教育委員会行政職の皆様に送る 教育の情報化について抑えるべき10の資料と3観点

投稿日 | カテゴリー: ICT支援員の育成・確保のための調査研究事業 成果報告書, クラウド導入ガイドブック, 小学校プログラミング教育の手引き, 情報活用能力を育成するためのカリキュラム・マネジメントの在り方と授業デザイン, 教員の多忙化, 教育ICTガイドブック, 教育のIT化に向けた環境整備4か年計画, 教育の情報化に関する手引き, 教育の情報化の実態化に関する調査, 教育の情報化ビジョン, 教育の情報化加速化プラン, 教育委員会でコンピュータ関連の担当になったら最初に読む, 教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン, 教育情報化コーディネーター |

皆様こんにちは

教育情報化コーディネーター1級保持者が「教育委員会行政職」の皆様に「教育の情報化」について情報をご提供させていただいているHBI通信もおかげさまで100回を超えることができました。ありがとうございます。
 記事が多くなりましたので交通整理のために改めて目次を設定させていただきます。お仕事のお役に立てれば幸いです。

HBI通信イメージ

◆教育委員会でコンピュータ関連の担当になったら最初に読む

1 教育の情報化ビジョン(平成23年4月28日公開)
https://ict-help.jp/hbi/category/read-first/information-vision/
2 教育の情報化に関する手引き(平成22年10月29日公開)
https://ict-help.jp/hbi/category/read-first/information-manual/

 
これら2つの資料は、現在の教育の情報化を考えるうえでわかっていることが前提、という扱いの資料になります。公開されてから時間が経っていますが、まずこちらに目を通していただくことが必要かと思います。

3 教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(平成29年10月18日公開)
https://ict-help.jp/hbi/category/%e6%95%99%e8%82%b2%e6%83%85%e5%a0%b1%e3%82%bb%e3%82%ad%e3%83%a5%e3%83%aa%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%b7%e3%83%bc%e3%81%ab%e9%96%a2%e3%81%99%e3%82%8b%e3%82%ac%e3%82%a4%e3%83%89%e3%83%a9/

待ったなしの対策を余儀なくされるセキュリティに関してまとまっている資料です。難しいと感じられる方も多い資料ですが、少しずつご一緒に読み解いていければと思います。

4 教育の情報化加速化プラン(平成28年7月28日策定)
https://ict-help.jp/hbi/category/read-first/%e6%95%99%e8%82%b2%e3%81%ae%e6%83%85%e5%a0%b1%e5%8c%96%e5%8a%a0%e9%80%9f%e5%8c%96%e3%83%97%e3%83%a9%e3%83%b3/
もっとも読みやすいと思われる資料です。10Pとまとまっており、今すぐ何を行うか、と具体的な事例が書かれています。

5 小学校プログラミング教育の手引き(平成30年3月30日公開)
https://ict-help.jp/hbi/category/%e5%b0%8f%e5%ad%a6%e6%a0%a1%e3%83%97%e3%83%ad%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%9f%e3%83%b3%e3%82%b0%e6%95%99%e8%82%b2%e3%81%ae%e6%89%8b%e5%bc%95%e3%81%8d/
2020年より必修化される小学校プログラミング教育についての手引きです。「今後こういうことを現場で行う必要がある」ということについてご理解いただくための資料になるかと思います。

◆事例を知りたくなった時に読む資料

6 教育ICTガイドブック(平成29年6月30日公表)
https://ict-help.jp/hbi/category/%e6%95%99%e8%82%b2ict%e3%82%ac%e3%82%a4%e3%83%89%e3%83%96%e3%83%83%e3%82%af/
7 クラウド導入ガイドブック(平成28年5月20日公表)
https://ict-help.jp/hbi/category/%e3%82%af%e3%83%a9%e3%82%a6%e3%83%89%e5%b0%8e%e5%85%a5%e3%82%ac%e3%82%a4%e3%83%89%e3%83%96%e3%83%83%e3%82%af/

環境整備の道筋がわかる資料です。先進的な他自治体の事例も豊富に載っていますので、「提案されても想像がつかない」ようなことについて調べるとき重宝されるのではと思います。

8 情報活用能力を育成するためのカリキュラム・マネジメントの在り方と授業デザイン(平成30年5月公開)
https://ict-help.jp/hbi/category/%e6%83%85%e5%a0%b1%e6%b4%bb%e7%94%a8%e8%83%bd%e5%8a%9b%e3%82%92%e8%82%b2%e6%88%90%e3%81%99%e3%82%8b%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ae%e3%82%ab%e3%83%aa%e3%82%ad%e3%83%a5%e3%83%a9%e3%83%a0%e3%83%bb%e3%83%9e/
先生方が普段どうやって子供たちの学びに向き合っているか、豊富で具体的な事例でICT活用を行いつつ今後の授業について考えるための資料です。どのような機器をどう使うか、のイメージが沸きやすいかと思います。

◆業務の参考となるもの

10 ICT支援員の育成・確保のための調査研究事業 成果報告書
https://ict-help.jp/hbi/category/ict%e6%94%af%e6%8f%b4%e5%93%a1%e3%81%ae%e8%82%b2%e6%88%90%e3%83%bb%e7%a2%ba%e4%bf%9d%e3%81%ae%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ae%e8%aa%bf%e6%9f%bb%e7%a0%94%e7%a9%b6%e4%ba%8b%e6%a5%ad%e3%80%80%e6%88%90/
ICT支援員を活用したいときにどのようなことに気を付けて活用すれば費用対効果として最大限となるか等のヒントが満載です。

11 教員の多忙化
https://ict-help.jp/hbi/category/%e6%95%99%e5%93%a1%e3%81%ae%e5%a4%9a%e5%bf%99%e5%8c%96/

そもそもなぜ先生は多忙なのでしょうか。ご自分が学校で見ていた先生と今の先生は何が違うのでしょうか?根本をご理解いただきたいと思います。

これらの記事をご確認いただいて、少しでも皆様の自治体の教育の情報化に貢献できれば幸いです。

非機能要件をきちんと定義することで運用がスムーズになります

投稿日 | カテゴリー: 統合型校務支援システム導入のための手引き |

皆さんこんにちは

働き方改革で話題の「統合型校務支援システムの導入のための手引き」についてご説明をさせていただきます。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1408684.htm
非機能要件のイメージ 梅

今回は第5章3.3.3② 非機能要件 についてご説明させていただきます。
 ここ最近ずっと細かく区切ってご説明をさせていただいていますが、これくらい丁寧に慎重に進めば校務支援システムを導入した効果が非常に発揮できると考えられます。普段の行政手続きを行っていらっしゃる行政職の皆様は、大体の流れが想像できるかと思いますが、例えば異動してきたばかり、だったり学校から着任したばかり、だったりした場合、まったく流れが想像できないという立場の方もみえると思います。3月は異動の季節で、辞令が発令されたらそれに従わなくてはならないですよね。全国にいらっしゃる大変な状況の皆様に少しでもお届けできればと思って書いております。
非機能要件は本来、発注者側で、業務・機能・帳票等の「機能要件」を踏まえて、システムに必要となる性能等を具体的に定義する必要がある、と手引きにはあります。しかし、非機能要件は、業務内容に直結しない、専門的で技術的要素の高い内容となっていることから、発注者側で要求項目を網羅することが難しく、発注者と受注者が互いの意図とは異なる理解をしたことに気づかないまま開発が進んでしまうことがあるという先達の事例を踏まえて、このような手順が必要になるということを述べています。
 既にご存知の方もいらっしゃるかとは思いますが、自治体の情報システムの調達における非機能要件の標準化の取り組みが行われており、「非機能要求グレード(地方公共団体版)」として公開されています。https://www.j-lis.go.jp/rdd/chyousakenkyuu/cms_92978324-2.html
本手引きでは、この「非機能要求グレード(地方公共団体版)」を活用して非機能要件を定義する手順が紹介されており、手元に物があってそれに対しての説明となりますから少しハードルが下がりますね。様々な条件を元に分類、パターン化されているのですが、統合型校務支援システムは、「情報の滅失、紛失又は当該情報資産が利用不可能であることによる社会的影響が限定される」かつ「災害対策として利用しない」システムであるということから、グループ②に分類されるとあります。位置づけを図示したものは以下の通りです。
非機能要求グレードにおける校務支援システムの位置づけ

統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P113から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf
 例示がされているのでわかりやすいですね。これがすべてではありませんが、大体の場所がわかると何に気を付けなければならないのかということに気づきやすくいいと思います。ここで重要性や可用性、災害時の利用等を明確にした後、「非機能要求グレード(地方公共団体版)」に基づき、「可用性」、「性能・拡張性」、「運用・保守性」、「移行性」、「セキュリティ」、「システム環境・エコロジー」の6つの項目を定義していくとあります。以下に、各項目と、各項目で定義する内容を示します。
非機能要件で定義する項目と定義する内容
統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P113から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf
これを確認した後に、手引きの別紙6非機能要求グレード 統合型校務支援システム用シートを活用して実施すると、よりスムーズに考えが進むのではないかと思います。活用ステップは以下の通りです。
別紙6の活用ステップ

統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P114から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf

 読んでもなかなか具体的なイメージが沸かないかもしれませんが、例えば実際に導入した他の案件に当てはめてみたり、他の先進的な自治体の担当者とお話しすると、「このことか!」とご納得いただける瞬間があるはずですので、流れを確認しつつ非機能要件についても定義を勧めていただければと思います。従来あまり重要視されてこなかった部分ですが、運用を開始してみると実はとても大切でした、という先人の知恵が詰まったものになりますので、ご確認ください。

 

 次回は第2部第5章の続き、サービスレベルの決定についてご説明させていただければと思います。

 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

業務の要件も、誰が見ても分かるよう明らかにしておくと後々物事がスムーズです

投稿日 | カテゴリー: 統合型校務支援システム導入のための手引き |

皆さんこんにちは

働き方改革で話題の「統合型校務支援システムの導入のための手引き」についてご説明をさせていただきます。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1408684.htm
順調にすくすくのびる校務支援システムのイメージ

今回は第5章3.3.3 業務の要件 についてご説明させていただきます。

 業務要件の定義では統合型校務支援システムを活用して実施する業務の内容を明らかにする、とあります。
 具体的に明らかにすべきことについて4つ挙げられています。

  • ・対象業務の範囲
  • ・業務の流れ、業務の実施タイミング
  • ・ユーザーの規模及び場所
  • ・統合型校務支援システムの導入による効果を確認するための「管理すべき指標」

 ということです。手引き2.3業務を合わせて参照するとよりイメージしやすいとありますので、ご確認ください。
手順は以下のように提案されています。
業務要件定義のステップ
統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P107から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf
上記表のステップ2で定義するとある各事項の具体例も挙げられています。このように書いてもらえるとイメージしやすいですね。ユーザーの規模、というのは教職員の数だけ数えがちですが、管理する児童生徒数も重要になってくること等改めて確認できます。
業務要件で定義する具体的事項
統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P107から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf

続いてシステムの要件についての説明があります。システム要件の中には「機能要件」と「非機能要件」の定義が必要だとあります。システムの要件で定める事項は以下の通りです。
システムの要件の全体像
統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P108から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf
 機能要件では、4つの部分について要件を定めるよう提示があります。
機能要件の一覧
統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P108から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf
 それぞれの要件、機能に関する要件と、帳票に関する要件とがステップごとに提示されています。具体的な内容は別紙に詳しく紹介されていますのであわせてご確認いただくといいかと思います。
機能に関する要件の定義ステップ
帳票に関する要件の定義のステップ
統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P109から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf
 たくさん決めなければならないことがあり、大変に感じるかもしれませんが、これを参考に進めていけば「そういえばあれはどうなっている」ということが少なく、運用開始後がよりスムーズになります。

 別紙もご参考いただきながら着実にやっていくと、後がスムーズです。
 情報、データに関する要件と外部インターフェースに関する要件も同様にステップ1と2が提示されています。
情報・データに関する要件の定義ステップ
外部インターフェースに関する要件の定義ステップ
統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P109から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf

このあたりになると、具体的な話が固まってきている段階だと思います。そのため、運用開始後のことを見据えて決めていくことが必要です。運用開始前には委員会も集まりやすいですが、開始後に定期的に集まるということはなかなか費用の面で難しいものがあります。予算が付きにくいからですが、話せる間に決められることは決めておくことをお勧めします 

 次回は第2部第5章の続き、業務の要件についてご説明させていただければと思います。

 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

調達対象範囲を明確に定義しておくと後々考え方が伝わりやすいです

投稿日 | カテゴリー: 統合型校務支援システム導入のための手引き |

皆さんこんにちは

働き方改革で話題の「統合型校務支援システムの導入のための手引き」についてご説明をさせていただきます。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1408684.htm

校務支援システムで花開く様子

今回は第5章3.3.3-2 調達対象範囲 についてご説明させていただきます。
情報システムの調達には

  • ・全体構成
  • ・ハードウェア構成
  • ・ソフトウェア構成
  • ・ネットワーク構成

について定義する必要があると述べられています。統合型校務支援システムを調達する場合、ハードウェア構成とソフトウェア構成は、パッケージシステムによってある程度決まっていますので、事業者から提案を求めたほうが労力が少なくて済みます。ただ、その場合でも、手引きに述べられている内容は最低限定義する必要があるということで、今からご説明する内容は必ず定義をしていただく必要があるものだと思っていただければと思います。

・全体構成
 校務システムの設置場所、利用者の範囲、利用する端末等の全体像を図で示すことで共通認識を図ります。関連するシステムや端末の調達もあるなら、それがどう関連しているかを図に盛り込む必要があります。あまり難しい図ではなく、手引きに乗っているような概念図で大丈夫ですので、ご確認ください。
全体構成図のイメージ

統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P101から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf

この構成図では表せない設置場所、例えばデータセンターの要件や端末台数等は調達仕様書に詳細に定義する必要があります。イメージとして手引きに紹介されているのは以下の通りですが、これ以外にも求めるものは書いておく必要があります。データセンターの要件は、自治体の情報システム課が求めているレベルがありますので、特に情報システム課とよく話し合っておく必要がありますね。
設置場所の要件や端末台数等の定義のイメージ
統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P101から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf

 また、クラウド型の場合はデータセンターが設置されている国の法令に従うことになりますので、予期せぬ情報の差し押さえ等が発生するリスクを考えると、国内のデータセンターを選択する必要がある、と手引きでは述べられています。今までは考えなくてもよかったのに、と思われることもおありかもしれませんが、だからこそ、多くの人の知恵を結集して、より良い情報システムの導入に繋げていけるといいですね。

・ハードウェア構成
 ハードウェア構成は、統合型校務支援システムのサーバー環境によって異なってきます。
 以下は自治体に置いて想定されるサーバー環境です。事業者は、教育委員会が定義した「可用性要件、性能・拡張要件」を踏まえてハードウェア構成を提案する必要がありますが、定義をしていることが前提ですので、仕様書にそれらの記載が必要です。仕様書に書いてあることが重要です。
サーバ環境の分類

統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P102から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf
 ではどのようなサーバー環境を選ぶのが良いか、ということについて、考え方のヒントが手引きに掲載されています。
ハードウェア構成定義のチャート

統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P103から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf
 これらはすべて「一か所集約」形式です。各学校あるいは各自治体にサーバーを置き構築する、ということは手引きでは考えられていません。あくまで共同調達のメリットを最大限に活かしていくという姿勢が貫かれていますね。

 
・ソフトウェア構成
 統合型校務支援システムはパッケージで導入することが共同調達の利点なので、それを前提として考えると事業者の提案があれば大丈夫だとも思いがちですが、そのパッケージを動かすためのミドルウェア等で保守を受けられないソフトウェアがある可能性があります。事業者が責任をもって保守できるソフトウェアを前提とする必要があるということを、確認しておく必要があると手引きで述べられています。
 情報セキュリティ対策のためのソフトウェアもパッケージベンダーに提案を求めておくと後々相性が悪い、ということも起こりません。確認しておく必要があります。

・ネットワーク構成
 統合型校務支援システムを安定して使うためにはネットワークを忘れてはなりません。
 各学校、各教育委員会、サーバーの設置場所をスムーズにつなぐために定義が必要です。
 ネットワーク構成要件で定義する項目について、手引きでは以下のように提案があります。
ネットワーク構成要件で定義する項目
統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P104から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf

 既存のネットワーク回線を活用する場合の検討のポイントが手引きのP105~P106に掲載されています。
 ネットワーク費用は、毎月かかることも多く、ここをできる限り無駄を省いて既存のものとうまく組み合わせることが、費用を抑えるために必要ですのでよく確認しておいてください。
 全2ページそのまま載せるのは引用の範囲を超える可能性があるため、リンク先をご確認いただければと思います。
 http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf

 

 次回は第2部第5章の続き、業務の要件についてご説明させていただければと思います。

 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

要件定義をすることで、言葉が整理され、実現したいことをより明確化できます

投稿日 | カテゴリー: 統合型校務支援システム導入のための手引き |

皆さんこんにちは

働き方改革で話題の「統合型校務支援システムの導入のための手引き」についてご説明をさせていただきます。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1408684.htm
要件定義がうまくいって満開の花が咲いたイメージ

今回は第5章3.3.3 要件定義 についてご説明させていただきます。

ここは、事務作業が非常に必要になる部分であり、やりたいことを明確に定義しておかないと後で大変なことになりますから、手引きとしてもボリュームがあります。
要するに、「どんな仕様書を書くか」ということですね。他自治体の仕様書を参考にするのも一つですし、手引きには「別紙5 調達仕様書ひな形http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-010.pdf」がありますので、こちらを参考にするのも一つです。
 行政職の皆様にはお分かりの通り、「仕様書を作ろう」から仕事を始めていては細部に矛盾の出る仕様書になってしまいがちです。本当はここはこれがいい、それならここに関係するあそこも…と修正を重ねるのは得策ではありません。
 ですから、まず要件を定義せよ、と手引きは述べています。その要件もいろいろありますので、手引きに沿って細かく見ていきましょう。
まず、調達仕様書の構成例が示されています。これを網羅しておけば導入後困らない、という必要最低限のひな型ですね。
調達仕様書の構成例
統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P98から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf

 これだけでも、たくさん作らないといけないなあという印象ですが、更に調達仕様書については以下の内容を盛り込んだほうがあとあとスムーズだということです。
調達仕様書の記載項目

統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P98から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf

 そして、それぞれの記載内容の意図が解説されています。
①調達の背景と目的
 では、どのような課題を解決するために導入するのか、共同調達、共同利用の目的はどこにあるのか等を記載する、とあります。話し合ってきた担当者間では共有されている合意事項も、業者にはわかりません。ですから、「何をどうしたいから導入するんだ」ということを書いておくと、意図が伝わりやすく、落札後「そんなこととは思わなかった」を減らすことにつながります。

②調達に置ける方針
 なぜ「共同調達・共同利用の実現」をしたいのか、と言えば低コストでの導入を目指す、が大きなメリットとして考えられるからですよね。
 そのために、前提条件として「クラウド型のシステム導入を前提とする」「Web方式にて動作するシステム」「パッケージシステムとしての導入を前提とし原則としてカスタマイズは行わない」等があるなら、それを明確に記載しておく必要があります。
 また、「教育情報アプリケーションユニット標準仕様」に完全準拠したパッケージ製品は、将来的なシステム更改時に別の統合型校務支援システムパッケージ製品への移行がスムーズになる等のメリットが考えられます。
 苦労して導入した校務支援システムを変更することがあるのか、という印象をお持ちかもしれませんが、製品によってメリット・デメリットがありますから、時代が変わればメリットも変わり、校務支援システムの製品を変更したほうがより学校のためになる、という状況が発生することも考えられます。
 将来、今授業支援システムが担っている児童生徒のポートフォリオをセキュリティ上安全に校務支援システムのデータとあわせて、簡単に一元管理できるシステムが出てくるかもしれません。その場合はそちらを導入したほうがより子どもたちのため、学校のためになりますね。

③調達対象範囲
 については、調達機器の明細を見ればわかるだろう、とも思いがちですが、できるだけ「読む側に負荷を与えない」仕様書を作成することによって、「こんなはずじゃなかった」の発生を抑えられるため、明確に定義しておくことはお勧めです。

④契約期間・想定スケジュール
 こちらも、話し合ってきた人の間では合意事項で当然のことなのですが、「契約期間=導入期間」ではありませんから、いつまでに全校一斉導入するということを明確に打ち出しておくと行き違いがありません。

⑤業務の要件
 「対象業務の範囲」「ユーザーの規模及び場所」「管理すべき指標」の記載を行っておくとスムーズです。例えば、全県導入なら「県立高校全何校、市町村立高校全何校……」というように、明確に記載しておくと困りません。なぜなら、自治体のサイトを見て「よし、公立高校は○校だな」と思っても「県立の○○校が市内にあり、特別に参加する」や、「○○分校は今は休校状態だけれどサイトには掲載されていて、でもそこはいつか復活する予定があるからライセンスの範囲に含めておかなければならない」というような自治体の事情は、業者にとって短い期間で調べきれない場合があるからです。
 それくらい調べろ、と思われるかもしれませんが、そこに労力を割いてもらうより、もっと調達コストを安くする提案を考えてもらうほうが得策ではないかと思います。

⑥システムの要件
 「機能」「帳票」「情報・データ」「外部インターフェイス」から構成される「機能要件」と、「非機能要件」を記載します。詳細は手引きのこの続きにありますので、またそこでお話しします。

⑦役務の要件
 研修や運用、保守業務だけではなく、 プロジェクトマネジメントに求める要件等を明確に記載しておくことを、私も強くお勧めします。記載していなければ、忙しさのあまり「教育委員会担当者と合意をする」ということすら怠って物事が進んでいく場合があります。
 また、共同調達だと大きなプロジェクトですので、今までやったことがありません、サポートもいません、という人がプロジェクトマネジメントを行うと困りますよね。業者としてはそのほうが安く入札できるわけですから、入札を有利にするために削れるところは削ってくるので、後から「こんなはずじゃなかった」が発生する可能性が高まってしまうわけです。
 作業実施体制に求める要件、定例報告会議の頻度や実施方法等に関する要件を記載しておくと安心ですね。具体的な記載例は「別紙5 調達仕様書ひな形http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-010.pdf」にありますので、参考にしていただければと思います。

⑧納品成果物及び納入場所
 こちらも明確に記載をしておくと「いつまでたっても完成図書が送られてこない」という状況を防ぐことが出来ます。「研修に使用したマニュアルのデータは会社の資産なので編集できる形式では渡せません」だと困る場合は、それも記載しておく必要がありますね。
 こちらの思うことを相手は実現してくれる、といういい関係の業者は総じてコストがかかるため、入札では不利になりがちです。やってほしいことは明確に記載しておく必要があります。

⑨事業者に求める要件
 事業者に望む経験や能力等について記載します。「文教全く初めてですが頑張ります!」ではたぶんうまくいかない可能性が高いわけです。ですから、「どのような経験を必要としているか」「どのような資格を必要としているか」を明記しておく必要があります。また、大規模な案件は何社もの企業体で事業を行うことも多いですが、プロジェクトマネージャーはいったいどこの会社が行うか、というのも設定しておくとよいでしょう。元請け・下請けの力関係は行政職から見て想像以上です。下請けのプロジェクトマネージャーにいくら注文しても、元請けが動かなければ調達のスピードが遅い、などという事態を避ける必要がありますね。
 また、「文教初めてです」は本当にこまるわけです。期間の区切られた中で、「会社同士の話と学校相手の話は同じ単語を使っていても全然違うことがある」「お金に対する概念が全く違う」の理解から始めなければならないというのはお互いに不幸です。強力にサポートしてくれる文教で仕事をしてきた会社や人がいない限り、難しいので、それも明確に定義しておく必要がありますね。

 
 

 次回は第2部第5章の続き、調達対象範囲についてご説明させていただければと思います。

 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

一つ一つ着実に実行していくための事例が紹介されています

投稿日 | カテゴリー: 統合型校務支援システム導入のための手引き |

皆さんこんにちは

働き方改革で話題の「統合型校務支援システムの導入のための手引き」についてご説明をさせていただきます。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1408684.htm
スケジュールを立てたほうがいいよというイメージ

今回は第5章3.2 スケジュール策定 についてご説明させていただきます。

まず、導入パターンの検討が一番にあげられています。校務支援システムというと、1番に考えられるのが全校一斉導入ですがそれ以外にも、各市町村の状況に応じて段階的に導入したり、モデル校運用後の導入というパターンが考えられます。
 それぞれのメリット・デメリットについて手引きでは以下のようにまとめられています。
201902komu04

統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P94から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf

 先進的な取り組みを行ってきたところのそれぞれのメリットとデメリットが具体的に挙げられていてかなり想像がしやすくなりますね。ご自分の自治体ではどのあたりに気を付ければよいかということを考えて、共同調達の話し合いを進めていっていただければと思います。
 パターンが決まったら、続いては各プロセスの期間を定めて、導入の全体スケジュールを策定することとなります。
 代表的なプロセスとして、要件定義期間(仕様の検討期間)、調達期間、システムの構築期間等とあげられています。
 それぞれ十分な時間を取ることが必要ですが、予算との兼ね合いもありますし自治体毎の事情もありますから、どこが最善か、ということをよく話し合う必要がありますね。福井県と鳥取県の事例があげられています。
福井県の事例

統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P95から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf

鳥取県の事例その1

201902komu07鳥取県の事例その2

統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P96、P97から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf
 具体的に、どのようなプロセスにどれだけかけたか見えるとわかりやすいですね。福井県は検討期間が非常に長く、そこで様々な調整がなされたのだろうと想像ができます。鳥取県はより詳細な具体例が上がっていますが、こんなスピードでできたんだ、というのが感想です。リーダーシップを取るところがしっかりして、きちんとプロセスを経て導入されたのだろうなと思います。

 
 

 次回は第2部第5章の続き、要件定義についてご説明させていただければと思います。

 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

校務支援システムを導入する計画策定は重要です

投稿日 | カテゴリー: 統合型校務支援システム導入のための手引き |

皆さんこんにちは

働き方改革で話題の「統合型校務支援システムの導入のための手引き」についてご説明をさせていただきます。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1408684.htm
計画策定のイメージ

今回は第5章3 計画策定 についてご説明させていただきます。

 何事も、きちんと計画を立て、それをアウトプットして関係者が全員同じ計画を頭の中に持っておきつつ議論をしないと、進むものも進みませんね。「え、この機能の回答は来月までじゃなかったの」ということが起きると、共同調達という性格上、計画が頓挫しかねる事態になりかねません。
 そのため、推進組織、体制の整備については手引きでも強調されています。
 先行事例では、企画構想段階の検討体制を引き継ぎながら、メンバーを増員して体制を強化している自治体もあるとのことです。
 様々な組織構成が考えられますが、手引きでは「参加自治体での協議・合意形成を行う組織」「推進組織(事務局)」「学校現場の要求収集・とりまとめを行う組織」が必要とあります。参加自治体全体の意見が反映される体制にすることも大事だとあります。共同で行うのですからどこかに丸投げはおかしいですし、どこかが強引に自分の要求を押し通すもダメですね。組織的にお互い譲りつつ、譲れないところを尊重しつつ、進めていければいいと思います。
 推進組織、体制の例が手引きには掲載されています。
推進組織・体制の例

統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P90から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf

具体的事例として和歌山県が紹介されています。組織体制図が明らかになるとイメージがしやすいですね。
協議会の体制 和歌山県

統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P91から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf
 鳥取県の事例は、各市町村の意見が確実に反映される、ということを明確に示しています。体制としてこのような形ですので、希望事項がどのように反映されていくのか、現場にもわかりやすいですね。
協議会の体制 鳥取県

統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P92から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf

 前例のない仕事というのはとてもエネルギーが必要ですね。ですが、現場の先生方が少しでも時間が楽になり、その分子どもたちへの教育に頭を振り向けていただけるなら、それだけご自分の自治体の未来が明るくなると考えられます。私の故郷も消滅するのではないかと世間的には見られていますが、子どもを育てやすくすること、教育に投資を行っていることのおかげで、「あそこの町は子どもにいい」と評判になり、人口を維持できています。(増加は難しいですね)

 前例のない仕事なので、できれば成功に導きたいわけですが、その推進組織・体制を整備する際に、以下の3点が非常に重要であると手引きでは述べられています。

  • 1 事務局の立ち上げ
  • 2 知事部局の関与
  • 3 導入後の体制維持

 物事を進めようとすると、口頭での説明だけでは不十分で、資料等の作成や調査が必要になりますね。その際に、「事務局」が主としてそれを担うわけですが、内外のリソースを活用することが有効だとあります。
 また、知事部局、特に情報システム部門には必ず協力してもらわなければなりません。情報システムの調達は物品の調達と違う難しさがあるということは、これを読まれている自治体の方は骨身にしみていらっしゃるでしょう。全県、となるとものすごい規模です。契約した後「仕様にありませんでした」では推進できません。
 検討を進める段階で、必ず確認しておくようにする必要があります。例えば、事務局的には「こんなこと確認するまでもないだろう」と思うようなことでも、情報システムに関連するものはいちいち確認しておいたほうがいいです。校務支援システムによってはjavaスクリプトのバージョンいくつからいくつの間でないと動かない機能があることがあります。その場合、使っているOSのバージョン、ブラウザ等考慮しなければならないことが一気に増えます。これらは知事部局の情報システム部門では思いつく可能性がありますが、通常なかなか思いつきません。そのため、情報システムとしての視点でも知事部局の関与が重要になるわけです。

 

 次回は第2部第5章の続き、スケジュール策定についてご説明させていただければと思います。

 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

校務支援システム共同調達・共同利用の注意点がまとめられています

投稿日 | カテゴリー: 統合型校務支援システム導入のための手引き |

皆さんこんにちは

働き方改革で話題の「統合型校務支援システムの導入のための手引き」についてご説明をさせていただきます。
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メリットもデメリットもあるイメージ

今回は第4章3.3共同調達・共同利用を検討する際の留意点 第5章1 共同調達・共同利用の流れ5章2 企画構想 についてご説明させていただきます。

先回はメリットをご説明いたしましたが、今回はまず留意点です。
筆頭にあげられているのは、「個々の自治体の要望に応じたカスタマイズを抑制する」です。特に通知表にはこだわりのある学校も多いのですが、それらをすべてカスタマイズするとなると膨大な費用がかかります。また、保護者の立場として言わせていただければ、他校と通知表が同じだと、自治体内どこの学校に行っても同じように平等に評価してもらっているんだなという安心感があります。
現行業務をどこまでパッケージに合わせていけるか、というところが費用面(自治体のメリット)異動先でも同じシステム(先生のメリット)自治体内共通の帳票による平等化(児童生徒のメリット)を享受するために必要なところです。
続いては高等学校等が利用する統合型校務支援システムの調達です。都道府県単位で導入する場合、一つのパッケージで小学校から高等学校までをカバーしている、とは限らないため、どのような学校に対して導入実績があるのかを確認の上で共同利用の範囲を検討する必要がある、ということです。

続いては、共同調達、共同利用の流れですが、手引きでは都道府県が主導するものについての説明となっているということです。もちろん、複数の自治体での共同調達や、単独の調達にも役立ちますので是非ご確認ください。
大きな流れとしては5つの手順があげられています。
共同利用・共同調達の流れ

統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P80から引用

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf

それぞれの一連の流れで取り組むべき内容、ポイントをまとめたのがP81の図になります。導入の際にはここをご確認いただいて、まずご自分のわからないもの、あるいはわかっているけど確認したいもの等ポイントを絞ってみていただければ、一度にたくさんの情報を処理する必要もなく少しずつ読み進めていただけるかと思います。

それではまず、企画構想の部分です。
一番重要なのは検討体制の整備と土壌作りですね。ここがぐらぐらしていると、「だから言わんこっちゃない」と共同調達が決裂するどころか自治体間の関係性にまで影響が出てしまう可能性があります。
そのため、

  • 1 既存の協議会や一部事務組合、広域連合等の検討組織を活用する場合
  • 2 新たに体制を構築する

のどちらかの体制を考えることになるかと思います。どちらを選んでも、知事部局の情報システム部門には当初から協力を求めることが非常に重要になる、とあります。
 「教育委員会だけで」話すのではなく、知事部局、首長部局の情報システム部門を巻き込むことで、例えばセキュリティポリシーに関して改訂が必要な理由をわかってもらいやすくなったり、どのようにすればネットワーク的に費用を抑えつつ連携できるか等のメリットが考えられます。情報システム部門も、後から聞くより最初から話を知っているほうが仕事がしやすいことはご理解いただいているかと察しますので、積極的に組織の中に入ってもらっていただければと思います。

先行自治体がどのような景気で共同調達・共同利用を検討し始めたか、という内容が紹介されていますので、それらの事例を基にして考えてみるとよいのではと思います。
共同利用等のポイント

統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P83から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf

 そして、手引きでは「参加自治体の主体的な参加」が非常に重要であると述べられています。例えばパッケージに業務を合わせていくことについて、抵抗がある自治体もあるでしょう。人口規模や財政規模も違うため、どのようにするのが平等といえるのかなかなか合意が難しいことがあるかもしれません。話し合いを重ねて、合意を得ていくことで大きなメリットがもたらされることを理解してもらうよう進めていく必要がある、とあります。
 ですので、域内の市区町村がどのような状況にあるのか、調査を行って現状を整理するということが必要になってくるでしょう。手引きには県が主導して市区町村に対する調査の観点例が掲載されています。
調査事例

統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P84から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf

 必要に応じて各市区町村に個別に聞き取りを実施することも有効、とあります。意識を調査し、その情報を基に今後の流れを検討していく必要があります。これらの情報を基に、まずは校務支援システムのパッケージベンダ(システムを作っている会社)から情報収集を行っていくとスムーズだとあります。
 特に、各市町村が要望している機能をその校務支援システムが備えているかどうか、というのは重要です。これだけは絶対に欲しい、という機能が案外「小学校だけ」に装備されていたり、なかったり、ということもありますのでよく調べてください。P85には調査例が載っていますので参考になさってください。
ベンダに対する調査

統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P85から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf

 調査が進めば、だいたいやりたいことを実現できる校務支援システムが見えてきます。ただ、勉強会や打合せ時にデモンストレーションを行って実際に確認をすることが重要です。文字から想像するものと実物が違う、ということはよくあることですね。
 このように参加自治体で意識を醸成していくことが重要だとあります。

 次に、ビジョン(基本コンセプト)を決める段階に入りますが、これは参加自治体が「共同調達・共同利用への参加は意義がある」と思えるビジョンにすることが重要です。
 各自治体が財政担当等に説明する際にも説得力ある説明が可能となり、理解を得られやすくなります。
 鳥取県、福井県の例が挙げられていますのでご確認ください。
鳥取県の基本コンセプト
統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P87から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf
福井県の基本コンセプト
統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第5章P88から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf

そのうえで、ビジョンに基づいて関係者に丁寧な説明を行い、共同調達・共同利用の検討を進める自治体間の合意を得ることが必要だ、とあります。この構想の決定に向けては、教育委員会と知事部局の情報システム担当が強調したうえで、財政担当者とも十分な意見交換を行ったうえで進めることが必要だと強調されています。
 共同するためには教育委員会単独では非常に難しい、ということですね。少なくとも知事部局の情報システム担当の協力がなければ、財政担当者の質問にもなかなか答えられない面も出てきます。
 これを機に、情報システム担当との関係も深まれば、校務支援システムだけではなく、今後の学校の無線LAN整備等様々な場面で協力を得られることも考えられますね。

 

 次回は第2部第5章の続き、計画策定についてご説明させていただければと思います。

 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

共同調達、共同利用におけるメリットのご紹介

投稿日 | カテゴリー: 統合型校務支援システム導入のための手引き |

皆さんこんにちは

働き方改革で話題の「統合型校務支援システムの導入のための手引き」についてご説明をさせていただきます。
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共同調達のイメージ

今回は第4章1共同調達・共同利用推進の背景と4章2共同調達・共同利用における先行事例 、4章3 共同調達・強度利用による効果についてご説明いたします。

まず、共同調達や共同利用推進の背景として、統合型校務支援システムの導入状況が示されています。
校務支援システムの導入状況

統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第4章P68から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf
「導入したいが予算がない」「事務体制がない」という2つの理由で、導入が進まないとされています。
小さな自治体では予算の確保も難しいですし、調達のための事務処理も大変、導入後の運用に割ける人手も足りない、という状況は全国で発生していると考えられます。

 そこで、複数の自治体で共同して統合型校務支援システムを調達・利用する有効性が紹介されています。統合型校務支援システムは特に都道府県が中心となって共同利用することによるメリットが大きいことから、都道府県による推進が期待されている、とあります。
現場の声も「教職員が転勤しても同じシステムを利用可能」「市区町村単位での調達は予算・体制的に無理」等都道府県による調達を期待しているものが上がっています。
有効かどうかの理由

統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第4章P69から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf
 国も、共同調達・共同利用の推進へと動きを進めています。
 例えば、第3期教育振興基本計画に謳われていたり、統合型校務支援システム導入実証研究事業の予算が組まれ、実証が行われていることが紹介されています。

 となれば、先行事例が気になりますよね。どこか実際に導入され、実施されているのか、実施されているのならば具体的なメリットや課題が知りたいものです。
 71ページからはその先行事例が紹介されています。
先行事例

統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第4章P71から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf
 小中高と同じシステムなのか、違うシステムなのか、あるいは県単位ではなく近隣単位なのかどうか等様々な先行事例があることがわかります。

 これらの先行事例より、大きなメリットが2点見えてきます。

  • ・コスト削減効果
  • ・引継ぎおよび情報の共有による負担軽減効果

 このうち、コスト削減については単純に考えても「割り勘」ですから、コストを抑えられそうですね。
調達時にはハードウェア、ソフトウェア、導入作業費等を話し合いによって負担割合を決めて負担し、運用時には運用・保守、維持管理等にかかる作業費用の削減を考えられます。
 この時、「同じものを皆で購入する」という意識が重要であると手引きにはあります。帳票等をできるだけ統一し、同じものをつかうことでより割り勘が効果的になります。帳票のカスタマイズ費用は非常にかかりますから、コスト削減を考えるなら思い切って帳票の見直しも図ったほうが良いとのことですね。
 また、改修が発生した場合でも、個々のシステムに改修を加えるのではなく、共同で利用している一つのシステムを改修すればよいので、自治体の数×改修費用、という計算は成り立たないという理屈にもなります。
 システム管理者もそれぞれの自治体で配置するのではなく、代表して、という風に考えることができれば管理コストの削減にもつながります。
 このように、共同だからこそ得られるコスト削減効果は非常に魅力的ですね。
 もう一点の引継ぎおよび情報の共有による負担軽減効果については、多くの例示がされています。
負担軽減効果例

統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第4章P74から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf
 いろいろな校務支援システムがありますから、異動のたびに一から操作を覚えなおすというのは大変です。その点、県内の校務支援システムが統一されていれば、操作を覚えなおす負担の軽減が図れますね。
 更に、転出入処理の際の児童生徒情報の引継ぎや、小学校から中学校への進学時の引継ぎ、高校も同じシステムを利用していれば引継ぎができますね。
 また、教育委員会と学校の間の情報の受け渡しが容易になり、事務処理負担が軽減される、ということについては非常に深く頷けるところです。

 教育委員会と学校の間の情報のやり取りは非常に頻繁に行われます。国からの通知文、県からの通知文、調査の回答等統合型校務支援システムのグループウェア等の機能を利用することができれば、容易に情報共有できますね。私のご支援している自治体では、校務支援システムの導入以前は、県教委からのインターネットメールを市教委が受信、データを庁内ネットワークに移動して決裁を通してからまたインターネットメールで市内学校に送信し、市内学校では印刷して回覧……と非常に工数がかかる事務処理が行われていました。校務支援システム導入後は、スムーズに情報のやり取りを行われています。

 このようなメリットを考えると、「都道府県単位で教育の質の向上」が図られる、といえると手引きでは述べています。児童生徒情報の引継ぎ等がスムーズに行われるようになれば、子どもたちの環境も整えやすくなるでしょう。例えば、配慮の必要な子どもに対し、どのような指導が行われ、どのような配慮がなされたか、情報を引き継いでいくことができれば、校種が変わっても安心ですね。
 と、このようにメリットばかりを今回お知らせしましたが、もちろん留意点も発生します。
 次回は第2部第4章の続き、留意点についてご説明させていただければと思います。

 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

統合型校務支援システム導入時の留意事項は先人の知恵満載です

投稿日 | カテゴリー: 統合型校務支援システム導入のための手引き |

皆さんこんにちは

プログラミング教育の手引きで中断しておりましたが、今回からは働き方改革で話題の「統合型校務支援システムの導入のための手引き」についてご説明をさせていただきます。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1408684.htm

少しずつの積み重ねが大きな力になるイメージ

今回は第3章 統合型校務支援システムの導入時の留意事項と課題についてご説明いたします。

まず冒頭に述べられているのは、「規則等の改正」です。指導要録等を電子化するにあたり、各種規則を改正する必要が出る自治体がほとんどだと思います。
大阪市の例が述べられています。
大阪市の例
統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第3章P60から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf

これに伴い、学校情報セキュリティポリシーの策定や改正も必要になってきます。今まで紙で保存していた文書を電子で取り扱うとなると、「外部記録媒体へ書き込む場合の決まり」等細かいところを詰める必要がありますね。
教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインhttp://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/10/18/1397369.pdf とのかかわりについては後ほど出てくるので是非参考にしていただければと思います。

 次に「個人情報保護審議会」への対応があげられています。児童生徒の個人情報をシステムで扱うこととなりますので、個人情報をシステムで扱うことが、各自治体で定める個人情報の保護に関する条例のコンピュータ処理に関連する条項に該当するため、各自治体の個人情報保護審議会に個人情報をシステムで扱うことにより児童生徒の権利利益を侵害する恐れがないかについて諮問し、認められる必要がある、とあります。
知らなかった、では済まされないものになりますので、この手順は必ず踏んでおく必要があります。
まず、審議会で説明する内容が表にまとめられています。
審議会で話す内容

統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第3章P62から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf

 審議会の委員は、「校務支援システム」について深く理解している人ばかりとは限りません。わかりやすく説明するために、項目をよく検討して、疑問点には答えられるようにしておく必要があります。
 また、その審議のポイントとしては

  • ・なぜ個人情報を扱う必要があるのか
  • ・扱う上での対策は万全か

 に答えられる必要があります。
 コンピュータ処理についての記載としては以下のものがあげられています。安全対策は特に念入りに説明をする必要がありますね。
コンピュータに関する記載

統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第3章P63から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf

教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインとの関係性については、
 サーバー等の設置、保守管理、配線や電源等による物理的対策
 教職員等が情報資産を適切に使用するための人的対策
についても言及がありますが、この手引きで特に取り上げられているのは技術的対策としての

  • ・学校が保有する機微情報に対するセキュリティ強化
  • ・学校単位で機微情報を管理するリスクの低減
  • ・教職員による人的な機微情報漏洩リスクの最小化

です。
鳥取県の対応事例が例として載っているので参考にしていただければと思います。
鳥取県の事例
統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き 第3章P64から引用
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/30/1408684-003.pdf

 最後に統合型校務支援システムに関する全般的な課題と今後に向けて、ということで現状の大きな課題が2つ挙げられています。

  • ・すべての統合型校務支援システムが必ずしも「使いやすい、操作がしやすい」ものとなっているわけではない
  • ・教職員の出退勤管理や給食費徴収管理などについて、統合型校務支援システムではなく他のシステムを併用している事例があるため、今後はこれらのシステムに加え、学習系のシステム、高校のシステムとの連携なども視野に入れた「統合」が期待される

 ということです。システム化、というとすべてのものを1つの統合型校務支援システムでできることが理想だと思いますが、現状なかなかその通りにはいっていないということが読み取れますね。自治体によって「校務」として取り扱う範囲が違い、そのまま汎用システムを当てはめることができないという状態になっているわけです。
 そのため、積極的に現場の意見をあちらこちらに伝える必要があります。導入後の要望は、予算がつかずに実現されないかもしれませんが、伝え続けることが重要です。「言っても変わらない」というのは一面の真実ではありますが、言わなければ伝わらないので、変わることもありません。
 今の統合型校務支援システムはずいぶん使いやすいものが出てくるようになりました。それは、先人たちの要望を業者が実現するために努力してきたからだと思います。
 できること、できないことはもちろんありますが、現場の意見がより良いシステムを作ることは間違いありません。

 ここまでで第1部が終了となります。
 第2部は、共同調達、共同利用等を実施する場合の説明となっています。


 
 次回は第2部第4章をご説明させていただければと思います。

 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

先生だけのお力ではなく、チーム学校のいろいろな大人がご支援できる仕組みが必要です

投稿日 | カテゴリー: 小学校プログラミング教育の手引き |

皆さんこんにちは

 小学校プログラミング教育の手引き第二版が公開されました。円滑なプログラミング教育の実施の推進のために作成された資料です。第一版については4月9日から6月11日にかけて、カテゴリー「小学校プログラミング教育の手引き」にてご説明をさせていただきました。https://ict-help.jp/hbi/category/%e5%b0%8f%e5%ad%a6%e6%a0%a1%e3%83%97%e3%83%ad%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%9f%e3%83%b3%e3%82%b0%e6%95%99%e8%82%b2%e3%81%ae%e6%89%8b%e5%bc%95%e3%81%8d/ 11月6日に第2版が公開されましたので、再度ご説明をさせていただければと思います。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1403162.htm

プログラミング的思考をもって飛躍する様子

今回は、「第四章」と「Q&A」の主な改訂場所を中心にご説明させていただきます。
主な改訂場所については、http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/11/06/1403162_03_1.pdf こちらに掲載されています。

第4章は、先生だけではなく広義の「チーム学校」として、どのようにプログラミング教育を推進していくかのアイディアが紹介されています。企業・団体や地域等との連携ということで、

  • 1 企業等との連携
  • 2 企業等の社会貢献プログラムへの参加
  • 3 ICT支援員等の活用
  • 4 市民ボランティア等の活用
  • 5 大学等との連携
  • 6 NPO等との連携
  • 7 学校放送番組の活用

があげられています。
 改訂箇所はICT支援員の働いている人数だということでしたが、平成28年度末では約2500名、平成29年度末では約2800人と増加している分が反映されています。
 支援員が学校に行く人数が増えればそれだけ先生のご負担も減っているということが考えられるため、もっとどんどん増えてほしいものです。

 ところで、企業・団体、地域等との連携を考えるときに、一番必要なことは、第一版の説明でも申し上げた通り、コーディネーターの役割を誰かが行うということです。
 学校と、企業とでは文化や風土、考え方が全く異なります。市民や団体も同様です。
 お互い、相手と自分のどこが違う、ということについて認識する時間が足りないため、同じ単語が違う意味を持つ、と気づくのが授業本番であるということも起こりがちです。
 また、企業や大学の場合、アシスタントをたくさん連れてくることも可能ですね。市民ボランティアもたくさん動員することが可能かもしれません。そこで行われるプログラミング教育を、担任の先生一人で実行するのは難しいと感じることもあるでしょう。
 アシスタントがたくさんいる場合のプログラミング教育は「子どもの自由な発想を妨げない」を主眼として行うことが可能です。ですが、それと全く同じ授業を担任の先生一人で行うことはほぼ不可能ですね。そのため、例えば大学と連携して授業を行うのであれば「大学の先生の言う通り」というスタンスではなく「担任1人でもできるような授業」という風に、ご相談いただくのが良いのかなと思います。
特に教員養成系の大学では、学校の先生出身の先生がおみえになったりしますので、きっとその思いをくみ取ってくださることだと思います。

 Q&AではQ1の解答がより詳細となり、Q2でA分類、B分類、C分類の違いが説明されている点が変更点となります。
 Q1はA~C分類の学習活動を様々な場面で取り入れながら、という、よりイメージしやすい文言となりました。様々な学習活動で取り入れられることはもちろん可能ですが、イメージが沸かないと難しいですね。
 それに合わせて、A、B、C分類とはそもそも、という説明がQ2に入っています。

 学習指導要領に例示されているのがA分類、例示はされていないが学習指導要領の各教科の指導内容に含まれるものがB分類、C分類は、

 プログラミング的思考を育む

 プログラムの働きや良さ、情報社会がコンピュータ等の情報技術によって支えられていることなどに気づくことができるようにしうるとともにコンピュータ等を上手に活用して身近な問題を解決したり、よりよい社会を築いたりしようとする態度を育む

 という態度の育成のための時間と説明されています。
 そのため、導入初年度は何度も申し上げている通りC分類の授業が多めになることが考えられますが、それを活かして小学校6年間で身に付けさせたい技能を整理したり、段階を踏んでいくことを考えるといいですね。1年生でスクラッチを超操れるようになる必要はないです。ではどこまで、と考えたときに、「この授業を実現させたいから動く基本だけ」という風に考えるといいのではないでしょうか。

 このような形で、だんだん近づいてくる2020年の小学校プログラミング教育必修化に向けて、様々な取り組みがなされていますね。弊社も先生とお話をしながら、よりよいご支援ができるよう頑張っていきます。

 

 何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。