-校務支援システムの導入を考える 校務支援システムと調査書-

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 こんにちは、支援員Sです。うだるような暑さが続いています。年齢性別問わず、熱中症対策が必須ですね…。学校様におかれましては、夏季休業期間であり、先生がたにおかれましては、様々な研修がある期間かと思います。校務支援システムの研修では、8月ごろに中学校様の調査書(進路関係帳票)作成の研修が開かれる傾向があります。
さて、今回は校務支援システムと調査書についてお話ししたいと思います。

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「せっかく校務支援システムを導入し、通知表や指導要録の成績処理を行うなら、調査書を校務支援システムから出力できるようにしたい」そういったお声を耳にします。校務支援システムで観点別評価や評定を算出している自治体様なら、なおさら、1つのシステムでできた方がいいというお考えになると思います。
しかし、調査書を校務支援システムで出力していくには難しい問題があります。それは地域によって調査書の様式がバラバラであるということです。指導要録の様式以上にバラバラです。

【よくある例】
私自身いくつかの自治体様の様式を拝見したことがございますが、指導要録以上に調査書の様式は様々です。例えば以下のような違いがありました。

○3年次の学習の記録(観点別評価、評定)の算出期間

  • ・1学期~2学期(前期~後期前半)を合算して、観点別評価、評定を記載する
  • ・進学先の高校(国立・公立・私立)の種類に応じて、「1学期~3学期前半」を合算して観点別評価、評定を記載する
  • ・1学期~2学期(前期~後期前半)を合算して、評定のみ記載する

○過去年度の学習の記録(観点別評価、評定)

  • ・2年次の指導要録に記載した観点別評価、評定を記載する
  • ・1年次、2年次の評定のみ記載する

○所見

  • ・3年次の行動の記録を記載する、もしくは記載しない
  • ・特別活動の記録(○での評価)を記載する、もしくは記載しない
  • ・総合的な学習の時間の記録は、2年次と3年次の学習活動と評価を記載する、1年次、2年次は学習活動、3年次は評価を記載する、もしくは記載しない

○出欠の記録

  • ・1年次~3年次の欠席日数のみ記載する(20日以上の欠席がある場合、理由を記載する)
  • ・1年次~3年次の授業日数と欠席日数、欠席の主な理由を記載する
  • ・記載しない

上記の例はほんの一部ですが、これだけ地域差があると、校務支援システムのパッケージ商品では対応が難しく、製品のカスタマイズが必要となる場合があります。
さらに難しいのが、一度カスタマイズしてその後様式が変わらないかというと、様式の変更が指導要録と比べて頻繁に起こりえます。なぜなら、調査書は「高校側の書類」だからです。校務支援システムを導入している中学校側が「今の様式のままがいいな…」と思っても、高校側が「拒否」する場合、様式を変えざるを得ません。その場合、様式が変わるごとにカスタマイズが生じることになります。国立高校、公立高校の様式もさることながら、私立高校の様式はもっと頻繁に変更が生じます。学部の新設や廃止も多く、毎年対応に追われることもあります。

校務支援システムで調査書を出力するかどうかは慎重な検討が必要になります。まず、自治体様の地域に応じて、お使いの校務支援システムでの調査書の対応が可能なのか、どのような項目を出力する必要があるかを洗い出すことが必須でしょう。そして、対応が可能かをメーカーや導入業者と協力して検討する必要があります。自治体様によっては、進路関係帳票出力用に別のシステムを使い、進路関係帳票出力用のシステムに流し込む成績を校務支援システムから出力するというシステム同士の連携プレーで運用していることもあります。
調査書などの進路関係帳票は本当に大切な処理です。子どもたちの進路、未来に関わります。だからこそ、十分な準備や協議が必要となります。

8月ごろに校務支援システム上の進路関係帳票処理の研修会を実施されている自治体様も多いかと思います。この時期、どうしたら進路関係の処理負担を減らしつつ、ミスなく、滞りなく高校進学の対応ができるのか、頭を抱えておられる先生を目にします。
校務支援システム導入というのは、運用や帳票の統一化を抜きには語れません。調査書などの進路関係帳票の対応に効率化を求める場合、全国規模で調査書の統一化を検討しなければならないでしょう。もっと大きな規模で考えていかなければならない問題ですが、なかなか切り込めない問題であることも確かです…。

長くなってきましたね、読むのが疲れたころかと思います。第5回目のお話しはここまでとしましょう。次回の第6回目では、「転出入と出席簿」をお届けしようと思います(なお、表題は思いつきなので、変更となる場合があります。ご承知おきくださいませ)。

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このような形で今後も月1回お届けしようと思います。行政職の皆さまには校務支援システムの導入と活用の様子について知っていただくきっかけになればと思っております。ご意見、ご質問等をどうぞよろしくお願いいたします。