教育委員会と現場の連携をうまくいかせるために

皆さんこんにちは

 「次世代の教育情報化推進事業「情報教育の推進等に関する調査研究」成果報告書」http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1400796.htm の1つである
情報活用能力を育成するためのカリキュラム・マネジメントの在り方と授業デザイン-平成29年度 情報教育推進校(IE-School)の取組より-http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/06/11/1400884_1_1.pdf についてご説明させていただきます。

寄り添う支援のイメージ

本日は 第3章 第4節 8教育委員会との連携のご説明をいたします
草津市https://www.city.kusatsu.shiga.jp/の取り組みから紹介されています。

各校におけるカリキュラム・マネジメントを行う上で克服すべき課題・現状として

  • ・新学習指導要領の指針や国の最新動向に即して教育課程を作成すること
  • ・新学習指導要領から新規に登場する教科・教育内容については知見が乏しいこと
  • ・カリキュラム・マネジメントの実施者は全教員であるが、校内における教員間の見解の相違や経験や能力の差がみられること
  • ・校内においてカリキュラム・マネジメントを推進するリーダー(ミドルリーダー)の存在が不可欠であること

があげられています。
 これらについて1校1校独自に行っていては、多忙な先生方をさらに多忙にすることになりますね。よって、課題を解決し、円滑なカリキュラム・マネジメントを行うために、学校と教育委員会の連携や指導助言が必要になるわけです。

 

 草津市教育委員会が学校に行った働きかけは以下の5つということです。

  • 1 リーダーを養成する研修の実施
  • 2 最新情報の提供
  • 3 校内研修会への参加・指導助言
  • 4 各種ひな形の提示
  • 5 講師の紹介・招聘

 これらを見ると、1校ですべて行うことは本当に難しいことですが、市内でこのリソースを共有できる仕組みを作れば学校にとってこれほど心強いことはないですね。
草津市では
1、2について 教務主任・校内研究主任等を対象とした「学力向上マネジメント会議」を実施したとのことです。内容は、全国学力・学習状況調査の分析・評価の方法、分析結果に応じた具体的取組の計画・実施、校内研究のマネジメント方法などで、講義や演習形式で行ったとあります。
集合研修では、担当者間の交流や、他の担当への指導助言を聞く機会等でより多くの効果が得られます。忙しい合間を縫っての研修ですから、集合する意義を存分に活かして行われていることが素晴らしいですね。
以下は学力向上マネジメント会議についてまとめられたものになります。

学力向上マネジメント会議

情報活用能力を育成するためのカリキュラム・マネジメントの在り方と授業デザイン-平成29年度 情報教育推進校(IE-School)の取組より-http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/06/11/1400884_1_1.pdf 
P99より引用

 そのほか、「タブレット活用推進リーダー研修会」が行われ、毎年受講する人員を変えることで、校内のICT活用に関わるリーダーを数多く養成し、授業改善、学力向上にICT機器の利活用は不可欠であるという意識の浸透にも役立っていると感じました。
以下は「タブレット活用推進リーダー研修会」が発展した「教育情報化リーダー養成研修」についての資料です。

教育情報化リーダー養成研修
教育情報化リーダーを核とした教員研修体制

情報活用能力を育成するためのカリキュラム・マネジメントの在り方と授業デザイン-平成29年度 情報教育推進校(IE-School)の取組より-http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/06/11/1400884_1_1.pdf 
P100、101より引用

 3については、校内研究会の指導助言だけではなく、積極的に授業構想や指導案作成の段階からかかわり、市として目指す方向性に応じた授業が実施できるよう働きかけたとあります。いくら文書で通知を行っても、思いはなかなか伝わらないですよね。新学習指導要領の内容や、国が示す指針などについて、十分な理解・認識に至っていない教員が現状存在することを念頭に置いて、指導する内容や方法を吟味して指導助言を行うことが有効である、とあります。教育委員会内の担当者がそれらをよく理解したうえで、市の方針と合わせて直接現場の担当者と話し合い、授業を作り上げていくことでより良い効果が得られたということですね。
 4については市が一定のひな型を示し、各校で必要に応じて変更する、という方法が一番子供たちにとって良い方法であると考えます。
 草津市では、示すひな型について、枠だけではなく、想定される完成形も併せて示し、考える取っ掛かりにしやすくしています。さらに、各校の成果物の統一性も確保され、市内で統一して指導すべき事項の漏れを防ぐことも図ったとあります。特に中学校ではA小学校では実施されていたがB小学校では実施されていなかった、という生徒が混ざることが困りますね。
 また、経験の浅い教員が、カリキュラム・マネジメント実施に役立つツールとしても活用できたとのことです。
 5については教育委員会担当者がコーディネートし、研修を行ったとあります。草津市が実現したいことに対して最も良いと思われる講師を依頼し、内容を打ち合わせ、研修を実施し、振り返りを行うということを行っていたわけですね。これは私が繰り返し申し上げているところですが、現場と専門家がいきなり話してもうまくいきません。間を取り持つコーディネーターの存在で、専門家の専門性を現場に活かすことができるのです。

 様々な先行の知見を取り入れて、考える材料を増やすことができるのは、このように知見を公開してもらえるからだと思います。
何かご質問、ご意見等ございましたら是非お聞かせください。
よろしくお願い申し上げます。

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