく日本型学校教育を維持していくことは困難であると言わざるを得ない」とあり、強い決意がうかがえます。

1つ目の課題は、「子どもたちの多様化」です。昔から子どもたちは多様であったと思いますが、医学の発達等で、「それは子どものやる気やしつけでなんともすることができないものである」という状態があることが分かってきました。昔なら「親のしつけが」「殴ってでも縛ってでもいうことを聞かせる」というようなものが、例えば発達障害の可能性がある、という診断によりもう少し生きやすい選択ができるようになる、というような形ですね。

特別支援学級の増加や、特別支援学校の在籍数の増加等にも表れています。

それに加えて、外国人児童生徒の増加、日本国籍ではあるが日本語指導を必要とする児童生徒の増加もある、とあります。10年前の1.5倍、5万人を超えているということです。2万人の外国人児童生徒が就学していない可能性もある、という調査結果はショッキングですね。

更に、18歳未満の子供の相対的貧困率が13.5%である旨が書かれています。7人に一人が、経済的困窮を背景に、教育や体験の機会に乏しく、地域や社会から孤立し、様々な面で不利な状況に置かれてしまう傾向にあると言われています。

そして、いじめや暴行事件、不登校児童生徒はいずれも増加傾向にあるということです。児童生徒の自殺者数も減少はしておらず、児童虐待相談対応件数についても増加傾向、ということで、歪んだ構造の、イライラのはけ口が弱者に向かい、どうしようもない状況に置かれている子どもたちが増えている可能性がある、ということですね。

これらのことを踏まえると、学校は、「全ての子供たちが安心して楽しく通える魅力ある環境であることや、これまで以上に福祉的な役割や子どもたちの居場所としての機能を担うことが求められている」とあります。学校は学習をする場、というだけではないということが謳われているわけですね。これはまさしく日本型教育の考え方の根本にあるものだと思います。

答申では続いて、生徒の学習意欲の低下について懸念が書かれています。特に高校生の意欲や学校生活等への満足度が下がっているということが数字で述べられています。高等学校の特色化、魅力化を推進することが求められている、とあります。

更に、教師の長時間勤務による疲弊が述べられています。小学校で月に59時間の時間外勤務、中学校で月に81時間の時間外勤務が平均的に行われている、という調査結果は当初先生方にとって「え、そりゃそうだけど」という風に受け止められた、と私は感じています。ですが、平均で81時間は平均で過労死ラインを超えているわけです。

新型コロナウイルス感染予防対策のための新たな消毒等や指導、子どもたちのケアなど負担は増える一方です。何も削られていません。

これらの事実の影響かどうかの統計的な調査はされていませんが、精神疾患での休職年間5千人というような状況も踏まえて、教員採用試験の倍率も、下がり続けているということです。しかも、採用してもすぐに欠員が生じたり、そもそも必要な人数の先生が集まらない、という教師不足も深刻化している、と答申は認識しています。

私のご支援する自治体には「校務主任」という役割がありますが、以前は校務主任は校務主任の仕事だけしていればよかったのに(それでもとてもとてもとても多忙でした)、現在では「校務主任と担任」という聞いただけで倒れそうな役割をこなされている先生方が数多くいらっしゃいます。

また、情報化の加速度的な進展に関する対応の遅れ、という点に関しても述べられています。よく言われているのが、「20年前に書かれたICT利活用の本が今でも十分に参考になる」点です。これはHBI通信でも繰り返し述べてきました。

それに加えて、少子高齢化、人口減少の影響も深刻です。子どもたちが減るのですから、学校も減ってしまいます。1自治体に1小学校、1中学校という自治体の増加、公立高等学校の立地が0または1の自治体は1088団体、全体の62.5%という結果が述べられています。田舎は学校自体が少ない、ということですね。

最後に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により浮き彫りとなった課題、が挙げられています。

臨時休業に伴う「オンライン授業」についての現場の混乱ぶりは行政職の皆様にも記憶に新しいところでしょう。2020年の休校時の「同時双方向型のオンライン指導」は公立学校の設置者単位で15%にとどまっているという調査結果が紹介されています。要するに、85%の子供たちが、同時双方向型のオンライン指導を受けていない、ということですね。

また、「指示がないから何もしない」という子供たちの実態が明らかになり、自立した学習者を十分育成できていない、という指摘があることも述べられています。

先生の言うことが絶対、先生が言うまで何もしてはいけない、という指導ではないはずですが、結果そうなってしまっている子どもたちがいる、ということですね。

答申では、「平常時から児童生徒や教師がICTを積極的に活用するなど、非常時における子どもたちの学習機会の保障に向けた主体的な取り組みが求められる」と結ばれています。

次回は第Ⅰ部総論2.日本型学校教育の成り立ちと成果、直面する課題と新たな動きについて の続きを読んでいきます。

 

令和の日本型教育とは③

投稿日 | カテゴリー: 令和の日本型教育 |

皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第1部総論の2「日本型学校教育の成り立ちと成果、直面する課題と新たな動きについて」を読んでいきましょう。

話は明治の「学制」から始まっています。20世紀初頭以降、就学率の上昇と共に学年学級制が一般化したとのことです。その後は戦後の話ですね。学校教育法により、義務教育機関の9年制等今日まで続く学校教育制度の基本が形成されたとあります。

今の学校を支えている大事な法律、効率義務教育諸学校の学級編成及び教職員の定数の標準に関する法律(義務標準法)をはじめ、義務教育費国庫負担法、義務教育諸学校の教科利用図書の無償措置に関する法律などが出来上がり、義務教育の間の教育費は家庭での負担を極力なくす方向に進みました。これで、質の高い教育を全国どこでも提供することができ、国民の教育水準が向上し、社会発展の原動力となった、とあります。教育は国の礎だということですね。

日本型の教育と言われる、学習指導のみならず生徒指導等の面でも主要な役割を学校が担っているため、様々な場面を通じて子どもたちの状況を総合的に把握して教師が指導する、というような状況は、諸外国から高く評価されている、とあります。

続いて「日本人は礼儀正しく、勤勉で、道徳心が高いと考えられており、また、我が国の治安の良さは世界有数である。これは、全人格的な陶冶、社会性の涵養を目指す日本型学校教育の成果であると評価することができる」とあります。今まで実施されてきた教育がとても効果があった、という評価ですね。

そして、新型コロナウイルス蔓延に伴う臨時休校を経て、学校は「学習機会と学力を保障するという役割のみならず、全人的な発達・成長を保障する役割や、人と安全・安心につながることができる居場所・セーフティネットとして身体的、精神的な健康を保障するという福祉的な役割をも担っていることが再認識された」とあります。学校が休校になった途端に、多くの家庭が非常に困った、子どもたちも困った、という状況になったのは記憶に新しいところですね。我が家も子どもたちが一人でご飯を作ることができる年になっていたためまだ助かりましたが、これが低学年だったらと考えると仕事が続けられたかどうか大いに疑問です。

その次に語られているのは「変化する社会の中で我が国の学校教育が直面している課題」です。この課題はとてもたくさんあげられているので、次回も読んでいきますが、一番最初にあげられているのは

「社会構造の変化と日本型教育」の課題です。

これまでの日本型教育は成果を上げてきた、と答申にも書かれていますが、これからもずっと同じ形で成果が上がるかというとそうではない、という風に判断しているということですね。4点あげられている課題を要約すると、

・経済至上主義的価値観が拡大し、学力差が顕在化した

・自ら課題を見つけ、それを解決する力を育成するため他者と郷土史、自ら考え抜く学びが十分なされていないのではないか

・画一的・同調主義的な学校文化が顕在化しやすくなった

・学校及び教師が担うべき業務の範囲が拡大されその負担を増大させている

となりそうです。

特に、「みんなで同じことを、同じように」については課題として2回取り上げられており、そのような労働者が今後は求められていないということが学校現場との認識のずれだと考えられるということですね。

次回は第Ⅰ部総論2.日本型学校教育の成り立ちと成果、直面する課題と新たな動きについて の続き を読んでいきます。

 

令和の日本型教育とは②

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皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が,中教審答申と漢字で聞こえるようになるように,行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第1部総論の1「急激に変化する時代の中で育むべき資質・能力」を読んでいきましょう。

人類史上かつてない速さで時代が変化している,ということは肌感覚でわかると思います。私は娘に「母ちゃんが子どもの頃,スマホはなかったんでしょ?」と驚きをもって言われます。

答申では「社会の在り方そのものがこれまでとは「非連続」と言えるほど劇的に変わる状況が生じつつある」とあります。「新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により」社会の変化が加速度を増し,複雑で予測困難となってきていることが指摘され,その通りになっているとあります。

つまり,いくら予想してもとんでもない変化が起こるということが容易に想像ができてしまう世の中となるわけです。では,教育は無駄なのでしょうか。将来が予想できないから,どんな勉強をしたら役に立つかわからないから,教育に力を入れても仕方がないのでしょうか。

そうではないですね。

少し長いですが,答申を引用します。「一人一人の児童生徒が,自分のよさや可能性を認識するとともに,あらゆる他者を価値のある存在として尊重し,多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え,豊かな人生を切り拓き,持続可能な社会の創り手となることができるよう,その資質・能力を育成することが求められている。」とあります。

では,その資質・能力をどう定義しているのかというと,「文章の意味を正確に理解する読解力,教科等固有の見方・考え方を働かせて自分の頭で考えて表現する力,対話や協働を通じて知識やアイディアを共有し新しい解や納得解を生み出す力」とあります。続けて「豊かな情操や規範意識,自他の生命の尊重,自己肯定感・自己有用感,他者への思いやり,対面でのコミュニケーションを通じて人間関係を築く力,困難を乗り越え,ものごとを成し遂げる力,公共の精神の育成等を図るとともに,子供の頃から各教育段階に応じて体力の向上,健康の確保を図ること」はどのような時代であっても変わらず重要である,とあります。

国際的な視点で言えば,SDGsやLearning Compass 2030などの紹介があります。

そして,これらの資質・能力を育むためには新学習指導要領の着実な実施が重要である,と述べられています。新学習指導要領を実施することで育成する能力を着実に身に付けることが重要,ということですね。そこには,特に今回の新学習指導要領で基盤となる力として取り上げられた情報活用能力が含まれています。また,それらを実現するために,ICTが必要である,ということも強く書かれています。

今までの答申とはICTに関する力の入れようが少し違います。少しずつ読んで,GIGAスクール構想で導入された端末を上手に活用できる助けになればと思っています。

次回は第Ⅰ部総論2.日本型学校教育の成り立ちと成果,直面する課題と新たな動きについて を読んでいきます。

令和の日本型教育とは①

投稿日 | カテゴリー: 令和の日本型教育 |

皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は「はじめに」を読んでいきましょう。

この答申は、平成 31 2019 年4月、文部科学大臣から「新しい時代の初等中等教育の在り方について」諮問されたことを受け、出されたとあります。ここで目に付くのは「諮問全体について横断的な審議を行った。」とあることです。初等中等教育分科会に「新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会」を設置し、更にまた、特別部会においては、教育課程部会、教員養成部会、新しい時代の高等学校 教育 の在り方ワーキンググループや文部科学省に置かれた有識者会議等とも連携したとあります。これまではそれぞれの専門的な内容を話し合う印象が強かったと感じますが、令和の日本型教育は「横断」して、様々な分野が専門性を活かして手を取り合い、より良い教育を実施していく、という姿勢だと読み取れますね。担任の先生が自分の担任の子供を見る、というだけではなく、特別支援学級の先生や、養護教諭、栄養教諭、専門的な外部スタッフ、地域の人、サポートスタッフなどなど多くの人と手を携えて、子どもたちにとってより良い環境を提供していくことが大切だと考えられますね。

答申の議論の間には突然のコロナ禍があり、審議が長期間中断したり、原則オンラインでの開催になるなど大きな環境の変化がありました。会議が「原則オンライン」は、働き方にも改革をもたらしていますね。遠い地方の委員が高い交通費を払って2時間の会議のために上京する必要がなくなったわけです。東京に住んでいる人は会議で半日潰れる、という意識だったはずですが、地方在住の人は下手をすれば2日間潰れたわけです。全部オンラインで、というのはまだ難しいでしょうが、原則オンラインが今後どんどん普及するといいですね。

さて、この答申は、第Ⅰ部総論と第Ⅱ部各論から成っている、とあります。総論においては、新学習指導要領の着実な実施が重要である旨が述べられます。急速に変化する社会で、子どもたちの資質・能力をしっかりと育成するために必要だということですね。新学習指導要領では、ICTの活用が大前提として、「個別最適な学び」「協働的な学び」を充実するために様々な具体的な姿が描かれています。それを全国で実施していくことが大切だ、ということです。

各論では、総論で示された改革の方向性を踏まえ、「令和の日本型学校教育」の実現に向けた具体的な方策等を盛り込んだ、とあります。目的を理解しても、ではどうしたらいいか、ということに対しての具体例が書かれているということですね。

また、本答申の最後には、「令和の日本型学校教育」を実現するための、教員養成・採用・研修の在り方や、学校の自主的・自立的な取組を積極的に支援し、社会の変化に素早く的確に対応するための教育委員会の在り方など、今後更に検討を要する事項を挙げている、とあります。ICT活用が大前提なのに、教員養成段階で一度も電子黒板に触ったことがありません、というのは問題です。小学校教諭の採用試験にはピアノや水泳の実技があるように、ICT機器もそれなりに使える何かが必要でしょう。更に、学生時代はワープロで卒論を書きました、というような先生方に研修は必要不可欠です。

全てをこの答申の通りにすぐに実施するのは難しいかもしれませんが、変わるための具体的方策が書いてあり、背中を後押ししてくれるものだと捉えて読んでいけるといいですね。

次回は第Ⅰ部総論1.急激に変化する時代の中で育むべき資質・能力 を読んでいきます。

中央教育審議会の答申を読んでいきましょう

投稿日 | カテゴリー: 令和の日本型教育 |

皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

今回からは、この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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さて、そもそも中央教育審議会とは何でしょうか。

文科省の定義によると「中央省庁等改革の一環として、従来の中央教育審議会を母体としつつ、生涯学習審議会、理科教育及び産業教育審議会、教育課程審議会、教育職員養成審議会、大学審議会、保健体育審議会の機能を整理・統合して、平成13年1月6日付けで文部科学省に設置」 とあります。

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/gaiyou/010201.htm

では、どのようなことを話し合っているのかというと、平たく言えば日本の教育の方向性について話し合っています。

(1)文部科学大臣の諮問に応じて教育の振興及び生涯学習の推進を中核とした豊かな人間性を備えた創造的な人材の育成に関する重要事項を調査審議し、文部科学大臣に意見を述べること。

(2)文部科学大臣の諮問に応じて生涯学習に係る機会の整備に関する重要事項を調査審議し、文部科学大臣又は関係行政機関の長に意見を述べること。

(3)法令の規定に基づき審議会の権限に属させられた事項を処理すること。

このような形ですね。この答申をもとに、文部科学大臣が方向性を決める、という理解で大体合っていると思っておいてください。

というわけですので、答申が出たらまず読む、という姿勢が大事ですね。

今回の答申は、「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~ でした。令和の日本型教育、というものを定義し、それを実現していこう、というものですね。

サブタイトルにあるように、全ての子どもたちの可能性を引き出す、というのが大きな目的で、その手段として「個別最適な学び」「協働的な学び」があるということですね。実現するための方法にICTが大きく取り上げられています。来週から、それを読んでいきましょう。

授業目的公衆送信補償金制度のFAQが便利です⑤

投稿日 | カテゴリー: 授業目的公衆送信補償金制度 |

皆さんこんにちは

授業目的公衆送信補償金制度」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかと思います。

2018年の著作権法改正により創設され、2020年4月にスタートした制度です。学校、自治体に大いに関係する制度ですので、詳しく見ていくことにしましょう。

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本日は「FAQ」についてご説明いたします。先週まで見ていたページは改修されてFAQに統合されました。続きを見ていきましょう。

新しい制度ですから、知りたいことはたくさんありますね。そう思った人たちから寄せられた質問に対しての回答が掲載されています。

https://sartras.or.jp/faqs/を開いて、ブラウザの検索機能で聞きたいことを検索してみると、既に回答がある質問かもしれません。「どうなんだろう」と思い悩んでいる時間はもったいないので、まずは検索してみましょう。

それぞれのFAQの中から特に興味深いものをピックアップしておきましょう。

今回は、補償金のお支払いについてのFAQです。

支払いは、「教育機関の設置者」になりますね。教育委員会や学校法人等です。「制度を利用される当該年度の4月1日以降に、SARTRASのウェブサイト上から教育機関設置者と各教育機関(学校)の情報をご登録ください。また、当該年度の5月1日以降に教育機関ごとに補償金算定対象者数等を登録すると、補償金額が算出されます。」

ということですので、補償金支払い初年度の2021年5月1日以降、教育委員会や学校法人の担当者が支払いの手続きをする、ということになります。

続いて気になる、補償金の支払いを終えるまでは制度が利用できないか、ということですが、引用しますので確認してください。

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Q:補償金の支払いを終えるまでは、この制度は利用できないのでしょうか

A:お支払いを終える前でも、制度のご利用は可能です。ただ、2021年4月1日以降制度を利用する場合は補償金の支払いが義務付けられておりますので、お申し込みとお支払いの手続きを早めに進めていただきますようお願いします。2021年度は8月末までにお申し込みをいただき、9月末までにお支払いをいただきたいと考えています。予算などの事情でお支払いが遅れる場合はご相談ください。

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申し込みは8月末まで、支払いは9月末までに実施しなければならないということです。実施することが決まっていれば、当該年度は申し込み前でも利用することができるとのことですね。

では、補償金を支払わないとどうなるのでしょうか。

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Q:この制度を利用する場合、補償金の支払うことが必要だと承知しています。万一支払わないと法的にはどのような扱いになるのでしょうか。

A:この制度を利用した場合、教育機関の設置者は補償金を支払う義務が生じます。ですので、支払わなかった場合は、民法上の債務不履行となり、損害賠償責任を負う場合もありますので、ご注意ください。

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制度を利用したにもかかわらず、補償金を支払わなかった場合は損害賠償責任を負う場合もある、とあります。気を付ける必要がありますね。

それでは最後に、「著作物の利用実績を把握するためのサンプル調査」です。配分される補償金の割合を決めるためのものだということですね。「どの著作物が公衆送信されたのか把握する」ために必要です。

2021年度は以下の予定だということです。引用します。

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2021年度については、約1、000校の教育機関を対象に各校1か月程度の期間のご協力をお願いさせて頂く予定です。調査項目は、「教科等名・授業科目名」「学年」「履修者等の人数(合計)」「著作物の入手・掲載元の分類」「著作物の分類」「著作物の入手・掲載元名(書籍名、アルバム名、サイト名等)」「著作物名・タイトル・見出し」「著作者名・アーティスト名・出演者名・制作者名」、「発行・制作元」、「発行・発売時期」「利用した箇所・分量」、「個別の製品番号など」の報告をいただく予定です。

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以上、FAQを時間をかけてみてきました。必要な作業を実施して、うまく精度を活用していきたいですね。

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次回も、FAQの続きを見ていきます。