ICT支援員養成講座がはじまりました

投稿日 | カテゴリー: e-ラーニング |

皆さんこんにちは。

2021年4月15日より、「ICT支援員養成講座」の申込みが開始されました。

待望の、「広く、必要最低限のICTと学校に関する知識をe-ラーニングで学べる」講座です。

弊社株式会社ハイパーブレインと、特定非営利活動法人情報ネットワーク教育活用研究協議会様とで、渾身の力を注いで作成しました。

 

この講座は、

・ICT支援員を目指している人、実際にICT支援員として働いている人はもちろん、

・教員になりたい学生

・学校で働く人(GIGAスクールサポーター、学校図書館司書、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、地域コーディネーター、学級運営補助員、スクールサポーター等)

・学校の先生、事務職員

・IT初心者で、これからIT関連の職で働こうとする人

にも非常に有意義な内容になっています。

 

もう申し込みたくなった方はこちらhttps://jnk4.info/e-LearningCourse/entry.phpをクリックしてください。

 

カリキュラムを確認してみましょう。

こちらは  A、情報技術基礎コース のカリキュラムです。情報処理推進機構(IPA)作成のITスキル標準V3、レベル1「職業人として備えておくべき、情報技術に関する共通的な基礎知識」の習得を目標としたコースです。例えば、A1-8とA1-9では「ネットワーク技術の活用」を学習しますが、これは、どの参考書や書籍を探しても分からなかった「なんとなくふんわりネットワークについての知識はあるけれど、理屈があまりよくわかっていないから絶対知らなきゃいけないことだけ知りたい」ニーズにぴったりです。

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A・情報技術基礎コースプログラムPDF→Aプログラム

 

B、ICT支援員自己研修コース はこちらのカリキュラムです。特定非営利活動法人情報ネットワーク教育活用研究協議会 ICT 支援員評価研究プロジェクトが作成した ICT 支援員養成プログラムに基づき、ICT 支援員として学校で働くことができるようになる自己研修のためのコースです。私もプロジェクトに参加していますが、「ICT支援員にこれだけは身に付けておいてもらいたい」内容を厳選しています。

ICT支援員の業務は、各自治体の仕様書により様々なものがありますが、そうは言っても、以下の内容は身に付けておきたいところです。そのうえで、仕様書に書かれている業務を実施していくと、おそらくとても働くのが楽になるはずです。とくにB3の知っておくべき法令・ポリシーは、労働基準法やハラスメントなど、ICT支援員自身が身を護るために知っておくべきものになります。知ることで、言われたまま一人で悩まずに済むようになります。

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B・ICT支援員自己研修コースPDF→Bプログラム

 

では、気になるお値段ですね。

以下のような料金体系です。開講特別価格で今とてもお得に受講できます。

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料金体系PDF→料金体系

何人か集まれるなら団体受講だと更にお得に受講できます。

団体受講は、代表者が申し込んでから1か月間は受講者を登録することができます。

例えば、15人集まったなら、20人分申し込んでおいて、最初に登録するのは15人、1か月以内に残り5名を集めれば都度登録することができます。追加できるのは1か月ですのでご注意ください。

 

受講までの流れとしては以下のようになっています。

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個人認証に必要なのは以下のものです。団体の場合でもそれぞれ個人で必要ですのでご準備ください。

1.受講する端末(最新版のGoogle Chrome、Safari、Microsoft Edgeが動作するPC等)

2.スマートフォン等(SMSが受信できる端末)

3.団体受講の場合、個人メールアドレス(PCからの受信ができる、あるいは「ict-help.jp」ドメインからのメールを受信できるもの)

4.団体受講の場合、3のメアドが受信できる端末。1や2と同じで構いません。

※メールアドレス認証や、SMS認証に時間制限があります。時間に余裕を持って操作してください。

 

内容を少し見てみたい、というご要望もきっとありますね。一部をご紹介いたします。

これはAB両方申し込んだ人の画面です。

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基本的に学習内容と、確認テストでできています。

例えば学習内容だと、

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このように、最初に問が示されます。このようなことを学習するんだな、ということが分かりますね。

その後で学習内容で詳しく学習します。

さらに、確認テストで定着を図ります。

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確認テストで合格すれば、次に進めます。

最後に総合まとめテストに合格すれば、修了証です。

 

学習内容を斜め読みして確認テストを受験しても、合格は難しく設定されています。きちんと自分に落とし込んで、しっかり学習ができてからでないと、受験しても不合格を繰り返すことになるでしょう。

 

実際に学校現場でどう考えればいいのか、どうすればいいのか、というのを自分に落とし込める内容になっています。ICT支援員はもちろん、学校の先生や教員になりたい学生が受講すると、「こういうことになっているなら、自分の授業の時にどうやってICT支援員を活用することができるか考えよう」という知識が身に付けられますし、ネットワーク等が不通になった場合に、何を確認すればよいのか、ということも分かるようになります。ICTを活用しなければならないけれど、どうも苦手意識が抜けない、という方には初学としてうってつけの教材です。

申込みはhttps://jnk4.info/e-LearningCourse/entry.phpからお願いします。

 

とても良い教材ですので、ぜひ、受講してみてくださいね。

 

令和の日本型教育とは⑪

投稿日 | カテゴリー: 令和の日本型教育 |

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第1部総論の4「「令和の日本型 学校教育」の構築に向けた今後の方向性」を読んでいきましょう。

(3) これまでの実践とICTとの最適な組み合わせを実現する は、これまでも何度も何度も言われてきたことですね。ですが、今回はかなり様々なことが、かなりハードル低く実現できそうなところまでテクノロジーは進化してきました。

答申では、以下のようなことに寄与する、と言って6点あげられています。

1 新学習指導要領の着実な実施

2 学びにおける時間・距離などの制約を取り払うこと

3 すべての子供たちの可能性を引き出す、個別に最適な学びや支援

4 可視化が難しかった学びの知見の共有やこれまでいない知見の生成

5 学校における働き方改革の推進

6 災害や感染症等の発生等による学校の臨時休業等の緊急時における教育活動の継続

一番最初に述べられているのが「新学習指導要領の着実な実施」です。着実に実施するために、ICTを活用せよ、という答申になっているわけです。

それぞれの項目には例示があります。その例を読めば、なるほどこういうことか、ということが想像できそうです。

例えば、2を聞くと「遠隔教育」がぱっと思い浮かぶようになりました。数年前は、そこから先が困難を極めていましたね。まず、大型提示装置が足りない、集音するマイクの知見が足りない、遠隔で通話するためのテレビ電話機能を持ったアプリの使い方がわからない、そもそもそのアプリがとても不安定である、通話をし続ける回線が確保できない、すぐ途切れる……ご支援の中でも「どうしてそうなるか」がわからず、学校現場で四苦八苦していたものです。それが、今では「Zoom使えばできる」「Teams使えばできる」「Meet使えばできる」と先生方がぱっと思い浮かべることができるようになったのですから、大きな進歩です。回線さえ何とかなれば、GIGAスクール構想で一人1台のタブレットを持ち、併せて多くの自治体で整備された大型提示装置を使えば、今日打ち合わせて明日授業、ということも可能になってきています。これが今後はもっと気軽に行えるようになることでしょう。

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ご支援している自治体はとても広く、都市と山間の学校の交流も盛んなのですが、お互い70kmも離れていると、気軽に遊びに行くわけにいきません。ですが、気軽に遠隔授業を実施することで、ここぞという「一緒に遊ぶ」機会が非常に有意義なものとして位置付けることができます。自分の周囲にはない刺激が得られる貴重な機会となるわけです。

また、4はとても重要な視点です。集合知を残していく必要が高まっています。私が、愛知教育大学で2年間学んだ時に痛感したことは「愛教大の学生は愛教大に通学しているというただそれだけで先生がどういうことを大切にしているのか分かっている」ということです。「授業が1番大切」「子供のことを一番に考える」ということについて、学生に授業で習ったのかと聞くとそんなことを習った覚えはない、と言います。が、例外なく、どんなに授業に出てこない不真面目な学生でも(失礼)この2点の価値観は共通して持っていたのです。驚きました。私が指導教官にそれを指摘すると「たしかに」ということになり、二人してどうしてだろう、と首をひねったものです。今でもわかりません。

教育支援を実施する企業の社員は、これらの価値観を理解することがとても重要です。そうでなければ、先生方とお話しするときにすれ違いが発生し、同じ言葉を使っても話が通じない、ということになってしまうことがあります。ではこの価値観を育成するための教育方法が確立されているかというと、残念ながら「一口では言えないんだけど」と、なかなか効果的な説明ができないでいる、というのが現状なのです。

これが可視化されて、共有されれば、教育現場で働く大人にとってこんないいことはありません。

これらのことから、答申では「ICTはこれからの学校教育に必要不可欠なものであり、基盤的なツールとして最大限活用していく必要」があると述べています。同時に「その活用自体が目的でないことに留意が必要である」とも述べています。

バランスが大事だということですね。これからは、どういう場面でICTを活用するのか、どういう場面で紙の活動をするのか、という見極めも必要になってくるということですね。

次回は第1部総論の4「「令和の日本型 学校教育」の構築に向けた今後の方向性」の続きを読んでいきます。

令和の日本型教育とは⑩

投稿日 | カテゴリー: 令和の日本型教育 |

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第1部総論の4「「令和の日本型 学校教育」の構築に向けた今後の方向性」を読んでいきましょう。

(2) 連携・分担による学校マネジメントを実現するには今のままでは学校は業務が多すぎるので、連携と分担をマネジメントする必要がある、というところから始まっています。

業務を適正に分担するために、様々な連携を実施する、ということですね。続いて少し長いですが、画期的な文言なので引用します。

教師とは異なる知見を持つ外部人材や スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等の専門スタッフなど 多様な人材が指導に携わることができる学校を実現することが求められる。 また、事務職員が校務運営に参画する機会を一層拡大し、主体的・積極的に財務・総務等に通じる専門職としての役割を果たすことが期待される

外部スタッフの力を借りることを、こんなに頭に持ってきているわけです。だいぶん変わってきましたが、学校現場にスクールカウンセラーが入った当初は「黒船の襲来」とまで言われていました。今では外部スタッフが、その専門性を活かして、チーム学校としてやっていこう、という形がかなり浸透してきたと考えられますね。そして、その力を借りないと先生方が疲弊して大変なことになるという警鐘が鳴らされているわけです。

また、「子供たちの教育は、学校・家庭・地域がそれぞれの役割と責任を果たすとともに、相互に連携・協働してこそ効果が上がる」とあります。学校が全てを背負うのは間違いです。深夜のスマホのトラブルが「学校の責任だ」と言い張る保護者はたくさんいますが、果たしてそうでしょうか。そのスマホは、保護者が買い与え、おそらく保護者が料金を支払っているもののはずです。そして、トラブルが起こったのは家の中です。もちろん学校での人間関係が関わっていることは当然ですが、だからと言って保護者の責任が全くないかのようにふるまうのは、とても残念なことです。みんなで「どうすれば子供のためになるのか」を考えることのできる関係でありたいものです。

また、地域との連携はPTAやコミュニティスクールはもちろん、児童相談所等の福祉機関・NPO・地域スポーツクラブ・図書館・公民館等の社会教育施設などとの連携も欠かせません。普段から公民館と連携していれば、「ちょっと気になるんだけど…」と小さな芽の時に各所連携して対応できる可能性が高まります。

その音頭を取ることを期待されているのは、やはり学校でしょう。学校はうまく音頭を取って、連携先・分担先にちょっとずつ仕事を割り振って、全部背負い込まずに済むようにしたらいいと思うのです。その仕事が負担なんだよ、ということはあると思いますが、分担したからその仕事全てなくなるか、というわけでもないことは承知していただければと思います。全てなくなるためには丸投げするしかありませんが、もともと学校で必要としてやってきたことのはずです。学校の関わる割合を減らしていって、負担を減らす、という風に考えていただければと思います。

次回は第1部総論の4「「令和の日本型 学校教育」の構築に向けた今後の方向性」の続きを読んでいきます。

 

令和の日本型教育とは⑨

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「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第1部総論の4「「令和の日本型 学校教育」の構築に向けた今後の方向性」を読んでいきましょう。

(1)学校教育の質と多様性、包摂性を高め、教育の機会均等を実現する、ですが、とにかく新しい時代を子どもたちは生きるわけで、そこに必要となる資質・能力をより一層確実に育むためにどうするか、という出だしから始まります。全編この方向で貫かれています。

基礎学力を保証することが第一社会性を育むことが第二に書かれています。学校では基礎学力を保証することが大事だということですね。「勉強なんかできなくてもいい」という価値観は否定されるものではありませんが、学校で過ごすほとんどの時間が授業という学習の時間である子どもたちが、何を言っているのかわからない苦痛の時間を過ごさせるのは得策ではありません。少しでもわかりやすく、人生において自分の道を切り開けるように、基礎的な学力は子どもの様々なシチュエーションに合わせて保障されるべきだと私は考えます。そのために、多様で柔軟な仕組みを整備すること、と答申にはあります。

そこで出てくるのが、「そんなスーパー先生どこにいるんだ」です。まったくその通りです。理想を口にするのはとても簡単ですが、それを実行するのはとてつもなく困難です。

そのため、答申でも、「学校に十分な人的配置を実現し」とあります。人的配置をしなければならないことは国も重々承知しているわけです。

その配置を活用して、例えば性同一障害や性的思考・性自認に悩みを抱える子供に、安心して学べる環境を整えることの重要性も書かれていますし、一人一人の内的ニーズや自発性に応じた多様化を軸にした学校文化となることを求めているのです。

ICTの活用では、度々話題に上るのが、「現に学校教育になじめないでいる子供に対して、実質的に学びの機会を保障していく」ことと「離島・中山間地域等の地理的条件に関わらず教育の質と機会均等を確保すること」が挙げられます。

これは、憲法第14条及び第26条、教育基本法第4条の規定に基づく教育の機会均等を真の意味で実現していくことが必要である、と述べられています。更に、機会均等とは、教育水準を下げる方向での均等を図るものではなく、教育水準を上げる方向で均等を実現すべき、とも述べられています。大変よくわかっている答申だなとつくづく思います。

教育の機会均等は、憲法で規定されているのです。だから、実現のために努力しなければならないものだと私は考えます。都市部で生まれ育つことのアドバンテージが大きいとも考えられる現在、地方の子どもがGIGAスクール構想で得た一人1台の端末を活用して、様々な体験ができ、アウトプットをできる状況になってほしいと思います。そのためのご支援を粛々と進めてまいります。

ただ、そんなことを言っていても、先生方ご自身が「全ての家庭にICT環境が整っていないので学びの保障のためにICTは活用しない」ということや、域内で足並みをそろえる必要がある、と一番遅い足並みに揃えたりすることに対して、疑問を持たれないことがあったとすれば、それが問題であると私は考えます。お一人お一人の先生方が主体的に、「どうしたらよいのか」と考える姿を子どもたちに見せていただけることによって、子どもたちは多様性を学ぶでしょう。現実に行動するのがとても難しいことは分かっています。なので、「え、そうかな?」と思われたことを大事にしていただきたいと思います。

行政職の皆様は市民からのクレームが最も困られることだと思います。誰だって困るのですが、少数の声の大きな人のために黙っている一般市民も困っているのです。10年後を見据えて、行政職の皆様が学校を後押しして、一人1台端末を積極的に活用するように推進していただけると、先生方はとてもとても安心されると思います。

次回は第1部総論の4「「令和の日本型 学校教育」の構築に向けた今後の方向性」の続きを読んでいきます。

 

令和の日本型教育とは⑧

投稿日 | カテゴリー: 令和の日本型教育 |

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第1部総論の4「「令和の日本型 学校教育」の構築に向けた今後の方向性」を読んでいきましょう。

学校の本質的な役割として、今までの学校教育が果たしてきた3つの役割を重視し、継承していくことが述べられています。

①学習機会と学力の保障

②社会の形成者としての全人的な発達・成長の保障

③安全 ・ 安心な居場所・セーフティネット としての身体的、精神的な健康の保障

そのうえで、令和の日本型教育を実施するとあります。何も引かずに足されているだけですが、「全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学び」を実現しようとしています。

その次に、足してばかりではいけないことがきちんと書かれています。少し長いですが引用します。

「その際、 学校現場に対して新しい業務を 次から次へと 付加するという姿勢であってはならない。学校現場が力を存分に発揮できるよう、学校や教師がすべき業務・役割・指導の範囲・内容・量を、 精選 ・ 縮減 ・重点化するとともに、教職員定数、専門スタッフの拡充等の人的資源、 ICT 環境や学校施設の整備等の物的資源を十分に供給・支援することが 国に求められる役割である。」

つまり、国がちゃんと専門スタッフやICT環境を提供する、と言っているわけです。学校教育の情報化の推進に関する法律で示されているように、「国は学校教育の情報化に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施する責務を有する」を実行していると考えられます。

国はここまでこれをやる、だから学校教育の情報化の推進に関する法律で地方公共団体の責務も定義されていますから、それを実施するように、という意図も含まれていそうですね。

さらに、地域との連携にも言及されています。また、デジタルかアナログかどちらかではなく、教育の質の向上のために、どちらの良さも適切に組み合わせて活かしていくという考え方に立つべきである、という風に書かれています。

「○○しましょう」というだけではなく、○○するんだったら、他を減らさないといけないから、それについてはICTを活用してやっていきましょう、と書いてあるわけです。

減らすためのICT機器の活用については、使い始めたばかりの先生方にはあまり恩恵を感じられないかもしれません。行政職の皆様も、ご自分のパソコンが変わったり、使っているソフトが変わったりすれば、ストレスを感じられることでしょう。学校の先生方で、今までICTを授業でなかなか活用できなかったのは、「算盤使っていたのにいきなりMac使えと算盤を取り上げられた」状態の行政職の皆様ぐらい、仕事の方法の変更にインパクトがあることだ、と思っていただければと思います。Macが素晴らしいパソコンであることは承知していますが、今まで算盤だったものがいきなりものすごくすっ飛ばして全てパソコンで仕事しろ、なんていうのはとても難しいとわかりますね。

デジタルネイティブの行政職の方には「?」かもしれませんが、昔はパソコンを使わずに仕事をしていました。さすがに算盤世代はあまりいないのですが、計算機で計算をしていたのが、だんだんパソコンに置き換わったんですね。私は学校現場にエクセルが導入された時、一瞬で平均が計算できるのを見て、「これで業務軽減が図られるに違いない」と思ったものです。現実は、より一層業務が増えているので皮肉なものですが。便利な道具を手に入れると、あれもこれもそれもやりたい、とどんどん業務に付属するものが増えていったんですね。

そのため、「ICTを活用して業務を減らす」ことを強く念頭に置いておかないと、ICTを活用して今まで時間がかかる処理を軽減できたら、「その分、質を高めよう!」 という方向にすぐ向かいます。それはとてもいいことなのですが、やることが増える一方では、先生方は元気いっぱいに子どもたちと勉強していただけるのか疑問です。

何もかも質を高めようとして、余裕がなくなるのは本末転倒です。どうか先生方から、「業務をICTで減らすことができる」ことを、子どもたちに示していただき、行政職の皆様はそれを強力に後押ししていただければと思います。

次回は第1部総論の4「「令和の日本型 学校教育」の構築に向けた今後の方向性」の続きを読んでいきます。

令和の日本型教育とは⑦

投稿日 | カテゴリー: 令和の日本型教育 |

皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第1部総論の3「2020 年代を通じて実現すべき 「令和の日本型 学校教育 」 の姿」の続きを読んでいきましょう。

まずは幼児教育について述べられています。小学校との接続を図るなど基本的で必要なことが書かれていますが、ここは保育事業とも関わることですので、あまり詳細な内容については触れられていません。幼稚園に通う子供と保育園に通う子供は、そもそも所管の官庁が違い、なかなか難しいところですね。

続いて義務教育については4点述べられています。
●ICT環境を活用すること
●高度な教育にアクセスできるようにすること
●学校での多様な人とのの中で協働的な学びを通して主権者としての意識を育むこと、
●児童生徒が安心・安全に学ぶことができること
です。

高等学校教育については3点述べられています。
●主権者としての自覚を深める等、社会の形成に主体的に参加するための必要な資質・能力を身に付けられること
●自立した学習者として自己の将来のイメージを持ち、高い学習意欲をもって学びに向かっていること
●教科等横断的な学びが提供されていること
です。

特別支援教育については2点
●インクルーシブ教育システムの理念を構築することを旨とし、すべての子供たちが適切な教育を受けられる環境を整備すること
●障害のある子とない子が可能な限り一緒に教育を受けられるための条件整備が進んでいること
です。

各段階を通じた学びとして、「幼児教育から小学校、中学校、高等学校、大学・社会といった段階を通じ、一貫して、自らの将来を見通し、社会の変化を踏まえながら、自己のキャリア形成と関連付けて学び続けている。」と述べられています。学び続ける、ということがポイントですね。

教職員の姿としては3点あげられています。
●子供一人一人の最大限の力を引き出す、子どもの主体的な学びの伴走者でもある。
●専門性を持った外部人材や地域、家庭等と連携し、チーム学校として教育目標を実現する。
●働き方改革を推進し、誇りをもって働ける、志望者も増えている。
ということです。

最後に、子どもの学びや教職員を支える環境として、3点あげられています。
●ICT環境の整備にはセキュリティポリシーを重視しながら進めること
●ICT機器をはじめ、子どもたちが学びやすい環境、バリアフリーやトイレの乾式化、空調設備の整備なども進んでいること
●人口減少が加速する地域でも魅力的な教育環境が実現されていること
特に最後の「人口減少が加速」は全国の市町村のうち半分以上の小さな町や村が抱えている課題ですね。人口としては大都市に多いのですが、地方の小さな市町村にも子どもたちはいて、教育の機会が平等であることは重要ですね。単なる数の平等等ではなく、ICT機器を使った空間の制約を超えた新たな学びを創造していくことも重要です。

次回は第Ⅰ部総論3.2020年代を通じて実現すべき「令和の日本型教育」の姿の続きを読んでいきます。

令和の日本型教育とは⑥

投稿日 | カテゴリー: 令和の日本型教育 |

皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第1部総論の3「2020 年代を通じて実現すべき 「令和の日本型 学校教育 」 の姿」を読んでいきましょう。

最初に述べられているのは、教育振興基本計画と、新学習指導要領のことです。基本なので何度も繰り返し出てきますね。既に述べてきた内容をもう一度確認して、とても重要だからこうしよう、と書かれてあります。

その次が「従来の 社会構造の中で行われてきた「正解主義」や「同調圧力」への偏りから脱却し」です。また出てきました。それほど、これを脱却したいと考えているということですね。発問の重視や、多様性を認めそれを強みとしたチームにするなど、今までの考え方とは確実に変わってきています。

そして、「令和の日本型教育」の定義として、「誰一人取り残すことのない持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現に向け学習指導要領前文において「持続可能な社会の創り手」を求める我が国を含めた世界全体で SDGs 持続可能な開発目標に取り組んでいる中でツールとしての ICT を基盤としつつ日本型学校教育を発展させ 2020 年代を通じて実現 を目指す学校教育」と述べられています。一言で言えず、とてもたくさんありますね。プログラミング的思考の時にも感じましたが、簡潔に一言で言い表せない場合、思いを全て入れ込んだ形になるんだな、と思います。

これを受けて「こどもの学び」では「個に応じた指導」が重要視されています。その際に、ICT機器の活用が重要である旨記載されています。これは従来から言われていたことですが、一人1台が現実のものとなった今、より実現へのハードルが下がってきたと考えられます。

その次に、「主体的・対話的で深い学び」が挙げられています。個に応じた指導の方が先で、主体的・対話的で深い学びが後だという順番に、意図を感じられますね。まずは個を伸ばし、それを包括してチームとしてより能力を伸ばす、という方向だと考えられます。

その後再び「個に応じた指導」の話になっています。よほどこれを伸ばしたいという考えが感じられます。学習者が「個別最適な学び」を進められるよう、指導者側は「指導の個別化」と「学習の個性化」を図るということです。ICTの活用で、スタディログ等を慎重かつ大胆に活用し、子どもの能力を伸ばしていく教育をするということですね。「孤立した学びにならない」ことも重要である旨記載されています。

こうやって伸ばした個の能力が、協働学習で埋没してしまわないよう、異学年での行事や活動を通して学んだり、もともと持っていた日本型の学校の良さを生かして更に伸ばしていくことができる協働学習のカリキュラムマネジメントが重要であると述べられています。

繰り返し繰り返し、「個に応じた指導」と「主体的・対話的で深い学び」について述べられています。それだけこの内容を重視しているということですね。

そして最後に「目指すべき 「令和の日本型学校教育」の姿を「全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現」とする」とあります。一言でいうためにずっと説明が必要だったんだ、と思います。言葉のイメージは人によって違いますから、意図通り伝わるための説明が長くなってしまうのは仕方がないですね。

次回は第Ⅰ部総論3.2020年代を通じて実現すべき「令和の日本型教育」の姿の続きを読んでいきます。

令和の日本型教育とは⑤

投稿日 | カテゴリー: 令和の日本型教育 |

皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第1部総論の2「日本型学校教育の成り立ちと成果、直面する課題と新たな動きについて」の続きを読んでいきましょう。「(4)新たな動き」です。

まず、新学習指導要領の全面実施が掲載されています。この新学習指導要領は、資質・能力を「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の3つの柱に整理しています。そのうえで、より良い学校教育を通してよりよい社会を創るという理念を学校と社会が共有するなど、「社会に開かれた教育課程」を重視するほか、「カリキュラム・マネジメントの確立」児童生徒の「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改革などが謳われています。解説がたくさん出ていますね。

続いて、学校における働き方改革の推進です。

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勤務時間管理の徹底、業務の明確化・適正化、教職員定数の改善充実、専門スタッフや外部人材の配置拡充など、学校における働き方改革が推進されています。

さらに、GIGAスクール構想が述べられています。

児童生徒一人1台端末、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備するための経費が予算化され、2021年3月時点で、ほぼ全国の公立小中学校では一人1台が実現した、といえる事態になりました。

令和の学校のスタンダードとして、家庭への持ち帰りを含めて児童生徒一人1台端末が十分活用できる環境の整備を図ることとなった、とあります。

GIGAスクール構想が実現により、臨時休校時にも不安なく学習が継続できることを目指し、これまでの実践とICTの活用を適切に組み合わせていくことで、これからの学校教育を大きく変化させ、様々な課題を解決し、教育の質を向上させることが期待される、とあります。

これまであちこちで、何度も何度も取り上げられてきたことですが、この答申でも取り上げられています。それだけ重要で、それだけなかなか浸透しないのでしょう。大事なことは何回でもいう必要がありますね。

次回は第Ⅰ部総論3.2020年代を通じて実現すべき「令和の日本型教育」の姿を読んでいきます。

 

令和の日本型教育とは④

投稿日 | カテゴリー: 令和の日本型教育 |

皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第1部総論の2「日本型学校教育の成り立ちと成果、直面する課題と新たな動きについて」の続きを読んでいきましょう。「②今日の学校教育が直面している課題」です。

学校が様々な課題に直面していることは昔から言われていることですが、最近特にいろいろな課題が浮き彫りになっています。最初に「国において抜本的な対応を行うことなく日本型学校教育を維持していくことは困難であると言わざるを得ない」とあり、強い決意がうかがえます。

1つ目の課題は、「子どもたちの多様化」です。昔から子どもたちは多様であったと思いますが、医学の発達等で、「それは子どものやる気やしつけでなんともすることができないものである」という状態があることが分かってきました。昔なら「親のしつけが」「殴ってでも縛ってでもいうことを聞かせる」というようなものが、例えば発達障害の可能性がある、という診断によりもう少し生きやすい選択ができるようになる、というような形ですね。

特別支援学級の増加や、特別支援学校の在籍数の増加等にも表れています。

それに加えて、外国人児童生徒の増加、日本国籍ではあるが日本語指導を必要とする児童生徒の増加もある、とあります。10年前の1.5倍、5万人を超えているということです。2万人の外国人児童生徒が就学していない可能性もある、という調査結果はショッキングですね。

更に、18歳未満の子供の相対的貧困率が13.5%である旨が書かれています。7人に一人が、経済的困窮を背景に、教育や体験の機会に乏しく、地域や社会から孤立し、様々な面で不利な状況に置かれてしまう傾向にあると言われています。

そして、いじめや暴行事件、不登校児童生徒はいずれも増加傾向にあるということです。児童生徒の自殺者数も減少はしておらず、児童虐待相談対応件数についても増加傾向、ということで、歪んだ構造の、イライラのはけ口が弱者に向かい、どうしようもない状況に置かれている子どもたちが増えている可能性がある、ということですね。

これらのことを踏まえると、学校は、「全ての子供たちが安心して楽しく通える魅力ある環境であることや、これまで以上に福祉的な役割や子どもたちの居場所としての機能を担うことが求められている」とあります。学校は学習をする場、というだけではないということが謳われているわけですね。これはまさしく日本型教育の考え方の根本にあるものだと思います。

答申では続いて、生徒の学習意欲の低下について懸念が書かれています。特に高校生の意欲や学校生活等への満足度が下がっているということが数字で述べられています。高等学校の特色化、魅力化を推進することが求められている、とあります。

更に、教師の長時間勤務による疲弊が述べられています。小学校で月に59時間の時間外勤務、中学校で月に81時間の時間外勤務が平均的に行われている、という調査結果は当初先生方にとって「え、そりゃそうだけど」という風に受け止められた、と私は感じています。ですが、平均で81時間は平均で過労死ラインを超えているわけです。

新型コロナウイルス感染予防対策のための新たな消毒等や指導、子どもたちのケアなど負担は増える一方です。何も削られていません。

これらの事実の影響かどうかの統計的な調査はされていませんが、精神疾患での休職年間5千人というような状況も踏まえて、教員採用試験の倍率も、下がり続けているということです。しかも、採用してもすぐに欠員が生じたり、そもそも必要な人数の先生が集まらない、という教師不足も深刻化している、と答申は認識しています。

私のご支援する自治体には「校務主任」という役割がありますが、以前は校務主任は校務主任の仕事だけしていればよかったのに(それでもとてもとてもとても多忙でした)、現在では「校務主任と担任」という聞いただけで倒れそうな役割をこなされている先生方が数多くいらっしゃいます。

また、情報化の加速度的な進展に関する対応の遅れ、という点に関しても述べられています。よく言われているのが、「20年前に書かれたICT利活用の本が今でも十分に参考になる」点です。これはHBI通信でも繰り返し述べてきました。

それに加えて、少子高齢化、人口減少の影響も深刻です。子どもたちが減るのですから、学校も減ってしまいます。1自治体に1小学校、1中学校という自治体の増加、公立高等学校の立地が0または1の自治体は1088団体、全体の62.5%という結果が述べられています。田舎は学校自体が少ない、ということですね。

最後に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により浮き彫りとなった課題、が挙げられています。

臨時休業に伴う「オンライン授業」についての現場の混乱ぶりは行政職の皆様にも記憶に新しいところでしょう。2020年の休校時の「同時双方向型のオンライン指導」は公立学校の設置者単位で15%にとどまっているという調査結果が紹介されています。要するに、85%の子供たちが、同時双方向型のオンライン指導を受けていない、ということですね。

また、「指示がないから何もしない」という子供たちの実態が明らかになり、自立した学習者を十分育成できていない、という指摘があることも述べられています。

先生の言うことが絶対、先生が言うまで何もしてはいけない、という指導ではないはずですが、結果そうなってしまっている子どもたちがいる、ということですね。

答申では、「平常時から児童生徒や教師がICTを積極的に活用するなど、非常時における子どもたちの学習機会の保障に向けた主体的な取り組みが求められる」と結ばれています。

次回は第Ⅰ部総論2.日本型学校教育の成り立ちと成果、直面する課題と新たな動きについて の続きを読んでいきます。

 

令和の日本型教育とは③

投稿日 | カテゴリー: 令和の日本型教育 |

皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

226

本日は第1部総論の2「日本型学校教育の成り立ちと成果、直面する課題と新たな動きについて」を読んでいきましょう。

話は明治の「学制」から始まっています。20世紀初頭以降、就学率の上昇と共に学年学級制が一般化したとのことです。その後は戦後の話ですね。学校教育法により、義務教育機関の9年制等今日まで続く学校教育制度の基本が形成されたとあります。

今の学校を支えている大事な法律、効率義務教育諸学校の学級編成及び教職員の定数の標準に関する法律(義務標準法)をはじめ、義務教育費国庫負担法、義務教育諸学校の教科利用図書の無償措置に関する法律などが出来上がり、義務教育の間の教育費は家庭での負担を極力なくす方向に進みました。これで、質の高い教育を全国どこでも提供することができ、国民の教育水準が向上し、社会発展の原動力となった、とあります。教育は国の礎だということですね。

日本型の教育と言われる、学習指導のみならず生徒指導等の面でも主要な役割を学校が担っているため、様々な場面を通じて子どもたちの状況を総合的に把握して教師が指導する、というような状況は、諸外国から高く評価されている、とあります。

続いて「日本人は礼儀正しく、勤勉で、道徳心が高いと考えられており、また、我が国の治安の良さは世界有数である。これは、全人格的な陶冶、社会性の涵養を目指す日本型学校教育の成果であると評価することができる」とあります。今まで実施されてきた教育がとても効果があった、という評価ですね。

そして、新型コロナウイルス蔓延に伴う臨時休校を経て、学校は「学習機会と学力を保障するという役割のみならず、全人的な発達・成長を保障する役割や、人と安全・安心につながることができる居場所・セーフティネットとして身体的、精神的な健康を保障するという福祉的な役割をも担っていることが再認識された」とあります。学校が休校になった途端に、多くの家庭が非常に困った、子どもたちも困った、という状況になったのは記憶に新しいところですね。我が家も子どもたちが一人でご飯を作ることができる年になっていたためまだ助かりましたが、これが低学年だったらと考えると仕事が続けられたかどうか大いに疑問です。

その次に語られているのは「変化する社会の中で我が国の学校教育が直面している課題」です。この課題はとてもたくさんあげられているので、次回も読んでいきますが、一番最初にあげられているのは

「社会構造の変化と日本型教育」の課題です。

これまでの日本型教育は成果を上げてきた、と答申にも書かれていますが、これからもずっと同じ形で成果が上がるかというとそうではない、という風に判断しているということですね。4点あげられている課題を要約すると、

・経済至上主義的価値観が拡大し、学力差が顕在化した

・自ら課題を見つけ、それを解決する力を育成するため他者と郷土史、自ら考え抜く学びが十分なされていないのではないか

・画一的・同調主義的な学校文化が顕在化しやすくなった

・学校及び教師が担うべき業務の範囲が拡大されその負担を増大させている

となりそうです。

特に、「みんなで同じことを、同じように」については課題として2回取り上げられており、そのような労働者が今後は求められていないということが学校現場との認識のずれだと考えられるということですね。

次回は第Ⅰ部総論2.日本型学校教育の成り立ちと成果、直面する課題と新たな動きについて の続き を読んでいきます。

 

令和の日本型教育とは②

投稿日 | カテゴリー: 令和の日本型教育 |

皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が,中教審答申と漢字で聞こえるようになるように,行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

225

本日は第1部総論の1「急激に変化する時代の中で育むべき資質・能力」を読んでいきましょう。

人類史上かつてない速さで時代が変化している,ということは肌感覚でわかると思います。私は娘に「母ちゃんが子どもの頃,スマホはなかったんでしょ?」と驚きをもって言われます。

答申では「社会の在り方そのものがこれまでとは「非連続」と言えるほど劇的に変わる状況が生じつつある」とあります。「新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により」社会の変化が加速度を増し,複雑で予測困難となってきていることが指摘され,その通りになっているとあります。

つまり,いくら予想してもとんでもない変化が起こるということが容易に想像ができてしまう世の中となるわけです。では,教育は無駄なのでしょうか。将来が予想できないから,どんな勉強をしたら役に立つかわからないから,教育に力を入れても仕方がないのでしょうか。

そうではないですね。

少し長いですが,答申を引用します。「一人一人の児童生徒が,自分のよさや可能性を認識するとともに,あらゆる他者を価値のある存在として尊重し,多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え,豊かな人生を切り拓き,持続可能な社会の創り手となることができるよう,その資質・能力を育成することが求められている。」とあります。

では,その資質・能力をどう定義しているのかというと,「文章の意味を正確に理解する読解力,教科等固有の見方・考え方を働かせて自分の頭で考えて表現する力,対話や協働を通じて知識やアイディアを共有し新しい解や納得解を生み出す力」とあります。続けて「豊かな情操や規範意識,自他の生命の尊重,自己肯定感・自己有用感,他者への思いやり,対面でのコミュニケーションを通じて人間関係を築く力,困難を乗り越え,ものごとを成し遂げる力,公共の精神の育成等を図るとともに,子供の頃から各教育段階に応じて体力の向上,健康の確保を図ること」はどのような時代であっても変わらず重要である,とあります。

国際的な視点で言えば,SDGsやLearning Compass 2030などの紹介があります。

そして,これらの資質・能力を育むためには新学習指導要領の着実な実施が重要である,と述べられています。新学習指導要領を実施することで育成する能力を着実に身に付けることが重要,ということですね。そこには,特に今回の新学習指導要領で基盤となる力として取り上げられた情報活用能力が含まれています。また,それらを実現するために,ICTが必要である,ということも強く書かれています。

今までの答申とはICTに関する力の入れようが少し違います。少しずつ読んで,GIGAスクール構想で導入された端末を上手に活用できる助けになればと思っています。

次回は第Ⅰ部総論2.日本型学校教育の成り立ちと成果,直面する課題と新たな動きについて を読んでいきます。